iPhoneの連絡先が増えすぎて整理したい、機種変更や売却前に全削除したい——そんなときに役立つのが、連絡先の一括削除です。
でも、「iPhoneには一括削除機能がない」と聞いたことがある方も多いはず。実は、いくつかの方法を使えば、連絡先をまとめて削除することができるんです。
この記事では、iPhoneの連絡先を一括削除する方法から、削除後の復元方法、注意点まで、分かりやすく解説していきます。
iPhoneの連絡先アプリには一括削除機能がない

まず知っておきたいのが、iPhone標準の「連絡先」アプリには、一括削除機能がありません。
Androidスマホのように「すべて選択」→「削除」という操作ができないんです。そのため、連絡先アプリから削除する場合は、1件ずつ手動で削除するしかありません。
連絡先アプリから個別削除する方法
参考までに、個別削除の方法も確認しておきましょう。
- 「連絡先」アプリ(または「電話」アプリの「連絡先」タブ)を開く
- 削除したい連絡先をタップ
- 右上の「編集」をタップ
- 下にスクロールして「連絡先を削除」をタップ
- 確認画面で「連絡先を削除」をタップ
この方法は数件の削除には便利ですが、数十件、数百件となると現実的ではありません。
iPhoneで連絡先を一括削除する3つの方法
iPhoneの連絡先を一括で削除するには、以下の3つの方法があります。
方法1:iPhoneの設定からiCloud同期をオフにする【最も簡単】
この方法のポイント:
- iPhone本体から連絡先を一括削除できる
- iCloud上にはデータが残る
- 後で復元も可能
- 最も簡単で安全な方法
重要な注意点:
この方法では、iPhone本体の連絡先のみが削除され、iCloud上のデータは残ります。
iCloudから完全に削除したい場合は、この後に紹介する「方法2:iCloud.comから削除」も実行する必要があります。
手順:
- iPhoneで「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前(Apple ID)をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「すべてを表示」をタップ(「iCloudを使用しているアプリ」の項目)
- 「連絡先」を探してスイッチをオフにする
- 「連絡先をどうしますか?」というメッセージが表示される
- 「iPhoneから削除」をタップ
これで、iPhone本体に保存されていた連絡先が一括で削除され、連絡先アプリ内が空になります。
「iPhoneに残す」を選ぶと?
「iPhoneに残す」を選択すると、iCloudとの同期が切断されるだけで、iPhone上の連絡先は残ります。
この場合、連絡先の一括削除にはなりません。
方法2:iCloud.comから複数・全削除する【完全削除】
この方法のポイント:
- パソコンまたはiPadから操作
- 複数選択して削除できる
- すべての連絡先を選択して削除も可能
- iCloudから完全に削除される
- すべてのデバイスから連絡先が消える
注意:
iPhoneのブラウザからiCloud.comにアクセスしても、連絡先の管理機能は使えません。
必ずパソコン、iPad、またはMacから操作してください。
手順:
- パソコンまたはiPadのブラウザで「iCloud.com」にアクセス
- Apple IDとパスワードでログイン
- 「連絡先」アイコンをクリック
- 削除したい連絡先を選択
- 複数選択: Ctrl(WindowsまたはChrome OS)またはCommand(Mac)を押しながらクリック
- 連続選択: Shiftキーを押しながら最初と最後の連絡先をクリック
- すべて選択: Ctrl+A(Windows)またはCommand+A(Mac)
- 画面左下の歯車アイコン(設定)をクリック
- 「削除」を選択
- 確認画面で「削除」をクリック
これで、選択した連絡先がiCloudから完全に削除されます。
すべての連絡先を削除する場合:
サイドバーで「すべての連絡先」が選択されていることを確認してから、Ctrl+A(またはCommand+A)で全選択し、削除します。
方法3:Macの連絡先アプリから削除
Macを持っている場合、Mac上の連絡先アプリから一括削除することもできます。
事前確認:
Macでも連絡先がiCloudと同期されているか確認してください。
- macOS Ventura以降:「システム設定」→「Apple ID」→「iCloud」で「連絡先」がオンか確認
- 古いmacOS:「システム環境設定」→「Apple ID」→「iCloud」で「連絡先」にチェックが入っているか確認
手順:
- Macで「連絡先」アプリを開く
- サイドバーで「すべての連絡先」を選択
- 削除したい連絡先を選択
- 複数選択: Commandキーを押しながらクリック
- すべて選択: Command+A
- 選択した連絡先を右クリック
- 「カードを削除」をクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
Macで削除すると、iCloud経由で他のすべてのデバイスからも連絡先が削除されます。
連絡先削除前に必ずバックアップを取る
連絡先を一括削除する前に、必ずバックアップを取っておきましょう。
誤って必要な連絡先まで削除してしまった場合、バックアップがあれば復元できます。
バックアップ方法1:iCloud.comからエクスポート
手順:
- iCloud.comにログイン
- 「連絡先」を開く
- すべての連絡先を選択(Command+AまたはCtrl+A)
- 左下の歯車アイコンをクリック
- 「vCardを書き出す」を選択
- ファイルがダウンロードされる
このvCardファイル(.vcf形式)を安全な場所に保存しておきましょう。
バックアップ方法2:Googleアカウントと同期
Google OneアプリやGoogleアカウントと連絡先を同期しておく方法もあります。
- iPhoneに「Google One」アプリをインストール
- Googleアカウントでログイン
- 「設定」→「バックアップ設定」→「連絡先」→「同期を設定」
- 手順に従って設定
