「MacとWindowsでファイルを共有したい」
「iPhoneのテザリングじゃなくて、Macからインターネットを共有できないかな」
「家族のMac同士でプリンタを共有したい」
こんな希望はありませんか?
実は、Macには強力なネットワーク共有機能がたくさん搭載されているんです。ファイル共有、画面共有、インターネット共有など、設定さえすれば家庭やオフィスのネットワーク環境が劇的に便利になります。
この記事では、Macのネットワーク共有機能について、基本的な設定方法から、WindowsやiPhoneとの連携、トラブル解決まで、すべて解説していきます。これを読めば、あなたも共有マスターになれますよ!
Macのネットワーク共有でできること

共有機能の全体像
Macには様々な共有機能があります。
主な共有機能:
- ファイル共有:フォルダやファイルを他のデバイスと共有
- 画面共有:他のMacの画面を遠隔操作
- プリンタ共有:1台のプリンタを複数のデバイスで使用
- インターネット共有:Macのインターネット接続を他のデバイスに提供
- メディア共有:音楽や動画をApple TVなどで再生
- Bluetooth共有:Bluetoothでファイル転送
- リモートログイン:SSHでの接続を許可
- リモートマネージメント:Apple Remoteでの管理
今回は、特によく使う「ファイル共有」と「インターネット共有」を中心に解説します!
ファイル共有の設定方法
基本的なファイル共有を有効にする
まずは、Macでファイル共有を有効にしましょう。
設定手順:
- Appleメニュー → システム設定
- 一般 → 共有
- 「ファイル共有」のスイッチをオン
- 緑色のインジケーターが表示されれば有効
確認事項:
- コンピュータ名が表示される
- ローカルホスト名も確認(例:MacBook-Pro.local)
- これが他のデバイスから見える名前になる
共有フォルダを設定する
どのフォルダを共有するか設定します。
フォルダの追加:
- ファイル共有設定画面で「共有フォルダ」の「+」をクリック
- 共有したいフォルダを選択
- 「追加」をクリック
デフォルトの共有フォルダ:
- パブリックフォルダ:各ユーザーのPublicフォルダ
- 誰でもアクセス可能(読み取りのみ)
- ドロップボックス:書き込み専用フォルダ
ユーザーとアクセス権限の設定
誰がどのフォルダにアクセスできるか設定します。
ユーザーの追加:
- 「ユーザ」の「+」をクリック
- 以下から選択:
- 特定のユーザー:Macのユーザーアカウント
- 全員:ネットワーク上のすべてのユーザー
- 連絡先のユーザー:連絡先から選択
アクセス権限の種類:
- 読み書き:ファイルの閲覧、編集、削除が可能
- 読み出しのみ:ファイルの閲覧のみ
- 書き込みのみ(ドロップボックス):ファイルの追加のみ
- アクセス不可:アクセス禁止
推奨設定:
家族用フォルダ:家族メンバー → 読み書き
写真共有:全員 → 読み出しのみ
提出用フォルダ:全員 → 書き込みのみ
WindowsからMacの共有フォルダにアクセス
SMBプロトコルの設定
Windowsとファイルをやり取りするには、SMBプロトコルを使います。
SMBを有効にする:
- ファイル共有設定で「オプション」をクリック
- 「SMBを使用してファイルやフォルダを共有」にチェック
- 共有するユーザーアカウントにチェック
- パスワードを入力
ポイント:
- SMBはWindows標準のプロトコル
- AFP(Apple Filing Protocol)はMac専用
- 両方有効にしておくと便利
WindowsからMacに接続
Windows PCからMacの共有フォルダにアクセスする方法です。
方法1:エクスプローラーから
- エクスプローラーのアドレスバーに入力:
\\MacのIPアドレス
または
\\コンピュータ名.local
- ユーザー名とパスワードを入力
- 共有フォルダが表示される
方法2:ネットワークから探す
- エクスプローラーで「ネットワーク」を開く
- Macのコンピュータ名を探す
- ダブルクリックして接続
接続できない場合:
- MacのIPアドレスを確認(システム設定→ネットワーク)
- Windowsファイアウォールを一時的に無効化
- 同じネットワーク(Wi-Fi)に接続しているか確認
MacからWindowsの共有フォルダにアクセス
Finderから接続
MacからWindows PCの共有フォルダに接続する方法です。
接続方法:
- Finderを開く
- Command + K(サーバへ接続)
- 以下の形式で入力:
smb://WindowsのIPアドレス
または
smb://コンピュータ名
- 「接続」をクリック
- Windowsのユーザー名とパスワードを入力
自動接続の設定:
- 接続後、システム設定→一般→ログイン項目
- 「+」で共有フォルダを追加
- 起動時に自動マウント
インターネット共有(テザリング)
Macからインターネットを共有する
MacのインターネットをWi-FiやUSBで他のデバイスに共有できます。
設定方法:
- システム設定 → 一般 → 共有
- 「インターネット共有」をクリック
- 「共有する接続経路」を選択:
- Ethernet(有線LAN)
- Wi-Fi
- iPhone USB
- Thunderbolt Ethernet
