MacでGoogle Chromeを使っていて、
「URLをクリックしてもページが開かない」
「リンクを踏んでも新しいタブが開かない」
こんなトラブルに遭遇したことはありませんか?
Web制作や仕事でブラウザを多用する人にとって、Chromeが正しく動かないのは大問題。でも、原因のほとんどはちょっとした設定ミスやキャッシュが原因で、すぐに直せます。
この記事では、初心者の方にもわかるように、ChromeでURLが開かない原因、簡単にできる対処法、それでも直らない場合の対策を順を追って解説します。
まずはここを確認!よくある原因

Chromeがフリーズ・応答しない
症状の特徴
- クリックしても反応がない
- ページの読み込みが止まったまま
- タブの切り替えができない
- スクロールができない
対処法
基本的な再起動:
- Chromeを完全に終了する
- Dockのゴミ箱の隣をクリックしてChromeが完全に終了したか確認
- 再度Chromeを起動する
強制終了の方法:
Command + Option + Esc
を同時に押す- **「アプリケーションの強制終了」**ダイアログで「Google Chrome」を選択
- **「強制終了」**をクリック
- Chromeを再起動
Activity Monitor(アクティビティモニタ)を使う方法:
- **「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」**を開く
- **「Google Chrome」**を検索
- プロセスを選択して**「プロセスを終了」**をクリック
予防策
- 定期的にChromeを再起動する
- 開きすぎたタブを整理する
- メモリ使用量を意識する
ネットワーク接続の問題
症状の特徴
- すべてのウェブサイトが開かない
- **「インターネットに接続されていません」**のエラー
- ページの読み込みが異常に遅い
対処法
Wi-Fi接続の確認:
- 画面右上のWi-Fiアイコンをクリック
- 接続状況を確認(接続済みなら扇形のマークが表示)
- 切断されている場合は再接続
ネットワーク診断:
- **「システム環境設定」→「ネットワーク」**を開く
- **「診断」**ボタンをクリック
- 指示に従って問題を特定
DNS設定の確認:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」
- 使用中のネットワークを選択→「詳細」
- **「DNS」**タブで設定を確認
- 推奨DNS:
8.8.8.8
、8.8.4.4
(GoogleのDNS)
ルーターの再起動:
- ルーターの電源を10秒間切る
- 電源を入れ直す
- 2〜3分待ってから接続を確認
確認のコツ
- 他のアプリ(Safari、メールなど)でもネットにつながらない場合は、ネットワーク全体の問題
- Chromeだけの問題なら、ブラウザ固有の設定が原因
ポップアップブロックが原因
症状の特徴
- リンクをクリックしても新しいタブが開かない
- ポップアップウィンドウが表示されない
- **特定のサイトで「ポップアップがブロックされました」**の通知
設定確認と変更方法
ポップアップ設定の確認:
- Chromeの右上の縦3点メニューをクリック
- **「設定」**を選択
- **「プライバシーとセキュリティ」**をクリック
- **「サイトの設定」**を選択
- **「ポップアップとリダイレクト」**をクリック
設定の変更:
- すべて許可:「サイトにポップアップの送信とリダイレクトの使用を許可する」を選択
- 特定サイトのみ許可:「許可」セクションに該当サイトを追加
サイト個別の設定:
- 該当サイトを開く
- アドレスバーの左側の🔒(鍵マーク)をクリック
- **「ポップアップとリダイレクト」を「許可」**に変更
注意点
- ポップアップを全て許可すると、悪質な広告も表示される可能性
- 信頼できるサイトのみ個別に許可するのが安全
セキュリティソフトの干渉
よくある症状
- 特定のサイトだけ開かない
- **「安全でないサイト」**の警告が表示
- 突然アクセスできなくなったサイトがある
対処法
macOS標準のセキュリティ設定:
- 「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」
- **「ファイアウォール」**タブで設定を確認
- **「ファイアウォールオプション」**でChromeが許可されているか確認
サードパーティ製セキュリティソフト:
- ノートン、マカフィー、ウイルスバスターなどを使用している場合
- 一時的に無効化してテスト
- ホワイトリストに該当サイトを追加
この章のまとめ
基本的な問題の多くは、Chromeの再起動、ネットワーク確認、設定の見直しで解決できます。次は、より技術的な原因について見ていきましょう。
キャッシュや拡張機能が悪さしている場合

ブラウザキャッシュの問題
キャッシュとは?
