「iPhoneの位置情報って、どうやって使うの?」
「家族と位置情報を共有したいけど、プライバシーは大丈夫?」
iPhoneの位置情報サービスは、地図アプリだけでなく、家族との連絡、写真の整理、紛失時の捜索など、様々な場面で活躍します。でも、正しく理解して使わないと、プライバシーの問題やバッテリーの消耗が心配ですよね。
この記事では、iPhoneの位置情報について、基本的な設定方法から共有のやり方、行動履歴の確認、プライバシー保護まで、知っておくべきことを全て解説します。
iPhoneの位置情報サービスとは?

位置情報サービスは、iPhoneが今どこにあるかを特定する機能です。
位置情報を使う技術
iPhoneは複数の技術を組み合わせて、正確な位置を判定しています。
使用される技術:
- GPS(全地球測位システム):人工衛星からの信号で位置を測定、誤差は数メートル〜数十メートル
- Wi-Fi:周囲のWi-Fiアクセスポイントの位置情報データベースから推定
- Bluetooth:近くのBluetoothデバイスの情報を利用
- 携帯基地局:携帯電話の基地局の位置から大まかな位置を推定
屋外ではGPSがメインで動作し、屋内やビルの谷間ではWi-Fiと携帯基地局を組み合わせて位置を特定します。
位置情報でできること
位置情報サービスを有効にすると、様々な便利な機能が使えます。
主な活用例:
- 地図アプリで現在地を表示、ナビゲーション
- 天気アプリで現在地の天気を自動表示
- 写真に撮影場所の情報を記録
- リマインダーで場所に着いたら通知
- 「iPhoneを探す」で紛失したiPhoneの位置を特定
- 家族や友人と位置情報を共有
- 位置情報を使ったゲーム(ポケモンGO、ドラクエウォークなど)
- SNSへの投稿に現在地を追加
位置情報があるだけで、iPhoneの使い勝手が大きく変わります。
位置情報サービスの基本設定
まずは、位置情報サービス全体のオン・オフ設定から見ていきましょう。
位置情報サービスをオンにする
設定手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップ
- 「位置情報サービス」をタップ
- 一番上の「位置情報サービス」のスイッチをオン(緑色)にする
これで、iPhoneの位置情報サービスが有効になります。
位置情報サービスをオフにする
同じ画面で、スイッチをオフ(灰色)にすれば、位置情報サービスが無効になります。
ただし、完全にオフにすると、以下の機能が使えなくなります:
- マップアプリのナビゲーション
- 「iPhoneを探す」機能
- カメラで撮影した写真への位置情報の記録
- 位置情報を使ったリマインダー
- 一部のアプリの機能
完全にオフにするよりも、次に説明する「アプリごとの設定」を活用するのがおすすめです。
位置情報が有効か確認する方法
位置情報サービスが動作しているときは、画面の左上に矢印マーク(紙飛行機のようなマーク)が表示されます。
マークの色の意味:
- 紫色:アプリが現在、位置情報を使用中
- 灰色:過去24時間以内に位置情報を使用した
- 白抜き:特定の条件下で位置情報を使用する可能性がある
このマークを見れば、どのアプリが位置情報を使っているか一目で分かります。
アプリごとに位置情報を細かく設定
位置情報サービスは、アプリごとに個別に設定できます。これが本当に便利なんです。
アプリごとの設定画面を開く
手順:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」
- 下にスクロールすると、アプリの一覧が表示される
- 設定したいアプリをタップ
4つの許可レベル
アプリごとに、以下の4つから選べます。
許可しない(しない)
そのアプリでは位置情報を一切使えません。位置情報が不要なアプリには、この設定を選びましょう。
