「iPhoneの充電端子がタイプCになったって聞いたけど、本当?」「今まで使っていたケーブルは使えないの?」そんな疑問を持っていませんか?
2023年、iPhoneに大きな変化が訪れました。長年使われてきたLightning(ライトニング)端子に代わって、USB Type-C(タイプC)が採用されたんです。
この記事では、iPhoneのタイプC化について、対応機種や具体的なメリット、注意点まで分かりやすく解説します。
iPhoneがタイプCに対応したのはいつから?

iPhone 15シリーズで初採用
iPhoneで初めてUSB Type-Cが採用されたのは、2023年9月に発売されたiPhone 15シリーズからです。
タイプC対応のiPhone
- iPhone 15
- iPhone 15 Plus
- iPhone 15 Pro
- iPhone 15 Pro Max
これらのモデルから、従来のLightning端子がなくなり、すべてUSB Type-Cポートに統一されました。
iPhone 16シリーズも継続
2024年に発売されたiPhone 16シリーズも、引き続きUSB Type-Cを採用しています。
タイプC対応のiPhone(2024年モデル)
- iPhone 16
- iPhone 16 Plus
- iPhone 16 Pro
- iPhone 16 Pro Max
今後発売される新しいiPhoneも、USB Type-Cが標準になると考えられます。
Lightning端子のiPhone
iPhone 14以前のモデルと、iPhone SE(第3世代)は、従来通りLightning端子を搭載しています。
Lightning端子のiPhone
- iPhone 14シリーズ
- iPhone 13シリーズ
- iPhone 12シリーズ
- iPhone SE(第3世代)
- それより古いモデル
これらの機種を使っている方は、引き続きLightningケーブルが必要です。
なぜiPhoneはタイプCに変わったの?
EU規制の影響
最大の理由は、EU(欧州連合)による法規制です。
EUは環境保護と消費者の利便性向上のため、スマートフォンや小型電子機器にUSB-Cを共通規格として義務付ける法律を制定しました。2024年以降、EU圏内で販売される新型スマートフォンは、USB Type-C対応が必須となったんです。
Appleもこの規制に対応する形で、iPhoneにUSB Type-Cを採用することになりました。
ユーザーの利便性向上
Lightning端子はApple独自の規格でしたが、USB Type-Cは世界中で使われている汎用規格です。
これにより、iPhoneだけでなくAndroidスマホ、タブレット、ノートパソコンなど、さまざまなデバイスで同じケーブルが使えるようになりました。
環境への配慮
ケーブルを統一することで、不要な充電器やケーブルの廃棄を減らせます。
環境負荷の軽減にもつながる、重要な変更といえるでしょう。
USB Type-Cって何?Lightningとどう違う?
USB Type-Cの特徴
USB Type-C(タイプC)は、最新のUSB規格のコネクタです。
主な特徴
- 上下の向きを気にせず挿せる(リバーシブル)
- 高速データ転送に対応
- 大容量の電力供給が可能(最大100W)
- 映像信号の伝送もできる
- さまざまなデバイスで共通使用できる
スマートフォンだけでなく、ノートパソコン、タブレット、イヤホン、ゲーム機など、多くの電子機器で採用されています。
Lightningとの違い
Lightning(ライトニング)は、Appleが2012年に開発した独自の端子です。
Lightningの特徴
- Apple製品専用(iPhone、iPad、AirPodsなど)
- 上下の向きを気にせず挿せる
- 小型で耐久性が高い
- データ転送速度はUSB 2.0相当(最大480Mbps)
Lightningも優れた端子でしたが、Apple製品以外では使えない点が最大の違いです。
比較表で見る違い
| 項目 | USB Type-C | Lightning |
|---|---|---|
| 対応デバイス | iPhone 15以降、Android、PC、タブレットなど多数 | iPhone 14以前、一部のiPadなどApple製品のみ |
| データ転送速度 | 最大480Mbps〜40Gbps(機種による) | 最大480Mbps |
| 充電速度 | 高速充電対応 | 高速充電対応(USB-C充電器使用時) |
| 汎用性 | 非常に高い | Apple製品のみ |
| コネクタ形状 | リバーシブル | リバーシブル |
iPhoneでUSB Type-Cを使うメリット
タイプC対応のiPhoneを使うと、どんな良いことがあるのでしょうか?
