「テキスト編集で矢印キーが使えない!」 「ゲームで方向キーが反応しない」 「急に矢印キーだけ動かなくなった…」
こんな困った状況に直面していませんか?
Macの矢印キー(方向キー)が動かない問題は、実は様々な原因が考えられます。 キーボードの故障だけでなく、システム設定やアプリの問題、意外なショートカットの影響など…
この記事では、矢印キーが動かない全ての原因と、その解決方法を優先順位付きで解説します。 簡単な方法から順番に試せば、きっと解決できるはずです!
まず試す!5秒でできる基本チェック

1. キーボードの再接続(外付けの場合)
USB/Bluetoothキーボードの場合:
1. キーボードを取り外す/Bluetooth接続を切る
2. 10秒待つ
3. 再接続する
4. 矢印キーをテスト
Magic Keyboardの場合:
1. Lightning/USB-Cケーブルで接続している場合は抜く
2. Bluetoothをオフ→オン
システム設定 → Bluetooth → オフ → オン
3. 再ペアリング
2. 別のアプリで動作確認
テスト手順:
1. テキストエディット.appを開く
2. 文字を入力
3. 矢印キーで移動を試す
もし特定のアプリだけで動かない場合:
→ アプリの問題(後述の対処法へ)
3. Macを再起動
通常の再起動:
→ 再起動
または
Control + Command + 電源ボタン
SMCリセットも兼ねた完全シャットダウン:
1. → システム終了
2. 電源が切れたら10秒待つ
3. 電源ボタンで起動
原因1:マウスキー機能が有効になっている
症状と確認方法
矢印キーがマウスカーソルの移動に使われてしまう状態です。
確認方法:
システム設定 → アクセシビリティ → ポインタコントロール → 代替コントロール方法
解決方法
マウスキーを無効にする:
macOS Ventura (13.0) 以降:
1. システム設定を開く
2. アクセシビリティ
3. ポインタコントロール
4. 代替コントロール方法
5. 「マウスキー」をオフ
macOS Monterey (12.0) 以前:
1. システム環境設定を開く
2. アクセシビリティ
3. ポインタコントロール
4. 代替のコントロール方法
5. 「マウスキーを有効にする」のチェックを外す
ショートカットで切り替え:
Option キーを5回押す
(マウスキーのオン/オフが切り替わる)
原因2:スティッキーキーやスローキーの影響
アクセシビリティ機能の確認
スティッキーキー: 修飾キーを順番に押せるようにする機能
スローキー: キーを長押ししないと入力されない機能
解決方法
システム設定 → アクセシビリティ → キーボード
無効にする項目:
- □ スティッキーキーを有効にする
- □ スローキーを有効にする
- □ キーのリピート速度を調整
すべてオフにして確認!
原因3:キーボードビューアで物理的な問題を確認
キーボードビューアを表示
方法1:メニューバーから
1. システム設定 → キーボード
2. 「メニューバーに表示」をオン
3. メニューバーの入力メニューから「キーボードビューアを表示」
方法2:アクセシビリティキーボードから
1. システム設定 → アクセシビリティ
2. キーボード → アクセシビリティキーボード
3. 「有効にする」
診断方法
キーボードビューアを見ながら:
1. 矢印キーを押す
2. 画面上で反応するか確認
反応する → ソフトウェアの問題
反応しない → ハードウェアの問題
原因4:特定のアプリでのみ動かない
Vim/ターミナルでの問題
Vimモードの確認:
# Vimでインサートモードか確認
# ESCを押してから i を押す
# これで矢印キーが使えるようになる場合がある
ターミナルの設定:
# .inputrcファイルを確認
cat ~/.inputrc
# 矢印キーのマッピングを追加
echo 'set enable-keypad on' >> ~/.inputrc
VS Code/エディタでの問題
VS Codeの場合:
1. Command + Shift + P
2. 「Preferences: Open Keyboard Shortcuts」
3. 矢印キーのバインディングを確認
4. 競合している拡張機能を無効化
Excelや特定のアプリ
Excelでスクロールロックの確認:
Shift + F14 を押す
(スクロールロックの切り替え)
原因5:キーボードレイアウトの問題
現在のレイアウトを確認
システム設定 → キーボード → テキスト入力 → 入力ソース
JISとUSキーボードの設定
正しいレイアウトに変更:
1. 「+」ボタンで新しい入力ソースを追加
2. 日本語 → 適切なキーボードを選択
- JISキーボード:日本語 - ローマ字入力
- USキーボード:英語(US)
3. 不要な入力ソースを削除
原因6:サードパーティ製アプリの干渉