次回または共有時に確認
アプリが位置情報を使おうとするたびに、許可するか聞かれます。
選択肢として:
- 1度だけ許可
- このアプリの使用中のみ許可
- 許可しない
毎回選べるので、柔軟に対応できます。
このアプリの使用中のみ許可
アプリを開いて使っている間だけ、位置情報の使用を許可します。
バックグラウンドでは位置情報にアクセスできないので、プライバシーとバッテリーのバランスが良い設定です。ほとんどのアプリは、この設定で十分です。
常に許可
アプリを閉じていても、バックグラウンドで常に位置情報にアクセスできます。
「iPhoneを探す」や継続的な記録が必要なフィットネスアプリなど、本当に必要なアプリだけに設定しましょう。バッテリー消費が激しくなります。
正確な位置情報のオン・オフ
iOS 14以降では、「正確な位置情報」という設定も選べます。
オンの場合:
ピンポイントで正確な位置(誤差数メートル)を提供
オフの場合:
おおよその位置(半径数キロメートル程度)だけを提供
天気アプリなど、大まかな位置で十分なアプリは、オフにしてもOKです。プライバシー保護とバッテリー節約になります。
位置情報の共有方法
iPhoneでは、家族や友人と位置情報を簡単に共有できます。
「探す」アプリで位置情報を共有
最も一般的な方法が、「探す」アプリを使った共有です。
共有手順:
- 「探す」アプリを開く
- 下部の「人を探す」タブをタップ
- 「位置情報の共有を開始」をタップ(初めての場合は「自分の位置情報を共有」をオンにする)
- 共有したい相手の名前や電話番号を入力
- 「送信」をタップ
- 共有期間を選択
- 1時間:待ち合わせなど短時間の共有に
- 明け方まで:その日の終わりまで
- 無期限:共有を停止するまで継続
相手がリクエストを承諾すれば、お互いの位置情報が共有されます。
ファミリー共有で家族と位置情報を共有
家族間では、ファミリー共有機能を使うと便利です。
設定手順:
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 「ファミリー共有」をタップ
- 「位置情報の共有」をタップ
- 「自動的に位置情報を共有」をオンにする
こうすると、新しく家族に追加されたメンバーとも自動的に位置情報が共有されます。
家族それぞれが、自分の位置情報を共有するかどうかを選択できます。
メッセージで一時的に位置情報を送る
今いる場所を一度だけ知らせたい場合は、メッセージアプリが便利です。
送信手順(iOS 17以降):
- メッセージアプリでチャットを開く
- 「+」ボタンをタップ
- 「位置情報」をタップ
- 地図のピンボタンをタップ
- 「ピンを送信」をタップ
相手は、その時点での位置情報を一度だけ見ることができます。リアルタイムで追跡されることはありません。
Googleマップで位置情報を共有
Androidユーザーとも位置情報を共有したい場合は、Googleマップが便利です。
共有手順:
- Googleマップアプリを開く
- 右上のプロフィールアイコンをタップ
- 「現在地の共有」をタップ
- 「新たに共有」をタップ
- 共有時間を選択(15分〜24時間、または「無効にするまで」)
- 共有したい相手を選択
Googleマップなら、iPhoneとAndroid間でもスムーズに位置情報を共有できます。
位置情報の共有を停止する方法
共有を止めたくなったら、簡単に停止できます。
「探す」アプリでの停止方法:
- 「探す」アプリを開く
- 「人を探す」タブをタップ
- 共有を停止したい相手の名前をタップ
- 「自分の位置情報の共有を停止」をタップ
- 「位置情報の共有を停止」をタップ
相手には通知が届くので、共有を停止したことが分かります。
位置情報の履歴を確認・削除する

iPhoneは、よく行く場所の履歴を記録しています。
「利用頻度の高い場所」とは?
