iPhoneからUSBメモリやSDカードに写真や動画を転送しようとしたら、突然「操作を完了できませんでした。属性が見つかりません」というエラーが表示されて困った経験はありませんか?
せっかく大切な思い出の写真や動画をバックアップしようとしているのに、このエラーのせいで作業が中断されてしまうと本当にイライラしますよね。
この記事では、このやっかいなエラーが起きる理由と、実際に効果のある解決方法を分かりやすく解説します。
「属性が見つかりません」エラーって何?

このエラーは、iPhoneのファイルアプリを使って外部ストレージ(USBメモリ、SDカード、NASなど)にファイルをコピーしたり移動したりするときに発生します。
エラーメッセージの正式名称は「操作を完了できませんでした。属性が見つかりません」となっており、英語では「The operation couldn’t be completed. Attribute not found」と表示されます。
面白いことに、ファイルを読み込んだり、フォルダを新しく作ったりすることはできるのに、ファイルの書き込みだけができなくなるんです。特に動画ファイルで起きやすい傾向があります。
エラーが発生する主な原因
原因1:ファイルサイズが4GBを超えている
最も多い原因がこれです。FAT32というフォーマット形式のUSBメモリやSDカードは、1つのファイルサイズが4GBを超えるものを保存できません。
長時間撮影した動画や、高画質の4K動画などは簡単に4GBを超えてしまうため、このエラーが発生しやすくなります。
原因2:ファイル名が長すぎる
ファイル名に日本語や特殊な記号が含まれていたり、名前が極端に長かったりすると、転送先のストレージが対応できずエラーになることがあります。
Webからダウンロードした動画などは、やたらと長い名前が付いていることも多いです。
原因3:iPhoneの電力不足
USBメモリやSDカードリーダーは、iPhoneから電力を供給されて動きます。iPhoneのバッテリー残量が少ないと、十分な電力を供給できずエラーが発生する可能性があります。
原因4:iPhoneの画面ロック
iOS 11.4.1以降のiPhoneでは、セキュリティのために画面がロックされている状態ではUSBアクセサリを認識しないようになっています。
原因5:NASやSambaサーバーとの互換性問題
自宅のNAS(ネットワークストレージ)やSambaサーバーに保存しようとすると、iOSとサーバー側の設定の不一致でこのエラーが出ることがあります。
特にiOS 17以降で問題が報告されています。
原因6:写真のメタデータの問題
iPhoneで撮影した写真には、撮影場所や日時などのメタデータ(付加情報)が含まれています。このメタデータが転送先で対応できない形式だと、エラーが発生することがあります。
解決方法:基本的な対処法
対処法1:「最も互換性のある形式」を選択
これが最も効果的な方法です。
- iPhoneで転送したい写真や動画を選ぶ
- 共有ボタン(四角に上向き矢印のマーク)をタップ
- 上部に表示される「オプション」をタップ
- 「最も互換性のある形式」を選択
- 下にスクロールして「”ファイル”に保存」を選ぶ
この方法を使うと、iPhoneが自動的に互換性の高い形式に変換してから転送してくれるので、エラーが出にくくなります。
対処法2:ファイルを小分けにして転送
一度に大量のファイルを転送しようとすると失敗しやすくなります。
- 10~20個ずつに分けて転送する
- 容量の大きいファイルは1つずつ転送する
- 転送中は他のアプリを使わない
少し時間はかかりますが、確実に転送できます。
対処法3:iPhoneを充電しながら転送
Lightning – USB 3カメラアダプタ(Apple純正品)を使えば、充電しながらUSBメモリやSDカードを使えます。
電力不足が原因の場合、この方法で解決できることが多いです。純正品は約6,000円と少し高いですが、安定性が抜群に良いです。
対処法4:iPhoneのロックを解除
当たり前のようですが、意外と忘れがちです。
- iPhoneの画面ロックを解除する
- その状態でUSBメモリやSDカードを接続する
- ファイル転送を開始する
さらに、設定を変更して常にUSBアクセサリにアクセスできるようにすることもできます。
