iPhoneからMacに写真を送りたいのに、AirDropで表示されない。
Macから別のMacにファイルを送ろうとしても、相手が見つからない。
「共有」メニューにAirDropが出てこない…
こんな経験、ありませんか?
AirDropは本当に便利な機能なのに、なぜか使いたい時に限って動かない。実は、AirDropが動かない原因は意外とシンプルなことが多いんです。
この記事では、AirDropが使えない時の原因を一つずつ潰していく完全ガイドをお届けします。基本的な設定確認から、ちょっとマニアックな解決策まで、これを読めば必ずAirDropが使えるようになるはずです!
AirDropの基本要件を確認しよう

対応機種の確認
まず、お使いのMacがAirDropに対応しているか確認しましょう。
AirDrop対応Mac:
- 2012年以降のMacモデル(Mac Pro 2013以降)
- OS X Yosemite(10.10)以降
- 2012年Mac Pro(Mid 2012)はOS X El Capitan以降
確認方法:
- Appleメニュー → このMacについて
- モデル名と年式を確認
- macOSバージョンも確認
古いMacの場合:
2012年より前のMacは、残念ながらAirDropに非対応です。でも、後で紹介する代替方法があるので安心してください!
AirDropの2つのモード
実は、AirDropには2つのモードがあるんです。
1. 新しいAirDrop(現行):
- 2012年以降のMac
- iOS 7以降のiPhone/iPad
- Mac ⇔ iPhone/iPad間で使用可能
2. 古いAirDrop(レガシー):
- Mac間のみ
- 古いMacでも使える場合がある
今すぐ試せる!基本的な解決方法10選
1. Wi-FiとBluetoothをオン/オフ
最も基本的で、最も効果的な方法です。
手順:
- Wi-Fiをオフ→オン:
- メニューバーのWi-Fiアイコンをクリック
- 「Wi-Fiをオフにする」→10秒待つ→「Wi-Fiをオンにする」
- Bluetoothをオフ→オン:
- メニューバーのBluetoothアイコン
- または、システム設定→Bluetooth
- オフ→10秒待つ→オン
- 両方同時にリセット:
Option + Shift + Wi-Fiアイコンをクリック
→ 「Wi-Fi診断」を開く
2. AirDropの受信設定を確認
これが原因のことが意外と多いんです!
確認方法:
- Finderを開く
- サイドバーの「AirDrop」をクリック
- 画面下部の「このMacを検出可能な相手」を確認
設定オプション:
- 受信しない:誰からも見えない(これが原因かも!)
- 連絡先のみ:連絡先に登録されている人だけ
- すべての人:近くにいる全員(一時的にこれを試す)
ポイント: まずは「すべての人」に設定して試してみましょう!
3. ファイアウォールの確認
セキュリティ設定が邪魔している可能性があります。
確認と設定:
- システム設定 → ネットワーク → ファイアウォール
- ファイアウォールが「オン」の場合:
- 「オプション」をクリック
- 「外部からの接続をすべてブロック」のチェックを外す
- 「ステルスモードを有効にする」のチェックを外す
4. 距離を近づける(9メートル以内)
AirDropの有効範囲は約9メートルです。
最適な距離:
- 理想:1〜3メートル
- 限界:9メートル
- 障害物がない状態で
コツ: 最初は目の前(1メートル以内)で試してみて、徐々に離れていく。
5. 「探す」アプリの設定確認
意外な落とし穴がここにあります。
確認方法:
- システム設定 → Apple ID → iCloud
- 「Macを探す」の設定を確認
- 「オフラインのデバイスを探す」を一時的にオフ
- AirDropを試す
- 動いたら、設定を戻す
6. 機内モードの確認(MacBookの場合)
MacBookで機内モードになっていないか確認します。
確認方法:
- コントロールセンター(メニューバー右上)
- 機内モードアイコンがオレンジ色ならオフにする
7. インターネット共有をオフ
テザリング機能が邪魔することがあります。
確認方法:
- システム設定 → 共有
- 「インターネット共有」をオフ
- iPhoneでもインターネット共有をオフ
8. 同じApple IDか確認(連絡先のみの場合)
「連絡先のみ」設定の場合、Apple IDが重要です。
確認事項:
- 送信側と受信側のApple IDが連絡先に登録されているか
- iCloudで連絡先が同期されているか
- メールアドレスや電話番号が正しいか
9. Macを再起動
シンプルだけど効果的!