iOS 14以降では、「利用頻度の高い場所」という機能があります。
これは、自分がよく訪れる場所とその頻度を記録する機能です。Appleによると、この情報は以下の目的で使われます:
- 予測交通情報の精度向上
- 写真のメモリー機能の改善
- パーソナライズされた地図サービス
情報は暗号化されており、Apple以外には送信されません。
履歴を確認する方法
確認手順:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」
- 一番下までスクロールして「システムサービス」をタップ
- 「利用頻度の高い場所」をタップ
- パスコードを入力(求められた場合)
ここで、自分が頻繁に訪れた場所とその日時が確認できます。
履歴を削除する方法
プライバシーが気になる場合は、履歴を削除できます。
削除手順:
- 上記の手順で「利用頻度の高い場所」画面を開く
- 「履歴を消去」をタップ
機能自体をオフにする:
同じ画面で「利用頻度の高い場所」のスイッチをオフにすれば、今後は記録されなくなります。
オフにしても、iPhoneの基本的な使用に影響はありません。
位置情報のプライバシーを守る
便利な位置情報サービスですが、プライバシーにも注意が必要です。
写真の位置情報に注意
カメラで撮影した写真には、デフォルトで位置情報が記録されます。
SNSに写真をアップロードすると、撮影場所が特定される可能性があります。特に自宅で撮った写真は要注意です。
カメラアプリの位置情報をオフにする:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」
- 「カメラ」を選択
- 「許可しない」または「このアプリの使用中のみ許可」に設定
写真から位置情報を削除する:
既に撮影した写真の位置情報を削除することもできます。
- 写真アプリで写真を開く
- 下から上にスワイプして詳細を表示
- 位置情報の部分をタップ
- 「位置情報なし」を選択
定期的にアプリの位置情報設定を見直す
どのアプリが位置情報を使っているか、定期的にチェックしましょう。
確認ポイント:
- 使わなくなったアプリの位置情報許可を取り消す
- 「常に許可」になっているアプリを見直す
- 正確な位置情報が不要なアプリはオフにする
紫色や灰色の矢印がついているアプリは、最近位置情報を使用しています。
位置情報の共有相手を確認
誰と位置情報を共有しているか、時々確認することをおすすめします。
確認方法:
- 「探す」アプリを開く
- 「人を探す」タブをタップ
ここに表示されている人たちが、あなたの位置情報を見ることができます。
必要のない共有は停止しておきましょう。
SNSアプリの位置情報に注意
Instagram、Twitter、Facebookなどのアプリでは、投稿に位置情報を追加できます。
不特定多数に見られる可能性があるので、自宅や勤務先など特定されたくない場所での投稿には注意してください。
位置情報とバッテリー消費
「位置情報をオンにするとバッテリーがすぐ減る」という心配はよく聞きますが、実際はどうでしょう?
実際の影響は?
位置情報サービスをオンにしているだけなら、バッテリー消費はそこまで多くありません。
一般的な影響:
- 位置情報サービスをオンにしているだけ:約5〜10%程度の増加
- Wi-FiやBluetoothをオンにしているのと同程度
問題は、多くのアプリで「常に許可」に設定している場合です。
バッテリーを節約する設定
位置情報を使いながら、バッテリーを長持ちさせるコツがあります。
節約のポイント:
- 「常に許可」は最小限に
本当に必要なアプリだけに限定 - 「このアプリの使用中のみ許可」を活用
ほとんどのアプリはこれで十分 - 不要なアプリは「許可しない」
位置情報が必要ないアプリはオフに - 正確な位置情報をオフにできるアプリはオフに
天気アプリなど、大まかな位置で十分なものはオフに - システムサービスを見直す
不要なシステムサービスをオフにする
低電力モードの活用
バッテリーが少なくなったら、低電力モードを使いましょう。
設定方法:
- 「設定」→「バッテリー」
- 「低電力モード」をオン
低電力モードでは、位置情報を含む様々なバックグラウンド活動が制限され、バッテリーが長持ちします。
位置情報が使えない・共有できないときの対処法
位置情報がうまく動作しないときの解決方法を紹介します。
位置情報サービスが使えない
対処法1:位置情報サービスがオンか確認
