突然Macが動かなくなり、操作も受け付けない…そんな経験はありませんか?
アプリの不具合やシステムのエラーでフリーズした際に役立つのが「強制再起動」です。
ただし、やり方を間違えるとデータの損失やハードウェアへの悪影響も考えられるため、正しい方法を知っておくことが大切です。
この記事では、Macを安全に強制再起動する方法と、トラブルを未然に防ぐコツについて分かりやすく解説します。
Macがフリーズした時の対処の流れ

まずは、どんな時に強制再起動が必要なのか、そして正しい対処の順番を確認しましょう。
こんな症状が出たら要注意
すぐに対処が必要な症状
- マウスカーソルが全く動かない
- キーボードを押しても反応しない
- 画面が固まって変化しない
- アプリの強制終了もできない
- レインボーカーソル(虹色のくるくる)が止まらない
フリーズかどうかの確認方法
- マウスを動かしてカーソルが反応するか確認
- キーボードの「caps lock」キーを押して、ランプが点灯するか確認
- 「command + tab」でアプリ切り替えができるか試す
対処する順番(重要)
強制再起動は最後の手段です。まずは以下の順番で試してみましょう:
- 少し待つ(1〜2分程度)
- アプリの強制終了を試す
- 通常の再起動を試す
- 強制再起動を実行
なぜMacはフリーズするのか?
フリーズの原因を知ることで、再発を防ぐ手がかりになります。
主な原因とその対策
メモリ(RAM)不足
- 複数の重いアプリを同時に使用
- ブラウザでタブを開きすぎている
- 大きなファイルを処理している
具体例:Photoshop、Final Cut Pro、Chromeで大量のタブを開いた状態
CPU過負荷
- 動画エンコードなどの重い処理
- ウイルススキャンの実行中
- 複数のアプリが同時に動作
システムの問題
- macOSのバグや不具合
- システムファイルの破損
- 古いバージョンのmacOS
外部機器の問題
- USBデバイスの接続不良
- 外付けハードディスクの故障
- 互換性のないアクセサリ
アプリケーションの問題
- アプリのバグや不具合
- 古いバージョンのアプリ
- メモリリークを起こすアプリ
強制再起動前に試すべき方法

強制再起動の前に、まずはこれらの方法を試してみましょう。
アプリの強制終了
手順
- 「command + option + esc」を同時に押す
- 「アプリケーションの強制終了」ウィンドウが開く
- 反応しないアプリを選択
- 「強制終了」ボタンをクリック
この方法が使えない場合
- キーボードが反応しない
- 強制終了ウィンドウが表示されない
- 選択したアプリが終了しない
アクティビティモニタを使用
手順
- 「Spotlight検索」(command + スペース)で「アクティビティモニタ」と入力
- アクティビティモニタを開く
- CPUを大量に使用しているプロセスを確認
- 問題のあるプロセスを選択して「強制終了」
通常の再起動
手順
- Appleメニュー()をクリック
- 「再起動」を選択
- 確認ダイアログで「再起動」をクリック
メニューが反応しない場合
- 「control + command + 電源ボタン」を短く押す
- 再起動ダイアログが表示されれば「再起動」を選択
強制再起動の正しい手順
上記の方法でも解決しない場合、いよいよ強制再起動を実行します。
Intel Mac の場合
方法1:電源ボタンを使用
- 電源ボタンを10秒以上しっかりと押し続ける
- 画面が完全に消えるまで待つ
- 5秒程度間を置いてから電源ボタンを短く押す
- 起動音(設定されている場合)を確認
方法2:キーボードショートカット
- 「control + command + 電源ボタン」を同時に押す
- または「control + command + ejectボタン」(CDトレイがある機種)
- 強制的に再起動が実行される
Apple Silicon Mac(M1・M2・M3・M4)の場合
電源ボタンのみ使用
- 電源ボタンを10秒以上押し続ける
- 画面とファンの音が止まるまで待つ
- 5秒程度待ってから電源ボタンを短く押す
- Appleロゴが表示されるのを確認
注意点
- Apple Silicon MacではIntelの各種ショートカットは使用できません
- Touch IDボタンが電源ボタンを兼ねています
MacBook の電源ボタンの場所
MacBook Air・MacBook Pro(2016年以降)
- キーボード右上の「Touch ID」ボタンが電源ボタン
MacBook Pro(Touch Bar搭載モデル)
- Touch Barの右端にある丸いボタン
古いMacBook
- キーボード右上の電源マーク(⏻)がついたボタン
強制再起動時の注意点

