「Macの名前って変えられるの?」
「ネットワークに複数台のMacがあるけど、見分けづらい…」
こんなふうに感じたことはありませんか?
Macのコンピュータ名は、AirDropやネットワーク共有時に表示されるため、誰のMacかわからないままだと混乱の原因になります。
特に、家族や職場で複数のMacを使っている場合、適切な名前をつけておくことはとても重要です。
この記事では、Macのコンピュータ名を変更する方法を、初心者にもわかりやすく解説します。また、変更時の注意点や実際に使えるおすすめネーミング例もご紹介します。
コンピュータ名とは?どこで使われているのか
コンピュータ名の基本的な役割
Macの「コンピュータ名」は、Wi-Fiネットワーク上やAirDrop、ファイル共有などで他の端末から見える「デバイスの名前」です。初期状態では「〇〇のMacBook」「〇〇のiMac」などが自動的に設定されています。
具体的な表示場面
AirDropでの表示
- ファイル共有時に「TanakaのMacBook Pro」と表示される
- iPhone や iPad からMacを探すときの目印になる
- 近くにある他のAppleデバイスから見える名前
ネットワーク共有での表示
- ファイル共有機能をオンにしたときの表示名
- TimeMachineバックアップでの識別名
- リモートアクセス時の接続先表示
その他の表示場面
- Bluetoothペアリング時のデバイス名
- ターミナルのプロンプト表示
- ネットワーク管理ツールでの表示
初期設定の問題点
よくある初期名の例
- 「田中太郎のMacBook Air」
- 「User’s iMac」
- 「MacBook Pro」
問題となるケース
- 同じ名前のMacが複数ある場合の混乱
- 個人名が含まれることによるプライバシーの懸念
- 機種名だけで個体識別が困難
適切なコンピュータ名の重要性
セキュリティ面のメリット
- 不特定多数に個人名を知られることを防ぐ
- ネットワーク上での匿名性を保つ
- 業務用と個人用の区別が明確になる
管理面のメリット
- 複数デバイスの識別が容易
- バックアップやファイル共有での混乱防止
- システム管理者による管理が楽になる
コンピュータ名は他人からも見える情報なので、適切に管理しておきたい項目です。では、実際の変更手順を詳しく見ていきましょう。
Macのコンピュータ名を変更する手順
macOS Ventura(13.0)以降での変更方法
手順1:システム設定を開く
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「システム設定」を選択
- または、Dockの「システム設定」アイコンをクリック
手順2:共有設定にアクセス
- 左サイドバーで「一般」をクリック
- 右側の設定項目から「共有」をクリック
- 共有設定画面が表示される
手順3:コンピュータ名を変更
- 画面上部の「コンピュータ名」欄を確認
- 現在の名前をクリックして選択
- 新しい名前を入力
- Enterキーを押して確定
macOS Monterey(12.0)以前での変更方法
手順1:システム環境設定を開く
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「システム環境設定」を選択
- または、Dockの「システム環境設定」アイコンをクリック
手順2:共有設定にアクセス
- 「共有」アイコンをクリック
- 共有設定画面が表示される
手順3:コンピュータ名を変更
- 画面上部の「コンピュータ名」欄を確認
- 現在の名前を選択
- 新しい名前を入力
- 他の場所をクリックして確定
変更が即座に反映される項目
すぐに変わるもの
- ネットワーク上での表示名
- ファイル共有での表示
- ターミナルのプロンプト
少し時間がかかるもの
- AirDropでの表示(数分程度)
- Bluetoothデバイス名
- 一部のネットワークサービス
変更時の注意点
名前の制限事項
- 使用可能文字:英数字、ハイフン、アンダースコア
- 日本語も使用可能だが、一部サービスで問題が生じる場合あり
- スペースは使用可能だが、コマンドライン作業で不便
推奨しない文字
避けるべき記号:!@#$%^&*()+={}[]|;':"<>?,./
