iPhoneで文字を入力していると、意図しない単語や恥ずかしい予測変換が表示されて困ったことはありませんか?
一度間違えて入力した単語や、プライベートで使った言葉が仕事のメールで候補に出てきたり…。こんな時、「この変換候補だけ消したい!」と思いますよね。
実は、iPhoneの予測変換は一括でリセットすることができるんです。この記事では、キーボードの変換学習をリセットする方法から、リセット後の影響、個別削除ができない理由まで、詳しく解説します。
不要な予測変換候補を一掃して、快適な文字入力環境を取り戻しましょう!
iPhoneの予測変換機能とは?仕組みを理解しよう

まずは、予測変換の基本を押さえておきましょう。
予測変換の仕組み
iPhoneの予測変換(QuickType)は、キーボードの上部に表示される候補のことです。
文字を入力すると、次に入力しそうな単語を3つ程度、自動で提案してくれます。この機能のおかげで、すべての文字を打たなくても、タップだけで素早く文章が完成するんです。
予測変換が学習する情報:
- 過去に入力した単語や文章
- よく使う言い回しや表現
- メッセージやメモでの入力パターン
- Safariでの検索履歴
- 誤入力や誤変換した内容
使えば使うほど、あなたの入力傾向に合わせて賢くなっていきます。
予測変換とユーザー辞書の違い
iPhoneには、予測変換とは別に「ユーザー辞書」という機能があります。
予測変換:
- 自動的に学習される
- 過去の入力履歴から候補を提案
- リセットすると全て消える
ユーザー辞書:
- 自分で手動登録する
- 「よみ」と「単語」を設定できる(例:「おつ」→「お疲れ様です」)
- 予測変換をリセットしても消えない
この違いを理解しておくことが大切です。リセットしても、ユーザー辞書に登録した単語は残るので安心してください。
予測変換をリセットする理由:こんな時に必要
予測変換のリセットが役立つ場面を見てみましょう。
理由1:恥ずかしい単語や不適切な候補が表示される
プライベートで使った言葉やスラングが、仕事のメールで候補に出てくることがあります。
よくあるケース:
- 友達とのふざけたやりとりで使った言葉
- 感情的な時に入力した単語
- 誤変換で覚えてしまった間違った言葉
- 他人に見られたくない検索ワード
特に、誰かにiPhoneを見せる時や、画面を共有する時に、予期せぬ候補が出ると本当に恥ずかしいですよね。
理由2:誤変換が繰り返される
何度も間違った変換をしていると、iPhoneがそれを「正しい」と学習してしまいます。
例えば、「今日」と打ちたいのに「きょう」の候補に間違った漢字が優先的に表示されるなど、正しい変換が出にくくなることがあるんです。
理由3:変換候補が多すぎて使いにくい
長期間iPhoneを使っていると、予測変換の候補がどんどん増えていきます。
その結果、本当に使いたい単語が埋もれてしまい、かえって入力効率が下がってしまうこともあります。
理由4:他人にiPhoneを譲渡・売却する前
中古として売る時や、家族に譲る時は、予測変換をリセットしておくとプライバシーが守られます。
入力履歴から、個人的な情報や趣味嗜好が推測されるのを防げるんです。
理由5:iOSアップデート後の不具合
iOS 17やiOS 18にアップデートした後、予測変換がおかしくなることがあります。
全く関係ない単語が提案されたり、正常に機能しなくなったりする場合は、リセットで改善する可能性があります。
iPhoneの予測変換をリセットする手順【完全ガイド】
それでは、実際にリセットする方法を詳しく解説します。
リセットの基本手順
所要時間:約1分
iOS 18対応の最新手順です。
ステップ1:設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリ(歯車のアイコン)をタップします。
ステップ2:「一般」を選択
設定画面を少し下にスクロールして、「一般」をタップしてください。
ステップ3:「転送またはiPhoneをリセット」を選択
「一般」の画面を一番下までスクロールすると、「転送またはiPhoneをリセット」という項目があります。これをタップします。
ステップ4:「リセット」をタップ
画面が切り替わったら、下の方にある「リセット」というボタンをタップしましょう。
ステップ5:「キーボードの変換学習をリセット」を選択
リセットメニューが表示されます。いくつか選択肢が出ますが、「キーボードの変換学習をリセット」をタップしてください。
他のリセット項目と間違えないように注意!