ブラウザキャッシュは、一度アクセスしたウェブページのデータ(画像、CSS、JavaScriptなど)を一時的に保存する機能です。再訪問時の読み込み速度を向上させる効果がありますが、古いデータが残ることで問題を引き起こすことがあります。
キャッシュが原因の症状
- ページのデザインが崩れている
- 更新されたはずの内容が表示されない
- エラーページが繰り返し表示される
- 一部の機能が動作しない
対処法
ハードリロード(強制再読み込み):
Command + Shift + R
を押す- または
Command + R
を押しながら Shift も押す - 通常のリロードよりも強制的にキャッシュを無視して読み込む
スーパーリロード:
- 開発者ツールを開く:
Command + Option + I
- リロードボタンを長押し
- **「キャッシュの消去とハード再読み込み」**を選択
キャッシュとCookieの完全削除:
- Chrome右上のメニュー → 「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」 → 「閲覧履歴データの削除」
- 期間を**「全期間」**に設定
- 以下をチェック:
- 閲覧履歴
- Cookie と他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- **「データを削除」**をクリック
特定サイトのみキャッシュ削除
- 該当サイトを開く
Command + Option + I
で開発者ツールを開く- **「Application」**タブを選択
- 「Storage」 → 「Clear storage」
- **「Clear site data」**をクリック
拡張機能の競合
拡張機能が原因の症状
- 特定のサイトだけアクセスできない
- ページの一部が表示されない
- リンクが機能しない
- JavaScript エラーが発生する
よく問題を起こす拡張機能
- 広告ブロッカー(uBlock Origin、AdBlock Plus)
- プライバシー保護系(Ghostery、Privacy Badger)
- セキュリティ系(ノートン、マカフィーの拡張機能)
- VPN系
- スクリプトブロッカー
対処法
すべての拡張機能を一時無効化:
- Chrome右上のパズルピースアイコンをクリック
- **「拡張機能を管理」**を選択
- すべての拡張機能のスイッチをオフにする
- 問題が解決するか確認
シークレットモードでのテスト:
Command + Shift + N
でシークレットウィンドウを開く- 該当のURLにアクセス
- 正常に動作するか確認
- 動作する場合は拡張機能が原因
原因の拡張機能を特定:
- 一つずつ拡張機能を有効化
- 問題が再発したところで原因を特定
- 該当拡張機能の設定を調整または削除
拡張機能の設定調整例
広告ブロッカーの場合:
- 拡張機能のアイコンをクリック
- **「このサイトでは無効」**を選択
- または ホワイトリストに追加
プライバシー系拡張機能の場合:
- 拡張機能の設定を開く
- **「例外サイト」または「許可リスト」**に追加
- スクリプトブロックを一時的に解除
Cookie の問題
Cookie が原因の症状
- ログイン状態が保持されない
- サイトの設定が反映されない
- **「認証エラー」**が表示される
- ショッピングカートが空になる
対処法
特定サイトのCookieを削除:
- Chrome右上のメニュー → 「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」 → 「サイトの設定」
- 「Cookie とサイトデータ」 → 「すべての Cookie とサイトデータを表示」
- 該当サイトを検索して削除
サードパーティCookieの設定:
- 「サイトの設定」 → 「Cookie とサイトデータ」
- **「サードパーティの Cookie をブロックする」**のオン・オフを切り替え
- 特定サイトを例外に追加
プロファイルの破損
プロファイル破損の症状
- Chrome起動時にエラーが表示
- 設定が勝手にリセットされる
- ブックマークが消失する
- 異常な動作が続く
対処法
新しいプロファイルの作成:
- Chrome右上のアイコン(人型)をクリック
- **「追加」**を選択
- 新しいプロファイルを設定
- 新しいプロファイルでテスト
プロファイルフォルダのリセット:
- Chromeを完全終了
- Finder → 移動 → フォルダへ移動
~/Library/Application Support/Google/Chrome
と入力- 「Default」フォルダをデスクトップに移動(バックアップ)
