新しいiPhoneに機種変更するとき、大切なデータをちゃんと移せるか心配になりますよね。
でも、大丈夫!
iCloudを使えば、写真や連絡先、アプリのデータまで、ほとんどすべての情報をかんたんに新しいiPhoneへ移すことができます。
この記事では、iCloudを使ったデータ移行のすべてを詳しく解説していきます。
iCloudってなに?データ移行の基本を理解しよう

iCloudは、Appleが提供するクラウドサービスで、あなたのiPhoneのデータをインターネット上の安全な場所に保存してくれるものです。
これを使えば、新しいiPhoneを買ったとき、古いiPhoneのデータをそのまま引き継ぐことができます。
iCloudの2つの重要な機能
iCloudには2つの大切な機能があります。
iCloudバックアップ
iPhone全体のデータをまるごと保存する機能です。
毎日1回自動で実行されます。
iCloud同期
写真や連絡先などの特定のデータを、複数のデバイスでいつも最新の状態に保つ機能です。
リアルタイムで同期が行われるという特徴があります。
料金プランと容量の目安
iCloudの料金プランは以下のとおりです:
- 無料:5GB
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,900円
写真をたくさん撮る人は、200GB以上のプランがおすすめです。
クイックスタートという便利な機能
クイックスタートという機能を使えば、古いiPhoneと新しいiPhoneを近づけるだけで、データを直接転送することもできます。
iOS 12.4以降なら、iCloudを経由せずに、デバイス間で直接データを移動できるため、大量のデータがある場合でも安心です。
転送にかかる時間の目安
- 32GBのデータ:30分〜1時間
- 128GB:2〜4時間
- 256GB以上:4〜8時間
この章では、iCloudの基本的な仕組みと料金体系について説明しました。
次の章では、最も重要な写真データの移行方法について詳しく見ていきましょう。
写真のデータ移行はどうやるの?大切な思い出を守る方法
写真は、皆さんが最も大切にしているデータですよね。
iCloudを使った写真の移行には、いくつかの方法があります。
iCloud写真で自動的に同期する方法
まず、設定アプリを開いて、画面の上にある自分の名前をタップしましょう。次に「iCloud」→「写真」の順に進んで、「このiPhoneを同期」(iOS 16以降)または「iCloud写真」(iOS 15以前)をオンにします。これで、撮った写真が自動的にiCloudに保存されるようになります。
同期にかかる時間の目安
- 5GB(約1,000枚):2〜6時間
- 20GB(約5,000枚):12〜24時間
- 50GB(約15,000枚):2〜3日
- 100GB以上(30,000枚以上):3〜7日
写真の量によって、最初の同期にかかる時間は変わります。でも、一度設定してしまえば、あとは自動で同期してくれるので楽になります。
容量を節約する「最適化」機能
iPhoneの容量が足りなくなったら、「iPhoneのストレージを最適化」という機能が便利です。この機能をオンにすると、オリジナルの高画質な写真はiCloudに保存され、iPhoneには小さいサイズの写真だけが残ります。
50GBの写真ライブラリでも、iPhone上では5〜10GBくらいで済むんです。写真を見たり編集したりするときは、自動的にオリジナルがダウンロードされるので、画質の心配はいりません。
共有アルバムを使った移行方法
もう一つの方法は、共有アルバムを使うことです。これは、iCloudの容量を使わずに、最大5,000枚の写真を保存できる機能です。ただし、写真のサイズが少し小さくなってしまうので、大切な写真は別の方法で移行した方がよいでしょう。
iOS 18での写真アプリの改善点
iOS 18では、写真アプリが大きくリニューアルされました。新しいインターフェースでは、写真の同期状態がよりわかりやすく表示されるようになりました。
- プロフィールボタンに黄色い点:同期待ち
- 青い円の表示:同期中
これで同期の状況が一目でわかるようになっています。
写真の移行方法について説明しました。次は、連絡先やその他の重要なデータの移行方法を見ていきましょう。
連絡先やその他のデータはどうやって移行する?
連絡先の移行もとてもかんたんです。設定アプリから「自分の名前」→「iCloud」→「すべてを表示」→「連絡先」をオンにするだけで、自動的に同期されます。
連絡先の同期時間
- 500件まで:5分以内
- 2,000件:15分程度
メモ、カレンダー、Safariのデータ
メモアプリ、カレンダー、Safariのブックマークやパスワードも、同じようにiCloudの設定でオンにすれば自動的に同期されます。
ただし注意点があります。「このiPhone内」というローカルフォルダに保存されているメモは同期されないので、手動でiCloudフォルダに移動する必要があります。
メッセージとヘルスケアデータ
メッセージの移行 メッセージの履歴を移行するには、「iCloudにメッセージを保管」という機能を使います。これをオンにすると、すべてのメッセージがiCloudに保存され、新しいiPhoneでも同じメッセージ履歴を見ることができます。
ヘルスケアデータの移行 ヘルスケアデータは少し特別で、暗号化されたバックアップでないと移行できません。パソコンのiTunesやFinderでバックアップを作るとき、「ローカルバックアップを暗号化」にチェックを入れる必要があります。iOS 16.2以降では、iCloudのヘルスケア同期機能も使えるようになりました。
Apple PayとWallet
セキュリティの関係で、Apple Payに登録したクレジットカードやSuicaなどは、新しいiPhoneでもう一度登録し直す必要があります。でも、ポイントカードや搭乗券などのパスは、iCloudで自動的に同期されます。
ここまでiPhoneからiPhoneへの移行について説明しました。次は、AndroidからiPhoneへの移行方法を見ていきましょう。
AndroidからiPhoneへの移行はできる?
