「VoLTE(ボルテ)って何?」「iPhoneでVoLTEをオンにする方法がわからない」「VoLTEの設定項目が見つからない…」そんな疑問や悩みを抱えていませんか?
VoLTE(ボルテ)は、「Voice over LTE」の略で、4G LTE回線を使った高音質な音声通話サービスのことです。従来の3G回線と比べて、通話音質が格段に向上し、発着信も速くなるなど、たくさんのメリットがあるんです。
しかも、2024年以降、日本の大手キャリアは次々と3Gサービスを終了しています。つまり、VoLTEに対応していないと、電話が使えなくなってしまう可能性があるんです。
この記事では、iPhoneでVoLTEを設定する方法を基礎から丁寧に解説していきます。設定方法だけでなく、VoLTEがオンにできない時の対処法や、キャリア別の注意点まで詳しくご紹介しますよ。
VoLTEについて理解を深めて、快適な通話環境を手に入れましょう!
VoLTEって何?基本を理解しよう

VoLTEの仕組み
VoLTE(ボルテ)は、「Voice over LTE」の略称です。
簡単に言うと、データ通信用の4G LTE回線を使って音声通話をする技術のこと。従来は音声通話に3G回線を使っていましたが、VoLTEでは高速なLTE回線を使うことで、さまざまなメリットが生まれるんです。
音声をデジタルデータに変換して、LTE回線上でやり取りするイメージですね。
VoLTEの3つのメリット
VoLTEを使うことで、こんなメリットがあります。
1. 音質が圧倒的にクリア
VoLTEの最大の特徴は、高音質な通話です。
従来の3G回線では伝えられなかった高音域の音声も伝わるため、相手の声がはっきり聞こえて、まるで目の前で話しているような臨場感があります。聞き取りづらくて何度も聞き返す…なんてことが減りますよ。
2. 発着信が速い
電話をかけてから「プルルル…」と呼び出し音が鳴るまでの時間が、従来の3G回線の約半分に短縮されます。
「あれ、繋がらないのかな?」とイライラすることが減って、スムーズに電話をかけられるんです。
3. 通話中もデータ通信が快適
従来の3G回線では、通話中にインターネットを使うと速度が極端に遅くなったり、使えなかったりしました。
でもVoLTEなら、通話中でも高速データ通信が可能です。電話しながら地図アプリで場所を確認したり、メールをチェックしたりできるようになります。
VoLTEを使うための条件
VoLTEを利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- VoLTE対応のiPhone:iPhone 6以降のすべてのiPhoneが対応
- VoLTE対応のキャリア:日本の大手キャリア(docomo、au、SoftBank、楽天モバイル)はすべて対応
- 4G LTE対応エリア内:3Gエリアでは使用不可
- iOSがiOS 8.3以降:それより古いバージョンでは使用不可
3Gサービス終了について
日本の大手キャリアは、3Gサービスを順次終了しています。
- docomo(FOMA):2026年3月31日終了予定
- au(3G):2022年3月31日終了済み
- SoftBank(3G):2024年1月31日終了済み
つまり、今後はVoLTE対応が必須になるということです。早めに設定を確認しておきましょう。
iPhoneでVoLTEを設定する方法(基本編)
それでは、iPhoneでVoLTEをオンにする方法を見ていきましょう。
iPhone 12以降の機種は設定不要
まず重要なポイントとして、iPhone 12以降の5G対応機種では、VoLTEが自動的にオンになっています。
特別な設定をしなくても、対応エリアにいれば自動的にVoLTEを利用できるので、この章を読む必要はありません。
対象機種:
- iPhone 12シリーズ
- iPhone 13シリーズ
- iPhone 14シリーズ
- iPhone 15シリーズ
- iPhone 16シリーズ
- iPhone SE(第3世代)
もし不具合が生じた場合は、iPhoneの電源を入れ直してみてください。
iPhone 6〜iPhone 11での設定方法
iPhone 6からiPhone 11までの機種では、手動でVoLTEをオンにする必要があります。
ステップ1:設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリをタップします。
ステップ2:モバイル通信を選択
設定画面で「モバイル通信」(または「モバイルデータ通信」)をタップします。
ステップ3:通信のオプションを開く
「通信のオプション」をタップします。
ステップ4:音声通話とデータを選択
「音声通話とデータ」(または「4Gをオンにする」)をタップします。
ステップ5:VoLTEをオンにする
表示された選択肢の中から、「音声通話およびデータ」を選択します。
これでVoLTEがオンになります。
※機種やiOSのバージョンによって、表示が「LTE、VoLTEオン」となっている場合もあります。その場合は、VoLTEのスイッチをオンにしてください。
VoLTE設定の確認方法
VoLTEが正しくオンになっているか確認する方法は以下の通りです。
