Macを使っていて、「アプリを閉じたはずなのに動作が遅い」「ファンがうるさい」「バッテリーがすぐになくなる」などと感じたことはありませんか?
実は、これらの問題の原因はバックグラウンドで動いているアプリやプロセスにあることが多いのです。
この記事では、Macでバックグラウンド動作を確認・制御する方法と、不要なプロセスを止めるコツを、初心者にもわかりやすく解説します。
記事を読み終わるころには、あなたのMacがもっと快適に動作するようになっているはずです。
バックグラウンドで動くとはどういう意味?

「バックグラウンド動作」とは、画面上で表示されていなくても裏で動いているアプリやプロセスのことを指します。
よくあるバックグラウンド動作の例
クラウドサービス
- iCloud Drive
- Google Drive
- Dropbox
- OneDrive
セキュリティ関連
- ウイルス対策ソフト
- ファイアウォール
- VPNアプリ
メディア・エンターテイメント
- Apple Music
- Spotify
- YouTube Music
- Netflix
システム・メンテナンス
- 自動アップデート
- バックアップソフト
- システムクリーナー
バックグラウンド動作の見分け方
閉じたつもりでも、以下の場合は裏で動いている可能性があります:
- Dockにアプリのアイコンがあり、下に小さな点(●)が付いている
- メニューバー(画面右上)にアプリのアイコンが表示されている
- アプリを「×」で閉じただけで、完全に終了していない
バックグラウンドアプリの確認方法【2つの基本ツール】

方法その1:アクティビティモニタを使う
アクティビティモニタは、Macで動作しているすべてのプロセスを確認できる便利なツールです。
起動手順
- 「Launchpad」を開く
- 「その他」フォルダをクリック
- 「アクティビティモニタ」をクリック
使い方のコツ
- 「CPU」タブ:処理能力をどのくらい使っているかがわかる
- 「メモリ」タブ:メモリ(RAM)をどのくらい使っているかがわかる
- 「エネルギー」タブ:バッテリー消費の大きいアプリがわかる
不要なプロセスを見つけたら、そのプロセスを選んで画面左上の「×」ボタンで終了できます。
方法その2:Dockやメニューバーでチェック
もっと簡単な確認方法もあります。
Dockでの確認
- アプリアイコンの下に点(●)が付いている → そのアプリは動作中
- 点がない → アプリは完全に終了している
メニューバーでの確認
- 画面右上にアプリのアイコンがある → 常駐アプリとして動作中
- よくあるアイコン:Wi-Fi、Bluetooth、音量、時計、バッテリーなど
バックグラウンド起動を停止・管理する方法

方法その1:ログイン時に起動するアプリを無効にする
Macを起動したときに自動で立ち上がるアプリを管理できます。
設定手順
- 画面左上のAppleメニューから「システム設定」をクリック
- 「一般」をクリック
- 「ログイン項目」をクリック
- 不要なアプリを選んで「−」ボタンで削除
削除しても安全なアプリの例
- 音楽再生アプリ(Spotify、Apple Musicなど)
- チャットアプリ(Slack、Discord、LINEなど)
- クラウドストレージ(使わないもの)
削除しない方がよいアプリの例
- セキュリティソフト
- 重要なシステムツール
- 仕事で必要なアプリ
方法その2:アプリ内の設定を変更する
多くのアプリには「起動時に自動で立ち上げる」設定があります。
よくある設定場所
- アプリのメニューから「環境設定」または「設定」
- 「一般」「起動」「自動起動」などの項目
- 「ログイン時に起動」「起動時に開く」などのチェックボックス
設定変更例
- Google Drive:設定 → 「起動時にGoogle Driveを開く」をオフ
- Dropbox:設定 → 「システム起動時にDropboxを開始」をオフ
- Adobe Creative Cloud:設定 → 「ログイン時にCreative Cloudデスクトップアプリを起動」をオフ
方法その3:Launch Agents・Launch Daemonsを見直す(中級者向け)
より詳細な制御をしたい場合は、以下のフォルダを確認できます:
主要なフォルダ
~/Library/LaunchAgents
(ユーザー固有)/Library/LaunchAgents
(全ユーザー共通)/Library/LaunchDaemons
(システム全体)
これらのフォルダには、自動で起動するプロセスの設定ファイルが保存されています。
注意: この方法は上級者向けです。間違って重要なファイルを削除すると、Macが正常に動作しなくなる可能性があります。
よくあるバックグラウンド関連の悩みと対策