これで、Googleアカウントにも連絡先のコピーが保存されます。
削除した連絡先を復元する方法
方法1:iCloudのアーカイブから復元
iCloudには、連絡先の自動アーカイブ機能があります。
削除してから一定期間内であれば、アーカイブから復元できます。
手順:
- iCloud.comにログイン
- 「アカウント設定」(画面右上のアイコン)をクリック
- 「詳細設定」セクションを探す
- 「連絡先の復元」をクリック
- 復元したいアーカイブの日付を選択
- 「復元」をクリック
注意点:
- 最近削除した連絡先がアーカイブに表示されるまで、最大24時間かかることがあります
- 復元中は連絡先を変更しないでください(変更が保存されません)
- 復元すると、すべてのデバイスに反映されます
方法2:バックアップから復元
事前にvCardファイルをエクスポートしていた場合、そこから復元できます。
iCloud.comにインポート:
- iCloud.comにログイン
- 「連絡先」を開く
- 左下の歯車アイコンをクリック
- 「vCardを読み込む」を選択
- 保存しておいたvCardファイルを選択
iPhoneに直接インポート:
- vCardファイルをメールで自分に送信
- iPhoneでメールを開く
- 添付ファイル(vCard)をタップ
- 「すべての連絡先を追加」をタップ
方法3:iCloud同期を再度オンにする
「方法1:設定からiCloud同期をオフ」で削除した場合、再度同期をオンにするだけで復元できます。
手順:
- 「設定」→「自分の名前(Apple ID)」→「iCloud」
- 「すべてを表示」をタップ
- 「連絡先」をオンにする
- iCloud上の連絡先がiPhoneに再度同期される
これは、iCloud上にデータが残っている場合にのみ有効です。
重複した連絡先を削除する方法

連絡先が重複している場合、個別に削除するのは面倒ですよね。
iPhoneの標準機能で結合する
iOS標準の機能で、重複した連絡先を結合できます。
- 「連絡先」アプリを開く
- 結合したい連絡先の1つを開く
- 右上の「編集」をタップ
- 下にスクロールして「リンクされた連絡先を追加」をタップ
- 結合したい他の連絡先を選択
- 「完了」をタップ
これで、2つの連絡先が1つに統合されます。
iCloud.comで重複を確認
iCloud.comでは、連絡先を一覧で確認しやすいので、重複を見つけやすいです。
重複を見つけたら、上記の「方法2:iCloud.comから削除」で削除しましょう。
サードパーティ製アプリを使う
重複が多い場合、専用アプリが便利です。
App Storeで「連絡先 重複 削除」などで検索すると、いくつかのアプリが見つかります。
- Cleaner Pro
- Easy Cleaner
- Cleanup Duplicate Contacts
これらのアプリは、重複を自動検出して結合・削除してくれます。
注意:
- アプリに連絡先へのアクセス許可を与える必要があります
- 信頼できる開発元のアプリを選びましょう
- レビューを確認してからインストールしてください
連絡先削除でよくあるトラブルと対処法
削除したのに連絡先が消えない
原因1:iCloudと同期している
iCloud同期がオンの場合、iPhone本体から削除してもiCloudから再度同期されることがあります。
対処法:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」で連絡先の同期をオフにする
- その後、もう一度削除を試す
- 完全に削除したい場合は、iCloud.comからも削除する
原因2:他のアカウントと同期している
Google、Outlook、Yahoo!などの他のアカウントとも連絡先が同期されている可能性があります。
対処法:
- 「設定」→「連絡先」→「アカウント」を確認
- 連絡先を同期しているアカウントを特定
- 各アカウントの管理画面から連絡先を削除
削除した連絡先が復活してしまう
原因:複数のデバイスで同じiCloudアカウントを使用
他のiPhoneやiPadで連絡先を追加すると、iCloud経由で同期されます。
対処法:
- すべてのデバイスから確実に削除する
- または、特定のデバイスでのみ連絡先の同期をオフにする
バックアップから復元できない
原因1:アーカイブの保存期間が過ぎた
iCloudのアーカイブは無期限ではありません。
対処法:
- できるだけ早く復元を試す
- 別途保存していたvCardファイルから復元
原因2:vCardファイルが破損している
対処法:
- ファイルを再度エクスポートする
- 別のバックアップ方法を試す
連絡先を削除する際の注意点
削除は取り消せない場合がある
一度削除すると、アーカイブやバックアップがない限り復元できません。
対策:
- 削除前に必ずバックアップを取る
- 本当に削除していいか再確認する
すべてのデバイスから削除される
iCloud同期がオンの場合、1つのデバイスで削除すると、すべてのデバイスから連絡先が消えます。
対策:
- 他のデバイスで必要な連絡先がないか確認
- 特定のデバイスだけで削除したい場合は、そのデバイスのみ同期をオフにする
連絡先グループも確認
連絡先をグループ分けしている場合、グループ全体を削除する前に内容を確認しましょう。
確認方法:
- iCloud.comでグループの内容を確認
- 必要な連絡先は別のグループに移動してから削除
iPhoneの売却・譲渡前は完全削除を
iPhoneを売却や譲渡する前には、連絡先だけでなくすべてのデータを削除しましょう。
推奨方法:
- iCloudバックアップを取る
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」
- パスコードを入力して実行
これで、連絡先を含むすべての個人情報が削除されます。
iCloudの連絡先容量について
iCloudは最大50,000件の連絡先を保存できます。
連絡先自体は容量をほとんど使いませんが、大量に保存すると検索や同期が遅くなることがあります。
定期的に整理することをおすすめします。
よくある質問
iPhoneだけで一括削除できないの?
