【MacでFedoraを使うには?】仮想化・USB起動・デュアルブートまで徹底解説!

Fedora

「Linuxを使ってみたいけど、Macはどうすればいいの?」「Ubuntuよりもクリーンで軽量なFedoraが気になっている」

そんなあなたにおすすめなのが、MacでFedoraを使う方法です。

FedoraはRed Hat系のLinuxディストリビューションで、最新技術をいち早く取り入れるモダンな環境として注目されています。

この記事では、macOSユーザーがFedoraを導入して使う方法を3パターン(仮想化・USB・デュアルブート)に分けて丁寧に紹介します。


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Fedoraって何?なぜMacユーザーが使うの?

Fedoraとは?

Fedora(フェドラ)は、Linuxというオペレーティングシステムの一種です。

身近な例で説明すると:

  • Windows:Microsoftが作ったOS
  • macOS:Appleが作ったOS
  • Fedora:Red Hat会社が支援する無料のLinux OS

Fedoraの特徴

1. シンプルで美しい見た目

  • GNOMEという見た目がとてもきれい
  • Macのように洗練されたデザイン
  • 余計な機能がなくてスッキリ

2. プログラミングに便利

  • 開発に必要なツールが最初から入っている
  • Python、Docker などがすぐに使える
  • プログラマーに人気

3. 最新技術をすぐに使える

  • 新しい機能がどんどん追加される
  • 最先端の技術を体験できる
  • 他のLinuxより新しい

4. 軽くて速い

  • Ubuntuより軽快に動く
  • 必要最小限の機能だけ
  • 古いパソコンでもサクサク

なぜMacユーザーがFedoraを使うの?

1. Macのハードウェアを活かせる

  • Macの高性能を最大限に利用
  • M1・M2チップでも動く(方法による)
  • Retinaディスプレイもきれいに表示

2. UNIXベース同士で相性がいい

  • macOSもLinuxも元は同じUNIX系
  • コマンドが似ている
  • 操作に慣れやすい

3. 開発環境として最適

  • Webサイト作成
  • サーバー開発
  • プログラミング学習

4. 新しい技術を学べる

  • IT業界で使われている技術
  • 就職活動でアピールできる
  • スキルアップにつながる

最も簡単!仮想マシンでFedoraを使う方法

仮想マシンって何?

仮想マシンは、Mac の中にもう一台のパソコンを作る技術です。

身近な例で説明すると:

  • 普通のパソコン:1つの部屋に1つのベッド
  • 仮想マシン:1つの部屋に2段ベッドを置く(2つのOSが同居)

仮想マシンのメリット

安全性

  • macOS に影響しない
  • 失敗してもMacは壊れない
  • いつでも削除できる

便利さ

  • macOS と Fedora を同時に使える
  • ファイルのやり取りができる
  • スクリーンショットや録画も簡単

推奨ソフト

Apple Silicon Mac(M1・M2)の場合:UTM

UTMとは:

  • M1・M2チップ専用の仮想化ソフト
  • 無料で使える
  • 操作が簡単

インストール手順:

1. App Store で「UTM」を検索
2. UTMをダウンロード・インストール
3. UTMを起動

Intel Mac の場合:VirtualBox

VirtualBoxとは:

  • 世界中で使われている仮想化ソフト
  • 無料で使える
  • 機能が豊富

インストール手順:

1. VirtualBox公式サイトにアクセス
2. Mac版をダウンロード
3. ダウンロードしたファイルをダブルクリック
4. 指示に従ってインストール

Fedora の準備

ISOファイルのダウンロード

1. Fedora公式サイト(https://getfedora.org/)にアクセス
2. 「Fedora Workstation」をクリック
3. 「Download」ボタンをクリック
4. ISOファイル(約2GB)がダウンロードされる

ISOファイルって何?

  • OSの全データが入ったファイル
  • DVDの代わりになるデジタルディスク
  • 仮想マシンで使うための形式

UTM でFedoraをインストール

手順1:新しい仮想マシンを作成

1. UTMを起動
2. 「+」ボタンをクリック
3. 「仮想化」を選択
4. 「Linux」を選択

手順2:設定を行う

オペレーティングシステム:
- 「その他のLinux」を選択

ハードウェア設定:
- メモリ:4GB以上(推奨)
- CPU:2コア以上
- ストレージ:20GB以上

ネットワーク:
- デフォルトのままでOK

手順3:Fedora ISOを選択

1. 「ブートISOイメージ」欄で「参照」をクリック
2. ダウンロードしたFedora ISOファイルを選択
3. 「保存」をクリック

手順4:Fedoraをインストール

1. 作成した仮想マシンを選択
2. 「再生」ボタンをクリック
3. Fedoraのインストール画面が表示される
4. 指示に従ってインストール完了

VirtualBox でFedoraをインストール

手順1:新しい仮想マシンを作成

1. VirtualBoxを起動
2. 「新規」ボタンをクリック
3. 名前:「Fedora」と入力
4. タイプ:「Linux」
5. バージョン:「Red Hat (64-bit)」

手順2:メモリサイズを設定

推奨設定:
- 4GB(4096MB)以上
- Macのメモリの半分以下に設定

手順3:ハードディスクを作成

1. 「仮想ハードディスクを作成する」を選択
2. ファイルタイプ:「VDI」
3. ストレージ:「可変サイズ」
4. サイズ:20GB以上

手順4:Fedora ISOをマウント

1. 作成した仮想マシンを選択
2. 「設定」をクリック
3. 「ストレージ」タブを選択
4. 「空」を選択して、ダウンロードしたISOファイルを指定

手順5:Fedoraをインストール

1. 「起動」ボタンをクリック
2. Fedoraのインストール画面が表示される
3. 言語:「日本語」を選択
4. インストール先:「自動パーティション」
5. ユーザー作成:名前とパスワードを設定
6. インストール完了まで待つ(30分程度)

