Macを使ってGoogle Meetで画面共有しようとしたら、「画面共有ボタンが押せない」「共有してもグレーの画面が表示される」という経験はありませんか?
プレゼンテーションや資料の説明など、画面共有が必要な場面で共有できないと、会議が進められなくて困りますよね。Windowsでは問題なく使えたのに、Macだとうまくいかないこともあります。
実は、Macには「画面収録」という特別な許可設定があって、これを正しく設定しないと画面共有ができないんです。多くの人が見落としているポイントなので、知らないと延々と悩むことになります。
この記事では、MacでGoogle Meetの画面共有ができない原因を特定し、具体的な解決方法をステップバイステップで解説していきます。
Macで画面共有できない主な原因

まずは、なぜMacで画面共有ができないのか、主な原因を整理しておきましょう。
原因1:画面収録の許可がない(最重要)
Macで画面共有ができない最も多い原因は、ブラウザに「画面収録」の権限が与えられていないことです。
macOS Catalina(10.15)以降では、セキュリティ強化のため、アプリが画面を録画・共有するには明示的な許可が必要になりました。この設定をしていないと、Google Meetで「画面全体」や「ウィンドウ」の共有ができません。
これはMac特有の問題で、Windows PCにはない仕組みなんです。
原因2:ブラウザの権限設定
Google Meetを使っているブラウザ自体が、画面共有の権限を持っていない可能性があります。
Chromeを使っている人が多いと思いますが、Safari、Firefox、Edgeなど、どのブラウザを使うかによっても設定が異なります。
原因3:macOSのバージョンが古い
macOS Mojave(10.14)以前の古いバージョンでは、画面共有機能が正常に動作しないことがあります。
特に、セキュリティアップデートが適用されていない場合は要注意です。最新のGoogle Meetは、比較的新しいmacOSを前提に設計されています。
原因4:特定のアプリだけ共有できない
macOSのセキュリティ機能により、一部のアプリ(特にApple純正アプリ)のウィンドウは画面共有できないことがあります。
例えば、FaceTime、QuickTime、Apple TV、一部のDRM保護されたコンテンツなどは、共有がブロックされることがあるんです。
原因5:通信環境やブラウザの不具合
通信速度が遅かったり、ブラウザのキャッシュが溜まっていたりすると、画面共有機能が正常に動作しないことがあります。
これは設定の問題ではなく、一時的な不具合ですね。
画面収録の許可設定(最重要)
Macで画面共有をするための最も重要な設定です。必ずチェックしましょう。
macOS Ventura(13)以降での設定方法
macOS Venturaから、設定画面のレイアウトが変わりました。
設定手順:
- 画面左上のAppleメニュー()をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 右側をスクロールして「画面収録」を見つけてクリック
- 使っているブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど)のスイッチをオンにする
- パスワードの入力を求められたら、Macのパスワードを入力
- すでにブラウザが起動している場合は、完全に終了して再起動する
ブラウザを再起動しないと、設定が反映されないので注意してください。
macOS Monterey(12)以前での設定方法
Monterey以前は「システム環境設定」という名前でした。
設定手順:
- Appleメニューから「システム環境設定」を選択
- 「セキュリティとプライバシー」をクリック
- 上部のタブから「プライバシー」を選択
- 左側のリストを下にスクロールして「画面収録」をクリック
- 左下の鍵マークをクリックして、ロックを解除(パスワード入力)
- 使っているブラウザにチェックを入れる
- 鍵マークをクリックして再度ロック
- ブラウザを完全に終了して再起動
この設定をしないと、画面全体の共有ができません。
画面収録リストにブラウザが表示されない場合
リストにブラウザが表示されていない場合は、一度Google Meetで画面共有を試してみましょう。
手順:
- Google Meetの会議に参加
- 「画面を共有」をクリック
- 「画面全体」または「ウィンドウ」を選択
- macOSが自動的にダイアログを表示して、画面収録の許可を求めます
- 「システム環境設定を開く」をクリック
- 上記の手順で許可を与える
初めて画面共有を試みたときに、自動的に許可を求められることが多いです。
複数のブラウザを使っている場合
ChromeとSafariなど、複数のブラウザを使い分けている場合は、それぞれに画面収録の許可を与える必要があります。
Chromeで許可を与えても、Safariでは別途許可が必要です。使用するすべてのブラウザに許可を与えておくと安心ですね。
ブラウザ別の権限設定
ブラウザ側でも、画面共有の権限を確認しましょう。
Chromeの設定確認
Chromeが最もGoogle Meetとの相性が良いブラウザです。
権限確認手順:
