新しいiPhoneを手に入れた時、「データ移行ってどうやるの？」と不安になったことはありませんか？
写真、連絡先、アプリ、LINEのトーク履歴…大切なデータをすべて新しいiPhoneに移したいけど、失敗したらどうしよう。そんな心配をする人は少なくありません。
でも安心してください。iPhoneには、簡単にデータを転送できる便利な機能がいくつも用意されています。この記事では、新しいiPhoneへのデータ転送方法を、初心者の方でもわかるように詳しく解説していきますね。
iPhoneのデータ転送方法は3種類
新しいiPhoneにデータを移す方法は、大きく分けて3つあります。
1. クイックスタート（iPhone同士で直接転送）
最も簡単でおすすめの方法です。
新旧のiPhoneを近づけるだけで、ワイヤレスでデータを転送できます。パソコンやバックアップも不要で、Apple公式が推奨している方法です。
2. iCloudバックアップから復元
iCloud（Apple のクラウドサービス）に保存したバックアップから、データを復元する方法です。
古いiPhoneが手元になくても、iCloudにバックアップがあれば復元できます。
3. パソコン（iTunes/Finder）から復元
パソコンに保存したバックアップから、データを復元する方法です。
大容量のデータでも安心で、インターネット接続が不要なのがメリットです。
クイックスタートでの転送方法（推奨）
まずは、最も簡単な「クイックスタート」の方法を詳しく説明します。
事前準備と確認事項
転送を始める前に、以下の点を確認しましょう。
【必須条件】
- 両方のiPhoneがiOS 12.4以降であること
- 古いiPhoneのBluetoothとWi-Fiがオンであること
- 両方のiPhoneを十分に充電しておく（80%以上推奨）
- Apple IDとパスワードを確認しておく
【重要な注意点】
- 新しいiPhoneのストレージ容量が、古いiPhoneのデータ量より大きいことを確認
- 転送中は両方のiPhoneを使えないので、時間に余裕がある時に実施
クイックスタートの手順
それでは、実際の転送手順を見ていきましょう。
【手順1】新しいiPhoneの電源を入れる
- 新しいiPhoneの電源ボタンを長押しして起動
- 「こんにちは」の画面が表示される
- 言語設定で「日本語」を選択
- 国または地域で「日本」を選択
【手順2】古いiPhoneを近くに置く
- 古いiPhoneの画面ロックを解除
- BluetoothとWi-Fiがオンになっているか確認
- 新しいiPhoneのすぐそば（10cm以内）に置く
- 古いiPhoneに「新しいiPhoneを設定」という画面が自動的に表示される
【手順3】クイックスタートを開始
- 古いiPhoneに表示された画面で「続ける」をタップ
- 「続ける」が表示されない場合は、Bluetoothがオンか再確認
【手順4】カメラで認証する
- 新しいiPhoneの画面に青い雲のような模様（アニメーション）が表示される
- 古いiPhoneのカメラが自動的に起動する
- カメラの円の中に、新しいiPhoneの模様が入るように調整
- 「新しいiPhoneで完了」というメッセージが表示されるまで待つ
カメラが使えない場合：
「手動で認証」をタップして、コードを入力することもできます。
【手順5】パスコードを入力
新しいiPhoneに、古いiPhoneで使っていたパスコードを入力します。
【手順6】Face ID / Touch IDを設定
画面の指示に従って、顔認証（Face ID）または指紋認証（Touch ID）を設定します。
（後で設定することもできます）
【手順7】データ転送方法を選択
「データを転送」画面で、以下のどちらかを選びます：
- iPhoneから転送：古いiPhoneから直接転送（推奨）
- iCloudからダウンロード：iCloudのバックアップから復元
ここでは「iPhoneから転送」をタップします。
【手順8】Apple IDでサインイン
Apple IDとパスワードを入力してサインインします。
【手順9】利用規約に同意
利用規約が表示されたら「同意する」をタップします。
【手順10】各種設定を行う
画面の指示に従って、以下の設定を行います：
- Apple Pay
- Siri
- スクリーンタイム
- App解析
- True Tone ディスプレイ
- ホームボタン（機種による）
これらは後からでも設定できるので、「あとで設定」を選んでもOKです。
【手順11】データ転送開始
「転送を開始」画面が表示されたら、データ転送が始まります。
転送中の注意点：
- 両方のiPhoneを近くに置いたまま、動かさない
- 両方のiPhoneを電源に接続しておく（推奨）
- 転送完了まで、他の操作をしない
- 画面に表示される「残り時間」を確認する
データ量によりますが、30分〜1時間程度かかることが多いです。
【手順12】転送完了
「転送が完了しました」と表示されたら、データ移行は完了です。
新しいiPhoneで「続ける」をタップして、初期設定を完了させましょう。
転送完了後の確認事項
データ転送が完了したら、以下を確認しましょう。
確認すべきポイント：
- 写真や動画が正しく転送されているか
- 連絡先が全て移っているか
- アプリがダウンロードされているか（バックグラウンドで進行中の場合あり）
- Wi-Fi設定が引き継がれているか
有線接続でのクイックスタート
Wi-Fiが不安定な場合や、より高速に転送したい場合は、有線接続も選択できます。
必要なケーブル
接続する機種によって、必要なケーブルが異なります。
