「気になるレシピを見つけたけど、後でオフラインでも見たい」
「重要な記事を印刷用に保存しておきたい」
「研究資料として、ウェブページを正確に保存したい」
そんなとき、MacのGoogle Chromeなら、表示中のウェブページを簡単にPDFファイルとして保存できます。
しかも、特別なソフトは一切必要ありません。
実は、多くの人が知らない便利機能なのですが、一度覚えてしまえば、日常的に活用できる非常に便利な機能です。
この記事では、MacのChromeでPDF保存する方法を、Mac初心者の方でも迷わずできるよう詳しく説明します。
PDF保存が便利な理由

まず、なぜウェブページをPDFで保存するのが便利なのかを理解しましょう。
PDFのメリット
オフラインでも閲覧可能
- インターネット接続がなくても読める
- 飛行機の中や地下鉄でも安心
- 通信量を気にする必要がない
レイアウトが崩れない
- 元のデザインをそのまま保持
- フォントや画像も正確に再現
- どのデバイスでも同じ見た目
検索・共有が簡単
- PDF内のテキスト検索が可能
- メールやクラウドで簡単に共有
- 印刷時もレイアウトが安定
編集・注釈が可能
- 後からメモやハイライトを追加
- 重要な部分にマーカーを引ける
- コメントや図形の挿入も可能
こんな場面で活用できます
学習・研究用途
- 論文や記事の保存
- オンライン授業の資料作成
- 参考文献の整理
仕事関連
- 会議資料の準備
- プレゼンテーション素材の収集
- 競合他社の情報収集
日常生活
- レシピの保存
- 旅行情報の保存
- ショッピング情報の記録
創作活動
- デザインの参考資料
- ウェブサイトのモックアップ作成
- インスピレーションの保存
基本的なPDF保存手順

それでは、実際の保存手順を詳しく説明します。
Step 1: 保存したいページを準備
ページを開く
- Google Chromeを起動
- 保存したいウェブページにアクセス
- ページが完全に読み込まれるまで待つ
ページの調整(必要に応じて)
- 不要な広告などがあれば、可能な範囲で閉じる
- 画面のズーム調整(100%推奨)
- スクロールして全体を確認
Step 2: 印刷メニューを開く
方法1:メニューからアクセス
- Chrome画面右上の「⋮」(3点メニュー)をクリック
- 表示されるメニューから「印刷…」を選択
方法2:キーボードショートカット(推奨)
Command + P
を同時に押す- より迅速で効率的
方法3:右クリックメニュー
- ページ上で右クリック
- コンテキストメニューから「印刷…」を選択
Step 3: PDF保存設定
印刷プレビュー画面の確認 印刷設定画面が開くと、右側にプレビューが表示されます。この段階で、PDFの仕上がりを確認できます。
送信先の変更
- 左側の「送信先」欄を確認
- デフォルトでプリンターが選択されている場合は変更
- 「送信先を変更」をクリック
- 「PDFに保存」を選択
Step 4: 詳細設定のカスタマイズ
ページ設定
用紙サイズ
- A4(推奨):一般的な文書サイズ
- Letter:北米標準
- Legal:法的文書用
- カスタム:特殊なサイズが必要な場合
方向
- 縦向き(Portrait):通常の文書
- 横向き(Landscape):幅広いコンテンツ用
余白設定
- デフォルト:標準的な余白
- 最小:コンテンツを最大化
- なし:余白を完全に削除
- カスタム:独自の余白を設定
詳細オプション
ページ範囲
選択肢:
・すべて:ページ全体を保存
・現在のページ:表示中のページのみ
・カスタム:特定のページ範囲を指定
スケール(拡大縮小)
- 100%:元のサイズ
- ページに合わせる:用紙サイズに自動調整
- カスタム:50%-200%の範囲で指定
オプション設定
- ヘッダーとフッター:ページ番号やURLの表示
- 背景のグラフィック:背景画像や色の保持
- 選択部分のみ印刷:テキスト選択している場合
Step 5: 保存実行
プレビューで最終確認
- 右側のプレビューでレイアウトを確認
- 複数ページになる場合は、ページめくりで全体をチェック
- 文字の大きさや画像の配置を確認
保存ボタンをクリック
- 設定に問題がなければ「保存」ボタンをクリック
- macOSの保存ダイアログが表示される
保存先とファイル名の設定
- 保存場所の選択
- デスクトップ:すぐにアクセスしたい場合
- 書類フォルダ:整理して保存したい場合
- 特定フォルダ:プロジェクト別に管理
- ファイル名の設定
- デフォルトでページタイトルが入力される
- 分かりやすい名前に変更可能
- 日付や内容を含めると後で探しやすい
- 保存形式の確認
- 「フォーマット」が「PDF」になっていることを確認
- 「保存」ボタンをクリック
より美しいPDFを作るための設定テクニック