設定方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「Face IDとパスコード」(または「Touch IDとパスコード」)を選択
- パスコードを入力
- 「ロック中にアクセスを許可」の項目にある「USBアクセサリ」をオンにする
対処法5:iPhoneとデバイスを再起動
一時的な不具合が原因の場合、再起動で解決することがあります。
iPhoneの再起動方法:
- iPhone X以降:サイドボタンと音量ボタン(上下どちらか)を同時に長押し→電源オフスライダをドラッグ
- iPhone SE(第2世代)、8、7、6:サイドボタンを長押し→電源オフスライダをドラッグ
- iPhone SE(第1世代)、5以前:トップボタンを長押し→電源オフスライダをドラッグ
再起動後、USBメモリやSDカードを抜き差ししてから再度試してみましょう。
対処法6:ファイル名を短くする
ファイル名が長い場合は、シンプルな名前に変更してから転送してみてください。
- 日本語よりも英数字を使う
- 特殊記号(@、#、%など)は避ける
- 10文字以内にする
解決方法:ストレージ側の対処法

対処法7:SDカードやUSBメモリをexFATにフォーマット
4GB以上のファイルを転送したい場合は、ストレージをexFAT形式にフォーマットする必要があります。
注意:フォーマットするとデータが全て消えるので、必ず事前にバックアップを取ってください。
パソコンでのフォーマット方法:
- SDカードやUSBメモリをパソコンに接続
- エクスプローラー(Windows)またはFinder(Mac)を開く
- 対象のドライブを右クリック→「フォーマット」を選択
- ファイルシステムで「exFAT」を選ぶ
- 「開始」をクリック
exFATなら、iPhoneでも読み書きでき、4GB以上のファイルも保存できます。
対処法8:消費電力の少ないUSBメモリを使う
USBメモリには消費電力の違いがあり、電力を多く必要とするものはiPhoneでは使えないことがあります。
目安として、消費電力が100mA以下のUSBメモリを選ぶと良いです。製品の仕様欄に記載されています。
対処法9:Apple純正品やMFi認証製品を使う
非純正品の安価なカードリーダーやケーブルは、iPhoneとの相性問題を起こしやすいです。
- Apple純正のLightning – SDカードカメラリーダー
- Apple純正のLightning – USB 3カメラアダプタ
- MFi認証マークが付いた製品
少し高くても、純正品やMFi認証製品の方がトラブルが少なく、長期的にはコストパフォーマンスが良いです。
NASやSambaサーバー利用時の対処法
自宅のNASやSambaサーバーに保存する際にエラーが出る場合は、以下の方法を試してください。
対処法10:写真にキャプションを追加
意外な方法ですが、効果があると報告されています。
- 写真アプリで転送したい写真を開く
- 上にスワイプして詳細を表示
- 「キャプションを追加」をタップして、何か文字を入力
- 保存してから転送する
メタデータの問題が解決され、転送できるようになることがあります。
対処法11:Sambaサーバーの設定変更(上級者向け)
自分でSambaサーバーを運用している場合、サーバー側の設定を変更することで解決できます。
必要な作業:
samba-vfs-modulesをインストール/etc/samba/smb.confの[global]セクションに以下を追加:
fruit:nfs_aces = no
fruit:aapl = yes
vfs objects = catia fruit streams_xattr
- Sambaサービスを再起動
この設定により、iOSのファイルアプリとの互換性が向上します。
対処法12:別のファイル管理アプリを使う
iPhoneの純正ファイルアプリがどうしてもうまく動かない場合、サードパーティ製のアプリを使うのも一つの手です。
- FE File Explorer
- OwlFiles
- Documents by Readdle
これらのアプリは純正ファイルアプリよりも柔軟な転送機能を持っていて、エラーが出にくいことがあります。
パソコンを使った代替方法
どうしてもiPhoneから直接転送できない場合は、パソコンを経由する方法もあります。