方法1:設定画面で確認
設定→モバイル通信→通信のオプション→音声通話とデータ
ここで「音声通話およびデータ」にチェックが入っていれば、VoLTEがオンになっています。
方法2:通話中に確認
電話をかけて通話中に、画面上部のステータスバーを確認してください。
- 「4G」または「LTE」と表示:VoLTEで通話中
- 「3G」と表示:3G回線で通話中(VoLTEがオフ)
VoLTE対応エリア内で通話中に「4G」や「LTE」の表示が出ていれば、正しくVoLTEが機能しています。
キャリア別の注意点
キャリアによって、VoLTE利用に際して追加の手続きが必要な場合があります。
docomo(ドコモ)の場合
docomoでは、基本的に特別な手続きは不要です。
対応機種でiOSとキャリア設定を最新にすれば、自動的にVoLTEを利用できます。
au(KDDI)の場合
auでは、いくつか注意点があります。
iPhone 8以降の機種
iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X以降の機種では、3G通信に対応していません。
そのため、VoLTEはデフォルトでオンになっており、オフにすることができません。また、4G LTEエリア外では圏外となるので注意が必要です。
SIMフリー機種を利用する場合
SIMフリーのiPhoneでauのSIMを使用している場合、「ネットワーク設定オプション」サービスへの無料加入が必要な場合があります。
auお客さまサポートから手続きを行ってください。
SoftBank(ソフトバンク)の場合
ソフトバンクでは、以前は「VoLTEオプション」への加入が必要でした(現在は不要となっているケースが多いです)。
エラーメッセージが出る場合
設定画面で「音声通話およびデータ」を選択しようとした際に、以下のようなエラーが出ることがあります。
「4G回線による通話機能をオンにできません」
「このアカウントで4G回線による通話機能をオンにするには、ソフトバンクモバイルに問い合わせてください」
このエラーが出た場合は、My SoftBankから無料の「VoLTEオプション」に加入する必要があります。
ナンバーブロックとの同時利用不可
ソフトバンクの「ナンバーブロック」サービスは、VoLTEと同時に利用できません。
VoLTEを使いたい場合は、ナンバーブロックを解約する必要があります。ただし、iPhoneには同様の着信拒否機能が標準で搭載されているので、そちらを利用すれば問題ありません。
楽天モバイルの場合
楽天モバイルでは、基本的に特別な手続きは不要です。
対応機種であれば、自動的にVoLTEを利用できます。
格安SIM(MVNO)の場合
格安SIM(UQモバイル、ワイモバイル、mineoなど)を利用している場合も、基本的にはVoLTEに対応しています。
ただし、APN設定が正しく行われていないと、VoLTEが使用できない場合があります。各MVNOの公式サイトでAPN設定を確認してください。
VoLTEがオンにできない時の対処法

「設定しようとしてもVoLTEがオンにならない」「VoLTEの設定項目が見つからない」そんな時の対処法をご紹介します。
【対処法1】iOSを最新バージョンにアップデートする
VoLTEを利用するには、iOS 8.3以降が必要です。古いiOSのままだとVoLTEが使えません。
アップデート手順
- 設定アプリを開く
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」をタップ
- 新しいバージョンがある場合は「ダウンロードしてインストール」をタップ
アップデート完了後、もう一度VoLTE設定を試してみてください。
【対処法2】キャリア設定をアップデートする
iOSだけでなく、キャリア設定も最新にする必要があります。
キャリア設定の確認方法
- 設定アプリを開く
- 「一般」→「情報」をタップ
- 「キャリア設定アップデート」のポップアップが表示されたら「アップデート」をタップ
キャリア設定のバージョン確認
「情報」画面の「キャリア」欄を確認してください。
VoLTEを利用するには、以下のバージョン以降が必要です。
- docomo 19.1以降
- au(KDDI)19.1以降
- SoftBank 19.1以降
古いバージョンの場合は、「キャリア」欄をタップしてアップデートを行ってください。
【対処法3】iPhoneを再起動する
一時的な不具合が原因の場合、iPhoneを再起動するだけで解決することがあります。
再起動の手順
iPhone X以降(ホームボタンがない機種):
- 音量ボタン(どちらか一方)とサイドボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スライドして電源を切る
- 30秒待ってから、サイドボタンを長押しして再起動
iPhone 8以前(ホームボタンがある機種):
- サイドボタン(またはトップボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スライドして電源を切る