- Chrome を再起動(新しいDefaultフォルダが自動作成される)
この章のまとめ
キャッシュクリア、拡張機能の無効化、プロファイルのリセットで多くの技術的な問題が解決します。次は、それでも解決しない場合の対策を見ていきましょう。
それでも直らないときの高度な対処法

DNS設定の問題
DNS関連の症状
- 特定のサイトだけ接続できない
- **「DNSエラー」**が表示される
- サイトの読み込みが異常に遅い
- 間違ったサイトに転送される
対処法
DNSキャッシュのクリア:
- ターミナルを開く(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)
- 以下のコマンドを実行:
sudo dscacheutil -flushcache
sudo killall -HUP mDNSResponder
- 管理者パスワードを入力
- Chromeを再起動
DNS設定の変更:
- 「システム環境設定」 → 「ネットワーク」
- 使用中の接続(Wi-Fi または Ethernet)を選択
- 「詳細」 → **「DNS」**タブ
- 既存のDNSサーバーを削除
- 以下を追加:
8.8.8.8
(Google DNS)8.8.4.4
(Google DNS)- または
1.1.1.1
(Cloudflare DNS)
- 「OK」 → 「適用」
Chromeの DNS設定:
- Chromeのアドレスバーに
chrome://settings/security
と入力 - **「詳細設定」**を開く
- **「セキュア DNS を使用する」**を確認
- **「カスタム」**を選択して
https://dns.google/dns-query
を入力
ファイアウォール・セキュリティ設定
macOS標準ファイアウォールの確認
- 「システム環境設定」 → 「セキュリティとプライバシー」
- **「ファイアウォール」**タブを選択
- **「ファイアウォールオプション」**をクリック
- Google Chromeが**「許可」**に設定されているか確認
ペアレンタルコントロールの確認
- 「システム環境設定」 → 「スクリーンタイム」
- **「コンテンツとプライバシー」**を確認
- Web制限が影響していないかチェック
Chromeの設定ファイル修復
設定ファイルの場所とバックアップ
# 設定ファイルの場所
~/Library/Application Support/Google/Chrome/Default/
重要なファイル:
- Preferences:基本設定
- Bookmarks:ブックマーク
- History:閲覧履歴
- Extensions:拡張機能の設定
設定ファイルの修復手順
- Chromeを完全終了
- Finderで以下に移動:
~/Library/Application Support/Google/Chrome/Default/
- Preferences ファイルをデスクトップにコピー(バックアップ)
- 元のPreferences ファイルを削除
- Chrome を再起動
Chrome の完全再インストール
従来の削除では不十分な場合
完全削除の手順:
- Chromeを終了
- アプリケーションフォルダからGoogle Chromeをゴミ箱に移動
- Finderで移動 → フォルダへ移動で以下を削除:
~/Library/Application Support/Google/~/Library/Caches/Google/~/Library/Google/~/Library/LaunchAgents/com.google.*
- ゴミ箱を空にする
- Mac を再起動
クリーンインストール:
- **Google Chrome 公式サイト**からダウンロード
- 新規インストール
- 初期設定を最初からやり直し
データの復旧
Google アカウント同期を使用している場合:
- Chromeにログインすることで自動的にデータが復旧
- ブックマーク、履歴、パスワードなどが同期される
Time Machine バックアップから復旧:
- Time Machineを開く
- 削除前の日付に戻る
- Chrome設定フォルダを復元
システムレベルの問題
macOS のアップデート確認
- Apple メニュー → 「このMacについて」
- **「ソフトウェアアップデート」**をクリック
- 利用可能なアップデートをインストール
権限の修復
# ディスクユーティリティでの権限修復
# アプリケーション → ユーティリティ → ディスクユーティリティ
# ディスクを選択 → First Aid → 実行
システム整合性保護(SIP)の確認
# ターミナルで実行
csrutil status
