Macを初期化して再インストールする方法|データをきれいに消して安心リセット

Mac

Macを長く使っていると

「動きが遅くなってきた」

「売る・譲る前にデータを完全に消したい」

そんなときに必要なのが初期化とOSの再インストールです。

これをやればMacは購入時のように真っさらになり、個人データや設定はきれいに消えます。

この記事では、Macを初期化してmacOSを再インストールする方法を初心者向けにわかりやすく解説します。

手順を間違えると大切なデータを失う可能性があるので、ぜひ最後まで読んで安全に実行してください。

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初期化が必要になる場面と効果

こんなときに初期化を検討

パフォーマンス関連

動作が重くなった場合

  • アプリの起動が遅い
  • ファイルのコピーに時間がかかる
  • システム全体の反応が鈍い
  • 頻繁にフリーズやクラッシュが発生

ストレージ容量の問題

  • 不要なファイルが整理しきれない
  • システムファイルが肥大化している
  • 空き容量が極端に少ない

セキュリティ・プライバシー関連

デバイスの譲渡・売却

  • 個人データを完全に消去したい
  • アカウント情報を残したくない
  • 次の使用者が安心して使えるようにしたい

マルウェアや不正アクセスの疑い

  • 原因不明の異常動作がある
  • セキュリティソフトで除去できない問題
  • 完全にクリーンな状態にしたい

システム関連

OSのアップデート失敗

  • macOSの更新が途中で止まった
  • 起動しなくなった
  • システムファイルが破損した

初期化の効果

パフォーマンス面

処理速度の改善

  • 不要なプロセスやサービスが除去される
  • システムキャッシュがクリアされる
  • ストレージの断片化が解消される

安定性の向上

  • 互換性の問題があるソフトが除去される
  • 設定ファイルの破損が修復される
  • システムリソースの利用が最適化される

セキュリティ面

完全なデータ消去

  • 個人ファイルが復元困難になる
  • パスワードやアカウント情報が削除される
  • 履歴やキャッシュが完全に消去される

事前準備:必ずやっておくべきこと

データのバックアップ

重要なファイルの特定

必ずバックアップすべきもの

  • ドキュメント(書類、表計算、プレゼン)
  • 写真・動画ファイル
  • 音楽ファイル(iTunes以外で購入したもの)
  • 設定ファイル(メール設定、ブックマークなど)
  • ライセンスキーやシリアル番号

忘れがちなデータ

  • デスクトップにあるファイル
  • ダウンロードフォルダの重要ファイル
  • ゴミ箱に入っているが必要なファイル
  • 外部ストレージに保存されていないプロジェクト

バックアップ方法

外部ストレージを使用

推奨容量:Mac内のデータ量の1.5倍以上
- 外付けHDD/SSD
- USBメモリ(小容量データのみ)
- ネットワークストレージ(NAS)

クラウドストレージ活用

  • iCloud Drive:Appleアカウントと連携、設定も保存
  • Google Drive:15GBまで無料、どのプラットフォームでもアクセス可能
  • Dropbox:ファイル同期が高速、版管理機能あり
  • OneDrive:Microsoft Office との連携が良好

Time Machineでの完全バックアップ

  1. 外付けドライブを接続
  2. システム設定 → Time Machine
  3. 「バックアップディスクを選択」
  4. 外付けドライブを選択して「ディスクを使用」
  5. 初回バックアップ完了まで待機(数時間かかることがある)

ライセンス・認証の確認

ソフトウェアのライセンス

  • Adobe Creative Cloud:アカウント情報の確認
  • Microsoft Office:プロダクトキーの保存
  • その他有料ソフト:ライセンス情報の記録

オンラインサービスの認証

  • 各種アプリの2段階認証設定
  • パスワード管理ソフトの設定
  • VPNサービスの設定情報

Apple ID・iCloudからのサインアウト

「探す」機能の無効化

重要性

  • 初期化後もデバイスがApple IDに紐付いたまま残る
  • 次の使用者がセットアップできなくなる
  • 売却・譲渡時のトラブルの原因となる

手順

  1. システム設定を開く
  2. Apple ID(一番上の自分の名前)をクリック
  3. 「探す」をクリック
  4. 「MacのFindを無効にする」をクリック
  5. Apple IDのパスワードを入力して確認

Apple IDからの完全サインアウト

手順

  1. システム設定 → Apple ID
  2. 下部の「サインアウト」をクリック
  3. iCloudデータをMacに残すかどうかを選択
    • 売却・譲渡の場合:すべてチェックを外す
    • 自分で再セットアップする場合:必要に応じて選択
  4. Apple IDのパスワードを入力
  5. 「サインアウト」をクリック

