M-Flashとは?MSIマザーボードのBIOS更新を簡単にする便利ツール

プログラミング・IT

パソコンを自作したり、MSI製マザーボードを使っている方なら、「M-Flash」という言葉を見たことがあるかもしれません。

M-Flashは、MSI(Micro-Star International)のマザーボードに搭載されているBIOS更新ツールです。BIOSを安全かつ簡単に更新できる機能として、多くの自作PC愛好家に利用されています。

今回は、M-Flashとは何か、どうやって使うのか、注意点は何かを分かりやすく解説していきます。

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そもそもBIOSとは?なぜ更新が必要?

M-Flashを理解する前に、まずBIOSについて簡単に説明しましょう。

BIOSの役割

BIOS(Basic Input/Output System)は、マザーボードに搭載されている基本的なプログラムです。

  • パソコンの電源を入れたとき、最初に起動するプログラム
  • CPUやメモリ、ストレージなどのハードウェアを認識・初期化する
  • OSを起動するための橋渡し役

いわば、パソコンの「起動担当」であり「ハードウェア管理者」なんです。

BIOS更新が必要な理由

BIOSは一度設定したら終わりではなく、時々更新する必要があります。

BIOS更新のメリット

  1. 新しいCPUへの対応:新世代のCPUを使えるようになる
  2. 互換性の向上:新しいメモリやストレージデバイスに対応
  3. 安定性の改善:バグ修正やシステムの安定性向上
  4. セキュリティ強化:セキュリティ上の脆弱性を修正
  5. パフォーマンス向上:システムのパフォーマンスが改善されることも

例えば、AMD Ryzen 5000シリーズのCPUを使いたい場合、古いBIOSバージョンでは認識されないことがあります。このようなとき、BIOS更新が必須になります。

M-Flashとは?MSI独自のBIOS更新ツール

M-Flashは、MSIマザーボードに標準搭載されているBIOS更新機能です。

M-Flashの特徴

BIOS画面から直接更新できる

Windowsなどのオペレーティングシステムを起動せずに、BIOS画面から直接BIOS更新ができます。これにより、OS上のトラブルに左右されない安全な更新が可能です。

シンプルな操作

複雑なコマンド入力などは不要。画面の指示に従ってファイルを選ぶだけで更新できます。

Intel 300シリーズ以降のチップセットに対応

比較的新しいMSIマザーボードであれば、ほぼ搭載されています。

M-Flashを使ったBIOS更新の手順

実際にM-Flashを使ってBIOSを更新する方法を解説します。

【準備段階】必要なものを用意する

1. USBフラッシュメモリ

  • 容量:8GB程度あれば十分
  • フォーマット形式:FAT32(重要!)

注意点

NTFS形式やexFAT形式では認識されません。必ずFAT32でフォーマットしてください。

2. 最新のBIOSファイル

MSI公式サイトから、使っているマザーボードのモデルに対応したBIOSファイルをダウンロードします。

【手順1】USBメモリの準備

ステップ1:フォーマットする

  1. USBメモリをパソコンに接続
  2. エクスプローラーでUSBメモリを右クリック
  3. 「フォーマット」を選択
  4. ファイルシステムで「FAT32」を選択
  5. 「開始」をクリック

注意:フォーマットするとUSBメモリ内のデータがすべて消去されます。重要なデータは事前にバックアップしてください。

ステップ2:BIOSファイルをダウンロード

  1. MSI公式サイト(https://www.msi.com)にアクセス
  2. 右上の検索アイコンをクリック
  3. 使っているマザーボードのモデル名を入力(例:MPG Z790 EDGE WIFI)
  4. 製品ページの「ダウンロード」タブを開く
  5. 「BIOS」セクションから最新版をダウンロード

ステップ3:ファイルを解凍してコピー

  1. ダウンロードしたZIPファイルを右クリック
  2. 「すべて展開」を選択して解凍
  3. 解凍したフォルダ全体をUSBメモリのルートディレクトリ(最上階層)にコピー

重要:サブフォルダに入れず、USBメモリを開いてすぐの場所にコピーしてください。

【手順2】M-Flashでの更新作業

ステップ1:BIOS画面に入る

  1. パソコンを起動(または再起動)
  2. 起動画面が表示されたら、「Delete」キーを連打
  3. BIOS設定画面が開く

ステップ2:M-Flashを起動

  1. BIOS画面で「M-FLASH」メニューを探してクリック
  • 場所はマザーボードによって異なりますが、多くの場合メイン画面や「Utilities」メニュー内にあります
  1. 「はい」をクリックして確認
  2. システムが再起動し、M-Flashモードに入ります

ステップ3:BIOSファイルを選択

  1. M-Flash画面で、USBフラッシュドライブを選択
  2. 先ほどコピーしたBIOSファイルを選択
  3. 「Enter」キーを押して確定
  4. 更新を開始するか確認されるので、「はい」を選択

ステップ4:更新を待つ

  1. BIOS更新が開始されます(通常3〜5分程度)
  2. 進行状況バーが表示されます
  3. 更新が完了すると、自動的に再起動します

絶対にやってはいけないこと

  • 更新中に電源を切る
  • 更新中にUSBメモリを抜く
  • 更新中にリセットボタンを押す

これらの行為はBIOSチップを破損させ、マザーボードが起動しなくなる可能性があります。

【手順3】更新後の確認

ステップ1:BIOSバージョンを確認

  1. 再起動後、再び「Delete」キーでBIOS画面に入る
  2. メイン画面でBIOSバージョンを確認
  3. 最新バージョンに更新されていることを確認

ステップ2:設定をリセット(推奨)

  1. BIOS画面で「Save & Exit」メニューへ
  2. 「Restore Defaults」(初期設定に戻す)を選択
  3. 保存して再起動

BIOS更新後は、一度初期設定に戻してから使うのが安全です。

ステップ3:必要に応じて再設定

以前カスタマイズしていた設定がある場合は、再設定します。

  • 起動順序(SSDを最優先にするなど)
  • XMPプロファイル(メモリのオーバークロック設定)
  • ファン制御
  • その他の詳細設定

Flash BIOS Button:CPUなしでBIOS更新できる便利機能

M-Flashとは別に、MSIの一部マザーボードにはFlash BIOS Buttonという物理ボタンが搭載されています。

Flash BIOS Buttonとは?