iPhoneの「設定」からiCloud同期をオフにする方法で、iPhone本体の連絡先を一括削除できます。
ただし、iCloudから完全に削除するには、パソコンからiCloud.comにアクセスする必要があります。
削除した連絡先はいつまで復元できる?
iCloudのアーカイブから復元できる期間は、Appleが明示していませんが、数ヶ月程度と考えられます。
確実に復元したい場合は、vCardファイルとして手動でバックアップを取っておきましょう。
Googleの連絡先と重複してしまう
iCloudとGoogleアカウントの両方で連絡先の同期をオンにしていると、重複することがあります。
対処法:
- どちらか一方の同期をオフにする
- 重複した連絡先を結合または削除する
連絡先が自動的に増えるのはなぜ?
iMessageやFaceTimeで連絡した相手が、自動的に連絡先に追加されることがあります。
設定で無効化:
- 「設定」→「電話」
- 「不明な発信者を消音」をオンにする
または、メールアプリの設定で「連絡先に見つかった情報」をオフにします。
アプリに連絡先のアクセス許可を与えたくない
信頼できないアプリには、連絡先へのアクセスを許可しないようにしましょう。
確認方法:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「連絡先」
- アクセス許可を与えているアプリの一覧が表示される
- 不要なアプリはオフにする
まとめ
iPhoneの連絡先を一括削除する方法について、重要なポイントをまとめます。
iPhoneの連絡先アプリには一括削除機能がない:
- 標準アプリでは1件ずつしか削除できない
- 一括削除には別の方法が必要
一括削除の3つの方法:
- 設定からiCloud同期オフ(最も簡単、iPhone本体のみ削除)
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「連絡先」オフ→「iPhoneから削除」
- iCloud.comから削除(完全削除、複数選択可能)
- パソコンからiCloud.comにアクセス
- Ctrl+A(またはCommand+A)で全選択して削除
- Macの連絡先アプリ(Macユーザー向け)
- Command+Aで全選択して削除
削除前に必ずバックアップ:
- iCloud.comからvCard形式でエクスポート
- Googleアカウントとも同期
- 誤削除に備えて必須
削除後の復元方法:
- iCloudのアーカイブから復元(最大24時間後に表示)
- vCardファイルからインポート
- iCloud同期を再度オンにする(本体削除のみの場合)
重複連絡先の削除:
- iPhoneの標準機能で結合
- iCloud.comで確認して削除
- 専用アプリ(Cleaner Proなど)を活用
注意点:
- 削除はすべてのデバイスに反映される
- iCloud同期オンの場合、他のアカウントも確認
- 売却・譲渡前は「すべてのコンテンツと設定を消去」を実行
トラブル対処:
- 削除しても消えない → iCloud同期をオフ、他のアカウント確認
- 連絡先が復活する → すべてのデバイスから削除
- 復元できない → 早めに復元を試す、vCardファイルを使う
推奨手順:
- バックアップを取る(vCard形式でエクスポート)
- 削除方法を選ぶ
- iPhone本体のみ削除 → 設定からiCloud同期オフ
- 完全削除 → iCloud.comから削除
- 削除実行
- 必要に応じて復元
iPhoneの連絡先整理は、この記事の方法を使えば簡単にできます。大切な連絡先を失わないよう、必ずバックアップを取ってから実行してくださいね。
定期的に連絡先を整理することで、iPhone の動作もスムーズになり、必要な連絡先もすぐに見つかるようになります。ぜひ試してみてください!


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