hostsファイルを編集したい、設定ファイルを確認したい…
でも、「/etc フォルダがFinderに表示されない!」と困っていませんか?
実は、/etc フォルダはMacのシステムフォルダで、通常は表示されないように隠されています。これは、誤って重要なファイルを削除しないための安全対策です。
でも、正しい方法を知っていれば、簡単にアクセスできるんです。
この記事では、Finderで /etc フォルダにアクセスする5つの方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
/etc フォルダとは?何が入っているの?
まずは基礎知識から確認しましょう。
/etc フォルダの役割
/etc は「et cetera(その他)」の略で、システムの設定ファイルが格納されている重要なフォルダです。
主な内容:
- hosts → ドメイン名とIPアドレスの対応表
- apache2 → Apacheウェブサーバーの設定
- ssh → SSH接続の設定
- php.ini → PHPの設定(環境による)
- その他、多数のシステム設定ファイル
実は /private/etc と同じ
厳密には、/etc は /private/etc へのシンボリックリンク(ショートカットのようなもの)です。
どちらのパスでアクセスしても、同じ場所に到達します。
なぜ隠されているのか
理由:
- 誤削除の防止 → 初心者が間違って消さないように
- システムの保護 → 重要なファイルを守るため
- 見た目をシンプルに → 普段は必要ないファイルを隠す
開発者やシステム管理者以外は、基本的にアクセスする必要がないフォルダです。
方法1:「フォルダへ移動」を使う(最も簡単)
一番シンプルで確実な方法です。
手順
ステップ1:Finderを開く
Dockのにこにこマークをクリック、またはデスクトップをクリックしてFinderをアクティブにします。
ステップ2:「移動」メニューを開く
画面上部のメニューバーから「移動」をクリックします。
ステップ3:「フォルダへ移動…」を選択
キーボードショートカット:Shift + Command + G
ショートカットを覚えると、一瞬で開けます。
ステップ4:パスを入力
表示されたウィンドウに以下を入力:
/etc
または
/private/etc
どちらでも同じ場所に行けます。
ステップ5:「移動」ボタンをクリック
Enterキーを押すか、「移動」ボタンをクリックします。
完了!
/etc フォルダの内容が表示されます。
この方法のメリット
- 最も簡単 → 3ステップで完了
- 確実 → 必ず目的のフォルダに到達できる
- 覚えやすい → ショートカットキーも簡単
- 一時的なアクセス → 隠しフォルダを常時表示しなくて良い
方法2:隠しファイルを常に表示する
すべての隠しファイル・フォルダを表示する方法です。
手順
方法A:キーボードショートカット
Finderを開いた状態で、以下のキーを同時に押します:
Shift + Command + . (ピリオド)
もう一度同じキーを押すと、隠しファイルが非表示に戻ります。
方法B:ターミナルで設定
- ターミナルを開く
- 以下のコマンドを実行
隠しファイルを表示:
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
killall Finder
隠しファイルを非表示に戻す:
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE
killall Finder
表示後のアクセス方法
- Finderを開く
- メニューバーの「移動」→「コンピュータ」
- 「Macintosh HD」を開く
- 「etc」フォルダが表示される
または
- 「移動」→「コンピュータ」
- 「Macintosh HD」を開く
- 「private」フォルダを開く
- その中に「etc」フォルダがある
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- いつでも隠しフォルダにアクセスできる
- ドラッグ&ドロップでファイル操作が可能
デメリット:
- システムフォルダが多数表示されて見づらい
- 誤って重要なファイルを削除するリスクが増える
- 毎回切り替えるのが面倒
方法3:サイドバーにお気に入り登録する
頻繁にアクセスする場合におすすめの方法です。
手順
ステップ1:/etc フォルダを開く
方法1の「フォルダへ移動」で /etc
を開きます。
ステップ2:フォルダをサイドバーにドラッグ
開いた /etc フォルダのアイコン(ウィンドウ上部のフォルダアイコン)を、Finderのサイドバーの「よく使う項目」セクションにドラッグ&ドロップします。
ステップ3:完了
次回から、サイドバーをクリックするだけで /etc にアクセスできます。
お気に入りから削除する方法
サイドバーの「etc」を右クリック → 「サイドバーから削除」
この方法のメリット
- アクセスが超高速 → ワンクリックで開ける
- 視覚的にわかりやすい → 常にサイドバーに表示される
- 他のフォルダにも応用可能 → /var や /usr なども登録できる
方法4:ターミナルからFinderで開く
コマンドラインに慣れている人向けの方法です。
手順
ステップ1:ターミナルを開く
「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」