- 30秒待ってから、サイドボタンを長押しして再起動
再起動後、VoLTE設定を再度試してみてください。
【対処法4】ネットワーク設定をリセットする
ネットワーク設定に問題がある場合、リセットが効果的です。
注意事項
ネットワーク設定をリセットすると、以下の情報がすべて削除されます。
- Wi-Fiのパスワード
- VPN設定
- APN設定
リセット後、再設定が必要になるので注意してください。
リセット手順
- 設定アプリを開く
- 「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 確認メッセージで「ネットワーク設定をリセット」をタップ
iPhoneが自動的に再起動します。
【対処法5】APN設定を確認する(格安SIM利用者向け)
格安SIMを利用している場合、APN設定が正しくないとVoLTEが使えません。
特にソフトバンク系の格安SIMやワイモバイル、LINEMOを使用している場合は、APN設定を確認してください。
docomoのAPN
- APN:spmode.ne.jp
au(KDDI)のAPN
- 通常は自動設定されます
SoftBankのAPN
- APN:jpspir
各MVNOの公式サイトで、正しいAPN設定を確認してください。
【対処法6】SIMカードを確認・交換する
古いSIMカードや、VoLTE非対応のSIMカードを使用していると、VoLTEが利用できません。
SIMカードの確認ポイント
- 発行時期:2014年以前に発行されたSIMカードは、VoLTE非対応の可能性があります
- 契約プラン:古いプランのままだと、VoLTEが使えない場合があります
SIMカードの交換方法
キャリアのショップまたはカスタマーサポートに連絡して、VoLTE対応SIMカードへの交換を依頼してください。多くの場合、無料または少額で交換できます。
【対処法7】キャリアに問い合わせる
ここまで試しても解決しない場合は、キャリアのカスタマーサポートに連絡してください。
- 契約プランがVoLTEに対応しているか確認
- サーバー側の設定を確認してもらう
- 必要なオプションへの加入手続き
専門スタッフが詳しく調査してくれますよ。
VoLTE設定項目が見つからない場合
「設定画面にVoLTEの項目が見つからない」という場合、いくつかの理由が考えられます。
理由1:iPhone 12以降の機種を使っている
前述の通り、iPhone 12以降の5G対応機種では、VoLTEが自動的にオンになっています。
そのため、設定項目自体が表示されません。これは正常な動作なので、特に設定する必要はありません。
理由2:最新のiPhoneでキャリアが自動設定している
一部のキャリアや最新機種では、VoLTEが常時オンになっており、ユーザーが手動でオン・オフを切り替えることができない仕様になっています。
この場合、設定項目は表示されませんが、VoLTEは正常に機能しています。
理由3:対応していない機種を使っている
iPhone 5s以前の機種は、VoLTEに対応していません。
VoLTE対応機種:
- iPhone 6以降のすべてのiPhone
iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5などの古い機種では、VoLTE設定項目は表示されません。
理由4:海外モデルのiPhoneを使っている
一部の海外モデルのiPhoneでは、日本のキャリアでVoLTE設定が表示されない場合があります。
特に米国モデルの一部機種では、VoLTE設定が制限されていることがあるので注意が必要です。
モデル番号の確認方法
設定→一般→情報→「モデル番号」で確認できます。
日本向けモデルは「A」から始まる型番で、末尾が「J/A」となっています。
VoLTEのメリット・デメリット

VoLTEを使う上でのメリットとデメリットを整理しておきましょう。
メリット
1. 高音質な通話
- 従来の3G回線より圧倒的にクリアな音質
- 高音域まで伝わるので、自然な声で会話できる
2. 発着信の高速化
- 電話をかけてから呼び出し音が鳴るまでの時間が約半分に
- すぐに相手に繋がるのでストレスフリー
3. 通話中のデータ通信が快適
- 通話しながら高速データ通信が可能
- 地図アプリやメールを同時に使える
4. バッテリー消費の改善
- 効率的な通信方式により、バッテリー持ちが向上
5. 3Gサービス終了に対応
- 今後も安心して通話機能を使える
デメリット
1. エリアの制限
- 4G LTEエリア外では使用不可
- 山間部や一部の地域では3G回線に切り替わる場合がある
2. au版iPhone 8以降は3G非対応
- auのiPhone 8以降は、VoLTEをオフにできない
- 4G LTEエリア外では圏外になる
3. 相手もVoLTE対応が必要
- 高音質通話を楽しむには、相手もVoLTE対応機種を使用している必要がある
- ただし、現在は主要キャリア間で相互接続が可能
4. 一部サービスとの併用不可
- ソフトバンクの「ナンバーブロック」など、一部サービスと同時利用できない場合がある
よくある質問(FAQ)
Q1. VoLTEをオフにすることはできる?
