「JavaScriptを勉強したいけど、何から始めればいいかわからない…」
「プログラミングは初めてで、基本的な書き方がわからない」
そんな方に向けて、JavaScriptの基本的な書き方を、プログラミング未経験の方にもわかりやすく説明します。
この記事を読めば、JavaScriptでプログラムを書くための基礎知識がしっかり身につきます。
JavaScriptってなに?

JavaScriptの説明
JavaScriptは、ウェブサイトに動きをつけたり、便利な機能を追加したりするプログラミング言語です。
例えば、ボタンをクリックしたら画面が変わったり、フォームに入力した内容をチェックしたりする機能は、JavaScriptで作られています。
JavaScriptでできること
- ウェブサイトに動きをつける
- ユーザーの操作に反応する
- データの計算や処理
- スマートフォンアプリの開発
なぜJavaScriptを学ぶの?
ウェブ開発には必須 現代のウェブサイトには、ほぼ確実にJavaScriptが使われています
学習しやすい プログラミング言語の中では比較的わかりやすく、初心者におすすめ
すぐに結果が見える ブラウザでプログラムを実行できるので、すぐに動作を確認できます
JavaScriptの基本的な書き方
プログラムの基本ルール
文の終わりにはセミコロン(;) JavaScriptでは、1つの命令の終わりに「;」をつけます
console.log("こんにちは");
console.log("私はJavaScriptを学んでいます");
大文字と小文字を区別する name
とName
は別のものとして扱われます
コメントの書き方 プログラムの説明を書くときに使います
// これは一行のコメントです
console.log("Hello World");
/*
これは複数行の
コメントです
*/
実際に動かしてみよう
ブラウザのコンソールを使う方法
- Chrome、Edge、Firefoxなどのブラウザを開く
- F12キーを押す(またはページを右クリック→「検証」)
- 「Console」タブをクリック
- 下記のコードを入力してEnterキーを押す
console.log("初めてのJavaScript!");
実行結果
初めてのJavaScript!
変数の使い方
変数とは
変数とは、数字や文字などのデータを入れておく箱のようなものです。
お菓子の缶に「チョコレート」「クッキー」など、ラベルを貼って中身がわかるようにしますよね。変数も同じで、データに名前をつけて管理します。
変数の宣言方法
let を使った変数宣言
let name = "田中太郎";
let age = 25;
const を使った変数宣言
const city = "東京";
const pi = 3.14159;
var を使った変数宣言
var email = "tanaka@example.com";
letとconstの使い分け
宣言方法 | 特徴 | 使う場面 |
---|---|---|
let | 後から値を変更できる | 年齢、カウンターなど |
const | 値を変更できない | 固定値、設定値など |
var | 古い書き方 | 新しいコードでは避ける |
実際の使用例
説明 ユーザーの情報を変数に保存してみましょう。
コード例
// ユーザー情報を保存
let userName = "佐藤花子";
let userAge = 30;
const userCity = "大阪";
// 画面に表示
console.log("名前: " + userName);
console.log("年齢: " + userAge);
console.log("住所: " + userCity);
実行結果
名前: 佐藤花子
年齢: 30
住所: 大阪
解説
userName
、userAge
:後から変更する可能性があるのでletuserCity
:住所は変わらないのでconst+
を使って文字をつなげています
データの種類(データ型)