ステップ2:openコマンドを実行
open /etc
これだけで、Finderで /etc フォルダが開きます。
応用:特定のファイルを開く
open /etc/hosts
hostsファイルが、デフォルトのテキストエディタで開きます。
この方法のメリット
- 速い → コマンド1行で完了
- スクリプトに組み込める → 自動化が可能
- 柔軟性が高い → 開くアプリも指定できる
方法5:Finderの環境設定で表示設定を変更
上級者向けの方法です。
手順
実は、Finderの標準機能だけでは、特定のシステムフォルダを常時表示する設定はありません。
そのため、この方法は実質的に「方法2:隠しファイルを常に表示する」と同じになります。
代替案:エイリアスを作成
よりスマートな方法として、エイリアス(ショートカット)を作成する手もあります。
手順:
- 「フォルダへ移動」で /etc を開く
- /etc フォルダを右クリック → 「エイリアスを作成」
- 作成されたエイリアスをデスクトップやお好みの場所に移動
これで、ダブルクリックするだけで /etc フォルダを開けます。
/etc 内の主要ファイル一覧
アクセスできたら、こんなファイルが見つかります。
よく使うファイル
hosts
- ドメイン名とIPアドレスの対応表
- Web開発でよく編集する
passwd
- ユーザー情報(暗号化されたパスワードは含まれない)
- システム管理で参照
group
- グループ情報
- ユーザー管理で参照
shells
- 利用可能なシェルの一覧
- ターミナルの設定で参照
ssh/ssh_config
- SSH接続の設定
- リモートサーバーへの接続設定
編集時の注意
重要:
これらのファイルを編集する際は、必ずバックアップを取ってください。
間違った編集をすると、システムが起動しなくなる可能性があります。
ファイルを編集する方法
/etc フォルダにアクセスできたら、次はファイルの編集です。
方法1:コピーしてから編集(推奨)
手順:
- /etc フォルダ内の目的のファイル(例:hosts)を見つける
- デスクトップにドラッグ&ドロップしてコピー
- デスクトップのファイルを編集
- ターミナルで元の場所に戻す
sudo cp ~/Desktop/hosts /etc/hosts
この方法なら、元のファイルがバックアップとして残ります。
方法2:直接編集しようとすると…
Finderで /etc/hosts をダブルクリックすると、テキストエディタで開きますが、保存しようとすると:
「”hosts”はロックされているため、変更できません」
というエラーが出ます。
理由:
システムファイルは保護されているため、通常の方法では編集できません。
方法3:管理者権限で開く
ターミナルから管理者権限で開きます。
sudo nano /etc/hosts
または
sudo vim /etc/hosts
編集後、保存すれば直接書き込めます。
Finderでアクセスできない場合の対処法
うまくいかない時のトラブルシューティングです。
問題1:「フォルダが見つかりません」エラー
原因:
パスの入力ミス
確認ポイント:
/etc
の前にスラッシュが付いているか- 全角文字を使っていないか
- スペースが入っていないか
正しい: /etc
間違い: etc
、/ etc
、/etc
問題2:フォルダは開くが中身が見えない
原因:
表示権限がない
解決策:
ターミナルで確認してみましょう。
ls -la /etc
ファイル一覧が表示されれば、ファイルは存在しています。
Finderの表示設定を確認:
- Finder → 「表示」メニュー → 「表示オプションを表示」
- すべての項目にチェックが入っているか確認
問題3:「このフォルダを変更するにはパスワードが必要です」
原因:
システムフォルダなので保護されている
解決策:
これは正常な動作です。ファイルを編集する場合は、管理者権限が必要です。
- ファイルを読むだけ → 権限不要
- ファイルを編集・削除 → 管理者権限が必要
問題4:シンボリックリンクエラー
まれに「オリジナルの項目が見つかりません」というエラーが出ることがあります。
解決策:
/etc
の代わりに /private/etc
を使ってください。
/private/etc
セキュリティ上の注意点
/etc フォルダにアクセスできるようになったら、以下に注意してください。
注意点1:むやみに削除しない
絶対に削除してはいけないファイル:
- hosts
- passwd
- group
- shells
- fstab(存在する場合)
これらを削除すると、システムが起動しなくなる可能性があります。
注意点2:編集前にバックアップ
必ずバックアップを取ってから編集してください。
バックアップコマンド:
sudo cp /etc/hosts /etc/hosts.backup
注意点3:隠しファイルは常時表示しない
開発作業中以外は、隠しファイルを非表示に戻しましょう。
理由:
- 誤操作のリスクを減らす
- Finderがすっきりして見やすい
- セキュリティ意識の維持
注意点4:スクリーンショットに注意
/etc フォルダには、IPアドレスやサーバー名など、機密情報が含まれている場合があります。
スクリーンショットを共有する際は、情報が映り込んでいないか確認してください。
よくある質問
/etc フォルダへのアクセスに関する疑問にお答えします。
Q1. /etc と /private/etc は何が違う?
