「iPhoneを初期化したいけど、何を準備すればいいの?」
「うっかりバックアップを忘れて、大切なデータが消えたらどうしよう…」
iPhoneの初期化は、手順を間違えると取り返しのつかないことになりかねません。
でも、この記事を読めば大丈夫です。初期化前にやるべきことを順番に解説していくので、安心して進められますよ。売却、譲渡、機種変更、いずれの場合でも、このチェックリストに沿って準備すれば完璧です。
そもそもiPhoneを初期化する理由とは
初期化が必要になるのは、主に3つのケースがあります。
iPhoneを手放すとき
中古ショップへの売却、フリマアプリでの販売、家族や友人への譲渡など、iPhoneを他の人に渡すときは必ず初期化が必要です。
写真や連絡先、メール、アプリのログイン情報など、個人情報がたくさん入っているからです。初期化せずに手放すと、プライバシーの漏洩や悪用のリスクがあります。
不具合を解消したいとき
動作が重い、アプリが頻繁に落ちる、バッテリーの減りが異常に早いなど、様々な不具合が起きることがあります。
再起動でも直らない場合、初期化することで改善する可能性があるんです。ただし、初期化は最終手段なので、まずは再起動やアプリの再インストールを試してみましょう。
紛失・盗難に遭ったとき
「iPhoneを探す」機能で見つからず、取り戻せる見込みがないときは、遠隔で初期化することで個人情報の流出を防げます。
ただし、AppleCare+盗難・紛失プランに加入している場合は、補償申請前に初期化すると対象外になる可能性があるので注意が必要です。
初期化前にやるべき8つのこと
それでは、初期化前の準備を一つずつ見ていきましょう。
1. データのバックアップを取る(最重要!)
これが最も重要な作業です。初期化すると、iPhone内のすべてのデータが消えてしまいます。
バックアップさえ取っておけば、新しいiPhoneや同じiPhoneでデータを復元できるので、必ず実行してください。
iCloudでバックアップする方法:
- Wi-Fiに接続する
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudバックアップ」を選択
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
バックアップには時間がかかることがあります。Wi-Fi環境が安定している場所で、充電しながら行うのがおすすめです。
無料のiCloudストレージは5GBまでなので、容量が足りない場合は不要なデータを削除するか、有料の「iCloud+」にアップグレードする必要があります。
パソコンでバックアップする方法:
Macの場合(macOS Catalina以降):
- iPhoneをUSBケーブルでMacに接続
- Finderを開く
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップを作成」をクリック
Windowsの場合:
- AppleデバイスアプリまたはiTunesを起動
- iPhoneをUSBケーブルでパソコンに接続
- iPhoneのアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップを作成」をクリック
パソコンでバックアップすると、iCloudの容量を気にせずに済むメリットがあります。
2. LINEなどのアプリの引き継ぎ準備
iCloudやパソコンのバックアップだけでは、一部のアプリデータは復元できません。
特にLINEのトーク履歴は個別にバックアップが必要です。
LINEのバックアップ方法:
- LINEアプリを開く
- 「ホーム」タブをタップ
- 右上の歯車マーク(設定)をタップ
- 「トークのバックアップ」を選択
- 「今すぐバックアップ」をタップ
異なるOS間(iPhoneからAndroid、またはその逆)でLINEを引き継ぐ場合、15日以上前のトーク履歴は引き継げないので注意してください。
ゲームアプリなども、アプリ内で引き継ぎコードを発行したり、アカウント連携をしたりする必要があるものがあります。各アプリの公式サイトで確認しましょう。
3. Apple Watchのペアリングを解除する
Apple Watchを使っている方は、必ずペアリングを解除してから初期化してください。
解除せずに初期化すると、Apple Watchがロックされて、新しいiPhoneとペアリングできなくなってしまいます。
ペアリング解除の手順:
- iPhoneとApple Watchを近づける
- iPhoneで「Watch」アプリを開く
- 「マイウォッチ」タブをタップ
- 画面上部の「すべてのWatch」をタップ
- ペアリングを解除したいApple Watchの横にある「i」マークをタップ
- 「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップ
- もう一度「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップして確定
ペアリングを解除すると、Apple WatchのバックアップがiPhoneに自動保存されます。
4. Apple PayのSuica/PASMOを削除する