主なデータ型
数値(Number) 計算に使う数字
let price = 1000;
let temperature = -5.5;
let score = 85;
文字列(String) 文字や文章
let message = "おはようございます";
let name = '山田一郎'; // シングルクォートでもOK
let address = "東京都新宿区";
真偽値(Boolean) 「はい」か「いいえ」の値
let isRaining = true; // 雨が降っている
let isHoliday = false; // 休日ではない
let isLogin = true; // ログインしている
配列(Array)
配列とは 複数のデータをまとめて管理できる仕組み
let fruits = ["りんご", "バナナ", "みかん"];
let numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
let mixed = ["太郎", 25, true];
配列の使い方
let fruits = ["りんご", "バナナ", "みかん"];
// 最初の要素を取得(0番目から始まる)
console.log(fruits[0]); // りんご
// 2番目の要素を取得
console.log(fruits[1]); // バナナ
// 配列の長さを取得
console.log(fruits.length); // 3
オブジェクト(Object)
オブジェクトとは 関連する情報をまとめて管理する仕組み
let person = {
name: "田中健太",
age: 28,
city: "横浜",
hobby: "読書"
};
オブジェクトの使い方
let person = {
name: "田中健太",
age: 28,
city: "横浜"
};
// 情報を取得
console.log(person.name); // 田中健太
console.log(person.age); // 28
// 情報を変更
person.age = 29;
console.log(person.age); // 29
計算と比較
計算(算術演算子)
基本的な計算
let a = 10;
let b = 3;
console.log(a + b); // 13(足し算)
console.log(a - b); // 7(引き算)
console.log(a * b); // 30(掛け算)
console.log(a / b); // 3.333...(割り算)
console.log(a % b); // 1(割った余り)
文字列の結合
let firstName = "田中";
let lastName = "太郎";
let fullName = firstName + lastName;
console.log(fullName); // 田中太郎
比較(比較演算子)
値の比較
let x = 10;
let y = 5;
console.log(x > y); // true(xの方が大きい)
console.log(x < y); // false(xの方が小さくない)
console.log(x == 10); // true(xは10と等しい)
console.log(x != y); // true(xとyは等しくない)
厳密な比較
let num = 10;
let str = "10";
console.log(num == str); // true(値だけ比較)
console.log(num === str); // false(型も比較)
条件分岐(if文)

if文とは
if文は、条件によって処理を変えるときに使います。
「もし雨が降っていたら傘を持つ、そうでなければ持たない」のような判断をプログラムで表現できます。
基本的なif文
説明 年齢によって異なるメッセージを表示してみましょう。
コード例
let age = 20;
if (age >= 20) {
console.log("成人です");
} else {
console.log("未成年です");
}
実行結果
成人です
解説
if (条件)
:条件が正しければ{}の中を実行else
:条件が正しくなければ{}の中を実行
複数の条件(else if)
説明 点数によって成績を判定してみましょう。
コード例
let score = 85;
if (score >= 90) {
console.log("優秀です!");
} else if (score >= 70) {
console.log("良い成績です");
} else if (score >= 60) {
console.log("合格です");
} else {
console.log("がんばりましょう");
}
実行結果
良い成績です
switch文
説明 値によって処理を分ける別の方法です。
コード例
let fruit = "りんご";
switch (fruit) {
case "りんご":
console.log("赤い果物ですね");
break;
case "バナナ":
console.log("黄色い果物ですね");
break;
case "みかん":
console.log("オレンジ色の果物ですね");
break;
default:
console.log("知らない果物ですね");
}
実行結果
赤い果物ですね
解説
case "値"
:その値だったときの処理break
:処理を終了(忘れると次の処理も実行される)default
:どのcaseにも当てはまらないときの処理
繰り返し処理(ループ)