USBメモリでFedoraを「ライブ起動」する方法

ライブ起動って何?

ライブ起動は、USBメモリからFedoraを直接起動する方法です。

身近な例で説明すると:

  • 普通のインストール:アプリをスマホにインストール
  • ライブ起動:アプリをインストールせずにお試し利用

ライブ起動のメリット

安全性

  • macOSに一切影響しない
  • ハードディスクを変更しない
  • 電源を切れば元通り

お試し利用

  • Fedoraを体験できる
  • 本格的に使う前の確認
  • インストールが不要

必要なもの

- USBメモリ(8GB以上)
- Fedora ISOファイル
- balenaEtcher(USBに書き込むソフト)
- Intel Mac(M1・M2では困難)

手順

ステップ1:balenaEtcherをインストール

1. balenaEtcher公式サイトにアクセス
2. Mac版をダウンロード
3. アプリケーションフォルダにドラッグ

ステップ2:USBメモリを準備

1. USBメモリをMacに接続
2. 重要なデータがある場合はバックアップ
3. USBメモリの中身は全て削除される

ステップ3:ISOファイルをUSBに書き込み

1. balenaEtcherを起動
2. 「Flash from file」をクリック
3. Fedora ISOファイルを選択
4. 「Select target」でUSBメモリを選択
5. 「Flash!」をクリック
6. 書き込み完了まで待つ(10分程度)

ステップ4:USBからFedoraを起動

1. Macを一度シャットダウン
2. USBメモリを接続したまま電源を入れる
3. 起動時にOptionキーを長押し
4. 起動ディスク選択画面でUSBを選択
5. Fedoraが起動する

注意点

Apple Silicon Mac(M1・M2)での制限

  • 標準では対応していない
  • 特別な設定が必要(上級者向け)
  • 仮想マシンの方が確実

データの保存について

  • ライブ起動では設定が保存されない
  • ファイルも一時的
  • 永続化には特別な設定が必要

FedoraをMacに「デュアルブート」インストールする方法(上級者向け)

デュアルブートって何?

デュアルブートは、1台のMacにmacOSとFedoraの両方をインストールする方法です。

身近な例で説明すると:

  • 1つのOS:1つの部屋に1人住む
  • デュアルブート:1つの部屋を仕切って2人で住む

デュアルブートのメリット

高性能

  • 仮想マシンより高速
  • Macのハードウェアを最大限活用
  • 3Dゲームや重い作業も快適

本格利用

  • Fedoraをメインで使える
  • 開発環境として最適
  • Linuxを本格的に学べる

デュアルブートのリスク

危険性

  • データ消失の可能性
  • Macが起動しなくなる可能性
  • 復旧が困難

技術的難易度

  • パーティション操作が必要
  • ブートローダの設定が複雑
  • トラブル時の対処が困難

対応状況

Intel Mac

  • 可能だが高難易度
  • 詳細な知識が必要
  • 失敗のリスクが高い

Apple Silicon Mac(M1・M2)

  • 現在は事実上不可能
  • Appleの仕様により制限
  • 将来的にも困難

準備作業(Intel Mac のみ)

重要な注意事項

この作業は非常に危険です。
必ずバックアップを取り、自己責任で行ってください。初心者にはおすすめしません。

バックアップの作成

1. Time Machineで完全バックアップ
2. 重要なファイルを外付けHDDにコピー
3. macOSの復旧用USBを作成

パーティション分割

1. ディスクユーティリティを起動
2. メインディスクを選択
3. 「パーティション」をクリック
4. 新しいパーティションを作成
5. Fedora用に50GB以上を確保