iPhone 15以降 → iPhone 15以降
- USB-C 充電ケーブル
iPhone 14以前 → iPhone 15以降
- USB-C – Lightning ケーブル
iPhone 14以前 → iPhone 14以前
- Lightning – USB 3 カメラアダプタ
- Lightning – USB ケーブル
- 12W以上の電源アダプタ
有線接続の手順
- ケーブルで両方のiPhoneを接続
- クイックスタートの画面指示に従う
- データ転送方法で「iPhoneから転送」を選択
- 転送が完了するまで待つ
有線接続の方が、Wi-Fi接続よりも転送速度が速く、安定しています。
iCloudバックアップからの復元方法
古いiPhoneが手元にない場合や、事前にバックアップを取っていた場合は、iCloudから復元できます。
事前準備
古いiPhoneでバックアップを作成：
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」をタップ
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
Wi-Fi環境で行い、完了するまで待ちます。
iCloudから復元する手順
- 新しいiPhoneの電源を入れる
- 初期設定を進めて「App とデータ」画面まで進む
- 「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDでサインイン
- 復元したいバックアップを選択（日付を確認）
- 復元が完了するまで待つ
注意点：
- Wi-Fi接続が必要です
- データ量によっては数時間かかることがあります
- iCloudの無料プランは5GBまで（容量不足の場合は有料プランが必要）
パソコン（iTunes/Finder）からの復元方法
パソコンに保存したバックアップから復元する方法です。
事前準備
古いiPhoneのバックアップを作成：
Macの場合（macOS Catalina 10.15以降）：
- Finderを開く
- 古いiPhoneをUSBケーブルで接続
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
Macの場合（macOS Mojave 10.14以前）またはWindowsの場合：
- iTunesを開く（最新版にアップデート）
- 古いiPhoneをUSBケーブルで接続
- デバイスアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
パソコンから復元する手順
- 新しいiPhoneの電源を入れる
- 初期設定を進めて「App とデータ」画面まで進む
- 「MacまたはPCから復元」をタップ
- 新しいiPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続
- Finder または iTunes で新しいiPhoneを選択
- 「バックアップを復元」をクリック
- 復元したいバックアップを選択（日付とサイズを確認）
- 復元が完了するまで待つ
転送できるデータと転送できないデータ
クイックスタートで転送できるデータと、別途手続きが必要なデータがあります。
転送できるデータ
- 写真・ビデオ
- 連絡先
- カレンダー
- メモ
- メール設定
- Wi-Fi設定
- Bluetooth設定
- ホーム画面のレイアウト
- アプリ（アプリ本体は再ダウンロード）
- アプリ内のデータ（一部）
- Apple Payの設定（再認証が必要）
- iMessage とFaceTime の設定
- Safari のブックマーク
別途手続きが必要なデータ
以下のデータやサービスは、クイックスタートとは別に引き継ぎ作業が必要です。
【LINE】
事前にLINEアプリ内でバックアップを取り、新しいiPhoneで引き継ぎ設定を行う必要があります。
【Suica（Apple Pay）】
古いiPhoneからSuicaを削除してから、新しいiPhoneに追加し直す必要があります。
【一部のゲームアプリ】
アプリごとに引き継ぎコードの発行など、専用の手続きが必要です。
【eSIM】
物理SIMカードではなくeSIMを使っている場合、別途転送手続きが必要です。
【iTunesから転送した音楽】
パソコンのiTunesから同期した音楽は、再度同期する必要があります。
転送後にやるべきこと
データ転送が完了したら、以下の確認と設定を行いましょう。
【確認1】データが正しく転送されているか確認
- 写真アプリで写真の枚数を確認
- 連絡先アプリで連絡先を確認
- アプリが全てダウンロードされているか確認
- 重要なアプリを起動して動作確認
【確認2】各種アプリの引き継ぎ
LINEやゲームアプリなど、別途引き継ぎが必要なアプリの設定を行います。
【確認3】Apple Payの再設定
クレジットカードやSuicaを、Apple Payに再登録します。
【確認4】eSIMの設定（該当する場合）
eSIMを使っている場合は、通信会社の指示に従って設定します。
【確認5】古いiPhoneの処理
データ転送が確実に完了したことを確認してから、以下の処理を行います：
- iCloudからサインアウト
- iMessageをオフにする
- すべてのコンテンツと設定を消去（初期化）
初期化の手順：
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」
転送がうまくいかない時の対処法
データ転送に失敗した場合の対処法を紹介します。