- Google Meetの会議画面で、アドレスバー(URL部分)の左側にある鍵マークまたはカメラアイコンをクリック
- 「サイトの設定」をクリック
- 「権限」セクションを確認
- 「カメラ」と「マイク」が「許可」になっているか確認
- 必要に応じて「画面共有」も確認
また、Chromeの設定から以下も確認できます。
詳細設定の確認:
- Chromeの右上の三点リーダーをクリック
- 「設定」を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「サイトの設定」を選択
- meet.google.comの許可を確認
Safariの設定確認
MacのデフォルトブラウザであるSafariでも確認が必要です。
権限確認手順:
- Safariのメニューバーから「Safari」→「設定」(または「環境設定」)を選択
- 「Webサイト」タブをクリック
- 左側のメニューから「カメラ」を選択
- meet.google.comが「許可」になっているか確認
- 同様に「マイク」も確認
Safariでは、画面共有の権限は自動的に処理されることが多いですが、カメラとマイクの許可は必須です。
Firefoxの設定確認
Firefoxを使っている場合も同様です。
権限確認手順:
- Google Meetの会議画面で、アドレスバー左側の「i」マークをクリック
- 「サイト情報を表示」を選択
- 「権限」タブを確認
- カメラとマイクの権限を「許可」に設定
Firefoxは初回アクセス時に必ず権限を求めてくるので、そのときに「許可」を選んでおきましょう。
Google Meetで画面共有する正しい手順
改めて、正しい画面共有の手順を確認しておきましょう。
画面全体を共有する方法
手順:
- Google Meetの会議に参加
- 画面下部の「画面を共有」ボタンをクリック(四角いモニターのようなアイコン)
- 共有したい内容を選択する画面が表示されます
- 「あなたの全画面」または「画面全体」タブを選択
- 共有したいディスプレイを選択(複数モニターを使っている場合)
- 「共有」ボタンをクリック
- macOSが許可を求めてきた場合は、「許可」を選択
これで画面全体が参加者に共有されます。
特定のウィンドウだけを共有する方法
画面全体ではなく、特定のアプリのウィンドウだけを共有することもできます。
手順:
- 「画面を共有」をクリック
- 「ウィンドウ」タブまたは「アプリケーションウィンドウ」を選択
- 共有したいウィンドウを一覧から選択(プレビューが表示されます)
- 「共有」をクリック
この方法なら、他のウィンドウやデスクトップは相手に見えないので、プライバシーが保護されますね。
Chromeタブだけを共有する方法
ブラウザのタブだけを共有することもできます。
手順:
- 「画面を共有」をクリック
- 「Chromeタブ」を選択
- 共有したいタブを選択
- 「このタブの音声を共有」にチェックを入れる(動画の音も共有したい場合)
- 「共有」をクリック
この方法は、ウェブページや資料をブラウザで開いているときに便利です。
共有を停止する方法
共有を終了するには、画面下部の「共有を停止」ボタンをクリックするだけです。
または、画面上部に表示される青いバー(「共有中」と表示されている)の「停止」ボタンをクリックしても停止できます。
特定のアプリ・ウィンドウが共有できない場合

画面共有自体はできるけど、特定のアプリだけ共有できない場合の対処法です。
DRM保護されたコンテンツ
Netflix、Amazon Prime Video、Apple TV+などのストリーミングサービスは、著作権保護(DRM)がかかっています。
これらのコンテンツは、画面共有しても黒い画面として表示されたり、共有がブロックされたりします。これは仕様なので、残念ながら回避できません。
音楽アプリや映画アプリの一部も、同様に共有できないことがあります。
Apple純正アプリの制約
FaceTime、QuickTime、Apple Musicなど、一部のApple純正アプリは、セキュリティ上の理由から共有が制限されることがあります。
どうしても共有したい場合は、スクリーンショットを撮って静止画で共有するか、別の方法を考える必要があります。
共有できないアプリの代替案
特定のアプリが共有できない場合の対処法です。
代替案:
- 画面全体ではなく、特定のウィンドウを選択: 問題のあるアプリを避けて、必要なウィンドウだけを共有
- PDFやプレゼンテーション資料を事前に用意: 共有しやすい形式に変換しておく
- スクリーンショットを共有: 静止画なら問題なく共有できる
- 別のアプリで開き直す: 例えば、QuickTimeで開いている動画をVLCで開き直すなど
工夫次第で、ほとんどの場合は対応できますよ。
その他のトラブルシューティング
他にもよくある問題と解決策を見ていきましょう。
共有画面がカクカクする、遅延する
画面共有はできるけど、動きが遅かったり、カクカクしたりする場合です。
原因と対処法:
1. 通信速度が遅い
- スピードテストで通信速度を確認(最低でも3Mbps以上必要)
- Wi-Fiルーターの近くに移動
- 有線LAN接続に切り替える
- 他のアプリやダウンロードを停止
2. CPUの負荷が高い