基本的な保存ができるようになったら、より高品質なPDFを作成するテクニックを覚えましょう。
レイアウト最適化
画面の幅調整 保存前にブラウザのウィンドウ幅を調整することで、PDFのレイアウトを改善できます。
- 理想的な幅の見つけ方
- ウェブページのコンテンツ幅を確認
- 1200px程度が多くのサイトで最適
- レスポンシブデザインサイトでは特に重要
- ウィンドウサイズの調整方法
- ブラウザウィンドウの端をドラッグして調整
- 開発者ツール(F12)でデバイス表示をシミュレート
ズーム調整
推奨ズーム設定:
・100%:標準的な読みやすさ
・90%:より多くの情報を1ページに収める
・110%:文字を大きくして読みやすく
・75%:全体を俯瞰したい場合
コンテンツの調整
不要な要素の除去
広告の非表示
- 広告ブロッカーの使用
- uBlock Origin(Chrome拡張機能)
- AdBlock Plus
- Ghostery
- 手動での要素除去
- 開発者ツール(F12)を開く
- 不要な要素を右クリック → 「要素を削除」
ナビゲーションメニューの処理
- 印刷時に不要なメニューは@media printのCSSで非表示
- 手動で折りたたみ可能なメニューは閉じる
印刷スタイルの活用
CSS印刷スタイルの理解 多くのウェブサイトは、印刷用の特別なスタイルを持っています。
/* 印刷用CSSの例 */
@media print {
.no-print { display: none; }
body { font-size: 12pt; }
a { color: black; text-decoration: underline; }
}
印刷モードの確認
- 開発者ツール(F12)を開く
- 「その他のツール」→「レンダリング」
- 「CSSメディアのエミュレート」で「print」を選択
色と画像の最適化
カラーモードの選択
設定場所:詳細設定 > 色
・カラー:画像や背景色を保持
・グレースケール:インク節約、文書的な印象
・白黒:テキスト中心の文書に最適
画像品質の設定
- 背景のグラフィックを有効にすると画像品質が向上
- 大きな画像は自動的にページに合わせて縮小
- 重要な画像は事前に別途保存も検討
高度な保存テクニック

さらに高度なPDF作成テクニックを紹介します。
ページ分割の制御
改ページの調整
多くのウェブサイトでは、印刷時の改ページを考慮していません。以下の方法で改善できます。
CSS改ページ制御
/* 特定の要素で改ページを強制 */
.page-break {
page-break-before: always;
}
/* 改ページを避ける */
.keep-together {
page-break-inside: avoid;
}
手動での調整
- ブラウザの開発者ツールを使用
- 一時的にCSSを追加して改ページを制御
- PDF化後に開発者ツールの変更を取り消し
複数ページの一括処理
タブの活用
- 複数のページを別タブで開く
- 各タブで順次PDF保存
- 後でPDF結合ツールで統合
自動化の検討 上級者向けですが、以下のような自動化も可能です:
// ページ内の全リンクを新しいタブで開く例
document.querySelectorAll('a').forEach(link => {
if (link.href.includes('article')) {
window.open(link.href, '_blank');
}
});
カスタムヘッダー・フッター
ヘッダー・フッターの編集
デフォルトのヘッダー・フッターをカスタマイズ:
- 印刷設定で「その他の設定」を展開
- 「ヘッダーとフッター」のチェックボックスを確認
表示される情報
ヘッダー:
・左:ページタイトル
・右:現在の日付
フッター:
・左:ページURL
・右:ページ番号
カスタマイズ方法 CSSを使用してヘッダー・フッターをカスタマイズ:
@page {
@top-left { content: "カスタムタイトル"; }
@top-right { content: counter(page); }
@bottom-left { content: "作成者名"; }
@bottom-right { content: "秘密文書"; }
}
よくある問題と解決方法