マザーボード背面のI/Oパネルに付いている小さなボタンで、CPUやメモリを取り付けずにBIOSを更新できる機能です。

こんな時に便利

  • 新しいCPUを買ったが、現在のBIOSでは対応していない
  • PC組み立て前にBIOSを最新版にしておきたい
  • BIOSが壊れてシステムが起動しなくなった

Flash BIOS Buttonの使い方

準備

  1. USBメモリをFAT32でフォーマット
  2. BIOSファイルをダウンロードして解凍
  3. BIOSファイルの名前を「MSI.ROM」に変更(重要!)
  4. USBメモリのルートディレクトリにコピー

更新手順

  1. CPUパワーコネクタと24ピン電源コネクタをマザーボードに接続(CPU本体は不要)
  2. 「MSI.ROM」ファイルが入ったUSBメモリを、背面I/Oパネルの「BIOS」と書かれたUSBポートに接続
  3. Flash BIOS Buttonを押す
  4. LEDインジケーターが点滅を開始
  5. LEDが消灯したら更新完了(5〜10分程度)

注意点

  • 更新中は絶対に電源を切らない
  • 必ず専用のUSBポートに接続する
  • ファイル名は必ず「MSI.ROM」にする

BIOS更新時の注意点とトラブルシューティング

更新前の確認事項

本当に更新が必要か確認する

「動作に問題がない場合は無理に更新しない」というのも一つの選択肢です。ただし、以下の場合は更新を検討しましょう。

  • 新しいCPUを使いたい
  • システムの不具合がある
  • セキュリティアップデートが含まれている

現在のBIOSバージョンを確認

BIOS画面で現在のバージョンを確認し、ダウンロードしたファイルがより新しいバージョンであることを確認してください。

電源の安定性を確保

停電や突然の電源断は致命的です。可能であればUPS(無停電電源装置)を使用するか、雷雨時は避けましょう。

よくあるトラブルと解決法

問題1:USBメモリが認識されない

  • USBメモリがFAT32でフォーマットされているか確認
  • 別のUSBメモリを試す
  • USBポートを変える(Flash BIOS Buttonの場合は専用ポートのみ)

問題2:BIOSファイルが見つからない

  • ファイルがUSBメモリのルートディレクトリ(最上階層)にあるか確認
  • ファイル名が正しいか確認(Flash BIOS Buttonの場合は「MSI.ROM」)
  • ファイルが解凍されているか確認(ZIPファイルのままではダメ)

問題3:更新が途中で止まった

  • 3〜5分待ってみる(見た目が止まっているように見えても処理中の場合がある)
  • それでも進まない場合は、MSIのカスタマーサポートに連絡

問題4:更新後に起動しない

  • BIOS設定を初期化してみる
  • CMOSクリア(マザーボード上のボタン電池を外して数分待つ)を試す
  • それでもダメな場合はサポートに連絡

M-Flash以外のBIOS更新方法

MSIマザーボードでは、M-Flash以外にもBIOS更新の方法があります。

MSI Center(MSI Dragon Center)を使う方法

Windows上で動作するMSI純正のユーティリティソフトです。

手順

  1. MSI Centerをインストール
  2. 「Live Update」セクションを開く
  3. 「Scan」をクリック
  4. 新しいBIOSバージョンがあれば「Update BIOS」をクリック

注意点

Windows上での更新は、OSのクラッシュや停電のリスクがあるため、M-FlashやFlash BIOS Buttonの方が安全です。

MSI Live Update

MSI Live Updateは、BIOS、ドライバー、ファームウェアを更新できるツールです。Windows上で動作しますが、上記と同様の理由で、可能な限りM-Flashを使うことが推奨されます。

まとめ:M-FlashでBIOS更新を安全に

M-Flashは、MSIマザーボードユーザーにとって非常に便利なBIOS更新ツールです。

M-Flashのポイント

  • MSIマザーボード専用のBIOS更新機能
  • BIOS画面から直接更新できるため安全
  • USBメモリにBIOSファイルを入れるだけで使える
  • シンプルな操作で初心者でも使いやすい
  • Flash BIOS Buttonなら、CPUなしで更新可能

BIOS更新の基本手順

  1. USBメモリをFAT32でフォーマット
  2. MSI公式サイトから最新BIOSをダウンロード
  3. 解凍したファイルをUSBメモリにコピー
  4. BIOS画面でM-Flashを起動
  5. BIOSファイルを選択して更新
  6. 更新中は絶対に電源を切らない
  7. 完了後、BIOS設定を初期化

安全に更新するためのポイント

  • 必要なとき以外は無理に更新しない
  • 公式サイトから正しいファイルをダウンロードする
  • FAT32フォーマットのUSBメモリを使う
  • 更新中は絶対に電源を切らない
  • 可能であればUPSを使用する

BIOS更新は少し緊張する作業かもしれませんが、手順をしっかり守れば安全に行えます。新しいCPUへの対応や、システムの安定性向上のために、M-Flashを活用してみてください!

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