避けるべき文字:絵文字、特殊文字、制御文字
長さの制限
- 一般的には63文字まで可能
- 実用的には15-20文字程度が適切
- 短すぎると識別が困難
変更の流れは以上で完了です。設定は即時反映されますが、一部のサービスでは反映に時間がかかる場合があります。次は、よく発生するトラブルとその対処法を見てみましょう。
よくあるトラブルとその対策
AirDropで名前が反映されないトラブル
症状
- コンピュータ名を変更したのにAirDropで古い名前が表示される
- iPhone や iPad から見えるMac名が変わらない
- 他のデバイスからの認識が更新されない
対処法1:AirDropの再起動
- Finderを開く
- サイドバーの「AirDrop」をクリック
- 「AirDropを発見可能にする相手」で「なし」を選択
- 数秒待ってから「連絡先のみ」または「すべての人」を選択
対処法2:Wi-Fiの再接続
- メニューバーのWi-Fiアイコンをクリック
- 「Wi-Fiを切にする」を選択
- 30秒ほど待ってから再度Wi-Fiをオンにする
対処法3:システム再起動
最も確実な方法:
1. Appleメニュー → 「再起動」
2. 再起動後、AirDropで名前を確認
3. 通常はこれで解決
他のMacと名前が重複するトラブル
症状
- ネットワーク上で同じ名前のMacが複数表示される
- ファイル共有で意図しないMacに接続してしまう
- バックアップ先の判別が困難
対処法:ユニークな名前の設定
効果的な命名例:
・個人識別 + 機種 + 年式:「Yamada-MacBook-2024」
・用途 + 機種:「Design-iMac」「Dev-MacBook」
・場所 + 用途:「Office-Mac」「Home-Studio」
重複チェック方法
- Finderを開く
- サイドバーの「ネットワーク」をクリック
- 表示されるMac名を確認
- 重複があれば名前を変更
ネットワーク接続が不安定になるトラブル
症状
- 名前変更後にWi-Fi接続が不安定
- ファイル共有ができなくなった
- プリンタなどのネットワーク機器に接続できない
対処法1:ネットワーク設定のリセット
- 「システム設定」→「Wi-Fi」
- 詳細設定から「保存されたネットワークを削除」
- Wi-Fiネットワークに再接続
対処法2:DNS設定の確認
- 「システム設定」→「Wi-Fi」
- 「詳細」をクリック
- 「DNS」タブでDNSサーバーを確認
- 必要に応じて公開DNS(8.8.8.8など)を追加
Bluetoothデバイス名が変わらないトラブル
症状
- コンピュータ名を変更してもBluetoothでの表示名が古いまま
- 他のデバイスからのペアリング時に古い名前が表示
対処法:Bluetooth設定のリセット
- 「システム設定」→「Bluetooth」
- 問題のあるデバイスとのペアリングを解除
- Macを再起動
- デバイスを再ペアリング
ターミナルプロンプトが更新されないトラブル
症状
- ターミナルを開いても古いコンピュータ名が表示される
- シェルプロンプトが更新されない
対処法
# 新しいターミナルセッションを開く
# または以下のコマンドを実行
exec $SHELL
# 設定を確認
hostname
scutil --get ComputerName
企業ネットワークでの問題
症状
- 社内ネットワークでコンピュータ名の変更が制限される
- Active Directoryドメインでの名前変更ができない
対処法
- システム管理者に変更を依頼
- ローカル表示名のみの変更を検討
- 必要に応じて管理者権限での設定変更
トラブルの多くは、システムの再起動やネットワーク設定の更新で解決できます。次は、実用的で覚えやすいコンピュータ名のアイデアをご紹介します。
実用的なコンピュータ名の例
基本的な命名ルール
読みやすさを重視
- 英数字を基本とする
- 簡潔で覚えやすい名前
- 発音しやすい組み合わせ
識別しやすさを重視
- 用途や場所を含める
- 機種や年式で区別
- 所有者や部門を明記
実用的なネーミング例
個人使用での命名例
シンプル系:
・MacBook-Home
・iMac-Studio
・Mac-Office