データ保護のため
保存されていないデータは失われます
- 作成中の文書
- 編集中の画像・動画
- ブラウザの入力内容
予防策
- こまめな保存を習慣化
- 自動保存機能を活用
- クラウド同期を設定
ハードウェア保護のため
電源ボタンは適切な時間押す
- 短すぎると効果なし
- 長すぎても意味なし
- 10秒程度が適切
連続での強制再起動は避ける
- 一度で効果がない場合、少し時間を置く
- 何度も繰り返すとハードディスクに負担
強制再起動後に確認すべきポイント
再起動が成功したら、以下を必ずチェックしましょう。
起動時の確認
正常に起動するか
- Appleロゴが表示される
- 進捗バーがスムーズに進む
- ログイン画面が表示される
エラーメッセージの確認
- 起動時に警告が表示されないか
- アプリの復旧メッセージ
- システムの問題報告
データとアプリの確認
作業中だったファイル
- 自動保存されているか確認
- バックアップから復旧が必要か判断
- クラウド同期の状況確認
アプリケーションの動作
- よく使うアプリが正常に起動するか
- 再びフリーズしないか観察
- 設定やデータが保持されているか
システムの状態
- アクティビティモニタでCPU使用率確認
- メモリ使用量の確認
- 外部デバイスの認識状況
macOSの確認とアップデート
システム情報の確認
- Appleメニュー → このMacについて
- macOSのバージョンを確認
- 「詳しい情報」でハードウェア状況確認
アップデートの確認
- 「システム設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあるか確認
- 重要なセキュリティアップデートは優先的に適用
フリーズを防ぐための予防策
強制再起動は応急処置です。根本的な対策で、フリーズを未然に防ぎましょう。
日常的なメンテナンス
定期的な再起動
- 週に1〜2回は再起動する
- メモリやキャッシュがリフレッシュされる
- システムの安定性が向上
不要なファイルの削除
- デスクトップに大量のファイルを置かない
- ダウンロードフォルダを定期的に整理
- ゴミ箱を空にする習慣
ストレージ容量の管理
- 空き容量を20%以上保つ
- 不要なアプリをアンインストール
- 大きなファイルは外部ストレージに移動
システムのメンテナンス
セーフモードの活用
- 起動時にShiftキーを押し続ける
- セーフモードで起動
- 問題のあるアプリやファイルを特定
- 通常モードで再起動
ディスクユーティリティでのチェック
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」
- 起動ディスクを選択
- 「First Aid」で修復実行
PRAM・NVRAMのリセット(Intel Macのみ)
- 起動時に「option + command + P + R」を押し続ける
- 起動音が2回鳴るまで押し続ける
- キーを離して通常起動
アプリケーションの管理
最新バージョンの維持
- アプリを定期的にアップデート
- 開発元が更新を停止したアプリは削除
- macOSとの互換性を確認
重いアプリの使い方
- 動画編集などは単独で作業
- 他のアプリを終了してからかっちゅう使用
- 十分なメモリがあるか事前に確認
起動項目の整理
- 「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」
- 不要な自動起動アプリを削除
- 必要最小限に絞る
ハードウェアのメンテナンス
外部デバイスの管理
- 使わないUSBデバイスは取り外す
- 正しい手順で安全に取り外し
- 互換性のあるアクセサリを使用
本体の清掃
- 通気口のほこりを除去
- キーボードの清掃
- 適切な温度環境での使用
トラブルが続く場合の対処法
専門的な診断
Appleサポートへの相談
- 症状の詳細を記録
- エラーメッセージのスクリーンショット
- 発生頻度や条件の整理
ハードウェアテスト
- 起動時に「D」キーを押し続ける
- Apple Diagnosticsが起動
- テスト結果を確認
修理やサービス
- AppleCare+ の利用
- 正規サービスプロバイダでの診断
- 必要に応じてハードウェア交換
バックアップと復旧
Time Machineの活用
- 定期的な自動バックアップ設定
- 外付けドライブでのバックアップ
- 復旧手順の事前確認
クラウドバックアップ
- iCloud Drive の活用
- 重要文書の複数箇所保存
- 自動同期の設定確認
機種別の注意点

MacBook Air・MacBook Pro
バッテリー関連
- 充電器を接続してから強制再起動
- バッテリー状態の定期確認
- 膨張や異常がないか確認
キーボード
- バタフライキーボード(2015-2019年)は故障しやすい
- 外付けキーボードでの操作も検討
- キーボード修理プログラムの確認
iMac・Mac mini・Mac Studio
外部機器の影響
- キーボード・マウスの電池確認
- モニターケーブルの接続状況
- 電源ケーブルの確実な接続
本体の設置
- 通気確保
- 直射日光を避ける
- 安定した電源供給
まとめ
強制再起動の要点
正しい手順を守る
- 段階的な対処(アプリ終了→通常再起動→強制再起動)
- 機種に応じた正しい方法
- 十分な時間をかけて実行
データ保護を最優先
- こまめな保存習慣
- 定期的なバックアップ
- クラウド同期の活用
予防が一番大切
- 定期的なメンテナンス
- システムの最新化
- 適切な使用環境
覚えておきたいポイント
状況 | 対処法 | 所要時間 |
---|---|---|
カーソルが動かない | アプリ強制終了を試す | 1〜2分 |
キーボードが反応しない | 通常の再起動を試す | 2〜3分 |
完全にフリーズ | 強制再起動を実行 | 3〜5分 |
頻繁にフリーズ | システムの診断と修復 | 30分〜数時間 |
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