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」で、オンになっているか確認してください。
対処法2:該当アプリの設定を確認
特定のアプリで位置情報が使えない場合、そのアプリの許可設定を確認しましょう。
対処法3:iPhoneを再起動
一時的な不具合なら、再起動で解決することが多いです。
対処法4:ネットワーク設定をリセット
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」
注意:Wi-Fiパスワードなども消去されます。
位置情報の共有ができない
原因1:位置情報サービスがオフ
「探す」アプリで共有するには、位置情報サービスがオンになっている必要があります。
原因2:「iPhoneを探す」がオフ
「設定」→ 自分の名前→「探す」で、「iPhoneを探す」と「位置情報を共有」の両方がオンになっているか確認してください。
原因3:ネットワーク接続の問題
Wi-Fiまたはモバイルデータ通信に接続されているか確認しましょう。
原因4:iOSのバージョンが古い
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」で、最新バージョンにアップデートしてください。
位置情報が不正確
対処法1:機内モードのオン・オフ
コントロールセンターから機内モードをオンにして、数秒後にオフにしてみましょう。
対処法2:GPSの再校正
一度位置情報サービスをオフにして、再度オンにすると、GPSが再校正されることがあります。
対処法3:屋外に出る
屋内やビルの谷間では、GPS信号が届きにくいことがあります。屋外に出て、空が開けた場所に移動してみてください。
よくある質問と答え
位置情報をオンにすると、常に追跡される?
いいえ、そんなことはありません。
位置情報サービスをオンにしても、アプリごとに許可が必要です。また、アプリが位置情報を使用しているときは、画面上部に矢印マークが表示されるので、すぐに分かります。
位置情報の共有を停止すると、相手に通知される?
はい、「探す」アプリで共有を停止すると、相手に通知が届きます。
一時的に位置情報を隠したい場合は、「探す」アプリの「自分」タブから「位置情報の共有を一時停止」を選ぶと、通知なしで一時的に非表示にできます。
機内モードでも位置情報は使える?
はい、GPSは機内モードでも動作します。
ただし、Wi-Fiや携帯基地局の情報が使えないので、位置の精度は下がる可能性があります。
位置情報の履歴はAppleに送信される?
「利用頻度の高い場所」の情報は、iPhone内で暗号化されて保存されます。
Appleのサーバーには送信されず、他のデバイスとも同期されません。プライバシーは保護されています。
子供のiPhoneの位置情報を確認したい
ファミリー共有機能を使えば、家族の位置を確認できます。
「設定」→ 自分の名前→「ファミリー共有」で家族を追加し、「位置情報の共有」をオンにしてください。
ただし、子供側でも設定が必要で、強制的に追跡することはできません。
位置情報をオフにすると「iPhoneを探す」は使えない?
はい、位置情報サービスをオフにすると、「iPhoneを探す」機能は使えなくなります。
紛失や盗難に備えて、位置情報サービスと「iPhoneを探す」は常にオンにしておくことをおすすめします。
まとめ:位置情報を賢く活用しよう
iPhoneの位置情報サービスは、正しく設定すれば、便利さとプライバシーを両立できます。
押さえておきたいポイント:
- 位置情報サービスは基本的にオンに
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」 - アプリごとに細かく設定
- 必要最小限のアプリだけ「常に許可」
- ほとんどのアプリは「このアプリの使用中のみ許可」で十分
- 不要なアプリは「許可しない」
- 正確な位置情報は必要なアプリだけ
天気アプリなど、大まかな位置で十分なものはオフに - 定期的に設定を見直す
使わなくなったアプリの許可を取り消す
位置情報の共有相手を確認 - プライバシーに配慮
写真の位置情報に注意
SNSへの投稿時は慎重に - バッテリー対策
「常に許可」を減らす
低電力モード活用 - 「iPhoneを探す」は必ずオンに
紛失・盗難に備える
位置情報サービスは、使い方次第でとても便利な機能です。この記事を参考に、自分に合った設定を見つけてくださいね。


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