1. ケーブルを共用できる
最大のメリットは、さまざまなデバイスで同じケーブルが使えることです。
共用できるデバイスの例
- MacBook
- iPad(2018年以降のモデル)
- Androidスマートフォン
- ワイヤレスイヤホン
- Nintendo Switch
- ノートパソコン
外出時の荷物が減り、「あのケーブルどこだっけ?」と探す手間もなくなります。
2. 高速データ転送
iPhone 15 Pro / Pro Maxでは、USB 3.2 Gen 2に対応しています。
これにより、最大10Gbpsの超高速データ転送が可能に。大容量の写真や動画を、パソコンへすばやく移動できます。
転送速度の比較
- Lightning:最大480Mbps
- iPhone 15 / 15 Plus:最大480Mbps(USB 2.0)
- iPhone 15 Pro / Pro Max:最大10Gbps(USB 3.2 Gen 2)
※高速転送には、USB 3対応のケーブルが必要です。
3. 他のデバイスも充電できる
iPhoneから他のデバイスへ給電できるようになりました。
例えば、AirPodsやApple Watchを、iPhoneから直接充電することも可能です(最大4.5W)。
4. 外部ディスプレイに接続
USB Type-C搭載のiPhoneは、外部ディスプレイやテレビへの接続にも対応しています。
対応ケーブルやアダプタを使えば、最大4K / 60Hzの高解像度で映像を出力できます。プレゼンテーションや動画視聴に便利ですね。
5. 充電器の選択肢が増える
USB Type-C充電器は、Appleだけでなく多くのメーカーから販売されています。
価格や性能、デザインなど、自分の好みに合わせて選べる選択肢が格段に増えました。
タイプC対応iPhoneの注意点

便利なUSB Type-Cですが、いくつか注意すべき点もあります。
従来のLightningケーブルは使えない
iPhone 15以降の機種では、Lightningケーブルは使用できません。
使えなくなるもの
- Lightningケーブル
- Lightning端子の充電器
- Lightning対応のスピーカーやドック
- Lightning接続のイヤホン
機種変更する際は、アクセサリの買い替えが必要になる場合があります。
変換アダプタで一部対応可能
どうしてもLightningアクセサリを使いたい場合は、変換アダプタを購入する方法もあります。
ただし、すべてのアクセサリが正常に動作するとは限りません。購入前に対応状況を確認しましょう。
ケーブルの性能がバラバラ
USB Type-Cケーブルは、見た目が同じでも性能が大きく異なります。
ケーブルの種類
- 充電専用(データ転送不可)
- USB 2.0対応(480Mbps)
- USB 3.0/3.1対応(5〜10Gbps)
- USB 4対応(最大40Gbps)
- 映像出力対応/非対応
購入時は、パッケージの仕様をしっかり確認することが大切です。
iPhone付属のケーブルはUSB 2.0
iPhone 15シリーズに付属するUSB Type-Cケーブルは、USB 2.0規格です。
つまり、データ転送速度は最大480Mbps。iPhone 15 Pro / Pro Maxの高速転送機能を使いたい場合は、別途USB 3対応ケーブルを購入する必要があります。
おすすめの使い方
タイプC対応iPhoneを快適に使うコツをご紹介します。
複数のケーブルを用意する
同じケーブルをいろんなデバイスで使い回すと、意外と不便なこともあります。
おすすめの配置
- 自宅の充電スポットに1本
- 職場や学校に1本
- モバイルバッテリー用に1本
- 車内に1本
場所ごとにケーブルを用意しておけば、持ち運びの手間が省けます。
用途に合わせたケーブルを選ぶ
普段の充電だけなら、シンプルな充電用ケーブルで十分です。
データ転送が多い方は、USB 3対応の高速ケーブルを購入しましょう。特に写真や動画を頻繁に転送する場合は、投資する価値があります。
信頼できるメーカーの製品を
安全性を考えると、Apple純正品や、Anker、エレコムなど信頼できるメーカーの製品がおすすめです。
格安の製品は、充電が不安定だったり、すぐに壊れたりすることもあるので注意しましょう。
Lightning端子のiPhoneを使い続けるのもあり?