- 「すべての設定をリセット」→ Wi-Fi設定なども消える
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」→ iPhoneが初期化される
ステップ6:パスコードを入力
iPhoneのロック解除に使っているパスコード(数字4桁または6桁)を入力します。
パスコードを設定していない場合、この画面は表示されません。
ステップ7:最終確認で「辞書をリセット」をタップ
確認画面が表示されるので、赤い文字の「辞書をリセット」をタップすれば完了です。
リセット完了!
これで、予測変換の学習データがすべて削除され、工場出荷時の状態に戻りました。
リセットによる影響:何が変わる?何が残る?
リセットすると、どんな影響があるのか詳しく見ていきましょう。
消えるもの
1. 過去に学習した単語すべて
- よく使っていた言い回し
- 固有名詞や専門用語
- 誤入力で覚えた単語
- スラングやネットスラング
2. 入力パターンの記憶
- どんな文脈でどの単語を使うかの学習
- 次に来る単語の予測精度
- 個人的な入力の癖
3. 自動修正の傾向
- よく間違える単語の修正パターン
- カスタマイズされた修正候補
残るもの
1. ユーザー辞書の登録内容
手動で登録した単語は全て残ります。
「設定」→「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」で登録したものは、リセットの影響を受けません。
2. キーボードの設定
- キーボードの言語設定
- 使用するキーボードの種類(日本語、英語など)
- フリック入力の設定
- 音やバイブレーションの設定
3. その他の設定やデータ
- Wi-Fi設定
- アプリのデータ
- 写真や動画
- 連絡先
- メッセージ履歴
予測変換のリセットは、キーボードの学習データだけに影響します。他の設定やデータは一切変わらないので安心してください。
リセット後はどうなる?
リセット直後は、予測変換がほとんど表示されなくなります。
でも心配は無用です。文字を入力していくうちに、再び学習が始まります。だいたい1〜2週間使えば、以前と同じくらい便利になりますよ。
再学習のスピードを上げるコツ:
- よく使う単語は、事前にユーザー辞書に登録しておく
- 間違った候補を選ばないように注意する
- 正しい変換を意識的に選ぶ
個別削除ができない理由と代替方法

「特定の単語だけ削除したい」と思う人は多いですよね。
iPhoneでは個別削除ができない
残念ながら、現在のiPhoneでは特定の単語だけを予測変換から削除する機能がありません。
Androidでは、予測候補を長押しして削除できる機種もありますが、iPhoneにはこの機能がないんです。
選択肢は以下の2つだけです:
- 全ての予測変換をリセットする
- 予測変換機能そのものをオフにする
特定の単語を消したい時の対処法
完全に削除することはできませんが、以下の方法で対処できます。
方法1:正しい単語を何度も入力する
間違った候補の優先順位を下げるため、正しい単語を繰り返し入力します。
例えば、「きょう」の変換で間違った漢字が出る場合:
- 「きょう」と入力
- 正しい「今日」を選択
- これを10回程度繰り返す
すると、徐々に正しい候補が優先的に表示されるようになります。
方法2:テキスト置換(ショートカット)を活用
よく間違える単語には、ユーザー辞書で正しい変換を登録できます。
- 「設定」→「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」
- 右上の「+」をタップ
- 単語:正しい変換結果(例:「今日」)
- よみ:入力する文字(例:「きょう」)
- 「保存」をタップ
こうすれば、間違った候補より上に正しい変換が表示されます。
方法3:サードパーティ製キーボードを使う
Google日本語入力やSimejiなど、一部のキーボードアプリでは個別削除が可能です。
Simejiの場合:
- 予測候補を長押し
- 「削除」を選択
個別削除が頻繁に必要な場合は、こうしたキーボードアプリの利用を検討してもいいでしょう。
予測変換をオフにする方法:表示したくない場合
予測変換機能そのものを無効にすることもできます。
英語の予測変換をオフにする
手順:
- 「設定」→「一般」→「キーボード」
- 「キーボード」の一覧から「English」をタップ
- 「予測」のスイッチをオフにする
これで、英語入力時の予測変換が表示されなくなります。
日本語の予測変換は完全にオフにできない
残念ながら、日本語の予測変換は設定でオフにできません。
これはiOSの仕様で、日本語入力には予測変換が必須と判断されているためです。
どうしても日本語の予測変換を消したい場合:
- サードパーティ製キーボードアプリを使う
- 変換学習をリセットして、できるだけ使わないようにする