PDF保存時によく遭遇する問題と、その解決方法を説明します。
レイアウトの問題
問題1: ペ ージが途中で切れる
症状
- 重要なコンテンツが次のページに分割される
- 表や画像が半分に切れる
解決方法
1. ズーム調整
- 90%や85%に縮小して1ページに収める
- 「ページに合わせる」オプションを使用
2. 余白の調整
- 「最小」または「なし」を選択
- カスタム余白で微調整
3. 用紙サイズの変更
- A4からA3やLegalサイズに変更
- 横向きレイアウトの検討
問題2: 文字が小さすぎて読めない
症状
- PDFにすると文字がとても小さくなる
- 印刷して読むには不適切
解決方法
1. ブラウザのズーム調整
- 110%や125%に拡大してからPDF化
- 重要な部分のみ選択してPDF化
2. ページ範囲の調整
- 長いページを複数のPDFに分割
- セクションごとに個別保存
3. 印刷向け表示の利用
- サイトの「印刷用ページ」機能を使用
- リーダーモードの活用
問題3: 画像が表示されない
症状
- ウェブページでは見える画像がPDFにない
- 背景画像が保存されない
解決方法
1. 背景グラフィックの有効化
- 「その他の設定」で「背景のグラフィック」をチェック
2. 画像の読み込み確認
- ページを再読み込み(Command + R)
- 画像が遅延読み込みの場合はスクロールして表示
3. 画像形式の確認
- WebP形式の画像は表示されない場合がある
- 代替画像があるかサイトで確認
パフォーマンスの問題
問題1: PDF生成が遅い・止まる
症状
- 「保存」ボタンを押しても反応が遅い
- 大きなページでフリーズする
解決方法
1. ページサイズの確認
- 非常に長いページは分割して保存
- 画像が多いページは圧縮を検討
2. Chromeの再起動
- ブラウザを一度閉じて再起動
- 他のタブを閉じてメモリを確保
3. システムリソースの確認
- 他のアプリケーションを終了
- Macの空きメモリを確認
問題2: PDFファイルサイズが大きすぎる
症状
- 数十MBの巨大なPDFファイルになる
- メール添付やアップロードが困難
解決方法
1. 画像品質の調整
- 背景グラフィックを無効化
- 白黒またはグレースケールで保存
2. ページ範囲の限定
- 本当に必要な部分のみ選択
- 複数の小さなPDFに分割
3. 後処理での圧縮
- プレビューアプリで「ファイル」→「書き出す」
- 「Quartzフィルタ」で「Reduce File Size」を選択
保存したPDFの活用方法