【対処法1】クイックスタートの画面が表示されない
原因と対策：
- Bluetoothがオフになっている
→ 古いiPhoneでBluetoothをオンにする - iPhoneが離れすぎている
→ 2台を10cm以内に近づける - iOSのバージョンが古い
→ 両方のiPhoneをiOS 12.4以降にアップデート - 新しいiPhoneが初期化されていない
→ すでに初期設定を済ませている場合は、初期化が必要
【対処法2】転送が途中で止まる・失敗する
原因と対策：
- Wi-Fiが不安定
→ 安定したWi-Fi環境に移動する
→ 有線接続を試す - バッテリーが切れた
→ 両方のiPhoneを電源に接続する - iPhoneが離れた
→ 転送中は2台を近くに置いたまま、動かさない - 容量不足
→ 新しいiPhoneのストレージ容量を確認
→ 古いiPhoneで不要なデータを削除
【対処法3】ストレージ容量が足りない
新しいiPhoneの容量が、古いiPhoneのデータ量より少ない場合、転送できません。
対策：
- 古いiPhoneで不要な写真や動画を削除
- 使っていないアプリを削除
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で使用量を確認
【対処法4】アプリがダウンロードされない
転送後、アプリがバックグラウンドでダウンロードされます。
確認方法：
- ホーム画面で、アプリアイコンの下に「待機中」や円形のバーが表示されていないか確認
- Wi-Fi接続を確認
- App Storeを開いて手動でダウンロード
【対処法5】両方のiPhoneを再起動
上記の方法で解決しない場合は、両方のiPhoneを再起動してから、もう一度最初から試してみましょう。
データ転送の所要時間
転送にかかる時間は、データ量や接続方法によって変わります。
転送時間の目安
データ量別：
- 16GB：約15〜30分
- 32GB：約30分〜1時間
- 64GB：約1〜2時間
- 128GB以上：2時間以上
接続方法別：
- 有線接続：最も速い（Wi-Fiの約2倍）
- Wi-Fi接続：標準的な速度
- モバイルデータ通信：非推奨（遅く、データ通信量を大量消費）
よくある質問（FAQ）
Q1：初期設定を済ませた後でも、データ転送できますか？
新しいiPhoneで初期設定を完了してしまった場合、クイックスタートは使えません。iPhoneを初期化してから、もう一度クイックスタートを実行する必要があります。
または、iCloudやiTunes/Finderのバックアップから復元することもできます。
Q2：Wi-Fiがない場所でもデータ転送できますか？
クイックスタートはWi-Fiなしでも可能ですが、アプリ本体のダウンロードにモバイルデータ通信を使うことになります。大量のデータ通信が発生するため、Wi-Fi環境での実施を強くおすすめします。
Q3：AndroidからiPhoneにデータ転送できますか？
はい、できます。Appleが提供する「Move to iOS」という無料アプリを使えば、AndroidからiPhoneにデータを移行できます。
Q4：転送中に電話がかかってきたらどうなりますか？
転送が中断されてしまいます。転送は、電話がかかってこない時間帯に行うことをおすすめします。
Q5：LINEのトーク履歴は自動で転送されますか？
いいえ。LINEのトーク履歴は、LINE アプリ内で別途バックアップと引き継ぎ作業が必要です。クイックスタートだけでは完全には移行されません。
Q6：Apple Musicの曲は転送されますか？
Apple Music のサブスクリプションで追加した曲は、新しいiPhoneでApple IDにサインインすれば再度ダウンロードできます。
ただし、パソコンのiTunesから転送した曲は、再度同期する必要があります。
Q7：古いiPhoneのデータはどうなりますか？
クイックスタート後も、古いiPhoneのデータはそのまま残ります。新しいiPhoneで正常に動作することを確認してから、古いiPhoneを初期化しましょう。
Q8：転送に失敗したらデータは消えますか？
いいえ。転送に失敗しても、古いiPhoneのデータは消えません。何度でもやり直せます。
まとめ：安心してデータ転送を行おう
新しいiPhoneへのデータ転送は、正しい手順で行えば、誰でも簡単にできます。
転送方法のまとめ：
【クイックスタート（推奨）】
- 最も簡単で確実
- 古いiPhoneが手元に必要
- Wi-Fi接続または有線接続
- 転送時間：30分〜2時間程度
【iCloudバックアップ】
- 古いiPhoneが手元になくてもOK
- Wi-Fi接続必須
- 無料プランは5GBまで
【iTunes/Finder】
- パソコンが必要
- 大容量データに対応
- インターネット接続不要
成功させるポイント：
- 事前に両方のiPhoneを十分に充電
- iOSを最新版にアップデート
- 安定したWi-Fi環境を用意
- 新しいiPhoneの容量を確認
- 時間に余裕を持って実施
- 転送中は両方のiPhoneを操作しない
転送後の確認事項：
- データが正しく移行されているか確認
- LINEなど個別アプリの引き継ぎ
- Apple Payの再設定
- 古いiPhoneの初期化
大切なデータを新しいiPhoneに移すのは、最初は不安かもしれません。でも、この記事の手順に従って進めれば、きっと上手くいきますよ。
新しいiPhoneで、快適なスマホライフを楽しんでくださいね！
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