予測変換バーを非表示にする
予測候補そのものは消せませんが、キーボード上部のバーを隠すことはできます。
方法:
- 文字入力中にキーボード上部の予測バーを下にスワイプする
- または、「設定」→「一般」→「キーボード」→「予測テキスト」をオフにする
ただし、これをオフにしても日本語入力では一部機能が残ります。
リセットできない・反映されない時の対処法
「リセットしたのに、まだ変な候補が出る!」という場合の解決策です。
対処法1:iPhoneを再起動する
リセット後、一度iPhoneを再起動してみましょう。
再起動の方法:
- iPhone X以降:音量ボタンとサイドボタンを同時長押し→スライドで電源オフ
- iPhone 8以前:サイドボタン長押し→スライドで電源オフ
電源を切って30秒待ち、再度電源を入れます。
対処法2:ユーザー辞書に残っていないか確認
予測変換をリセットしても、ユーザー辞書の単語は残ります。
「設定」→「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」を開いて、不要な単語が登録されていないか確認しましょう。
登録されている場合は、左にスワイプして「削除」できます。
対処法3:サードパーティ製キーボードの設定を確認
Google日本語入力やSimejiなどを使っている場合、そのアプリ内に独自の学習データがあります。
各キーボードアプリの設定画面から、学習データを削除してください。
Simejiの場合:
- Simejiアプリを開く
- 「設定」→「変換・候補」
- 「予測変換候補を削除」をタップ
対処法4:iOSを最新版にアップデート
古いバージョンのiOSにバグがある可能性があります。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」から、最新版があればインストールしましょう。
対処法5:すべての設定をリセット(最終手段)
どうしても直らない場合の最終手段です。
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「すべての設定をリセット」
注意:
- Wi-Fi設定やアプリの設定なども初期化される
- 写真やアプリ自体は消えない
- 事前にバックアップを取ることをおすすめ
Safariのプライベートブラウズを活用する
予測変換に学習させたくない時の便利な機能があります。
プライベートブラウズとは
Safariの「プライベートブラウズモード」を使うと、以下の情報が保存されません:
- 検索履歴
- 予測変換への学習
- Cookieやキャッシュ
- 閲覧履歴
使い方:
- Safariを開く
- 右下のタブボタン(四角が重なったアイコン)をタップ
- 画面下の「プライベート」をタップ
- 「完了」をタップ
画面が黒っぽくなったら、プライベートブラウズモードに切り替わっています。
使用例:
- プレゼントを探す時(検索履歴を残したくない)
- 個人的な情報を調べる時
- 仕事で使う専門用語を入力する時(プライベートの予測変換に影響させたくない)
通常のブラウズに戻すには、もう一度タブボタンから「通常」を選択します。
予測変換を賢く使うコツ:快適な入力環境を作る
リセットした後、より快適に使うためのテクニックです。
コツ1:ユーザー辞書を積極的に活用
よく使う単語や固有名詞は、事前にユーザー辞書に登録しておきましょう。
登録すべき単語の例:
- 自分の名前(フルネーム)
- 会社名や部署名
- よく行く場所の住所
- メールアドレス
- 定型文(「お世話になっております」など)
顔文字やメールの署名も登録できます:
- よみ:「かお」→ 単語:「(´・ω・`)」
- よみ:「しょめい」→ 単語:氏名、部署、電話番号などの情報
コツ2:間違った候補を選ばない
予測変換は、選んだ候補を優先的に学習します。
間違った候補を選ばないよう、入力時には注意しましょう。特に以下の点に気をつけてください:
- タップミスで間違った候補を選んでしまわないように
- 急いでいる時ほど、確認してから送信
- 誤変換に気づいたら、その場で訂正する
コツ3:定期的にリセットする
半年〜1年に一度、予測変換をリセットすると、不要な候補が溜まりにくくなります。
季節の変わり目や、新年など、節目のタイミングでリセットするのもいいでしょう。
コツ4:用途別にキーボードを使い分ける
iOS標準のキーボードとサードパーティ製キーボードを使い分けるのも一つの方法です。
- 仕事用:標準キーボード(フォーマルな単語を学習)
- プライベート用:Simejiなど(カジュアルな単語や顔文字を使いやすく)
キーボードの切り替えは、地球儀マークを長押しして選択できます。
よくある質問(Q&A)
予測変換のリセットについて、よくある疑問にお答えします。
Q1:リセットすると入力しづらくなりませんか?
