Macを使っていて、こんなことを思ったことはありませんか?
- 「よく使うアプリをもっと簡単に開きたい」
- 「いつものフォルダにワンクリックでアクセスしたい」
- 「ターミナルで長いコマンドを毎回入力するのが面倒」
- 「もっと効率よくMacを使いたい」
そんな悩みを解決してくれるのが「エイリアス(alias)」という機能です。
エイリアスを使えば、長いコマンドを短い言葉で呼び出したり、よく使うフォルダにすぐにアクセスできるようになります。
この記事では、Macのエイリアスについて、「初めて聞いた」という方でもすぐに使えるように、基本から応用まで分かりやすく説明します。設定方法も画像付きで紹介するので、安心してついてきてくださいね!
Macのエイリアスって何?

エイリアスをわかりやすく説明すると
エイリアス(alias)は、「別名」や「あだ名」という意味の英語です。
Macでは、ファイルやコマンドに「別の名前」をつけて、もっと簡単に使えるようにする機能のことを指します。
身近な例で考えてみましょう。
外国人で名前が「アーデルハイト」だとしたら、普段は「ハイジ」と呼びます。
エイリアスも同じで、本当の名前は長くて複雑でも、短くて覚えやすい「あだ名」をつけることができるのです。
Macで使える2つのエイリアス
Macには、使う場所によって2つの種類のエイリアスがあります:
1. Finderのエイリアス
- ファイルやフォルダ、アプリへの「ショートカット」
- デスクトップに置いてワンクリックでアクセス
- アイコンに小さな矢印マークがつく
2. ターミナルのエイリアス
- 長いコマンドに短い「あだ名」をつける
- プログラマーや上級者がよく使う
- 作業効率が大幅にアップ
実際の使用例
Finderの例:
- Photoshopのエイリアスをデスクトップに置く → ワンクリックで起動
- よく使う書類フォルダのエイリアスを作る → すぐにアクセス
ターミナルの例:
git status
(長い)→gs
(短い)ls -la
(覚えにくい)→ll
(覚えやすい)
日常の操作がぐっと楽になるのがエイリアスの魅力です。
まずは、一番使いやすいターミナルでのエイリアスの作り方から見ていきましょう。
ターミナルでエイリアスを作ってみよう

エイリアスを作る前の準備
ターミナルを開いてみましょう。
ターミナルは、Launchpadで「ターミナル」と検索するか、「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」で見つけることができます。
黒い画面が開いて「なんか怖い…」と思うかもしれませんが、大丈夫です!
今回は簡単な操作だけなので、安心してついてきてください。
一時的なエイリアスを作ってみよう
まずは、練習として一時的なエイリアスを作ってみましょう。ターミナルが閉じるまでの間だけ使えるエイリアスです。
alias ll='ls -la'
コードの説明:
alias
:エイリアスを作るコマンドll
:新しく作る短い名前(あだ名)'ls -la'
:実際に実行される長いコマンド
このコマンドを入力してEnterを押した後、ll
と入力してみてください。ファイルの一覧が詳しく表示されるはずです!
より便利なエイリアスの例
# よく使うコマンドを短縮
alias c='clear' # 画面をクリア
alias h='history' # コマンド履歴を表示
alias ..='cd ..' # 一つ上のフォルダに移動
alias home='cd ~' # ホームフォルダに移動
# Git関連(プログラミングをする方向け)
alias gs='git status' # Git の状態確認
alias ga='git add' # ファイルをステージング
alias gc='git commit' # コミット実行
これらを一つずつ試してみてください。きっと「こんなに簡単になるんだ!」と驚くはずです。
永続的なエイリアス(ずっと使えるエイリアス)
一時的なエイリアスは、ターミナルを閉じると消えてしまいます。ずっと使えるエイリアスを作るには、設定ファイルに書き込む必要があります。
手順1:設定ファイルを開く
nano ~/.zshrc
手順2:エイリアスを追加 ファイルが開いたら、一番下に以下のようなエイリアスを追加します:
# よく使うコマンドのエイリアス
alias ll='ls -la'
alias c='clear'
alias h='history'
alias ..='cd ..'
alias home='cd ~'
# 作業効率アップ系
alias desk='cd ~/Desktop'
alias docs='cd ~/Documents'
alias downloads='cd ~/Downloads'
手順3:ファイルを保存して閉じる
Ctrl + X
を押すY
を押して保存を確認Enter
を押してファイル名を確定
手順4:設定を反映
source ~/.zshrc
これで、次回ターミナルを開いたときからエイリアスが自動的に使えるようになります!
よく使うコマンドをエイリアスに登録することで、作業効率が格段に向上します。次は、普段使っているFinderでのエイリアス作成方法を見てみましょう。
Finderでエイリアスを作って活用しよう
Finderのエイリアスが便利な場面
Finderのエイリアスは、こんなときに威力を発揮します:
- よく使うアプリをデスクトップに置いてすぐ起動したい
- 深い階層にあるフォルダに一発でアクセスしたい
- 外付けHDDの中身に素早くアクセスしたい
- 仕事でよく使うファイルをすぐ開けるようにしたい
エイリアスの作り方(超簡単!)