iPhone 14以前の機種を使っている方は、買い替えを急ぐ必要はありません。
Lightningでも問題ない理由
普段の使い方なら、Lightningでも十分快適に使えます。
Lightningのメリット
- 既存のケーブルやアクセサリがそのまま使える
- 充電速度も高速充電対応
- 安定した動作
新しいiPhoneが発売されたからといって、今使っているiPhoneがダメになるわけではありません。
こんな人は買い替えを検討
次のような場合は、タイプC対応のiPhoneへの買い替えを考えてもいいでしょう。
- MacBookやiPadなど、タイプC対応のApple製品を使っている
- 大容量の写真や動画を頻繁に転送する
- ケーブルを統一してスッキリさせたい
- iPhone 15以降の新機能を使いたい
使い方に合わせて、自分にとって最適なタイミングで買い替えればOKです。
これからのiPhoneとUSB Type-C
AppleはiPhone以外の製品でも、USB Type-Cへの移行を進めています。
すでにタイプC対応の製品
Apple製品でタイプC採用済み
- MacBook(2015年以降)
- iPad Pro(2018年以降)
- iPad Air(2020年以降)
- iPad mini(2021年以降)
- iPad(2022年以降)
- Magic Keyboard、Magic Mouse、Magic Trackpad(2024年モデル)
今後の展開
次期iPhone SEや、一部のアクセサリもUSB Type-Cに移行すると予想されています。
Apple製品全体でケーブルが統一されれば、さらに便利になりますね。
よくある質問
タイプCとUSB-Cは同じもの?
はい、まったく同じです。正式名称は「USB Type-C」ですが、「USB-C」や「タイプC」と呼ばれることもあります。
iPhone 15でLightningイヤホンは使える?
直接は使えません。Lightning – USB-C変換アダプタを使えば接続できますが、BluetoothイヤホンやタイプC接続のイヤホンを購入する方がスマートです。
充電器も買い替えが必要?
充電器自体は、USB Type-Cポートがあれば使えます。ただし、ケーブルはタイプC to タイプCのものが必要です。
古い充電器(USB-Aポート)を使いたい場合は、USB-A to USB-Cケーブルを購入すれば対応できます。
どのケーブルを買えばいい?
普段の充電だけなら、Apple純正のUSB-Cケーブル、またはMFi認証を取得したケーブルがおすすめです。
高速データ転送が必要な場合は、USB 3対応と明記されたケーブルを選びましょう。
100均のケーブルでも大丈夫?
緊急時の使用なら問題ありませんが、長期使用はおすすめしません。充電速度が遅かったり、すぐに断線したりする可能性があります。
安全性を考えると、信頼できるメーカーの製品を選んだ方が安心です。
まとめ:タイプC化は大きな前進
iPhoneのUSB Type-C採用は、ユーザーにとって大きなメリットをもたらす変更です。
タイプCのメリット
- ケーブルを複数のデバイスで共用できる
- 高速データ転送が可能(Pro モデル)
- 充電器の選択肢が増える
- 環境にも優しい
注意点
- Lightningアクセサリは使えなくなる
- ケーブルの性能がバラバラなので選ぶ際は注意
iPhone 15以降の機種に買い替えを検討している方は、USB Type-Cの恩恵を十分に受けられます。MacBookやiPadなど、他のApple製品を使っているなら、なおさらメリットが大きいでしょう。
一方、iPhone 14以前を使っている方も、慌てて買い替える必要はありません。自分の使い方に合わせて、最適なタイミングで移行すればOKです。
ケーブルの統一によって、充電環境がよりシンプルで快適になる。iPhoneのタイプC化は、そんな未来への第一歩といえるでしょう。

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