iPhoneの画面上部に「VPN」という表示が出ていて、「これって何?」「オフにしたいけどやり方がわからない」と困っていませんか?
VPNは通信を暗号化してセキュリティを高める便利な機能ですが、通信速度が遅くなったり、特定のアプリが使えなくなったりすることもあります。
この記事では、iPhoneでVPNをオフにする方法を、初心者にもわかりやすく解説します。「オフにしても勝手にオンになる」「オフにできない」という場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
VPNとは?簡単におさらい

まず、VPNについて簡単に説明します。
VPN(Virtual Private Network)とは、日本語で「仮想専用ネットワーク」と呼ばれる技術です。インターネット通信を暗号化して、第三者からの盗み見やハッキングを防ぐ役割があります。
VPNのメリット:
- フリーWi-Fiでも安全に通信できる
- 通信内容を暗号化してプライバシーを保護
- 海外から日本のサービスにアクセスできる
VPNのデメリット:
- 通信速度が遅くなることがある
- バッテリー消費が増える
- 一部のアプリやサービスが使えなくなる場合がある
VPNは便利な機能ですが、常にオンにしておく必要はありません。状況に応じてオフにすることで、快適にiPhoneを使えるようになります。
iPhoneでVPNをオフにする方法
iPhoneでVPNをオフにする方法は、大きく分けて3つあります。
方法1:設定アプリからオフにする(最も簡単)
最新のiOSでは、設定アプリのトップ画面から簡単にVPNをオフにできます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部に「VPN」という項目が表示されている場合、その横のスイッチをオフにする
これだけでVPN接続が切断されます。画面上部の「VPN」アイコンも消えるはずです。
方法2:一般設定からオフにする
設定アプリのトップにVPNが表示されていない場合は、以下の手順で操作します。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「VPNとデバイス管理」をタップ
- 「VPN」をタップ
- 接続中のVPNを選択し、「状況」の横にあるスイッチをオフにする
iOSのバージョンによる違い:
| iOSバージョン | 設定の場所 |
|---|---|
| iOS 15以降 | 設定 → 一般 → VPNとデバイス管理 → VPN |
| iOS 14以前 | 設定 → 一般 → VPN |
方法3:VPNアプリからオフにする
VPNアプリ(NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkなど)を使っている場合は、アプリから直接オフにできます。
手順:
- 使用しているVPNアプリを開く
- アプリのホーム画面にある接続ボタンまたは切断ボタンをタップ
- 「切断」または「Disconnect」を選択
多くのVPNアプリでは、大きなボタンをタップするだけで簡単にオン/オフを切り替えられます。
VPNがオフにできない時の対処法
「VPNをオフにしたのに、また勝手にオンになる」「オフにできない」という場合は、以下の対処法を試してください。
対処法1:オンデマンド接続をオフにする
iPhoneには「オンデマンド接続」という機能があり、これがオンになっているとVPNが自動的に接続されてしまいます。
手順:
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」→「VPN」を開く
- 設定されているVPNの右側にある「i」マークをタップ
- 「オンデマンド接続」の項目を探す
- スイッチをオフにする
「オンデマンド接続」がオンになっていると、特定のネットワークに接続した時に自動でVPNが有効になります。これをオフにすれば、勝手に接続されることはなくなります。
対処法2:VPN構成(プロファイル)を削除する
過去にVPNを設定したことがある場合、構成プロファイルがiPhoneに残っていることがあります。これを削除することで、VPNの自動接続を完全に止められます。
手順:
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開く
- 「VPN」の項目で、削除したいVPN構成を選択
- 詳細画面で「VPNを削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
注意: VPN構成を削除すると、そのVPNに関するすべての設定が消えます。再度VPNを使いたい場合は、最初から設定し直す必要があります。
対処法3:VPNアプリの自動接続設定をオフにする
VPNアプリ側で「自動接続」や「常時接続」の設定がオンになっている場合があります。
手順:
- 使用しているVPNアプリを開く
- アプリ内の「設定」を開く
- 「自動接続」「Auto-connect」「常時接続」などの項目を探す
- スイッチをオフにする
アプリによって設定の場所や名称が異なるので、見つからない場合はアプリのヘルプを確認してください。
対処法4:VPNアプリを削除する
VPNアプリ自体が不要な場合は、アプリを削除することで問題を解決できます。
手順:
- ホーム画面でVPNアプリのアイコンを長押し
- 「Appを削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
アプリを削除しても、VPN構成が残っている場合があります。その場合は、対処法2の手順でVPN構成も削除してください。
対処法5:セキュリティアプリの設定を確認する
ウイルス対策アプリやセキュリティアプリの中には、VPN機能が内蔵されているものがあります。
代表的なアプリ:
- ノートン(Norton)
- マカフィー(McAfee)
- ウイルスバスター
- カスペルスキー
これらのアプリをインストールしている場合は、アプリ内の設定でVPN機能をオフにしてください。
手順の例(ノートンの場合):
- ノートンアプリを開く
- 「セキュリティ」または「VPN」の項目を探す
- VPN機能をオフにする
対処法6:iPhoneを再起動する
設定を変更してもVPNが切れない場合は、iPhoneを再起動してみましょう。
再起動の方法(Face ID搭載モデル):
- サイドボタンと音量ボタン(上または下)を同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 電源が切れたら、サイドボタンを長押しして再起動
再起動の方法(ホームボタン搭載モデル):
- サイドボタン(または上部ボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 電源が切れたら、同じボタンを長押しして再起動
VPNをオフにするとどうなる?