- 「相手のコンピュータでのポート」を選択:
- Wi-Fi(最も一般的)
- Ethernet
- Bluetooth
Wi-Fiホットスポットの設定
MacをWi-Fiルーターのように使う設定です。
Wi-Fi設定:
- インターネット共有で「Wi-Fiオプション」をクリック
- 設定項目:
- ネットワーク名:好きな名前を設定
- チャンネル:自動でOK
- セキュリティ:WPA2/WPA3パーソナル
- パスワード:8文字以上の強力なもの
- 「OK」→「インターネット共有」をオン
使用例:
- 有線LANしかない場所でiPhoneをネット接続
- 出張先でチームメンバーにネット環境を提供
- ゲーム機をネットに接続
画面共有の設定と使い方
画面共有を有効にする
他のMacから画面を見たり操作したりできます。
設定方法:
- システム設定 → 一般 → 共有
- 「画面共有」をオン
- アクセス許可:
- 全ユーザ:誰でも(パスワード必要)
- 次のユーザのみ:特定ユーザーを指定
他のMacから接続
接続方法:
- Finder → サイドバーのネットワーク
- 対象のMacを選択
- 「画面を共有」をクリック
- ユーザー名とパスワードを入力
ショートカット:
- Finder → 移動 → サーバへ接続(Command + K)
vnc://MacのIPアドレス
を入力
プリンタ共有
プリンタを共有設定
1台のプリンタを家族全員で使えるようにします。
設定方法:
- システム設定 → プリンタとスキャナ
- 共有したいプリンタを選択
- 「プリンタを共有」にチェック
- システム設定 → 一般 → 共有
- 「プリンタ共有」をオン
他のMacから使用:
- システム設定 → プリンタとスキャナ
- 「+」をクリック
- 「近くのプリンタ」に表示される
- 追加して使用開始
セキュリティ設定
ファイアウォールの設定
共有を安全に使うための設定です。
推奨設定:
- システム設定 → ネットワーク → ファイアウォール
- ファイアウォールをオン
- オプション:
- 「ステルスモードを有効にする」:オフ(共有時)
- 「外部からの接続をすべてブロック」:オフ
- 「内蔵ソフトウェアに自動的に着信接続を許可」:オン
共有のベストプラクティス
セキュリティ対策:
- 強力なパスワードを設定
- 不要な共有はオフにする
- ゲストアクセスは最小限に
- 定期的にアクセスログを確認
- 公共Wi-Fiでは共有をオフ
トラブルシューティング
共有フォルダが見えない
確認事項:
- 両方のデバイスが同じネットワークに接続
- ファイアウォールの設定確認
- SMB/AFPが有効か確認
- mDNSResponderをリセット:
sudo dscacheutil -flushcache
sudo killall -HUP mDNSResponder
接続できるが中身が見えない
対処法:
- アクセス権限を確認
- 共有フォルダの設定を再確認
- 別のユーザーアカウントで試す
- SMBのバージョンを確認
インターネット共有が機能しない
解決策:
- ネットワーク設定をリセット
- DNSを手動設定(8.8.8.8など)
- NATポートマッピングプロトコルを有効化
- ファイアウォールを一時的に無効化
よくある質問と回答
Q1:共有の速度が遅い
回答:
- 5GHz Wi-Fiを使用(2.4GHzより高速)
- 有線LAN接続を検討
- SMB3を有効化(最新のmacOS)
- 大容量ファイルは圧縮して転送
Q2:iPadやiPhoneからもアクセスできる?
回答:
はい、「ファイル」アプリから接続できます。
- ファイルアプリ → ブラウズ → 「…」
- 「サーバへ接続」
smb://MacのIPアドレス
を入力
Q3:外出先から自宅のMacにアクセスしたい
回答:
- VPN設定が必要(セキュリティ上推奨)
- iCloudのどこでもMy Mac(廃止済み)
- TeamViewerやChromeリモートデスクトップを使用
Q4:共有フォルダの容量制限は?
回答:
特に制限はありませんが、ディスクの空き容量に依存します。Time Machine用には別途容量制限を設定可能です。
まとめ:ネットワーク共有で快適な環境を作ろう!
Macのネットワーク共有について、ファイル共有からインターネット共有まで解説しました。
重要ポイントのおさらい:
- ファイル共有はSMBを有効にしてWindows対応
- アクセス権限は必要最小限に設定
- インターネット共有でMacがルーター代わりに
- セキュリティ設定を忘れずに
まず試すべき設定:
- ファイル共有をオン(システム設定→一般→共有)
- 共有フォルダを追加
- SMBを有効化(Windowsとの互換性)
- 適切なアクセス権限を設定
活用シーン:
- 家族で写真や動画を共有
- WindowsとMac間でファイル交換
- プリンタを家族全員で使用
- 緊急時のインターネット共有
ネットワーク共有を使いこなせば、複数のデバイス間でのファイルのやり取りが劇的に楽になります。最初は設定が面倒に感じるかもしれませんが、一度設定すれば後は自動で接続されるので、ぜひチャレンジしてみてください!
セキュリティに注意しながら、便利な共有環境を構築してくださいね!
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