AndroidスマホからiPhoneに乗り換える人も多いですよね。Appleは「Move to iOS」(iOSに移行)という無料アプリを提供していて、これを使えばAndroidのデータをiPhoneに移すことができます。
移行できるデータ
移行できるデータは以下のとおりです:
- 連絡先
- メッセージ履歴
- 写真と動画
- ブックマーク
- メールアカウント
- カレンダー
WhatsAppのメッセージも移行できるようになりましたが、iOS 15.5以降とAndroid 5.0以降が必要です。
移行できないデータと注意点
ただし、アプリ自体は移行できないので、iPhoneで同じアプリをダウンロードし直す必要があります。音楽ファイルや電子書籍も、別の方法で移す必要があります。
移行にかかる時間は、データ量によって30分から数時間です。
AndroidからiPhoneへの移行も可能であることがわかりました。次は、よく起こるトラブルとその解決方法について説明します。
よくあるトラブルと解決方法
データ移行中に起こりがちなトラブルと、その解決方法をご紹介します。
「iCloudの容量が足りません」というエラー
これは最もよくある問題です。無料の5GBではすぐにいっぱいになってしまうので、以下の方法で解決しましょう。
解決手順
- 設定アプリから「Apple ID」→「iCloud」→「ストレージを管理」で、何が容量を使っているか確認
- 不要な古いバックアップがあれば削除
- 大きなアプリのバックアップをオフに設定
- それでも足りない場合は、月額130円の50GBプランにアップグレード
バックアップや復元が進まない
「残り時間を計算中」のまま何時間も進まないときは、以下を試してください。
解決手順
- Wi-Fiの接続を確認(できれば5GHz帯のWi-Fiを使用)
- iPhoneを再起動(iPhone 8以降:音量アップボタン→音量ダウンボタン→サイドボタン長押し)
- 時間を置いて再度試す
データが一部しか移行されない
写真や連絡先などの一部のデータは、バックアップとは別に同期されるので、移行後10分以上待ってから確認してください。
アプリによっては、個別にサインインし直す必要があるものもあります。特に、銀行アプリや2段階認証アプリは、セキュリティのため再設定が必要です。
トラブルの解決方法がわかったところで、次はスムーズなデータ移行のためのベストプラクティスを確認しましょう。
データ移行のベストプラクティス

スムーズなデータ移行のために、事前準備と最適な環境づくりが重要です。
移行前の準備チェックリスト
データ移行を始める前に、以下の準備をしておくとスムーズに進められます。
事前準備項目
- 古いiPhoneの不要なアプリや写真を削除してデータ量を減らす
- 両方のiPhoneを最新のiOSにアップデート
- 新しいバックアップを作成し、バックアップの日時を確認
- 重要なアプリのパスワードをメモ
最適な移行環境
データ移行は、安定したWi-Fi環境で行うのが大切です。
推奨環境
- 自宅のWi-Fiを使用(公共のWi-Fiは避ける)
- 両方のiPhoneを充電器につないで作業
- なるべくルーターの近くで実行
- 大量のデータがある場合は、夜寝る前に開始して朝まで放置
移行後の確認ポイント
移行が完了したら、以下の点を確認しましょう。
確認項目
- 大切なアプリが正常に動作するか
- 写真がすべて移行されているか
- 連絡先が消えていないか
- メッセージの履歴があるか
- Face IDやTouch IDの新規設定
- 「探す」機能がオンになっているか
ベストプラクティスを確認したところで、最新のiOS機能についても見ていきましょう。
iOS 18での新機能と変更点
2024年から2025年にかけて、iOSのアップデートでいくつかの改善がありました。
iOS 17.2の改善点
古いデバイスを近くに置いたまま設定を進められる機能が追加され、より便利になりました。
iOS 18の新機能
iCloudインターフェースの改善 「iCloudに保存」という新しいセクションで、どのアプリがiCloudを使っているかがわかりやすくなりました。
一時的なiCloud容量 新しいiPhoneを買ったとき、21日間無料で追加容量が使えるようになりました。この機能により、データ移行時の容量不足を心配する必要がなくなります。
セキュリティの強化
「高度なデータ保護」という機能で、iCloudのデータをより安全に暗号化できるようになりました。この機能をオンにすると、Appleでさえもあなたのデータを見ることができなくなります。
iOS 18の新機能について確認したところで、eSIMの移行方法についても説明します。
eSIMの移行方法
最近のiPhoneは、物理的なSIMカードではなく、eSIMという電子的なSIMを使うことが多くなりました。
eSIMクイック転送の手順
iOS 16以降なら、eSIMクイック転送という機能で、かんたんに新しいiPhoneに移行できます。
移行手順
- 新しいiPhoneの設定で「モバイル通信」を選択
- 「eSIMを追加」をタップ
- 「近くのiPhoneから転送」を選択
- 古いiPhoneに表示される確認画面で「転送」をタップ
- 5〜30分で移行完了
注意点
すべての通信会社がこの機能に対応しているわけではないので、対応していない場合は通信会社に連絡する必要があります。
eSIMの移行方法について説明しました。最後に、今回の内容をまとめて終了します。
まとめ
iCloudを使ったデータ移行は、正しい手順を踏めば誰でもかんたんにできます。
大切なのは、事前の準備と十分な時間の確保です。
重要なポイントのおさらい
準備段階
- 最新のiOSにアップデート
- 不要なデータの削除でデータ量を削減
- 安定したWi-Fi環境の確保
容量対策
- 無料の5GBでは不足することが多い
- 月額130円から始められるiCloud+への加入を検討
- 大切なデータを守るための投資として考える
トラブル対応
- 慌てずに一つずつ解決
- 時間をかけて確実に移行
- 困ったときは本記事の解決方法を参考に
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