MacのFirst Aid完全ガイド|ディスクのエラーチェックと修復方法

Mac

「Macの動作がおかしい…」「外付けドライブが認識されない…」

こんな時に役立つのが、Macに標準搭載されている「First Aid」という機能です。

First Aidは、ディスクやドライブのエラーをチェックして、自動で修復してくれる便利なツール。まるでMacのお医者さんのような存在なんです。

この記事では、First Aidの使い方から、エラーメッセージの意味、解決できない時の対処法まで、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。

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  1. First Aidとは?
    1. ディスクユーティリティのFirst Aid機能
    2. First Aidが解決できる問題
    3. First Aidで解決できない問題
  2. First Aidを使うべきタイミング
    1. 症状1:Macの動作が遅い
    2. 症状2:予期せぬシャットダウンがあった
    3. 症状3:ファイルやフォルダが開けない
    4. 症状4:外付けドライブが認識されない
    5. 症状5:定期的なメンテナンス
  3. First Aidの実行方法
    1. 準備:実行前にすべきこと
    2. 手順1:ディスクユーティリティを開く
    3. 手順2:対象のディスクを選択
    4. 手順3:First Aidを実行
    5. 手順4:検証と修復を待つ
    6. 手順5:結果を確認
    7. 詳細を確認する方法
  4. 起動ディスクでFirst Aidを実行する方法
    1. macOS復旧からの実行
    2. 外部起動ディスクからの実行
  5. First Aidで表示されるエラーメッセージ
    1. エラー1:「ボリュームを修復できませんでした」
    2. エラー2:「基になるタスクが失敗しました」
    3. エラー3:「ディスクが破損しているようです」
    4. エラー4:「マップの不一致」
    5. エラー5:「パーミッションの問題」
  6. First Aidで解決できない時の対処法
    1. 対処法1:Safe Modeで起動
    2. 対処法2:fsckコマンドを使う
    3. 対処法3:Time Machineから復元
    4. 対処法4:macOSを再インストール
    5. 対処法5:ディスクを初期化(最終手段)
  7. S.M.A.R.T.ステータスの確認
    1. S.M.A.R.T.とは
    2. 確認方法
  8. 予防とメンテナンス
    1. 予防策1:定期的なFirst Aid実行
    2. 予防策2:Time Machineバックアップ
    3. 予防策3:十分な空き容量を確保
    4. 予防策4:安全なシャットダウン
    5. 予防策5:ディスクの物理的な保護
  9. よくある質問
    1. Q: First Aidはどれくらいの頻度で実行すべき?
    2. Q: First Aid実行中にMacを使える?
    3. Q: First Aidで削除されたファイルは復元できる?
    4. Q: First Aidが何時間も終わらない
    5. Q: 「検証に失敗しました」と表示される
    6. Q: SSDとHDDで違いはある?
  10. まとめ

First Aidとは?