- 不要なアプリを終了する
- アクティビティモニタで重いプロセスを確認(「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」)
- 画面解像度を下げる
3. 共有する解像度を下げる
- Google Meetの設定で画質を「標準」に変更
- 4Kや高解像度のコンテンツは避ける
グレーの画面が表示される
画面共有をしても、相手にはグレーや黒の画面しか表示されない場合です。
原因:
- 画面収録の許可が正しく設定されていない
- ブラウザが古い
- macOSのバグ
対処法:
- もう一度「画面収録」の許可設定を確認
- ブラウザを完全に終了(Cmd + Q)して再起動
- Macを再起動
- ブラウザを最新版にアップデート
- macOSを最新版にアップデート
「画面を共有」ボタンが押せない
ボタン自体がグレーアウトしていて、クリックできない場合です。
原因:
- 無料アカウントの制限(一部の組織設定)
- 外部ゲストとして参加している
- 会議の主催者が画面共有を制限している
対処法:
- 会議の主催者に、画面共有の権限を付与してもらう
- 主催者に設定を確認してもらう
- 別のアカウントで会議を主催する
これは、あなたのデバイスではなく、会議の設定の問題です。
共有が途中で止まる
共有を開始したけど、途中で勝手に停止してしまう場合です。
原因と対処法:
1. ブラウザがクラッシュしている
- ブラウザのメモリ不足が原因
- 不要なタブを閉じる
- ブラウザを再起動
2. 省エネルギー設定
- システム設定→「バッテリー」→「ディスプレイをオフにする」を確認
- 会議中は電源に接続しておく
- 省エネルギーモードを一時的にオフにする
3. スクリーンセーバー
- システム設定→「スクリーンセーバー」を「しない」に設定
- 会議中は自動ロックを無効化
ブラウザやmacOSのアップデート
古いバージョンを使っていると、様々な問題が起こります。
macOSのアップデート確認
手順:
- Appleメニュー→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」をクリック
- 利用可能なアップデートがあれば、「今すぐアップグレード」または「今すぐインストール」をクリック
アップデートには時間がかかるので、重要な会議の前日までに済ませておきましょう。
Chromeのアップデート確認
手順:
- Chrome右上の三点リーダーをクリック
- 「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を選択
- 自動的にアップデートが確認され、あれば更新される
- 「再起動」をクリックして完了
Chromeは基本的に自動更新されますが、手動確認も大切です。
Safariのアップデート
Safariは、macOS自体のアップデートに含まれています。
macOSを最新版にすれば、Safariも自動的に最新版になります。別途アップデートする必要はありません。
画面共有前の確認チェックリスト
会議前に確認しておくべきポイントをまとめました。
設定確認リスト
会議の5〜10分前には、以下を確認しておきましょう。
チェック項目:
- [ ] 画面収録の許可がブラウザに与えられている
- [ ] ブラウザのカメラ・マイク権限が有効
- [ ] macOSとブラウザが最新版
- [ ] Wi-Fiまたは有線LANが安定している
- [ ] 共有したいウィンドウやファイルが準備できている
- [ ] 不要なウィンドウやアプリを閉じている
- [ ] デスクトップの整理(見られたくないものを隠す)
- [ ] 通知をオフにする(プライバシー保護)
特にデスクトップの整理と通知オフは、意外と忘れがちです。
テスト共有のすすめ
可能なら、事前にテスト会議を作成して、画面共有が正常に動作するか確認しておきましょう。
テスト方法:
- Google Meetで「新しい会議を作成」
- 自分だけで会議を開始
- 画面共有をテスト
- 正常に動作するか確認
- 問題があれば、この記事の対処法を試す
本番で焦らないために、事前確認は本当に大切ですよ。
まとめ
MacでGoogle Meetの画面共有ができない問題は、ほとんどの場合「画面収録の許可」を設定すれば解決します。
この記事のポイント:
- Mac最大の原因は「画面収録」の許可設定がされていないこと
- システム設定(環境設定)→プライバシーとセキュリティ→画面収録でブラウザを許可
- 設定後は必ずブラウザを完全に終了して再起動
- ブラウザの権限設定も確認が必要
- 特定のアプリ(DRM保護コンテンツ、Apple純正アプリ)は共有できないことがある
- macOSとブラウザは常に最新版に保つ
- 会議前に必ずテスト共有をしておく
- 共有方法は「画面全体」「ウィンドウ」「Chromeタブ」の3種類から選べる
Macの画面共有は、最初の設定さえ正しくできれば、その後はスムーズに使えます。
この記事を参考に、一つずつ設定を確認してみてください。きっと次の会議では、問題なく画面共有できるはずです。自信を持ってプレゼンテーションに臨んでくださいね!

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