Adobe Illustrator(通称:イラレ)でデザイン作業をするとき、マウスでメニューをクリックして回っていませんか?
ロゴ制作やイラスト作成で毎日イラレを使うなら、ショートカットキーを覚えることで作業時間を大幅に短縮できます。
このページでは、Mac版Illustratorでよく使うショートカットキーを厳選して、使う頻度順にご紹介します。
絶対に覚えたい基本ツールのショートカット

まずは、毎日使う基本的なツールのショートカットから覚えましょう。これだけでも作業効率が大きく変わります。
ツール名 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
選択ツール | V | オブジェクトを選んで移動・変形するとき |
ダイレクト選択ツール | A | パスの一部分だけを編集するとき |
ペンツール | P | 正確な線やカーブを描くとき |
テキストツール | T | 文字を入力するとき |
長方形ツール | M | 四角形を描くとき |
楕円ツール | L | 円や楕円を描くとき |
ズームツール | Z | 画面を拡大・縮小するとき |
手のひらツール | H | 画面をスクロールするとき |
覚え方のコツ
- V(選択)は「Vector」のV
- A(ダイレクト選択)は「Anchor」のA
- P(ペン)は「Pen」のP
- T(テキスト)は「Text」のT
このように英単語の頭文字で覚えると忘れにくくなります。
毎日使うオブジェクト操作のショートカット
デザイン作業では、オブジェクトのコピーや移動を頻繁に行います。これらのショートカットを覚えると、作業の流れがスムーズになります。
コピー・ペースト・カット系
操作 | ショートカット | 実際の使い場面 |
---|---|---|
コピー | Cmd + C | 同じ要素を複数作りたいとき |
ペースト | Cmd + V | コピーした要素を貼り付けるとき |
前面にペースト | Cmd + F | 同じ位置に重ねて貼り付けたいとき |
背面にペースト | Cmd + B | 元のオブジェクトの後ろに貼り付けたいとき |
カット | Cmd + X | オブジェクトを別の場所に移動するとき |
前面・背面ペーストの活用例 ロゴに影をつけるとき、元のロゴをコピーして「Cmd + B」で背面にペーストすれば、位置がぴったり合った状態で影を作れます。
グループ化・ロック系
操作 | ショートカット | 実際の使い場面 |
---|---|---|
グループ化 | Cmd + G | 複数の要素をまとめて扱いたいとき |
グループ解除 | Shift + Cmd + G | グループを個別に編集したいとき |
ロック | Cmd + 2 | 完成した部分を誤って動かさないようにするとき |
ロック解除 | Option + Cmd + 2 | ロックした要素を再び編集したいとき |
全てのロック解除 | Option + Cmd + 2 | 複数のロックを一度に解除したいとき |
グループ化のメリット 複雑なロゴを作るとき、パーツごとにグループ化しておけば、全体を移動するときにバラバラになりません。
重ね順の調整
操作 | ショートカット | 実際の使い場面 |
---|---|---|
最前面へ | Shift + Cmd + ] | オブジェクトを一番前に表示したいとき |
前面へ | Cmd + ] | オブジェクトを一段階前に移動したいとき |
背面へ | Cmd + [ | オブジェクトを一段階後ろに移動したいとき |
最背面へ | Shift + Cmd + [ | オブジェクトを一番後ろに表示したいとき |
重ね順のコツ 複雑なデザインでは、重ね順が見た目を大きく左右します。これらのショートカットを使って、思い通りの順序に素早く調整しましょう。
快適な画面操作のショートカット
大きなファイルや細かい作業では、画面の拡大・縮小や移動が頻繁に必要になります。
ズーム・表示系
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
ズームイン | Cmd + + | 細かい部分を編集するとき |
ズームアウト | Cmd + – | 全体のバランスを確認するとき |
画面全体表示 | Cmd + 0 | アートボード全体を画面に合わせて表示 |
実際のサイズ | Cmd + 1 | 印刷時のサイズで確認したいとき |
選択範囲にズーム | Cmd + Option + 0 | 選択した要素にピッタリ合わせて表示 |
画面移動・操作系
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
画面をパン(移動) | Spaceキー + ドラッグ | 広い範囲を見渡したいとき |
一時的に手のひらツール | Spaceキー | 他のツールを使いながら画面移動 |
ガイドの表示・非表示 | Cmd + ; | ガイドラインが邪魔なとき |
グリッドの表示・非表示 | Cmd + ‘ | 整列作業で格子が必要なとき |
Spaceキーの活用法 ペンツールで作業中に画面を移動したいとき、Spaceキーを押している間だけ手のひらツールに切り替わります。キーを離すと元のツールに戻るので、とても便利です。
パス編集・描画の高度なショートカット