安全な代替案

外付けSSDへのインストール

メリット:
- 内蔵ディスクを変更しない
- 比較的安全
- 持ち運び可能

手順:
1. 外付けSSD(USB-C推奨)を用意
2. SSDをFedora専用にする
3. USBからFedoraをインストール時に、SSDを選択

Fedora導入後にすべき初期設定

システムの更新

最新版への更新

# ターミナルを開いて以下を実行
sudo dnf update

# 説明:
# sudo = 管理者権限で実行
# dnf = Fedoraのパッケージ管理ツール
# update = システムを最新版に更新

日本語環境の設定

日本語入力の設定

# 日本語入力ソフトをインストール
sudo dnf install ibus-mozc

# 設定方法:
1. 設定 → 地域と言語
2. 入力ソース → 「+」をクリック
3. 日本語(Mozc)を追加
4. 再ログイン

日本語フォントのインストール

# 美しい日本語フォントをインストール
sudo dnf install google-noto-sans-cjk-fonts
sudo dnf install google-noto-serif-cjk-fonts

見た目のカスタマイズ

GNOME Tweaksのインストール

# より詳細な設定ができるツール
sudo dnf install gnome-tweaks

# 使い方:
1. アクティビティ → 「tweaks」で検索
2. Tweaksアプリを起動
3. 外観、フォント、拡張機能などを設定

テーマの変更

おすすめテーマ:
- Adwaita-dark(ダークテーマ)
- カスタムテーマのインストール

設定場所:
Tweaks → 外観 → テーマ

便利なソフトのインストール

開発者向け

# Visual Studio Code
sudo rpm --import https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
sudo sh -c 'echo -e "[code]\nname=Visual Studio Code\nbaseurl=https://packages.microsoft.com/yumrepos/vscode\nenabled=1\ngpgcheck=1\ngpgkey=https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc" > /etc/yum.repos.d/vscode.repo'
sudo dnf install code

# Git(バージョン管理)
sudo dnf install git

# Docker(コンテナ技術)
sudo dnf install docker
sudo systemctl enable docker
sudo systemctl start docker

一般ユーザー向け

# ブラウザ(Google Chrome)
sudo dnf install google-chrome-stable

# 音楽・動画プレイヤー
sudo dnf install vlc

# オフィスソフト
sudo dnf install libreoffice

# 画像編集
sudo dnf install gimp

Flatpakアプリの活用

# Flatpak(アプリストア)を有効化
sudo dnf install flatpak
flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

# おすすめアプリ:
flatpak install flathub com.spotify.Client  # Spotify
flatpak install flathub com.discordapp.Discord  # Discord
flatpak install flathub org.telegram.desktop  # Telegram

トラブル時の対処法

よくある問題と解決方法

問題1:音が出ない

症状:

  • スピーカーから音が出ない
  • ヘッドフォンが認識されない

解決方法:

# PulseAudioの再起動
pulseaudio --kill
pulseaudio --start

# 音量設定の確認
alsamixer

# ドライバの確認
sudo dnf install alsa-utils pulseaudio-utils

問題2:Wi-Fiが繋がらない

症状:

  • Wi-Fiネットワークが表示されない
  • パスワードを入れても接続できない

解決方法:

# ネットワークマネージャーの再起動
sudo systemctl restart NetworkManager

# Wi-Fiドライバの確認
lspci | grep -i wireless
sudo dnf install iwl*-firmware

問題3:画面が正しく表示されない

症状:

  • 解像度がおかしい
  • 画面が横向きになっている

解決方法:

# ディスプレイ設定を開く
設定 → ディスプレイ

# 解像度の変更
1. 「解像度」で適切なサイズを選択
2. 「向き」を「横」に設定
3. 「適用」をクリック

問題4:日本語入力ができない

症状:

  • 日本語が入力できない
  • 英語しか入力できない

解決方法:

# 入力メソッドの確認
1. 設定 → 地域と言語 → 入力ソース
2. 日本語(Mozc)が追加されているか確認
3. 入力切り替え:Super + Space

# Mozcの再インストール
sudo dnf remove ibus-mozc
sudo dnf install ibus-mozc
ibus restart

各方法の比較とおすすめ

3つの方法の比較表

方法難易度安全性性能対応Macおすすめ度
仮想マシン★☆☆★★★★★☆すべて★★★
USBライブ起動★★☆★★★★★★Intel主体★★☆
デュアルブート★★★★☆☆★★★Intel のみ★☆☆

目的別おすすめ方法

プログラミング学習が目的

おすすめ:仮想マシン(UTM または VirtualBox)

理由:
- 安全にLinuxを学べる
- 開発に必要な機能は十分
- macOSと並行して使える
- 失敗してもMacに影響なし

お試し・体験が目的

おすすめ:USBライブ起動(Intel Mac のみ)

理由:
- インストール不要
- すぐに体験できる
- システムを変更しない
- 気軽に試せる

本格的なLinux環境が欲しい

おすすめ:外付けSSDへのインストール

理由:
- 高性能な環境を構築
- 内蔵ディスクを変更しない
- 持ち運び可能
- 比較的安全

絶対にやってはいけない方法

非推奨:デュアルブート(特に初心者)

理由:
- データ消失のリスクが高い
- 復旧が困難
- Apple Silicon Mac では不可能
- 失敗時の影響が甚大

まとめ

MacでFedoraを使う方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。

この記事のポイント

初心者へのおすすめ

  • Apple Silicon Mac:UTM + Fedora
  • Intel Mac:VirtualBox または USBライブ起動
  • まずは仮想マシンから始める

Fedoraの魅力

  • シンプルで美しいデザイン
  • 開発者に優しい環境
  • 最新技術をいち早く体験
  • 軽快で高速な動作

安全性の重要性

  • 必ずバックアップを取る
  • 仮想マシンが最も安全
  • デュアルブートは上級者のみ
  • 失敗時の対処法を事前に学ぶ

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