A:リセット直後は、予測候補が少なくなるため、一時的に入力しづらく感じるかもしれません。
ただし、1〜2週間ほど使っていれば、再び便利な候補が表示されるようになります。むしろ、不要な候補が消えることで、本当に必要な単語が選びやすくなる場合も多いです。
Q2:リセットすると他の設定まで消えますか?
A:いいえ、消えません。
「キーボードの変換学習をリセット」は、予測変換の学習データだけを削除します。Wi-Fi設定、アプリ、写真、連絡先など、他のデータには一切影響しません。
Q3:何度もリセットしても大丈夫?
A:はい、何度でもリセット可能です。
リセット自体にリスクはありませんが、頻繁にリセットすると、予測変換が十分に学習できず、便利さが半減してしまいます。本当に必要な時だけリセットするのがおすすめです。
Q4:予測変換を完全にオフにできますか?
A:英語の予測変換はオフにできますが、日本語の予測変換は完全にオフにできません。
これはiOSの仕様です。日本語入力では、予測変換が必要不可欠とAppleが判断しているためです。
どうしてもオフにしたい場合は、サードパーティ製キーボードアプリの利用を検討してください。
Q5:家族でiPhoneを共有している場合は?
A:家族や複数人でiPhoneを共有している場合、予測変換が混在してしまいます。
定期的にリセットするか、それぞれのユーザーアカウントで使い分けることをおすすめします。ただし、iPhoneは基本的に1人1台での使用を想定しているため、完全な使い分けは難しいです。
Q6:バックアップから復元すると予測変換も戻りますか?
A:いいえ、戻りません。
iCloudバックアップやiTunesバックアップには、予測変換の学習データは含まれません。バックアップから復元しても、予測変換は初期状態のままです。
Q7:リセットしても消えない単語があります
A:以下の可能性があります:
- ユーザー辞書に登録されている
→ 「設定」→「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」から削除 - iOSの標準辞書に含まれている
→ これは消せません - サードパーティ製キーボードの学習データ
→ そのアプリ内で削除が必要 - 再起動が必要
→ iPhoneを再起動してみてください
まとめ:予測変換リセットで快適な入力環境を
iPhoneの予測変換をリセットする方法と、関連する情報を詳しく解説しました。
リセットの手順(おさらい):
- 設定アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」を選択
- 「リセット」をタップ
- 「キーボードの変換学習をリセット」を選択
- パスコードを入力
- 「辞書をリセット」で完了
リセットが効果的な場面:
- 恥ずかしい予測候補が表示される
- 誤変換が繰り返される
- 予測変換が多すぎて使いにくい
- iPhoneを譲渡・売却する前
- iOSアップデート後の不具合
覚えておきたいポイント:
- ユーザー辞書の登録内容は消えない
- 個別削除はできない(一括リセットのみ)
- リセット後は再学習が始まる
- 日本語の予測変換は完全にオフにできない
予測変換は本来、入力を楽にするための便利な機能です。でも、使い方を間違えると逆に不便になってしまいます。
定期的なリセットとユーザー辞書の活用で、あなたに最適な入力環境を作りましょう。不要な候補に悩まされることなく、快適な文字入力を楽しんでください!

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