その他のアカウントサインアウト

重要なサービス

  • iTunes Store & App Store
  • メールアカウント
  • ソーシャルメディアアカウント
  • 各種クラウドサービス

周辺機器とネットワークの準備

必要な環境の確保

安定したインターネット接続

  • Wi-Fi または有線LAN接続
  • macOSのダウンロードに十分な帯域
  • 時間制限のないネットワーク環境

電源の確保

  • ACアダプターの接続(MacBook)
  • 十分なバッテリー残量(最低50%以上)
  • 作業中の停電に備えたUPS(推奨)

初期化の具体的手順

macOS復元モードの起動方法

Apple Siliconチップ(M1、M2、M3など)搭載Mac

手順

  1. Macを完全にシャットダウン
  2. 電源ボタンを約10秒間長押し
  3. 起動オプションウィンドウが表示されるまで待つ
  4. 「オプション」を選択
  5. 「続ける」をクリック
  6. ユーザーを選択してパスワードを入力

Intelチップ搭載Mac

手順

  1. Macを完全にシャットダウン
  2. 電源ボタンを押す
  3. すぐに Command + R キーを同時に押し続ける
  4. Appleロゴまたは回転する地球が表示されたらキーを離す
  5. macOSユーティリティが起動するまで待つ

他の起動オプション

インターネット復元

  • Option + Command + R:最新のmacOSをインストール
  • Shift + Option + Command + R:Macに最初に搭載されていたmacOSをインストール

外部起動ディスク

  • 事前に作成したブータブルUSBから起動
  • より高速で確実なインストールが可能

ディスクの消去(初期化)

ディスクユーティリティの起動

操作手順

  1. macOSユーティリティ画面で「ディスクユーティリティ」を選択
  2. 「続ける」をクリック
  3. ディスクユーティリティが起動するまで待つ

消去するディスクの選択

注意点

  • 物理ディスクを選択(通常は最上位の項目)
  • ボリュームではなくディスク全体を選択
  • 外付けドライブを間違って選択しないよう注意

選択方法

  1. 左側のサイドバーで「表示」メニューから「すべてのデバイスを表示」を選択
  2. 一番上の物理ディスク(通常「Apple SSD」など)を選択
  3. 内蔵ディスクであることを確認

セキュリティオプションの設定

重要性

  • 単純な削除では、専用ソフトでデータを復元される可能性
  • セキュリティオプションで上書き消去を実行
  • 機密データがある場合は必須

設定手順

  1. 「消去」ボタンをクリック
  2. 「セキュリティオプション」をクリック
  3. セキュリティレベルを選択:
    • 最も速い:1回の上書き(通常用途)
    • 最も安全:7回の上書き(機密データ用)
  4. 「OK」をクリック

フォーマットの選択

推奨設定

  • 名前:「Macintosh HD」(標準的な名前)
  • フォーマット
    • APFS:macOS 10.13以降(推奨)
    • Mac OS拡張(ジャーナリング):古いmacOS用
  • 方式:「GUIDパーティションマップ」

消去の実行

  1. 設定を確認
  2. 「消去」をクリック
  3. 確認ダイアログで「消去」をクリック
  4. 完了まで待機(時間はディスクサイズとセキュリティレベルに依存)

macOSの再インストール

インストール開始

手順

  1. ディスクユーティリティを終了(Command + Q
  2. macOSユーティリティに戻る
  3. 「macOSを再インストール」を選択
  4. 「続ける」をクリック

ライセンス同意とディスク選択

注意点

  • ソフトウェア使用許諾契約をよく読む
  • 先ほど消去したディスクを選択
  • 間違って外付けドライブを選択しないよう注意

選択手順

  1. 使用許諾契約に「同意する」
  2. インストール先ディスクを選択
  3. 「インストール」をクリック

ダウンロードとインストール

所要時間

  • ダウンロード:30分〜2時間(インターネット速度による)
  • インストール:30分〜1時間(Macの性能による)
  • 合計:1〜3時間程度

進行中の注意点

  • 電源を切らない
  • インターネット接続を維持する
  • Macを移動させない
  • 他の作業をしない

トラブルシューティング

復元モードが起動しない

よくある原因と対処法

キーの組み合わせミス

  • Apple Silicon:電源ボタンのみを10秒長押し
  • Intel:電源投入直後にCommand + R
  • タイミングが重要:電源ボタンを押した直後

ハードウェア問題

  • キーボードの接続確認(外付けキーボードの場合)
  • 別のキーボードでの試行
  • 有線キーボードの使用(Bluetooth接続の場合)

ファームウェア問題

  • SMCリセット:
    • MacBook:Shift + Control + Option(左側)+ 電源ボタンを10秒
    • iMac:電源コードを抜いて15秒待ってから再接続
  • NVRAMリセット:Option + Command + P + Rを起動時に20秒間

インターネット接続の問題

Wi-Fi接続ができない

対処手順

  1. 復元モードの画面上部で Wi-Fi アイコンをクリック
  2. 利用可能なネットワークを選択
  3. パスワードを入力
  4. 接続が確立されるまで待つ

