「外部モニターを接続したけど、画面の切り替え方がわからない」
「ウィンドウを別のディスプレイにサッと移動させたい」
Macでデュアルモニター(デュアルディスプレイ)を使う際、画面の切り替えやウィンドウの移動をスムーズに行いたい方は多いのではないでしょうか。
この記事では、Macのデュアルモニター設定から、拡張・ミラーリングの切り替え、ウィンドウを別画面に移動する方法、便利なキーボードショートカットまで詳しく解説します。
デュアルモニターの基本設定

まずは、Macにモニターを接続した後の基本設定を確認しましょう。
ディスプレイ設定画面を開く
macOS Ventura以降の場合
- 画面左上のアップルメニュー()をクリック
- 「システム設定」を選択
- サイドバーで「ディスプレイ」をクリック
macOS Monterey以前の場合
- アップルメニュー()をクリック
- 「システム環境設定」を選択
- 「ディスプレイ」をクリック
拡張デスクトップとミラーリングの違い
デュアルモニターには、2つの表示モードがあります。
拡張デスクトップ
2つのディスプレイを別々の画面として使用します。作業スペースが広がり、片方でブラウザを開きながら、もう片方で文書作成といった使い方ができます。
ミラーリング(複製)
2つのディスプレイに同じ画面を表示します。プレゼンテーションや画面共有など、相手に同じ画面を見せたい場合に便利です。
拡張とミラーリングを切り替える方法
拡張デスクトップとミラーリングは、いくつかの方法で切り替えられます。
方法1:システム設定から切り替える
macOS Ventura以降
- 「システム設定」→「ディスプレイ」を開く
- 外部ディスプレイの名前をクリック
- 「使用形態」のポップアップメニューから選択
- 「拡張ディスプレイ」:別々の画面として使用
- 「〇〇をミラーリング」:同じ画面を表示
macOS Monterey以前
- 「システム環境設定」→「ディスプレイ」を開く
- 「配置」タブをクリック
- 「ディスプレイをミラーリング」にチェックを入れる/外す
方法2:キーボードショートカットで切り替える
素早く切り替えたい場合は、キーボードショートカットが便利です。
ミラーリングの切り替えショートカット
| Macの種類 | ショートカット |
|---|---|
| MacBook(標準設定) | ⌘(Command)+ F1 |
| ファンクションキーを標準使用に設定している場合 | ⌘ + fn + F1 |
| 古いMacBook | F7 または fn + F7 |
このショートカットを押すたびに、拡張デスクトップとミラーリングが切り替わります。
ファンクションキーの設定によって動作が異なる場合があります。うまくいかない場合は、「システム設定」→「キーボード」で「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」の設定を確認してください。
方法3:コントロールセンターから切り替える
macOS Big Sur以降では、コントロールセンターからも操作できます。
- メニューバー右上のコントロールセンターアイコンをクリック
- 「画面ミラーリング」をクリック
- 表示オプションを選択
ウィンドウを別のディスプレイに移動する方法
拡張デスクトップを使用しているとき、ウィンドウを別のディスプレイに移動する方法を紹介します。
方法1:ドラッグで移動
最もシンプルな方法は、ウィンドウをドラッグして別のディスプレイに移動することです。
- 移動したいウィンドウのタイトルバーをクリックして押さえたまま
- 別のディスプレイの方向へドラッグ
- 目的の位置でドロップ
ディスプレイの配置設定によって、左右どちらにドラッグするかが決まります。
方法2:「ウインドウ」メニューから移動
多くのアプリでは、メニューバーからウィンドウを移動できます。
- 移動したいウィンドウを選択(アクティブに)する
- メニューバーの「ウインドウ」をクリック
- 「移動先」または「Move to 〇〇」から目的のディスプレイを選択
ディスプレイの名前(例:「LG UltraFine」「内蔵Retinaディスプレイ」など)が表示されます。
方法3:緑ボタンのオプションを使う
ウィンドウ左上の緑ボタン(フルスクリーンボタン)にも移動オプションがあります。
- 移動したいウィンドウの緑ボタンにマウスカーソルを合わせる
- 数秒待つか、Optionキーを押しながらクリック
- 表示されるメニューから「〇〇に移動」を選択
ウィンドウ移動のキーボードショートカットを設定する
Macには、ウィンドウを別ディスプレイに移動するデフォルトのショートカットがありません。しかし、自分で設定することができます。
カスタムショートカットの設定手順
macOS Ventura以降
- 「システム設定」→「キーボード」→「キーボードショートカット」をクリック
- 左側のリストから「アプリケーションショートカット」を選択
- 「+」ボタンをクリック
- 以下を入力:
- アプリケーション:「すべてのアプリケーション」
- メニュータイトル:
移動先 - 〇〇(ディスプレイ名を正確に入力) - キーボードショートカット:好きなキーの組み合わせを入力
- 「追加」をクリック
macOS Monterey以前
- 「システム環境設定」→「キーボード」→「ショートカット」タブをクリック
- 左側で「アプリケーションショートカット」を選択
- 「+」ボタンをクリック
- 設定を入力して「追加」
メニュータイトルの確認方法
ショートカットを設定するには、メニューに表示される正確な文字列が必要です。
- 任意のアプリを開く
- メニューバーの「ウインドウ」をクリック
- 「移動先」の項目に表示されるディスプレイ名を確認
- その文字列を正確にコピーまたはメモする
例:
移動先 - LG UltraFineMove to Built-in Retina Display
おすすめのショートカット設定例
| 操作 | ショートカット例 |
|---|---|
| 外部ディスプレイへ移動 | ⌃⌥⌘→(Control + Option + Command + →) |
| 内蔵ディスプレイへ移動 | ⌃⌥⌘←(Control + Option + Command + ←) |
矢印キーを使うと、ディスプレイの配置と対応して覚えやすくなります。
サードパーティアプリを使う方法