作成したPDFを効果的に活用する方法を紹介します。
整理と管理
ファイル命名規則
推奨命名パターン:
・日付_内容_サイト名.pdf
・2024-01-15_プログラミング学習_Qiita.pdf
・2024-01-15_レシピ_クックパッド_ハンバーグ.pdf
フォルダ構成例
PDF保存/
├── 仕事/
│ ├── 2024年/
│ ├── 競合調査/
│ └── 技術資料/
├── 学習/
│ ├── プログラミング/
│ ├── デザイン/
│ └── 語学/
└── 趣味/
├── 料理/
├── 旅行/
└── DIY/
検索と活用
Spotlight検索の活用
Command + Space
でSpotlightを開く- PDF内のテキストも検索対象になる
- ファイル名だけでなく内容でも検索可能
Tagsの活用
- Finderでファイルを選択
- 右クリック→「Tagsを編集」
- 色分けタグで分類(赤:緊急、青:参考資料など)
注釈とメモ
プレビューアプリでの編集
- テキスト注釈の追加
- ツールバーの「A」アイコンをクリック
- 任意の場所にテキストボックスを配置
- ハイライト機能
- 重要な部分をドラッグして選択
- ツールバーの蛍光ペンアイコンをクリック
- 図形の挿入
- 矢印、四角形、円などの図形を追加
- 重要な部分を視覚的に強調
他のPDF編集アプリ
Adobe Acrobat Reader(無料)
- より高度な注釈機能
- フォーム入力
- デジタル署名
PDF Expert(有料)
- Macに最適化されたUI
- 高速な表示と編集
- クラウド同期
他のブラウザとの比較

他のブラウザでのPDF保存機能と比較してみましょう。
Safari
保存方法
Command + P
で印刷画面を開く- 左下の「PDF」ボタンをクリック
- 「PDFとして保存」を選択
Chromeとの違い
- よりmacOSに統合された印刷画面
- 設定項目がシンプル
- プレビューの精度が高い
Firefox
保存方法
Command + P
で印刷画面を開く- 送信先で「PDFに保存」を選択
- Chromeとほぼ同様の手順
特徴
- プライバシー重視の設定
- 広告ブロック機能が標準搭載
- カスタマイズ性が高い
Microsoft Edge
保存方法 Chromeとほぼ同じChromiumベース
特徴
- Microsoftサービスとの連携
- セキュリティ機能が充実
- PDFの直接編集が可能
便利なツールと拡張機能

PDF保存をより便利にするツールを紹介します。
Chrome拡張機能
Save as PDF
- ワンクリックでPDF保存
- 設定を記憶して次回同じ設定で保存
- バッチ処理対応
Print Friendly & PDF
- 不要な要素を自動除去
- 印刷最適化レイアウト
- 画像サイズの自動調整
GoFullPage
- ページ全体のスクリーンショットをPDF化
- 長いページも1枚の画像として保存
- 高解像度出力
PDF管理ツール
PDFtk Server(無料)
- コマンドラインでのPDF操作
- 複数PDFの結合・分割
- 自動化スクリプトに最適
PDF Squeezer(Mac App Store)
- PDFファイルサイズの圧縮
- 一括処理対応
- 品質を保ったまま軽量化
自動化とスクリプト
上級者向けの自動化テクニックを紹介します。
Automatorでの自動化
PDF保存の自動化
- Automatorを起動
- 「アプリケーション」を選択
- 以下のアクションを追加:
- 「URLを取得」
- 「Webページを印刷」
- 「PDFとして保存」
AppleScriptでの制御
基本的なスクリプト例
tell application "Google Chrome"
tell front window
tell active tab
set pageURL to URL
set pageTitle to title
end tell
end tell
end tell
-- 印刷ダイアログを開く
tell application "System Events"
keystroke "p" using command down
end tell
ショートカットアプリの活用
iOS/macOS連携
- ショートカットアプリでワークフローを作成
- 「ブラウザからPDF作成」ワークフロー
- Siri音声コマンドで実行
まとめ
この記事を通じて、MacのChromeでのPDF保存について詳しく学ぶことができたと思います。
基本的な保存手順
Command + P
で印刷画面を開く- 送信先を「PDFに保存」に変更
- 設定を調整してプレビュー確認
- 保存先を指定してファイル名を入力
美しいPDFを作るコツ
- ブラウザの幅とズームを調整
- 不要な要素を除去
- 適切な用紙サイズと方向を選択
- 背景グラフィックの設定を確認
よくある問題の対処
- レイアウト崩れ:ズームと余白の調整
- 文字サイズ:拡大表示からPDF化
- 画像表示:背景グラフィック有効化
効率的な活用方法
- 適切なファイル命名とフォルダ整理
- 検索機能とタグの活用
- 注釈機能での情報追加
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