for文
説明 決まった回数だけ処理を繰り返したいときに使います。
コード例
// 1から5まで表示
for (let i = 1; i <= 5; i++) {
console.log(i + "回目");
}
実行結果
1回目
2回目
3回目
4回目
5回目
解説
let i = 1
:カウンターを1から開始i <= 5
:5以下の間は繰り返すi++
:毎回カウンターを1増やす
配列をfor文で処理
説明 配列の中身を順番に表示してみましょう。
コード例
let fruits = ["りんご", "バナナ", "みかん"];
for (let i = 0; i < fruits.length; i++) {
console.log((i + 1) + "番目: " + fruits[i]);
}
実行結果
1番目: りんご
2番目: バナナ
3番目: みかん
while文
説明 条件が正しい間、処理を繰り返します。
コード例
let count = 1;
while (count <= 3) {
console.log("カウント: " + count);
count++; // countを1増やす
}
実行結果
カウント: 1
カウント: 2
カウント: 3
注意点 条件が永遠に正しいままだと、無限ループになってしまいます。必ず条件が変わるようにしましょう。
関数の使い方
関数とは
関数とは、よく使う処理をまとめて、名前をつけたものです。
料理のレシピのように、一度作っておけば何度でも使えます。
基本的な関数
説明 あいさつをする関数を作ってみましょう。
コード例
// 関数を定義
function sayHello() {
console.log("こんにちは!");
}
// 関数を使用
sayHello();
sayHello();
実行結果
こんにちは!
こんにちは!
解説
function 関数名()
:関数を定義関数名()
:関数を呼び出し(実行)
パラメータ(引数)のある関数
説明 名前を受け取って、その人にあいさつする関数を作りましょう。
コード例
// パラメータを受け取る関数
function greet(name) {
console.log("こんにちは、" + name + "さん!");
}
// 関数を使用
greet("田中");
greet("佐藤");
実行結果
こんにちは、田中さん!
こんにちは、佐藤さん!
値を返す関数
説明 計算結果を返す関数を作ってみましょう。
コード例
// 2つの数を足し算する関数
function add(a, b) {
return a + b;
}
// 関数を使用
let result1 = add(5, 3);
let result2 = add(10, 20);
console.log("5 + 3 = " + result1);
console.log("10 + 20 = " + result2);
実行結果
5 + 3 = 8
10 + 20 = 30
解説
return
:計算結果を呼び出し元に返す- 返された値は変数に保存できる
アロー関数(ES6の新しい書き方)
説明 関数をより短く書く方法です。
従来の書き方
function multiply(a, b) {
return a * b;
}
アロー関数の書き方
const multiply = (a, b) => {
return a * b;
};
// さらに短く
const multiply2 = (a, b) => a * b;
実際に使ってみよう

練習問題1:基本計算
問題 商品の価格と税率から、税込み価格を計算する関数を作ってください。
答え
function calculateTotalPrice(price, taxRate) {
return price * (1 + taxRate);
}
// 使用例
let itemPrice = 1000;
let tax = 0.1; // 10%
let totalPrice = calculateTotalPrice(itemPrice, tax);
console.log("税込み価格: " + totalPrice + "円");
実行結果
税込み価格: 1100円
練習問題2:配列の処理
問題 配列に入っている数値の合計を計算する関数を作ってください。
答え
function sumArray(numbers) {
let total = 0;
for (let i = 0; i < numbers.length; i++) {
total += numbers[i];
}
return total;
}
// 使用例
let scores = [80, 90, 75, 85, 95];
let sum = sumArray(scores);
console.log("合計点: " + sum);
console.log("平均点: " + (sum / scores.length));
実行結果
合計点: 425
平均点: 85
よくある間違いと対処法
セミコロンを忘れる
❌ 間違い
let name = "田中"
console.log(name)
✅ 正しい書き方
let name = "田中";
console.log(name);
変数名の間違い
❌ 間違い
let userName = "田中";
console.log(username); // 大文字小文字が違う
✅ 正しい書き方
let userName = "田中";
console.log(userName); // 正確な変数名
括弧の対応漏れ
❌ 間違い
if (age >= 20 {
console.log("成人です");
✅ 正しい書き方
if (age >= 20) {
console.log("成人です");
}
まとめ:JavaScriptの基礎をマスターしよう
JavaScriptの基本構文を理解すれば、プログラミングの楽しさを実感できます。
今日覚えたこと
- 変数:
let
とconst
でデータを保存 - データ型:数値、文字列、配列、オブジェクト
- 条件分岐:
if
文で処理を分ける - 繰り返し:
for
文とwhile
文 - 関数:処理をまとめて再利用
最初は簡単なコードから始めましょう。ブラウザのコンソールで実際に動かしながら学習すると、理解が深まります。
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