同じ場所です。
/etc は /private/etc へのシンボリックリンク(ショートカット)です。
どちらを使っても問題ありません。
Q2. Finderで編集できない時は?
システムファイルは保護されているため、Finderから直接編集できません。
以下の方法を使ってください:
- ファイルをデスクトップにコピーして編集
- ターミナルでnanoやvimを使う
- 管理者権限でテキストエディタを開く
Q3. /etc フォルダを削除してしまったら?
危険: システムが起動しなくなります。
対処法:
Time Machineから復元するか、macOSの再インストールが必要になる可能性があります。
通常、削除する前に警告が出るので、落ち着いて「キャンセル」を選んでください。
Q4. Windows の /etc フォルダはどこ?
Windowsには /etc フォルダはありません。
同様の役割を持つフォルダは:
C:\Windows\System32\drivers\etc
→ hostsファイルなどC:\ProgramData
→ アプリケーション設定
Q5. iPhone や iPad で /etc にアクセスできる?
通常のiOS/iPadOSでは、/etc フォルダにアクセスできません。
ジェイルブレイク(脱獄)すればアクセス可能ですが、保証が無効になるためおすすめしません。
他の重要なシステムフォルダ
/etc 以外にも、開発者がよく使うフォルダがあります。
/usr フォルダ
ユーザー向けのプログラムやライブラリが入っています。
アクセス方法:
/usr
主な内容:
- /usr/bin → コマンドラインツール
- /usr/local → ユーザーがインストールしたソフト
- /usr/lib → ライブラリファイル
/var フォルダ
ログファイルや一時ファイルが格納されています。
アクセス方法:
/var
主な内容:
- /var/log → システムログ
- /var/tmp → 一時ファイル
- /var/db → データベースファイル
/opt フォルダ
オプションのソフトウェアがインストールされます。
アクセス方法:
/opt
Homebrewなどでインストールしたソフトが入ることがあります。
~/Library フォルダ
ユーザーごとのアプリケーション設定が入っています。
アクセス方法:
~/Library
または
Optionキーを押しながら、Finderの「移動」メニューをクリックすると、「ライブラリ」が表示されます。
まとめ:目的に応じた方法を選ぼう
Finderで /etc フォルダにアクセスする方法を5つ紹介しました。
この記事の重要ポイント:
最も簡単な方法:
「フォルダへ移動」(Shift + Command + G
)で /etc
と入力
頻繁にアクセスする場合:
サイドバーにお気に入り登録
一時的に隠しファイルを表示:Shift + Command + .
ファイル編集時の注意:
- 必ずバックアップを取る
- 管理者権限が必要
- システムファイルの削除は厳禁
アクセス方法一覧:
- フォルダへ移動 → 最も簡単、おすすめ
- 隠しファイルを表示 → すべての隠しフォルダが見える
- サイドバーに登録 → 頻繁なアクセスに便利
- ターミナルから開く → コマンド1行で完結
- エイリアス作成 → ショートカットとして使える
状況に応じて、最適な方法を選んでください。
セキュリティ上の注意:
- システムファイルは慎重に扱う
- 不要な時は隠しファイルを非表示に
- 機密情報の取り扱いに注意
/etc フォルダへのアクセスは、Web開発やシステム管理で必要なスキルです。
この記事の方法を使えば、安全かつ簡単にアクセスできます。
ぜひ活用してください!
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