- System Integrity Protection status: enabled が正常
ハードウェア関連の問題
メモリ不足の確認
- アクティビティモニタを開く
- **「メモリ」**タブで使用状況を確認
- 「メモリプレッシャー」が赤色の場合は要注意
ストレージ容量の確認
- Apple メニュー → 「このMacについて」 → 「ストレージ」
- 十分な空き容量があるか確認(最低10GB以上推奨)
この章のまとめ
高度な対処法でも解決しない場合は、macOS自体の問題やハードウェア障害の可能性があります。最終手段として、AppleサポートやMac専門店への相談を検討しましょう。
予防策とメンテナンス
定期的なメンテナンス
日常的な予防策
週次のメンテナンス:
- Chromeの再起動(完全終了からの再起動)
- 不要なタブの整理
- ダウンロードフォルダの清掃
- 拡張機能の見直し
月次のメンテナンス:
- キャッシュとCookieの削除
- 不要な拡張機能の削除
- ブックマークの整理
- パスワードの確認・更新
自動化できる設定
Chrome の自動更新:
- Chrome メニュー → 「Google Chrome について」
- 自動更新が有効になっているか確認
バックグラウンドアプリの制限:
- Chrome 設定 → 「詳細設定」 → 「システム」
- **「Google Chrome を閉じた際にバックグラウンド アプリの処理を続行する」**をオフ
パフォーマンス最適化
メモリ使用量の削減
タブの管理:
- 不要なタブは積極的に閉じる
- タブ休止拡張機能(The Great Suspender など)の活用
- ブックマークを活用してタブを減らす
重い拡張機能の特定:
- Chrome メニュー → 「その他のツール」 → 「タスクマネージャ」
- メモリやCPU使用量の高い拡張機能を確認
- 必要性を検討して削除を検討
ネットワーク最適化
DNS の最適化:
- 応答速度の速いDNSを使用
- DNS ベンチマークツールで最適なDNSを特定
キャッシュサイズの調整:
- 過度なキャッシュはかえってパフォーマンス低下の原因
- 定期的なクリアを心がける
バックアップ戦略
Chrome データのバックアップ
Google アカウント同期:
- すべてのデータタイプを同期設定
- 複数デバイスでの同期確認
- 定期的な同期状況のチェック
手動バックアップ:
# 設定フォルダ全体をバックアップ
cp -r ~/Library/Application\ Support/Google/Chrome/ ~/Desktop/Chrome_Backup_$(date +%Y%m%d)/
Time Machine の活用
- Chrome設定フォルダも自動でバックアップされる
- トラブル時の復旧が簡単
- 定期的なバックアップの確認
トラブル早期発見
監視すべき兆候
パフォーマンス低下の兆候:
- 起動時間の延長
- タブ切り替えの遅延
- メモリ使用量の異常増加
- 頻繁なクラッシュ
ネットワーク問題の兆候:
- 特定サイトの読み込み失敗
- 画像や動画の読み込み不良
- ダウンロードの中断
- 同期エラーの頻発
ログ監視
Chrome のエラーログ:
- アドレスバーに
chrome://crashes/
と入力 - クラッシュレポートを確認
- パターンがあれば原因を特定
Console での確認:
- 開発者ツール → Console タブ
- JavaScript エラーやネットワークエラーを確認
まとめ
MacでChromeがURLを開かない問題は、多くの場合段階的なアプローチで解決できます。
基本的な対処手順
- Chrome の再起動
- ネットワーク接続の確認
- ポップアップ設定の確認
- キャッシュ・Cookie の削除
- 拡張機能の無効化
技術的な対処法
- DNS 設定の確認・変更
- セキュリティ設定の調整
- プロファイルのリセット
- システムレベルの修復
最終手段
- Chrome の完全再インストール
- macOS のアップデート
- 専門家への相談
予防策
- 定期的なメンテナンス
- 適切な設定管理
- バックアップの整備
- パフォーマンス監視
重要なポイント
安全第一:
- 重要なデータのバックアップを忘れずに
- 不明な設定変更は避ける
- 信頼できるソースからの情報のみ実行
段階的アプローチ:
- 簡単な方法から順番に試す
- 一度に複数の変更をしない
- 変更内容を記録しておく
予防重視:
- 日常的なメンテナンスが最も効果的
- 問題の早期発見に努める
- 適切な使用方法を心がける
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