まずは、First Aidがどんな機能なのか理解しておきましょう。

ディスクユーティリティのFirst Aid機能

First Aidは、Macのディスクユーティリティに含まれる診断・修復ツールです。

主な役割

  • ディスクのエラーをチェック
  • ファイルシステムの問題を検出
  • 見つかったエラーを自動修復
  • ディレクトリ構造の整合性を確認

無料で使えて、特別な知識も不要です。

First Aidが解決できる問題

解決できる主な問題

  • ファイルシステムの破損
  • ディレクトリの不整合
  • パーミッション(権限)の問題
  • ボリューム構造のエラー
  • カタログファイルの問題

軽度から中度のディスクトラブルに対応できます。

First Aidで解決できない問題

万能ではありません。以下の問題は解決できません。

対応できない問題

  • 物理的な故障(HDD/SSDの破損)
  • 削除されたファイルの復元
  • 重度のデータ破損
  • ハードウェアの不具合

こうした問題は、別の対処法が必要になります。

First Aidを使うべきタイミング

どんな時にFirst Aidを実行すべきか、確認しておきましょう。

症状1:Macの動作が遅い

具体的な症状

  • アプリの起動が遅い
  • ファイルを開くのに時間がかかる
  • システム全体がもっさりしている
  • 虹色のカーソル(ビーチボール)が頻繁に出る

ディスクのエラーが原因かもしれません。

症状2:予期せぬシャットダウンがあった

こんな時に

  • 停電でMacが突然落ちた
  • バッテリー切れで強制終了した
  • フリーズして強制再起動した
  • システムアップデート中に問題が起きた

突然のシャットダウン後は、必ずFirst Aidを実行しましょう。

症状3:ファイルやフォルダが開けない

具体的な症状

  • 特定のファイルが開けない
  • フォルダにアクセスできない
  • 「操作を完了できませんでした」エラー
  • ファイルが見えたり消えたりする

ディレクトリの破損が疑われます。

症状4:外付けドライブが認識されない

こんな時に

  • 外付けHDDをつないでもマウントされない
  • USBメモリが読めない
  • 「マウントできませんでした」エラー

外付けドライブにFirst Aidを実行してみましょう。

症状5:定期的なメンテナンス

問題がなくても、予防的に実行するのも良いです。

推奨頻度

  • 月に1回程度
  • システムアップデート後
  • 重要な作業の前
  • バックアップ前

定期的なチェックで、トラブルを未然に防げます。

First Aidの実行方法

それでは、実際にFirst Aidを使ってみましょう。

準備:実行前にすべきこと

First Aidを実行する前に、いくつか準備があります。

1. 重要なファイルをバックアップ

念のため、Time Machineなどでバックアップを取っておきましょう。

2. 開いているアプリを終了

すべてのアプリを終了させてください。特に以下は必ず終了:

  • 編集中のドキュメント
  • ブラウザ
  • メールアプリ

3. 十分な時間を確保

First Aidには時間がかかります。

  • 小容量(100GB以下):10〜30分
  • 中容量(500GB):30分〜1時間
  • 大容量(1TB以上):1〜3時間

時間に余裕がある時に実行しましょう。

手順1:ディスクユーティリティを開く

開き方は3通り

方法1:Spotlightから

  1. Command + Spaceでスポットライト検索を開く
  2. 「ディスクユーティリティ」と入力
  3. Returnキーを押す

方法2:Finderから

  1. Finderを開く
  2. 「アプリケーション」→「ユーティリティ」を開く
  3. 「ディスクユーティリティ」をダブルクリック

方法3:Launchpadから

  1. Launchpadを開く
  2. 「その他」フォルダを開く
  3. 「ディスクユーティリティ」をクリック

手順2:対象のディスクを選択

選択方法

  1. 左側のサイドバーを確認
  2. 上部の「表示」メニュー→「すべてのデバイスを表示」を選択
  3. チェックしたいディスクを選択

選択のポイント

  • 内蔵ドライブの場合:通常「Macintosh HD」
  • 外付けドライブの場合:接続しているドライブ名
  • ボリュームではなく、物理ディスク全体を選択するのが基本

表示の見方

ディスクは階層構造で表示されます。

▼ APPLE SSD(物理ディスク)
  ▼ Container disk3(コンテナ)
    - Macintosh HD(ボリューム)
    - Macintosh HD - Data(データボリューム)

最上位の物理ディスクを選ぶのが一般的です。

手順3:First Aidを実行

実行手順

  1. ディスクを選択した状態で、上部の「First Aid」ボタンをクリック
  2. 確認ダイアログが表示される
  3. 内容を確認
  • 「First Aidでディスクエラーを確認します」
  • 「エラーが見つかった場合は修復します」
  1. 「実行」ボタンをクリック

手順4:検証と修復を待つ

プロセスの流れ

  1. 検証フェーズが始まる
  2. プログレスバーが表示される
  3. 各種チェック項目が表示される
  • ボリューム構造の確認
  • カタログファイルの確認
  • マルチリンクファイルの確認
  • カタログ階層の確認
  • エクステントオーバーフローの確認
  1. エラーが見つかれば自動修復
  2. 完了メッセージが表示される