交通系ICカードをApple Payに登録している場合、削除しておく必要があります。
SuicaやPASMOは1枚につき1台のiPhoneにしか登録できないため、削除せずに初期化すると、新しいiPhoneに引き継げなくなるんです。
Suica/PASMO削除の手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「WalletとApple Pay」をタップ
- 削除したいカードをタップ
- 「このカードを削除」をタップ
削除したSuicaやPASMOは、新しいiPhoneで「Wallet」アプリから再度追加できます。残高も引き継がれるので安心してください。
5. 「iPhoneを探す」をオフにする
iPhoneを売却や譲渡する場合、「iPhoneを探す」機能をオフにしないと、次の所有者が使えなくなってしまいます。
この機能がオンのままだと「アクティベーションロック」がかかり、Apple IDとパスワードを入力しないと解除できません。
「iPhoneを探す」をオフにする手順:
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 「探す」をタップ
- 「iPhoneを探す」をタップ
- トグルをオフにする
- Apple IDのパスワードを入力
ただし、不具合解消のために初期化する場合や、紛失したiPhoneを遠隔で初期化する場合は、この手順は不要です。
6. iCloudからサインアウトする
初期化すると自動的にサインアウトされますが、事前にサインアウトしておくと、初期化がスムーズに進むことがあります。
iCloudサインアウトの手順:
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 画面を一番下までスクロール
- 「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- iPhoneに残すデータを選択(通常はすべてオフで問題なし)
- 「サインアウト」をタップして確定
サインアウトする前に、必ずバックアップを取っておきましょう。
7. Apple IDとパスワードを確認する
初期化の過程で、Apple IDのパスワード入力が必要になります。
忘れている場合は、事前に確認またはリセットしておきましょう。
Apple IDの確認方法:
「設定」アプリを開いて、一番上の自分の名前をタップすると、その下にメールアドレス(Apple ID)が表示されます。
パスワードを忘れた場合:
Apple公式サイト(appleid.apple.com)にアクセスして、「Apple IDまたはパスワードをお忘れですか?」からリセットできます。
パスコード(iPhoneのロック解除に使う数字)も、メモしておくと安心です。
8. Androidに移行する場合はiMessageを解除
iPhoneからAndroidスマホに機種変更する方は、iMessageの登録を解除しておく必要があります。
解除しないと、他のiPhoneユーザーから送られたメッセージが届かなくなる可能性があるんです。
iMessage解除の手順:
- モバイルデータ通信またはWi-Fiに接続
- 「設定」アプリを開く
- 「メッセージ」をタップ
- 「iMessage」のトグルをオフにする
iPhone同士の機種変更の場合は、この手順は不要です。
初期化前の最終チェックリスト
初期化を実行する前に、もう一度確認しましょう。
必須項目:
- [ ] iCloudまたはパソコンでバックアップを取った
- [ ] LINEなどのアプリの引き継ぎ準備をした
- [ ] Apple Watchのペアリングを解除した(使用している場合)
- [ ] Apple PayのSuica/PASMOを削除した(登録している場合)
- [ ] 「iPhoneを探す」をオフにした(売却・譲渡の場合)
- [ ] iCloudからサインアウトした
- [ ] Apple IDとパスワードを確認した
- [ ] iMessageを解除した(Androidへ移行する場合)
推奨項目:
- [ ] バッテリー残量が50%以上ある(または充電できる環境)
- [ ] Wi-Fi環境が安定している
- [ ] 時間に余裕がある
すべてチェックできたら、いよいよ初期化の実行です。
初期化の基本手順
準備が整ったら、以下の手順で初期化を実行します。
通常の初期化手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」を選択
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- 画面の指示に従って進む
- パスコードを入力
- Apple IDのパスワードを入力(求められた場合)
- 「iPhoneを消去」をタップして確定
eSIMを使っている場合は、消去するか残すか選択できます。消去すると、通信事業者に連絡してモバイルデータ通信プランを再度有効にする必要があるので注意してください。
初期化には数分から十数分かかることがあります。途中で電源が切れないよう、充電しながら実行するのがおすすめです。
よくある質問と答え
バックアップを忘れて初期化してしまったら?