手順1:対象を選ぶ エイリアスを作りたいファイル、フォルダ、またはアプリを見つけます。
手順2:右クリックする 対象を右クリック(またはControl + クリック)します。
手順3:「エイリアスを作成」を選ぶ メニューから「エイリアスを作成」をクリックします。
手順4:完成!
同じ場所に「〇〇のエイリアス」というファイルが作られます。このファイルには小さな矢印マークがついています。
エイリアスを便利な場所に移動しよう
作ったエイリアスは、使いやすい場所に移動させましょう:
デスクトップに配置
- エイリアスをドラッグしてデスクトップに移動
- ワンクリックでアプリやフォルダを開ける
Dockに追加
- アプリのエイリアスをDockにドラッグ
- Dockから直接起動できる
サイドバーに追加
- フォルダのエイリアスをFinderのサイドバーにドラッグ
- どのFinderウィンドウからでもアクセス可能
実用的なエイリアス活用例
作業効率アップ系:
- Photoshopのエイリアスをデスクトップに → すぐに画像編集開始
- プロジェクトフォルダのエイリアスをデスクトップに → 関連ファイルに一発アクセス
- よく使うWebサイトのエイリアスをデスクトップに → ブックマークより早い
整理整頓系:
- 「今日の作業」フォルダのエイリアスを作成 → 一日の終わりに整理
- 外付けHDDの重要フォルダのエイリアス → バックアップ作業が楽
エイリアスの削除方法
エイリアスが不要になったら、簡単に削除できます:
- エイリアスを選択する
- ゴミ箱にドラッグする(または
Command + Delete
) - 完了!
重要:エイリアスを削除しても、元のファイルやフォルダは削除されません。安心して整理できます。
Finderのエイリアスは、日常のMac操作を劇的に効率化してくれる便利な機能です。最後に、さらに上級者向けの応用テクニックを紹介します。
もっと便利に!エイリアスの応用テクニック

引数を使える「関数」を作ろう
普通のエイリアスでは、決まったコマンドしか実行できません。
でも「関数」を使えば、その時々で違う値を指定できるようになります。
例:Git のブランチを簡単に切り替える
# .zshrc に追加
gco() {
git checkout "$1"
}
使い方:
gco main # main ブランチに切り替え
gco develop # develop ブランチに切り替え
gco feature-1 # feature-1 ブランチに切り替え
他の便利な関数例:
# フォルダを作って移動
mkcd() {
mkdir -p "$1" && cd "$1"
}
# ファイルを作って編集
touch_edit() {
touch "$1" && nano "$1"
}
# 複数のGit操作をまとめて実行
git_push() {
git add .
git commit -m "$1"
git push
}
ネットワークドライブや外部ディスクのエイリアス
外付けHDDやネットワークドライブをよく使う場合は、そのエイリアスを作っておくと便利です:
手順:
- 外付けHDDをMacに接続
- Finderで外付けHDDが表示されることを確認
- 外付けHDD(またはその中のフォルダ)を右クリック
- 「エイリアスを作成」を選択
- エイリアスをデスクトップに移動
これで、外付けHDDを接続するたびに、エイリアスからすぐにアクセスできるようになります。
エイリアスの管理と確認
現在のエイリアス一覧を確認:
alias
特定のエイリアスだけを確認:
alias | grep git # git関連のエイリアスだけ表示
エイリアスを一時的に解除:
unalias gs # gsエイリアスを解除
全てのエイリアスを解除:
unalias -a # 全エイリアスを解除(注意!)
便利なエイリアス集
以下は、多くのMacユーザーが愛用している便利なエイリアスです:
# システム情報
alias cpu='top -o cpu' # CPU使用率の高いプロセス表示
alias memory='top -o rsize' # メモリ使用量の多いプロセス表示
alias battery='pmset -g batt' # バッテリー情報表示
# ネットワーク
alias myip='curl ifconfig.me' # 外部IPアドレス確認
alias localip='ipconfig getifaddr en0' # ローカルIPアドレス確認
alias ping='ping -c 5' # ping を5回で自動停止
# ファイル操作
alias cp='cp -i' # 上書き時に確認
alias mv='mv -i' # 移動時に確認
alias rm='rm -i' # 削除時に確認
alias size='du -sh' # フォルダサイズ表示
# 検索
alias f='find . -name' # ファイル名検索
alias grep='grep --color=auto' # 検索結果に色付け
# アプリケーション起動
alias chrome='open -a "Google Chrome"' # Chrome起動
alias vscode='open -a "Visual Studio Code"' # VS Code起動
alias photoshop='open -a "Adobe Photoshop 2024"' # Photoshop起動
エイリアスの設定ファイルをバックアップしよう
せっかく作ったエイリアスを失わないように、定期的にバックアップを取りましょう:
# 設定ファイルをデスクトップにコピー
cp ~/.zshrc ~/Desktop/zshrc_backup_$(date +%Y%m%d).txt
このコマンドを実行すると、デスクトップに日付付きのバックアップファイルが作成されます。
エイリアスは使い方次第で、Mac操作を格段にスマートにできる優秀な機能です。ぜひいろいろ試してみて、自分だけの便利なエイリアス集を作ってくださいね!
まとめ
Macのエイリアスは、日常の作業を劇的に効率化してくれる素晴らしい機能です。
この記事で学んだこと:
Finderのエイリアス:
- ファイル、フォルダ、アプリのショートカットを作成
- 右クリック → 「エイリアスを作成」で簡単作成
- デスクトップやDockに配置してワンクリックアクセス
- 削除しても元のファイルに影響なし
ターミナルのエイリアス:
- 長いコマンドに短い「あだ名」をつける
alias 短い名前='長いコマンド'
で作成.zshrc
ファイルに書けば永続的に使用可能- 作業効率が大幅にアップ
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