個人識別系:
・Tanaka-MacBook-2024
・Yuki-iMac-M1
・Sato-MacPro
用途別系:
・Design-Mac
・Code-MacBook
・Photo-iMac
家族・複数人での使用
家族での使用:
・Dad-MacBook
・Mom-iMac
・Kids-Mac
部屋別での使用:
・LivingRoom-Mac
・Bedroom-MacBook
・Study-iMac
ビジネス用途での命名例
部門別:
・Sales-MacBook-01
・Design-iMac-Studio
・Dev-MacPro-Server
プロジェクト別:
・ProjectA-Mac
・WebDev-MacBook
・Video-iMac
場所別:
・Tokyo-Office-Mac
・Remote-MacBook
・Conference-iMac
創造的なネーミング例
技術系テーマ
プログラミング言語:
・Swift-MacBook
・Python-iMac
・React-Mac
宇宙・科学系:
・Apollo-MacBook
・Newton-iMac
・Tesla-Mac
自然・動物系テーマ
動物系:
・Falcon-MacBook(高速性をイメージ)
・Lion-iMac(力強さをイメージ)
・Dolphin-Mac(賢さをイメージ)
自然系:
・Aurora-MacBook
・Storm-iMac
・River-Mac
食べ物・飲み物系テーマ
コーヒー系:
・Espresso-MacBook
・Latte-iMac
・Mocha-Mac
日本の食べ物:
・Sushi-MacBook
・Ramen-iMac
・Mochi-Mac
避けるべき命名パターン
セキュリティ上問題のある名前
避けるべき例:
・個人の本名そのまま
・住所や電話番号を含む
・パスワードや機密情報を含む
・誕生日や個人情報を含む
技術的に問題のある名前
避けるべき文字・パターン:
・スペースのみや空文字
・特殊文字(!@#$%など)
・予約語(localhost、serverなど)
・既存のネットワーク機器名と重複
実用性に欠ける名前
避けるべき例:
・長すぎる名前(30文字以上)
・数字のみの名前
・意味不明な文字列
・判別困難な似た名前
命名時のチェックポイント
確認すべき項目
- 一意性:他のデバイスと重複していないか
- 可読性:第三者が読みやすいか
- 将来性:長期間使用しても問題ないか
- 適切性:ビジネス環境で使用して適切か
テスト方法
命名後の確認手順:
1. AirDropで表示される名前を確認
2. ネットワーク上での表示を確認
3. ファイル共有での表示を確認
4. 他のデバイスからの見え方を確認
自分らしい名前にすることで、デバイスに愛着が湧き、使うたびにちょっと嬉しくなりますね。適切な名前設定は、単なる識別だけでなく、デバイス管理の効率化にもつながります。
まとめ:コンピュータ名変更でMacをもっと使いやすく
この記事では、Macのコンピュータ名変更について詳しく解説しました。
重要なポイント
コンピュータ名の役割
- AirDrop、ファイル共有、ネットワーク接続での識別名
- 他のデバイスから見える重要な情報
- セキュリティとプライバシーに関わる設定
変更方法のまとめ
- macOS Ventura以降:「システム設定」→「一般」→「共有」
- macOS Monterey以前:「システム環境設定」→「共有」
- 変更は即時反映、一部サービスでは時間がかかる場合あり
トラブル対策
- AirDropの再起動で表示名更新
- システム再起動が最も確実な解決法
- ネットワーク設定のリセットで接続問題を解決
実践的なアドバイス
命名のベストプラクティス
- 用途や所有者を含める明確な名前
- 英数字とハイフンを基本とした構成
- 15-20文字程度の適切な長さ
- 他のデバイスと重複しない一意な名前
セキュリティの考慮
- 個人情報を含めない設定
- ビジネス環境に適した名前選択
- 定期的な見直しと更新
管理効率の向上
- 複数デバイスでの統一ルール
- 用途別・場所別の体系的命名
- バックアップとファイル共有での混乱防止
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