方法1:Windowsの写真アプリを使う
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続
- Windowsの「フォト」アプリを開く
- 左側のメニューから接続されたiPhoneを選ぶ
- 読み込みが完了するまで待つ
- 転送したい写真や動画を選択
- 「追加」ボタンをクリックして保存
この方法なら、大容量のファイルでも安定して転送できます。
方法2:AirDropを使う(Mac限定)
Macを持っている場合、AirDropが最も簡単です。
- MacとiPhoneの両方でBluetoothとWi-Fiをオンにする
- iPhoneで転送したいファイルを選ぶ
- 共有ボタンをタップ→AirDropを選択
- Macを選択
インターネット接続が不要で、高速に転送できます。
方法3:iCloudドライブ経由
iCloudの容量に余裕がある場合、一時的にiCloudドライブを使うのも便利です。
- iPhoneからiCloudドライブにファイルをアップロード
- パソコンでiCloud.comにアクセス
- ファイルをダウンロード
- USBメモリやSDカードにコピー
ただし、大容量のファイルは通信時間がかかります。
iOS・iPadOSのアップデート
iOSのバージョンが古いと、ファイル転送機能にバグがあることがあります。
アップデート方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」を選択
- 新しいバージョンがあればダウンロードしてインストール
iOS 17以降では外部ストレージへの対応が改善されているので、アップデートで問題が解決することがあります。
接続部分の清掃とチェック

物理的な接続不良が原因の場合もあります。
iPhoneの充電ポート
- iPhoneの電源を切る
- Lightningポート(またはUSB-Cポート)を明るい場所で確認
- ホコリやゴミが溜まっていたら、柔らかいブラシで優しく掃除
- 綿棒やつまようじは絶対に使わない(端子を傷つける可能性があります)
SDカードやUSBメモリ
- 金属端子部分を柔らかい布で拭く
- 接触不良がないか確認
- 他のデバイスで正常に動作するか試す
よくある質問
Q1:一部のファイルだけ転送できないのはなぜ?
A:主に以下の理由が考えられます。
- そのファイルだけサイズが4GBを超えている(FAT32の場合)
- ファイル名に特殊文字が含まれている
- ファイルが破損している
- メタデータの形式が異なる
Q2:写真は転送できるのに動画だけできないのはなぜ?
A:動画ファイルは写真より容量が大きく、4GBの制限に引っかかりやすいためです。また、動画の形式(HEVC、H.264など)によっても転送の成否が変わることがあります。
Q3:容量が十分あるのにエラーが出るのはなぜ?
A:ストレージの容量とは別の問題です。ファイルシステムの制限(FAT32の4GB制限)、ファイル名の長さ、電力不足などが原因の可能性があります。
Q4:iPhone以外のデバイスでは転送できるのはなぜ?
A:iOSは他のOSと比べて、外部ストレージへのアクセスに厳しい制限があります。また、iOSとSambaサーバーなどとの互換性問題も関係しています。
まとめ:エラー解決のチェックリスト
「属性が見つかりません」エラーが出たら、以下の順番で試してみてください。
簡単な対処(まずこれを試す):
- ✅ 共有時に「最も互換性のある形式」を選択
- ✅ iPhoneのロックを解除
- ✅ iPhoneとストレージデバイスを再起動
- ✅ ファイルを小分けにして転送
少し手間のかかる対処:
- ✅ iPhoneを充電しながら転送
- ✅ ファイル名を短くシンプルにする
- ✅ SDカード/USBメモリをexFATにフォーマット
- ✅ iOSを最新バージョンにアップデート
それでもダメなら:
- ✅ Apple純正品やMFi認証製品を使う
- ✅ 別のファイル管理アプリを試す
- ✅ パソコン経由で転送
この順番で試していけば、ほとんどのケースで解決できるはずです。
大切な写真や動画をしっかりバックアップして、安心してiPhoneを使えるようにしましょう!


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