Q:CPU使用率が高いアプリを見つけるには?
A: アクティビティモニタの「CPU」タブで、「%CPU」の列をクリックして並べ替えます。
上位に表示されるアプリが処理能力を多く使っているアプリです。
対処法
- 使っていないアプリは終了する
- 重いアプリは必要な時だけ起動する
- アプリを最新バージョンに更新する
Q:勝手に立ち上がるアプリを止めたい
A: 以下の順番で確認・設定しましょう:
- ログイン項目の確認(システム設定 → 一般 → ログイン項目)
- アプリ内の自動起動設定をオフ
- 不要なアプリはアンインストール
Q:バッテリーの減りが早いのはバックグラウンドのせい?
A: はい、バックグラウンドアプリがバッテリー消費の大きな原因になることがあります。
確認方法
- アクティビティモニタの「エネルギー」タブを開く
- 「エネルギーへの影響」が高いアプリを確認
- 不要なアプリは終了または設定変更
よくある原因
- クラウド同期アプリ(常にファイルを同期している)
- 動画再生アプリ(バックグラウンドで再生中)
- 古いアプリ(効率が悪い)
Q:メモリ不足で動作が重い
A: メモリを多く使うアプリを特定して対処しましょう。
確認方法
- アクティビティモニタの「メモリ」タブを開く
- 「メモリ」列で並べ替えて上位のアプリを確認
- 不要なアプリは終了
対処法
- ブラウザのタブを減らす
- 使っていないアプリを終了する
- メモリクリーナーアプリを使う
バックグラウンド管理に役立つ便利ツール
無料ツール
Activity Monitor(アクティビティモニタ)
- Mac標準搭載
- リアルタイムでプロセス監視
- 初心者にもわかりやすい
Console(コンソール)
- Mac標準搭載
- システムログの確認
- 問題の原因調査に便利
有料ツール
CleanMyMac X
- 不要ファイルの削除
- バックグラウンドアプリの管理
- メモリクリーナー機能
iStat Menus
- システム情報をメニューバーに表示
- CPU、メモリ、ディスク使用率を常時監視
- 詳細なパフォーマンス分析
AppCleaner
- アプリの完全削除
- 関連ファイルもまとめて削除
- シンプルで使いやすい
安全にバックグラウンド管理するための注意点
終了してはいけないプロセス
以下のプロセスは重要なシステムプロセスなので終了しないでください:
- kernel_task:システムの中核部分
- WindowServer:画面表示を担当
- Finder:ファイル管理
- Activity Monitor:アクティビティモニタ自体
慎重に扱うべきプロセス
- セキュリティソフト:ウイルス対策などの重要機能
- システムアップデート関連:セキュリティ更新に必要
- バックアップソフト:データ保護に重要
トラブル時の対処法
もしMacが不安定になったら:
- Macを再起動する
- セーフモードで起動する(起動時にShiftキーを押し続ける)
- 問題のあるアプリをアンインストールする
- 必要に応じてAppleサポートに相談する
まとめ:Macの快適さは”バックグラウンド管理”から!
Macは高性能なコンピューターですが、バックグラウンドで動くアプリが多すぎると動作の遅延・バッテリー消費・発熱の原因になります。
今日から実践できること
- 「アクティビティモニタ」で現在の状態をチェック
- 「ログイン項目」で自動起動アプリを整理
- 不要なアプリの自動起動設定をオフにする
- 使わないアプリは完全に終了する習慣をつける
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