所要時間の目安

  • 128GB SSD:10〜15分
  • 500GB SSD:20〜40分
  • 1TB HDD:1〜2時間
  • 2TB HDD:2〜4時間

ディスクの種類と容量によって大きく変わります。

手順5:結果を確認

実行後、以下のいずれかのメッセージが表示されます。

成功パターン

「操作が成功しました」
または
「このボリュームは問題ないようです」

→ ディスクは正常です。

修復完了パターン

「〇〇を修復しました」
「ファイルシステムが修正されました」

→ エラーが見つかり、修復されました。

失敗パターン

「ディスクの修復を完了できませんでした」
「基になるタスクが失敗しました」

→ 追加の対処が必要です。

詳細を確認する方法

手順

  1. First Aid完了後、「詳細を表示」をクリック
  2. ログが表示される
  3. エラーメッセージや修復内容を確認できる

技術的な内容も含まれますが、エラーの種類を把握できます。

起動ディスクでFirst Aidを実行する方法

Macが起動しているディスク(Macintosh HD)には、通常の方法でFirst Aidを実行できません。

macOS復旧からの実行

手順

  1. Macをシャットダウン
  2. 電源を入れる
  3. すぐに以下のキーを押し続ける

Intel Mac:Command + R
Apple Silicon Mac(M1/M2/M3):電源ボタンを長押し

  1. 復旧画面が表示されるまで待つ
  2. 「ディスクユーティリティ」を選択
  3. 「続ける」をクリック
  4. 通常と同じ手順でFirst Aidを実行

この方法なら、起動ディスクも修復できます。

外部起動ディスクからの実行

Time Machineのバックアップや、別の起動可能なドライブから起動する方法もあります。

手順

  1. 外部起動ディスクを接続
  2. Macを再起動
  3. 起動時にOptionキーを長押し
  4. 起動ディスクを選択
  5. ディスクユーティリティでFirst Aidを実行

First Aidで表示されるエラーメッセージ

よく見られるエラーメッセージと、その意味を解説します。

エラー1:「ボリュームを修復できませんでした」

意味

ディスクに重度の問題があり、First Aidでは修復できない状態です。

対処法

  1. macOS復旧から再度実行
  2. 複数回実行してみる(3回まで)
  3. データをバックアップ
  4. ディスクを再フォーマット

エラー2:「基になるタスクが失敗しました」

意味

First Aidのプロセス自体に問題が発生しました。

対処法

  1. Macを再起動
  2. もう一度First Aidを実行
  3. macOS復旧から実行
  4. 外付けドライブの場合は、別のMacで試す

エラー3:「ディスクが破損しているようです」

意味

物理的な故障の可能性があります。

対処法

  1. すぐにバックアップを取る
  2. S.M.A.R.T.ステータスを確認
  3. ディスクの交換を検討
  4. 重要データは専門業者に依頼

エラー4:「マップの不一致」

意味

ファイルシステムの管理情報に矛盾があります。

対処法

通常はFirst Aidで自動修復されます。修復できない場合:

  1. macOS復旧から再実行
  2. fsck コマンドを使う(上級者向け)

エラー5:「パーミッションの問題」

意味

ファイルやフォルダのアクセス権限に問題があります。

対処法

  1. First Aidで自動修復されることが多い
  2. 手動で権限をリセット(後述)

First Aidで解決できない時の対処法

First Aidで修復できなかった場合の次のステップです。

対処法1:Safe Modeで起動

セーフモードでは、自動的にディスクチェックが行われます。

起動方法

Intel Mac

  1. シャットダウン
  2. 電源を入れる
  3. すぐにShiftキーを押し続ける
  4. ログイン画面が出るまで待つ

Apple Silicon Mac

  1. シャットダウン
  2. 電源ボタンを長押し
  3. 起動ディスクが表示されたらShiftキーを押す
  4. 「セーフモードで続ける」を選択

セーフモードで正常に動けば、再起動して通常モードで確認してください。

対処法2:fsckコマンドを使う

ターミナルから直接ディスクチェックを実行します。

手順

  1. macOS復旧で起動
  2. メニューバーから「ユーティリティ」→「ターミナル」を開く
  3. 以下のコマンドを実行
fsck -fy
  1. 「FILE SYSTEM WAS MODIFIED」と表示されたら、もう一度実行
  2. 「The volume appears to be OK」が出るまで繰り返す

コマンドの意味

  • -f:強制実行
  • -y:すべての質問に「yes」で答える

対処法3:Time Machineから復元

バックアップがある場合は、以前の状態に戻せます。

手順

  1. macOS復旧で起動
  2. 「Time Machineバックアップから復元」を選択
  3. バックアップディスクを選択
  4. 復元日時を選択
  5. 復元を実行

数時間かかることがあります。

対処法4:macOSを再インストール

クリーンインストールで解決することもあります。

手順

  1. macOS復旧で起動
  2. 「macOSを再インストール」を選択
  3. 指示に従ってインストール

注意点

  • データは消えません(上書きインストール)
  • 念のためバックアップ推奨
  • 2〜3時間かかる

対処法5:ディスクを初期化(最終手段)