イラストレーターらしい、なめらかなカーブや正確なパスを描くためのショートカットです。
ペンツール関連
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
アンカーポイント追加 | + (プラスキー) | パスに新しい点を追加したいとき |
アンカーポイント削除 | – (マイナスキー) | 不要な点を削除したいとき |
アンカーポイント変換 | Shift + C | 角の点を曲線に変更するとき |
一時的にダイレクト選択 | Cmd(押している間) | ペンツール使用中に点を調整 |
パス・線の操作
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
パスを結合 | Cmd + J | 離れた線の端点をつなげたいとき |
アウトライン化 | Shift + Cmd + O | 文字を図形に変換するとき |
パスファインダー合体 | Cmd + 8 | 複数の図形を一つにまとめるとき |
アウトライン化の重要性 印刷会社にデータを渡すとき、文字をアウトライン化しておけば、フォントの問題を避けられます。
作業を劇的に速くする応用ショートカット
選択・検索系
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
全て選択 | Cmd + A | アートボード上のすべてを選択 |
選択を解除 | Cmd + Shift + A | 選択を取り消したいとき |
同じ塗りを選択 | 選択 → 共通 → 塗りの色 | 同じ色の要素をまとめて変更 |
同じ線幅を選択 | 選択 → 共通 → 線幅 | 同じ太さの線をまとめて調整 |
編集・変形系
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
変形の繰り返し | Cmd + D | 同じ操作を連続で実行 |
回転ツール | R | オブジェクトを回転させるとき |
拡大・縮小ツール | S | オブジェクトのサイズ変更 |
リフレクトツール | O | オブジェクトを反転させるとき |
変形の繰り返しの活用例 花びらを一枚作って15度回転させた後、「Cmd + D」を繰り返すと、きれいな円形の花が作れます。
ファイル・保存系
操作 | ショートカット | 使う場面 |
---|---|---|
新規ファイル | Cmd + N | 新しいプロジェクトを始めるとき |
開く | Cmd + O | 既存のファイルを開くとき |
保存 | Cmd + S | 作業内容を保存するとき |
別名で保存 | Cmd + Shift + S | ファイル名を変えて保存 |
書き出し | Cmd + E | JPEGやPNGで書き出すとき |
困ったときの対処法

ショートカットが効かないとき
日本語入力がオンになっていないか確認
テキストツールを使った後、日本語入力モードになっているとショートカットが効きません。
他のアプリが邪魔していないか確認
システム環境設定で、他のアプリが同じショートカットを使っていないか確認してください。
Illustratorを再起動
不具合が起きたときは、アプリの再起動で解決することがあります。
カスタムショートカットの設定
よく使う機能にオリジナルのショートカットを設定することもできます。
- 「編集」→「キーボードショートカット」を選択
- 設定したい機能を探す
- 空いているキーの組み合わせを割り当て
- 「保存」して完了
まとめ:ショートカットマスターになって作業効率を最大化しよう
Illustratorのショートカットキーは、デザイナーにとって必須のスキルです。最初は覚えるのが大変に感じるかもしれませんが、一度身につけてしまえば作業効率が劇的に向上します。
今日から始める3つのステップ
- 基本の4つ(V、A、P、T)を今すぐ使ってみる
- コピペ系(Cmd+C、V、G)を明日から意識的に使う
- 1週間後に画面操作系を追加する
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