Macを使っていて、こんなことで困っていませんか?
- 動作が重くなってきた
- 不具合が頻繁に起こる
- 売却や譲渡のために初期化したい
- システムを完全にリフレッシュしたい
こんな時に役立つのが「クリーンインストール」です。
しかし、クリーンインストールはデータがすべて消えてしまう重要な作業なので、正しい手順で安全に行う必要があります。
この記事では、Macのクリーンインストール方法を、初心者にもわかりやすく、安全に実行できるよう詳しく説明します。
クリーンインストールとは?

基本的な意味
クリーンインストールとは:
- Macの中身を完全に消去すること
- macOSをまっさらな状態から再インストールすること
- 工場出荷時と同じ状態に戻すこと
- 「初期化」とも呼ばれる
普通の初期化との違い
クリーンインストール:
- データを完全に削除
- システムファイルも全て削除
- 新品同様の状態に戻る
設定のリセット:
- データは残したまま設定だけを初期化
- アプリやファイルは残る
- 軽度な問題の解決に使用
どんな時に必要?
システムの問題解決:
- 重い動作や頻繁なフリーズ
- 起動しない、または不安定
- ウイルス感染の疑い
売却・譲渡前の準備:
- 個人情報の完全削除
- 新しい所有者のための準備
- プライバシー保護
システムのリフレッシュ:
- 長期間使用後のメンテナンス
- 不要なファイルの完全削除
- パフォーマンスの向上
⚠️ 作業前の重要な準備

データのバックアップ(必須)
なぜバックアップが必要?
- クリーンインストールではすべてのデータが消える
- 写真、動画、文書、アプリ、設定がすべて削除される
- バックアップなしでは復旧不可能
Time Machineでのバックアップ:
- 外付けハードディスクを接続
- 「システム環境設定」→「Time Machine」
- 「バックアップディスクを選択」
- 自動バックアップを有効にする
- 初回バックアップの完了を待つ
手動バックアップ:
- 重要な書類は外付けドライブにコピー
- 写真は「写真」アプリからエクスポート
- 音楽は外部ストレージに保存
必要な情報の準備
Apple ID情報:
- Apple IDのメールアドレス
- パスワード
- 二要素認証の設定確認
インターネット環境:
- 安定したWi-Fi接続
- 有線LANケーブル(推奨)
- 高速なインターネット回線
その他の情報:
- 使用しているアプリのライセンス情報
- 重要なパスワード(別途保存)
- クラウドサービスのアカウント情報
作業時間の確保
所要時間の目安:
- バックアップ:2〜8時間(データ量による)
- クリーンインストール:1〜3時間
- 復元・セットアップ:2〜4時間
- 合計:半日〜1日程度
クリーンインストールの詳細手順

ステップ1:復元モードで起動
Appleシリコン搭載Mac(M1、M2、M3など)の場合:
- Macの電源を完全に切る
- 電源ボタンを10秒以上長押し
- 「起動オプションの読み込み中」と表示される
- 「オプション」という歯車アイコンをクリック
- 「続ける」をクリック
- 管理者パスワードを入力
Intel Mac(2020年以前のMac)の場合:
- Macの電源を完全に切る
- 電源ボタンを押すと同時に「Command + R」を押し続ける
- Appleロゴが表示されるまで押し続ける
- macOS復元画面が表示される
ステップ2:ディスクユーティリティでストレージを消去
重要な注意:
- この操作でデータが完全に削除されます
- バックアップが完了していることを再確認してください
消去の手順:
- 「ディスクユーティリティ」を選択
- 「続ける」をクリック
- 左側のサイドバーで内蔵ディスクを選択
- 通常は「Macintosh HD」という名前
- 一番上の物理ディスクを選ぶ
- 「消去」ボタンをクリック
- 消去の設定を行う:
- 名前:「Macintosh HD」(または好きな名前)
- フォーマット:「APFS」を選択(推奨)
- 方式:「GUIDパーティションマップ」を選択
- 「消去」ボタンをクリックして実行
- 消去の完了を待つ
ステップ3:macOSを再インストール
インストールの開始:
- ディスクユーティリティを終了
- 「macOSを再インストール」を選択
- 「続ける」をクリック
- 使用許諾契約に同意
- インストール先ディスクを選択
- 先ほど消去したディスクを選ぶ
- 「インストール」をクリック
インストール中の注意点:
- 電源を切らない
- インターネット接続を維持
- 数時間かかる場合がある
- 複数回再起動することがある
ステップ4:初期設定
インストール完了後の設定:
- 言語と地域の選択
- キーボード設定
- Wi-Fiネットワークの設定
- 移行アシスタントの選択:
- Time Machineバックアップから復元
- 他のMacから移行
- 新規でセットアップ
- Apple IDでサインイン
- 利用規約への同意
- ユーザーアカウントの作成
データの復元方法