有線接続の活用

  • USB-Ethernet アダプターを使用
  • より安定した接続が可能
  • Wi-Fi のパスワードが不明な場合の代替手段

ダウンロードが停止する

原因と対策

  • ネットワークの不安定:モデム・ルーターの再起動
  • サーバーの混雑:時間を置いて再試行
  • ファイアウォール:一時的に無効化(可能であれば)

ディスク関連のエラー

「ディスクを消去できません」エラー

原因

  • ディスクの物理的な損傷
  • ファイルシステムの重大な破損
  • 読み取り専用状態

対処法

  1. First Aid の実行
    • ディスクユーティリティでディスクを選択
    • 「First Aid」をクリック
    • 修復処理を実行
  2. ターミナルでの強制消去
    • ユーティリティメニューから「ターミナル」を選択
    • diskutil list でディスク番号を確認
    • diskutil eraseDisk APFS "Macintosh HD" /dev/diskX(Xは番号)
  3. 物理的な問題の場合
    • Apple Store または認定修理店での診断
    • ディスク交換の検討

「インストールに失敗しました」エラー

一般的な原因

  • ダウンロードファイルの破損
  • インストール先ディスクの問題
  • 十分な空き容量の不足

対処手順

  1. ダウンロードを最初からやり直す
  2. 別のmacOSバージョンでの試行
  3. 外部ディスクでのテストインストール

セットアップと最終確認

初期セットアップ

売却・譲渡の場合

重要なポイント

  • 初期設定画面で電源を切る
  • 自分のApple IDでサインインしない
  • 個人情報を入力しない

手順

  1. 「ようこそ」画面が表示されたら
  2. Command + Q で設定アシスタントを終了
  3. 「システム終了」を選択
  4. 電源が切れるまで待つ

自分で再利用する場合

効率的なセットアップ

  1. 基本設定
    • 国・地域の選択
    • キーボード配列の確認
    • Wi-Fi ネットワークへの接続
  2. Apple ID でサインイン
    • 既存のApple IDを使用
    • 2段階認証の確認コード入力
    • iCloud設定の選択
  3. データ復元
    • Time Machine バックアップからの復元
    • 移行アシスタントの使用
    • 手動でのファイル復元

バックアップデータの復元

Time Machine からの復元

復元方法

  1. セットアップ中に「別のMacから移行」を選択
  2. Time Machine バックアップを選択
  3. 復元する内容を選択:
    • すべて復元:完全に元の状態に戻る
    • 選択的復元:必要なデータのみ復元

注意点

  • 復元には数時間かかる場合がある
  • 不要なファイルも一緒に復元される可能性
  • 問題の原因となったファイルも復元される場合がある

手動でのデータ復元

推奨手順

  1. 重要なドキュメントから先に復元
  2. アプリケーションの再インストール
  3. 設定ファイルの個別復元
  4. メディアファイルの復元

利点

  • 必要なファイルのみを選択的に復元
  • 不要なファイルを除外可能
  • システムをクリーンに保持

動作確認とセキュリティ設定

基本動作の確認

チェック項目

  • システムの起動時間
  • アプリケーションの動作
  • インターネット接続
  • 外部機器の認識
  • 音声・映像の出力

セキュリティ設定の更新

必須設定

  1. ソフトウェアアップデート
    • システム設定 → 一般 → ソフトウェアアップデート
    • 最新のセキュリティパッチを適用
  2. ファイアウォール有効化
    • システム設定 → ネットワーク → ファイアウォール
    • 「ファイアウォールを入にする」
  3. FileVault 暗号化
    • システム設定 → プライバシーとセキュリティ → FileVault
    • ディスク暗号化を有効化

まとめ

Macの初期化と再インストールは、正しい手順で行えば安全で効果的な方法です。

作業の流れのおさらい

事前準備(必須)

  1. 重要データのバックアップ
  2. Apple ID・各種サービスからサインアウト
  3. ライセンス情報の保存
  4. 安定したネットワーク環境の確保

初期化・再インストール

  1. macOS復元モードの起動
  2. ディスクユーティリティでの完全消去
  3. macOSの再インストール
  4. 必要に応じたデータ復元

最終確認

  1. 動作テストの実施
  2. セキュリティ設定の確認
  3. 必要なアプリケーションの再インストール

成功のポイント

安全性の確保

  • データバックアップは複数の方法で実施
  • 作業中の電源確保とネットワーク安定性
  • 焦らずに一つ一つの手順を確実に実行

効率性の向上

  • 事前準備を徹底的に行う
  • 不要なデータは復元しない
  • セキュリティ設定を初期段階で完了

トラブル時の対応

問題が発生した場合

  • 慌てずに手順を見直す
  • Apple サポートへの相談を検討
  • 専門の修理店での診断も選択肢

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