より高度なウィンドウ管理をしたい場合は、専用アプリが便利です。
Rectangle(無料)
オープンソースで無料のウィンドウ管理アプリです。キーボードショートカットでウィンドウを左右に分割したり、別のディスプレイに移動したりできます。
主なショートカット(デフォルト)
| 操作 | ショートカット |
|---|---|
| 次のディスプレイへ移動 | ⌃⌥⌘→ |
| 前のディスプレイへ移動 | ⌃⌥⌘← |
| 左半分に配置 | ⌃⌥← |
| 右半分に配置 | ⌃⌥→ |
公式サイト:https://rectangleapp.com/
Magnet(有料)
App Storeで購入できるウィンドウ管理アプリです。ドラッグによるスナップ機能やキーボードショートカットでウィンドウを整理できます。
BetterTouchTool(有料)
高度なカスタマイズが可能なユーティリティアプリです。ウィンドウ管理だけでなく、トラックパッドジェスチャーやキーボードショートカットを自由に設定できます。
ディスプレイの配置を変更する
拡張デスクトップを使用する際、物理的なモニターの配置とMac上の設定を合わせると操作がスムーズになります。
配置の変更手順
macOS Ventura以降
- 「システム設定」→「ディスプレイ」を開く
- 「配置」ボタンをクリック
- ディスプレイのアイコンをドラッグして、実際の配置に合わせる
macOS Monterey以前
- 「システム環境設定」→「ディスプレイ」→「配置」タブを開く
- ディスプレイのアイコンをドラッグして調整
メインディスプレイの変更
Dockやメニューバーが表示されるメインディスプレイを変更できます。
- 配置画面で、ディスプレイアイコンの上にある白いバー(メニューバー)を確認
- 白いバーをメインにしたいディスプレイにドラッグ
Mission Controlでスペースを切り替える
Macでは、各ディスプレイに複数の仮想デスクトップ(スペース)を作成できます。
スペースの切り替え方法
トラックパッドの場合
3本指または4本指で左右にスワイプ
キーボードの場合
Control + →:右のスペースへ移動Control + ←:左のスペースへ移動Control + ↑:Mission Controlを開く
ディスプレイごとに個別のスペースを使用する
「ディスプレイごとに個別のスペース」設定をオンにすると、各ディスプレイで独立してスペースを切り替えられます。
- 「システム設定」→「デスクトップとDock」を開く
- 下にスクロールして「ディスプレイごとに個別のスペース」を確認
- オン/オフを切り替える
この設定がオフの場合、すべてのディスプレイで同時にスペースが切り替わります。
MacBookのクラムシェルモードについて
MacBookを閉じた状態で外部ディスプレイのみを使用する「クラムシェルモード」も活用できます。
クラムシェルモードの使い方
- MacBookに電源アダプタを接続
- 外部ディスプレイを接続
- 外部キーボードとマウス(またはトラックパッド)を接続
- MacBookのふたを閉じる
外部ディスプレイのみで作業でき、MacBookをデスクトップPCのように使えます。
トラブルシューティング
デュアルモニターでよくある問題と対処法を紹介します。
外部ディスプレイが認識されない
- ケーブルとアダプタの接続を確認する
- Macをスリープにしてからスリープ解除する
- 「システム設定」→「ディスプレイ」で「ディスプレイを検出」をクリック(Optionキーを押すと表示される場合あり)
- 別のケーブルやポートを試す
ウィンドウが画面外に消えてしまった
モニターを取り外した後にウィンドウが見えなくなることがあります。
対処法1:Mission Controlを使う
Control + ↑でMission Controlを開く- 画面外のウィンドウを現在のディスプレイにドラッグ
対処法2:ウインドウメニューを使う
- ウィンドウが消えたアプリを選択
- 「ウインドウ」メニュー→「〇〇を手前に移動」を選択
解像度がおかしい
- 「システム設定」→「ディスプレイ」を開く
- 該当するディスプレイを選択
- 「解像度」で「スケーリング」を選択し、適切な解像度を選ぶ
まとめ
Macのデュアルモニター環境では、拡張デスクトップとミラーリングを状況に応じて切り替えることで、作業効率を大きく向上させられます。
ミラーリングの切り替えは⌘ + F1のショートカットで素早く行えます。ウィンドウを別のディスプレイに移動するには、メニューバーの「ウインドウ」から操作するか、カスタムショートカットを設定すると便利です。
より高度なウィンドウ管理が必要な場合は、RectangleやBetterTouchToolなどのサードパーティアプリの導入を検討してみてください。
デュアルモニターを使いこなして、快適な作業環境を構築しましょう。

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