Time Machineからの復元
移行アシスタントを使用:
- 初期設定の「移行アシスタント」で「Time Machineバックアップから」を選択
- バックアップディスクを接続
- 復元したいバックアップを選択
- 復元するデータを選択:
- アプリケーション
- ユーザーアカウント
- その他のファイルとフォルダ
- コンピュータとネットワーク設定
- 復元の開始
後からの復元:
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「移行アシスタント」
- 上記と同じ手順で実行
手動での復元
重要なファイルの復元:
- 外付けドライブから必要なファイルをコピー
- クラウドサービスからダウンロード
- アプリは個別に再インストール
よくあるトラブルと対処法

復元モードに入れない場合
Appleシリコン Mac:
- 電源ボタンを20秒以上長押ししてみる
- 電源アダプターを接続して再試行
- SMCリセットを実行
Intel Mac:
- PRAMリセット(Command + Option + P + R)を試す
- 外付けキーボードを使用
- セーフモードで起動を試す
インストールが失敗する場合
考えられる原因:
- インターネット接続の問題
- ディスクの物理的な故障
- システムファイルの破損
対処方法:
- インターネット接続を確認
- 有線LAN接続を試す
- 別の復元モードを試す(Command + Option + R)
- Appleサポートに相談
バックアップからの復元ができない場合
確認すること:
- バックアップディスクの接続
- バックアップファイルの破損チェック
- macOSバージョンの互換性
代替方法:
- 手動でファイルをコピー
- iCloudからの同期
- 個別にアプリを再インストール
安全にクリーンインストールを行うコツ

事前チェックリスト
データの確認:
- [ ] 重要な書類がバックアップされている
- [ ] 写真・動画がバックアップされている
- [ ] アプリのライセンス情報を保存
- [ ] パスワードを別途記録
システムの確認:
- [ ] Macのモデルとチップを確認
- [ ] 現在のmacOSバージョンを確認
- [ ] インターネット接続を確認
- [ ] 十分な時間を確保
作業中の注意点
やってはいけないこと:
- 途中で電源を切る
- インターネット接続を切断する
- 他の作業を同時に行う
- 急いで作業を進める
推奨すること:
- 安定した電源を確保
- 有線インターネット接続を使用
- 作業に集中する
- 手順を確認しながら進める
まとめ:安全なクリーンインストールで快適なMacライフを
Macのクリーンインストールは、システムを完全にリフレッシュする強力な方法ですが、正しい手順で安全に行うことが重要です。
この記事のポイント
- 事前のバックアップは絶対に必要
- Appleシリコンとインtel Macで手順が異なる
- 「復元モード」→「ディスク消去」→「macOS再インストール」の順番
- 時間に余裕を持って作業する
- トラブル時の対処法も事前に確認
作業前の最終確認
- 本当にクリーンインストールが必要か再検討
- すべてのデータがバックアップされているか確認
- 必要な情報(Apple IDなど)を準備
- 十分な時間を確保
- 安定したインターネット環境を用意
成功のポイント
準備を入念に:
- バックアップは複数の方法で実行
- 重要な情報は紙にメモ
- 作業手順を事前に確認
慌てずに作業:
- 各ステップを確実に実行
- 不明な点があれば調べてから進む
- 失敗しても復旧できるよう準備
クリーンインストールを正しく実行することで、Macが新品同様の快適さを取り戻し、長期間安定して使用できるようになります。
よくある質問

Q: クリーンインストール以外でMacを高速化する方法はありますか?
A: はい。ストレージの整理、不要なアプリの削除、起動項目の見直しなど、軽度な方法もあります。まずはそちらを試してみてください。
Q: 古いMacでも同じ手順で実行できますか?
A: 基本的な手順は同じですが、非常に古いMacの場合は復元モードの起動方法が異なる場合があります。Appleサポートページで確認してください。
Q: クリーンインストール後にアプリが起動しなくなりました
A: アプリによってはライセンスの再認証が必要です。各アプリのサポートページを確認するか、開発元に問い合わせてください。
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