VPNをオフにした場合の影響を理解しておきましょう。
オフにするメリット
1. 通信速度が向上する
VPNを経由すると通信に余計な処理が加わるため、速度が低下することがあります。オフにすれば、本来の速度でインターネットを利用できます。
2. バッテリー消費が減る
VPN接続中はiPhoneの処理負荷が増えるため、バッテリーの消耗が早くなります。オフにすればバッテリーの持ちが良くなります。
3. 一部のアプリが正常に動作する
銀行アプリや一部の動画配信サービスは、VPN接続を制限していることがあります。オフにすれば、これらのアプリが正常に使えるようになります。
オフにするデメリット
1. セキュリティが低下する
VPNによる通信の暗号化がなくなるため、特にフリーWi-Fi利用時は情報漏えいのリスクが高まります。
2. プライバシー保護が弱くなる
IPアドレスが直接公開されるため、閲覧履歴やオンライン行動が追跡されやすくなります。
3. 地域制限を回避できなくなる
海外から日本のサービスにアクセスする際など、VPNで地域制限を回避していた場合は利用できなくなります。
VPNをオフにすべき状況・オンにすべき状況
VPNのオン/オフは、状況に応じて使い分けるのがベストです。
VPNをオフにすべき状況
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 銀行アプリを使う時 | VPN接続をブロックしている場合がある |
| 通信速度が遅い時 | VPNをオフにすると速度が改善することがある |
| バッテリー残量が少ない時 | バッテリー消費を抑えられる |
| 特定のアプリにアクセスできない時 | VPNが原因でブロックされている可能性がある |
| ネットワークの問題をトラブルシューティングする時 | VPNが原因かどうか切り分けできる |
VPNをオンにすべき状況
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| フリーWi-Fiを使う時 | 通信を暗号化して情報漏えいを防ぐ |
| カフェや空港など公共の場所 | 第三者からの盗み見を防止 |
| 海外から日本のサービスを使う時 | 地域制限を回避できる |
| プライバシーを重視する時 | IPアドレスを隠してトラッキングを防ぐ |
| オンラインショッピングをする時 | クレジットカード情報などを保護 |
VPNが勝手にオンになる主な原因
「VPNを使った覚えがないのに、勝手にオンになっている」という場合、以下の原因が考えられます。
原因1:セキュリティアプリのVPN機能
ウイルス対策アプリやセキュリティアプリには、VPN機能が内蔵されていることがあります。アプリをインストールした際に、知らないうちにVPNが有効になっている可能性があります。
対処法: セキュリティアプリの設定を確認し、VPN機能をオフにする
原因2:過去のVPN設定が残っている
以前VPNアプリを使っていた場合、アプリを削除してもVPN構成プロファイルがiPhoneに残っていることがあります。
対処法: 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」からVPN構成を削除する
原因3:オンデマンド接続がオン
オンデマンド接続が有効になっていると、特定のネットワークに接続した時に自動でVPNがオンになります。
対処法: VPN設定からオンデマンド接続をオフにする
原因4:会社や学校のプロファイル
会社や学校から支給されたiPhone、または組織のプロファイルをインストールしている場合、VPNが強制的に有効になっていることがあります。
対処法: IT管理者に相談する(個人で解除できない場合がある)
よくある質問(Q&A)
Q1:VPNをオフにしても表示が消えない
A:VPN構成プロファイルが残っている可能性があります。「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」からVPN構成を削除してください。
Q2:VPNをオフにしたら特定のアプリが使えなくなった
A:そのアプリがVPN接続を必要としている可能性があります。会社のアプリなど、VPNが必須のサービスもあるので、必要に応じてVPNをオンに戻してください。
Q3:iPhoneにVPNが最初から入っているの?
A:いいえ、iPhoneにはVPNサービスは標準搭載されていません。VPN機能を使うには、VPNアプリをインストールするか、手動で設定を追加する必要があります。
Q4:VPNをオフにすると危険?
A:自宅のWi-Fiなど安全な環境であれば、大きな問題はありません。ただし、カフェや空港などのフリーWi-Fiを使う時は、VPNをオンにすることをおすすめします。
Q5:VPNをオフにしてもバッテリー消費が変わらない
A:他のアプリやバックグラウンド更新が原因の可能性があります。「設定」→「バッテリー」でバッテリー使用状況を確認してみてください。
Q6:iCloud Private RelayとVPNは同じ?
A:いいえ、別のものです。iCloud Private RelayはSafariの通信のみを保護しますが、VPNはすべてのインターネット通信を保護します。iCloud Private RelayはVPNの代わりにはなりません。
まとめ
iPhoneでVPNをオフにする方法を解説しました。
VPNをオフにする3つの方法:
- 設定アプリのトップ画面からスイッチをオフ(最も簡単)
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」からオフ
- VPNアプリから切断
オフにできない時の対処法:
✅ オンデマンド接続をオフにする
✅ VPN構成(プロファイル)を削除する
✅ VPNアプリの自動接続設定をオフにする
✅ VPNアプリを削除する
✅ セキュリティアプリの設定を確認する
✅ iPhoneを再起動する
VPNの使い分け:
| オフにすべき時 | オンにすべき時 |
|---|---|
| 銀行アプリを使う | フリーWi-Fiを使う |
| 通信速度が遅い | 公共の場所でネットを使う |
| バッテリーを節約したい | プライバシーを重視したい |
VPNは便利な機能ですが、状況に応じてオン/オフを切り替えることで、より快適にiPhoneを使えるようになります。この記事を参考に、VPN設定を見直してみてくださいね!

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