確認すべきアプリ
キーボード関連アプリ:
- Karabiner-Elements
- BetterTouchTool
- Keyboard Maestro
- Alfred
- TextExpander
セーフモードで確認
セーフモードで起動:
Intel Mac:
1. 電源を切る
2. 電源を入れてすぐShiftキーを押し続ける
3. ログイン画面が出たら離す
Apple Silicon Mac:
1. 電源を切る
2. 電源ボタンを押し続ける
3. 起動オプションが表示されたら「セーフモード」を選択
セーフモードで矢印キーが動く場合、サードパーティアプリが原因!
原因7:NVRAM/PRAMのリセット
Intel Macの場合
1. Macをシステム終了
2. 電源を入れてすぐに以下のキーを同時に押し続ける:
Option + Command + P + R
3. 起動音が2回鳴るまで押し続ける(約20秒)
4. キーを離して起動を待つ
Apple Silicon Macの場合
Apple Silicon MacにはNVRAMリセットはありませんが、以下で同様の効果:
1. Macをシステム終了
2. 10秒待つ
3. 通常通り起動
原因8:システムの不具合
キーボード設定をリセット
設定ファイルの削除:
# ターミナルで実行
# キーボード設定をリセット
defaults delete -g InitialKeyRepeat
defaults delete -g KeyRepeat
defaults delete com.apple.HIToolbox
# 再起動
sudo shutdown -r now
macOSの再インストール(最終手段)
リカバリーモードから:
1. Command + R を押しながら起動
2. macOSユーティリティから「macOSを再インストール」
3. データは保持される
外付けキーボード特有の問題
Bluetoothキーボードのトラブル
ペアリングをやり直す:
1. システム設定 → Bluetooth
2. キーボードの横の「i」→「このデバイスの登録を解除」
3. キーボードの電源を切って入れ直す
4. 再度ペアリング
Bluetooth設定をリセット:
# Bluetoothモジュールをリセット
sudo pkill bluetoothd
Windows用キーボードを使っている場合
キー配置の調整:
Karabiner-Elementsをインストール:
1. https://karabiner-elements.pqrs.org/
2. Simple Modificationsで以下を設定:
- left_command → left_option
- left_option → left_command
診断とテストツール
Apple Diagnosticsを実行
Intel Mac:
1. 電源を切る
2. 電源を入れてすぐDキーを押し続ける
3. 診断が開始される
Apple Silicon Mac:
1. 電源を切る
2. 電源ボタンを押し続ける
3. オプション画面で Command + D
ターミナルでキーコードを確認
# キー入力を監視
xxd -c 1
# 矢印キーを押してコードが表示されるか確認
# 終了はControl + C
一時的な代替手段

矢印キーの代わりに使えるショートカット
テキスト編集での代替:
Control + F:→(前へ)
Control + B:←(後ろへ)
Control + P:↑(上へ)
Control + N:↓(下へ)
Control + A:行頭へ
Control + E:行末へ
Vimキーバインド:
h:左
j:下
k:上
l:右
オンスクリーンキーボード
システム設定 → アクセシビリティ → キーボード →
アクセシビリティキーボード → 有効にする
よくある質問(FAQ)
Q1:特定の矢印キーだけ動かない
A:キーボードの部分的な故障の可能性大
対処法:
1. 圧縮空気でキーの下を掃除
2. キーキャップを外して清掃(可能な場合)
3. Apple Store/認定修理店へ
Q2:外部モニター接続時だけ動かない
A:ディスプレイ設定の問題
システム設定 → ディスプレイ → 配置
ミラーリングのオン/オフを試す
Q3:Boot Camp(Windows)では動く
A:macOS側の問題確定
1. macOSをセーフモードで起動
2. 新規ユーザーアカウントでテスト
3. それでもダメならOSの再インストール
Q4:Magic Keyboardの充電は十分?
A:バッテリー残量を確認
システム設定 → Bluetooth
キーボード名の横にバッテリー残量表示
20%以下なら充電を
修理が必要な場合
Apple Storeに行く前の準備
1. Apple Diagnosticsの結果をメモ
2. 問題が発生する状況を記録
3. Time Machineでバックアップ
4. Genius Barの予約
修理費用の目安
保証内(1年以内/AppleCare+):
- 無償修理の可能性
保証外:
- キーボード修理:15,000円〜50,000円
- 機種により大きく異なる
まとめ:矢印キー復活への最短ルート
矢印キーが動かない時の対処法を、試すべき順番でまとめます:
すぐ試せる対処法(5分以内):
- ⌨️ キーボードの再接続/再起動
- 🖱️ マウスキーを無効化
- ♿ アクセシビリティ設定を確認
システム設定の確認(10分): 4. 入力ソースの確認 5. サードパーティアプリの停止 6. セーフモードでテスト
リセット系(15分): 7. NVRAM/PRAMリセット 8. SMCリセット 9. Bluetooth設定リセット
最終手段: 10. 新規ユーザーでテスト 11. macOS再インストール 12. ハードウェア修理
代替手段:
- Control + F/B/P/N を使う
- アクセシビリティキーボード
- 外付けキーボードを使用
ほとんどの場合、最初の3つで解決します。 順番に試して、快適なMac操作を取り戻しましょう!
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