完全な再起動方法:
- すべてのアプリを終了
- Appleメニュー → シャットダウン
- 10秒待つ
- 電源ボタンで起動
10. ネットワーク設定をリセット
最終手段として有効です。
手順:
- システム設定 → ネットワーク
- 左下の「…」→「ロケーションを編集」
- 「+」で新しいロケーションを作成
- 「自動」から切り替えて適用
上級トラブルシューティング
SMCリセット(Intel Mac)
システム管理コントローラーをリセットします。
MacBookの場合:
- Macをシャットダウン
- Shift + Control + Option + 電源ボタン を10秒間押す
- すべて離して、電源ボタンで起動
iMac/Mac miniの場合:
- シャットダウン
- 電源コードを抜いて15秒待つ
- 電源コードを接続
- 5秒待って電源オン
NVRAMリセット
不揮発性RAMをリセットします。
手順:
- Macをシャットダウン
- 電源を入れて、すぐに Option + Command + P + R を押し続ける
- 起動音が2回鳴るまで(約20秒)押し続ける
- キーを離して起動
ターミナルでAirDropをリセット
コマンドで強制リセット:
# AirDropプロセスを再起動
sudo killall sharingd
# Bluetoothをリセット
sudo pkill bluetoothd
# mDNSResponderをリセット
sudo killall -HUP mDNSResponder
Bluetoothモジュールをリセット
Bluetoothの完全リセット:
- Shift + Option を押しながらBluetoothアイコンをクリック
- 「デバッグ」→「Bluetoothモジュールをリセット」
- 確認ダイアログで「OK」
plistファイルの削除
設定ファイルが壊れている場合の対処法です。
手順:
- Finderで Command + Shift + G
~/Library/Preferences/
を入力- 以下のファイルをデスクトップに移動(バックアップ):
com.apple.Bluetooth.plist
com.apple.sharingd.plist
- Macを再起動
デバイス別の対処法
iPhone/iPadからMacへ送れない場合
iPhone側の確認:
- 設定 → 一般 → AirDrop
- 「すべての人」に設定
- Wi-FiとBluetoothをオン
- 機内モードをオフ
- インターネット共有をオフ
追加の対処法:
- iPhoneを再起動
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」
Mac間でAirDropできない場合
両方のMacで確認:
- 同じWi-Fiネットワークに接続しなくてもOK(直接通信)
- ファイアウォール設定を確認
- 共有設定を確認
ターミナルで診断:
# mDNSの動作確認
dns-sd -B _airdrop._tcp
# 見つかったデバイスが表示される
古いMacと新しいMacの間
2012年前後のMacが混在している場合の対処法です。
Finderで切り替え:
- AirDropウィンドウを開く
- 「お探しの相手が表示されませんか?」をクリック
- 「古いMacを検索」を選択
AirDropの代替手段
ユニバーサルコントロール
macOS Monterey以降とiPadOS 15.4以降で使用可能。
設定方法:
- システム設定 → ディスプレイ
- 「ユニバーサルコントロール」設定
- ドラッグ&ドロップでファイル転送
iCloud Drive
最も確実な代替方法です。
使い方:
- FinderでiCloud Driveにファイルをドラッグ
- 他のデバイスで自動同期
- 容量に注意(無料は5GBまで)
ハンドオフ(Handoff)
作業の継続に便利です。
対応アプリ:
- Safari
- メール
- メッセージ
- Pages/Numbers/Keynote
近距離共有(Universal Clipboard)
テキストや画像のコピペに便利。
使い方:
- 片方のデバイスでコピー(Command + C)
- もう片方でペースト(Command + V)
- 数秒待つと転送される
その他の方法
メール:
- 確実だが容量制限あり(通常25MB)
メッセージ:
- Apple製品間なら簡単
- 画質が圧縮される場合あり
USBケーブル:
- iPhone/iPadの場合はImage Captureアプリ
- 最も確実で高速
サードパーティアプリ:
- Dropbox
- Google Drive
- Send Anywhere
よくある質問と回答
Q1:AirDropで送れるファイルサイズの上限は?
回答:
公式な上限はありませんが、実用上は数GBまで。大きなファイルは時間がかかり、失敗しやすいので、1GB以下を推奨します。
Q2:AirDropの履歴は確認できる?
回答:
送受信の履歴は残りません。ダウンロードフォルダに受信したファイルがあるだけです。プライバシー保護の観点から履歴機能はありません。
Q3:AirDropで送ったファイルはどこに保存される?
回答:
- 画像/動画:写真アプリ
- 書類:ダウンロードフォルダ
- 連絡先:連絡先アプリ
- 位置情報:マップアプリ
Q4:Windows PCとAirDropできる?
回答:
残念ながらAirDropはApple製品専用です。WindowsとはDropbox、Google Drive、Send Anywhereなどを使いましょう。
Q5:セキュリティは大丈夫?
回答:
AirDropは暗号化されており、基本的に安全です。ただし「すべての人」設定は必要な時だけにして、普段は「連絡先のみ」か「受信しない」にしておきましょう。
チェックリスト:AirDrop復活への道
問題解決まで、この順番で試してください:
基本チェック(5分)
- [ ] Wi-FiとBluetoothがオン
- [ ] AirDrop設定が「すべての人」
- [ ] 距離を1メートル以内に
- [ ] 両デバイスを再起動
中級チェック(10分)
- [ ] ファイアウォール設定確認
- [ ] インターネット共有オフ
- [ ] 同じApple IDでサインイン
- [ ] ネットワーク設定リセット
上級チェック(15分)
- [ ] SMCリセット
- [ ] NVRAMリセット
- [ ] Bluetoothモジュールリセット
- [ ] plistファイル削除
最終手段
- [ ] macOSを最新版にアップデート
- [ ] セーフモードで起動して試す
- [ ] 別のユーザーアカウントで試す
- [ ] macOSを再インストール
まとめ:AirDropは必ず復活する!
AirDropが使えない問題について、基本から上級まですべての解決方法を解説しました。
重要ポイントのおさらい:
- 90%は基本設定の問題で解決
- Wi-Fi/Bluetoothの再起動が最も効果的
- 「すべての人」設定で一度試す
- 距離は近いほど良い(1〜3メートル)
覚えておきたい設定場所:
- Finder → AirDrop → 受信設定
- システム設定 → ネットワーク → ファイアウォール
- コントロールセンター → Wi-Fi/Bluetooth
それでもダメなら:
- iCloud Driveで代用
- ユニバーサルコントロール活用
- USBケーブルで確実に転送
AirDropは素晴らしい機能ですが、時々機嫌が悪くなります。でも、この記事の方法を順番に試せば、必ず使えるようになるはずです。
焦らず、一つずつ確実に試してみてください。きっとあなたのAirDropも復活しますよ!
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