すべての方法が失敗した場合の最終手段です。

警告:すべてのデータが消えます。

手順

  1. Time Machineでバックアップ
  2. macOS復旧で起動
  3. ディスクユーティリティを開く
  4. ディスクを選択
  5. 「消去」をクリック
  6. フォーマットを選択(APFS推奨)
  7. 「消去」を実行
  8. macOSを再インストール
  9. Time Machineから復元

S.M.A.R.T.ステータスの確認

ディスクの健康状態を確認する方法です。

S.M.A.R.T.とは

Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technologyの略で、ディスクの自己診断機能です。

確認できること

  • ディスクの健康状態
  • 故障の兆候
  • 寿命の予測

確認方法

手順

  1. ディスクユーティリティを開く
  2. ディスクを選択
  3. 右側の情報エリアを確認
  4. 「S.M.A.R.T.ステータス」の欄を見る

表示される内容

「確認済み」:正常
→ ディスクは健康です

「不合格」:問題あり
→ ディスクの交換が必要

「未対応」:確認不可
→ S.M.A.R.T.に非対応のディスク

「不合格」が表示されたら、すぐにバックアップを取りましょう。

予防とメンテナンス

ディスクトラブルを防ぐための日常的な対策です。

予防策1:定期的なFirst Aid実行

推奨スケジュール

  • 月に1回:通常使用
  • 週に1回:ヘビーユーザー
  • 問題を感じたら:すぐに実行

カレンダーにリマインダーを設定しておくと良いです。

予防策2:Time Machineバックアップ

設定方法

  1. システム設定→「一般」→「Time Machine」を開く
  2. 外付けHDDを接続
  3. 「バックアップディスクを選択」
  4. 「自動バックアップ」をオンに

1時間ごとに自動バックアップされます。

予防策3:十分な空き容量を確保

推奨される空き容量

  • 最低:10GB
  • 推奨:20GB以上
  • 理想:総容量の15〜20%

空き容量が不足すると、ディスクエラーが起きやすくなります。

予防策4:安全なシャットダウン

やってはいけないこと

  • 電源ボタン長押しで強制終了
  • バッテリーが切れるまで放置
  • システム更新中の強制終了

突然のシャットダウンは、ディスク破損の主な原因です。

予防策5:ディスクの物理的な保護

注意すること

  • 衝撃を与えない
  • 高温多湿を避ける
  • ホコリの多い場所で使わない
  • 通気を確保する

特にHDDは衝撃に弱いので、丁寧に扱いましょう。

よくある質問

Q: First Aidはどれくらいの頻度で実行すべき?

A: 問題がなければ月に1回程度で十分です。ただし、予期せぬシャットダウンの後は必ず実行してください。

Q: First Aid実行中にMacを使える?

A: 外付けドライブの場合は使えますが、起動ディスクの場合は使えません。余裕のある時間に実行しましょう。

Q: First Aidで削除されたファイルは復元できる?

A: いいえ、できません。First Aidはディスク構造の修復のみで、ファイルの復元機能はありません。

Q: First Aidが何時間も終わらない

A: 大容量ディスクでは数時間かかることがあります。一晩待っても終わらない場合は、一度キャンセルしてmacOS復旧から試してください。

Q: 「検証に失敗しました」と表示される

A: ディスクが使用中の可能性があります。すべてのアプリを終了するか、macOS復旧から実行してください。

Q: SSDとHDDで違いはある?

A: SSDの方が高速に完了します。HDDは機械的な動作が必要なため、時間がかかります。

まとめ

MacのFirst Aid機能について詳しく解説しました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • First Aidはディスクエラーを検出・修復する無料ツール
  • Macの動作が遅い、ファイルが開けないなどの症状に有効
  • ディスクユーティリティから簡単に実行できる
  • 起動ディスクはmacOS復旧から実行が必要
  • 解決できない場合はfsck、セーフモード、再インストールを試す
  • 定期的な実行とバックアップで予防が可能

First Aidは、Macのメンテナンスに欠かせない重要なツールです。

定期的に実行して、ディスクを健康な状態に保ちましょう。万が一トラブルが起きても、この記事の手順に従えば解決できるはずです。

快適なMacライフをお楽しみください!

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