iPhone 6〜iPhone 11までの機種では、設定からVoLTEをオフにできます。
設定→モバイル通信→通信のオプション→音声通話とデータ→「データ通信のみ」または「オフ」を選択
ただし、auのiPhone 8以降やiPhone 12以降の機種では、VoLTEをオフにすることはできません。
Q2. VoLTEをオンにすると料金がかかる?
いいえ、VoLTEの利用に追加料金はかかりません。
通常の通話料金のみで利用できます。ただし、一部のキャリアや古いプランでは、オプション加入が必要な場合があります。
Q3. VoLTEと4G LTEって同じもの?
違います。
- 4G LTE:高速データ通信の規格
- VoLTE:4G LTE回線を使った音声通話技術
VoLTEは、4G LTE技術を音声通話に応用したものと考えてください。
Q4. Wi-Fi通話とVoLTEの違いは?
Wi-Fi通話は、Wi-Fiネットワークを使って通話する機能です。
VoLTEは、モバイルデータ通信(4G LTE)を使って通話する機能です。
どちらも高音質な通話が可能ですが、使用するネットワークが異なります。
Q5. VoLTE対応エリアはどうやって確認できる?
各キャリアの公式サイトで、4G LTEのサービスエリアマップを確認できます。
- docomo:サービスエリアマップ
- au:サービスエリアマップ
- SoftBank:サービスエリアマップ
基本的に、4G LTEエリア=VoLTEエリアと考えて問題ありません。
Q6. 海外でVoLTEは使える?
海外でVoLTEを使うには、以下の条件が必要です。
- 渡航先のキャリアがVoLTEに対応している
- 国際ローミングサービスに加入している
- 手動でネットワークをVoLTE対応キャリアに設定する
すべての国・地域で使えるわけではないので、事前に確認が必要です。
Q7. VoLTEとHD Voiceは同じもの?
「HD Voice(HDボイス)」は、VoLTEによる高音質通話の通称です。
VoLTEで通話中、ステータスバーに「HD」と表示されることがあります。これは高音質通話が有効になっている証拠です。
Q8. VoLTEをオンにしたら電池の減りが早くなった?
基本的に、VoLTEは従来の3G通話よりもバッテリー消費が少ない設計になっています。
もしバッテリーの減りが早くなったと感じる場合は、以下を確認してください。
- バックグラウンドで動作しているアプリが増えていないか
- iOSのバージョンが最新か
- バッテリーの劣化(iPhoneの使用年数が長い場合)
まとめ
iPhoneのVoLTE設定について、基本から詳しく解説しました。
VoLTE設定のポイント:
- iPhone 12以降は設定不要:自動的にVoLTEがオンになっている
- iPhone 6〜11は手動設定:設定→モバイル通信→通信のオプション→音声通話とデータ
- iOS 8.3以降が必要:古いiOSではVoLTEが使えない
- キャリア設定も最新に:キャリア設定のアップデートが必要
- 3Gサービスは終了:今後はVoLTE対応が必須
VoLTEがオンにできない時の対処法:
- iOSを最新バージョンにアップデート
- キャリア設定をアップデート
- iPhoneを再起動
- ネットワーク設定をリセット
- APN設定を確認(格安SIM利用者)
- SIMカードを確認・交換
- キャリアに問い合わせ
VoLTEのメリット:
- 高音質な通話
- 発着信の高速化
- 通話中のデータ通信が快適
- バッテリー消費の改善
VoLTEは、これからの音声通話の標準となる技術です。まだ設定していない方は、ぜひこの記事を参考に設定してみてくださいね。
特に、3Gサービスが終了した後も安心して電話を使い続けるためには、VoLTE対応が必須です。早めに設定を確認して、快適な通話環境を整えておきましょう!
もし設定で困ったことがあれば、キャリアのカスタマーサポートに相談するのも一つの手です。専門スタッフが丁寧にサポートしてくれますよ。

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