残念ながら、バックアップなしで初期化したデータは復元できません。
ただし、iCloudの自動バックアップがオンになっていれば、最後にバックアップされた時点までのデータは復元できる可能性があります。
SIMカードはどうすればいい?
初期化後、SIMカードは取り出しておきましょう。
SIMカードには契約者情報や電話番号が記録されているため、売却や譲渡する場合は必ず取り出す必要があります。新しいiPhoneで同じSIMカードを使う場合は、そちらに差し替えてください。
初期化したらアプリの有料課金はどうなる?
アプリの課金情報はApple IDに紐づいているため、初期化しても消えません。
新しいiPhoneで同じApple IDでサインインすれば、購入したアプリや課金アイテムは再ダウンロードできます。ただし、ゲームアプリなどはアプリ内でアカウント連携が必要な場合があるので注意してください。
写真や動画はどこに保存される?
iCloudバックアップを取っていれば、iCloud上に保存されます。
ただし、iCloud写真をオンにしていない場合、写真はバックアップに含まれないことがあります。「設定」→「自分の名前」→「iCloud」→「写真」で「iCloud写真」がオンになっているか確認しましょう。
パソコンにバックアップした場合は、パソコンのハードディスクに保存されます。
初期化後に復元する方法は?
新しいiPhoneまたは初期化したiPhoneを起動すると、初期設定画面が表示されます。
「Appとデータ」の画面で「iCloudバックアップから復元」または「MacまたはPCから復元」を選択し、画面の指示に従って進めれば、バックアップからデータを復元できます。
うっかりミスを防ぐためのアドバイス
時間に余裕を持って作業する
初期化の準備から実行まで、思ったより時間がかかることがあります。
特にバックアップは、データ量によっては1時間以上かかる場合も。売却や下取りの当日に慌てて作業するのではなく、数日前から準備を始めるのがおすすめです。
二重、三重の確認を
「バックアップは本当に完了したか?」「必要なアプリの引き継ぎは済んだか?」など、重要な項目は何度も確認しましょう。
バックアップが完了したら、「設定」→「自分の名前」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」で最新のバックアップ日時を確認できます。
不安なら専門店に相談
「自分でやるのは心配…」という方は、携帯ショップやApple Storeで相談するのも一つの方法です。
有料のサポートサービスもありますが、大切なデータを守るための投資だと考えれば安心ですね。
まとめ:準備万端で安心の初期化を
iPhoneの初期化は、事前準備をしっかり行えば決して難しくありません。
初期化前にやるべき8つのこと:
- データのバックアップ
- LINEなどのアプリの引き継ぎ準備
- Apple Watchのペアリング解除
- Apple PayのSuica/PASMO削除
- 「iPhoneを探す」をオフ
- iCloudからサインアウト
- Apple IDとパスワードの確認
- iMessage解除(Android移行時)
この順番で一つずつ確実に進めていけば、データを失うことなく安全に初期化できます。
特にバックアップは絶対に忘れないでください。「後でやろう」と思っていると、うっかり初期化してしまって取り返しのつかないことになりかねません。
時間に余裕を持って、落ち着いて作業を進めてくださいね。そうすれば、安心してiPhoneを手放したり、新しいiPhoneに移行したりできますよ。


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