iPhoneを修理に出そうとしたら「製造番号を教えてください」と言われて困った経験はありませんか?
実はiPhoneには「シリアル番号」と「IMEI番号」という2種類の製造番号があるんです。どちらも大切な番号なのですが、それぞれ役割が違います。
今回は、iPhoneの製造番号について、確認方法から使い道、注意点まで分かりやすく解説していきます。
iPhoneの「製造番号」には2種類ある!

まず最初に知っておきたいのは、iPhoneには実は2つの重要な識別番号があるということです。
①シリアル番号(Serial Number)
シリアル番号は、Appleが製品を管理するために使っている番号です。iPhone、iPad、Mac、すべてのApple製品に付いています。
シリアル番号の特徴:
- iPhone 12以前:12桁の英数字
- iPhone 13以降:10桁の英数字(ランダム生成)
- Apple製品全般で使われる
- メーカー(Apple)による製品管理用
例:C39F2V9JCLFF や F2LWP7MEHG
②IMEI番号/MEID番号(International Mobile Equipment Identity)
IMEI番号は、携帯電話ネットワークに接続できるすべての端末に付けられる、国際的な識別番号です。
IMEI番号の特徴:
- 15桁の数字
- 世界中で唯一の番号(重複なし)
- すべてのスマートフォンに必須
- 携帯電話会社(キャリア)が端末を識別するために使用
例:123456789012345
MEID番号って何?
MEID(Mobile Equipment IDentifier)は、IMEI番号の最初の14桁のことです。一部の通信方式で使われますが、基本的にはIMEI番号と同じものと考えて大丈夫です。
シリアル番号とIMEI番号の違いを整理しよう
2つの番号の違いを表にまとめてみました。
| 項目 | シリアル番号 | IMEI番号 |
|---|---|---|
| 管理者 | Apple(メーカー) | 携帯電話会社・通信業界全体 |
| 用途 | 製品の保証・修理・リコール対応 | ネットワーク接続・盗難対策 |
| 桁数 | 10~12桁(英数字) | 15桁(数字のみ) |
| 対象製品 | すべてのApple製品 | 携帯電話機能がある端末のみ |
| 確認コード | なし | *#06# で表示可能 |
簡単に言うと:
- シリアル番号 → Appleとやり取りするときに使う
- IMEI番号 → 携帯会社とやり取りするとき、または盗難時に使う
iPhoneのシリアル番号を確認する方法
シリアル番号を確認する方法は何通りもあります。iPhoneが手元にない場合や、起動しない場合でも調べられる方法もあるので、状況に応じて使い分けてください。
方法①:設定アプリから確認する(最も簡単)
iPhoneが正常に動作しているなら、この方法が一番簡単です。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 「シリアル番号」の欄に表示されている
便利な機能:
シリアル番号を長押しすると、コピーできます。問い合わせフォームなどに入力する際に便利ですよ。
同じ画面を下にスクロールすると、IMEI番号やMEID番号も確認できます。
方法②:Apple IDから確認する
iPhoneが手元になくても、Apple IDにサインインしている他のデバイスやパソコンから確認できます。
スマホ・タブレットから確認する場合:
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前(Apple ID)をタップ
- 下にスクロールして、デバイス一覧から確認したいiPhoneを選ぶ
- シリアル番号が表示される
パソコンのブラウザから確認する場合:
- https://account.apple.com にアクセス
- Apple IDでサインインする
- 「デバイス」セクションを選択
- 確認したいデバイスを選ぶとシリアル番号が表示される
方法③:購入時の外箱で確認する
iPhoneが入っていた箱を捨てずに取っておいている場合は、箱からも確認できます。
確認方法:
箱の裏面や側面に貼られているバーコードラベルを見ると、「Serial No.」という項目にシリアル番号が記載されています。
同じラベルにIMEI番号も記載されているので、両方を一度に確認できて便利です。
方法④:iPhoneとパソコンを接続して確認する
パソコンとiPhoneをUSBケーブルで接続して確認する方法もあります。
Macの場合:
- iPhoneをMacに接続する
- Finderを開く
- サイドバーの「場所」にiPhoneが表示されるのでクリック
- 「一般」タブにシリアル番号が表示される
Windowsの場合:
- iPhoneをWindowsパソコンに接続する
- iTunesまたは「Appleデバイス」アプリを起動
- デバイスアイコンをクリック
- 「概要」または「一般」タブにシリアル番号が表示される
方法⑤:本体に刻印されている(古いモデルのみ)
古いiPhoneの場合は、本体に直接シリアル番号やIMEI番号が刻印されていることがあります。
刻印がある場所:
- iPhone 3G、3GS、4、4S:SIMトレイ
- iPhone 5以降(iPhone 13まで):背面(機種による)
- 初代iPhone:本体裏面
注意:
iPhone 14以降のモデルには、IMEI番号の刻印がありません。設定アプリやその他の方法で確認する必要があります。
iPhoneのIMEI番号を確認する方法

IMEI番号も、シリアル番号と同じように複数の方法で確認できます。
方法①:設定アプリから確認する
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 下にスクロールして「IMEI」の欄を確認
シリアル番号と同じ画面に表示されるので、両方を一度に確認できます。
方法②:電話アプリから確認する(最速!)
実は、IMEI番号には専用の確認コードがあります。
手順:
- 電話アプリを開く
- 「*#06#」と入力する
- 通話ボタンを押す
- 画面にIMEI番号が表示される
この方法が一番早いので、覚えておくと便利ですよ。
方法③:SIMトレイで確認する(機種による)
一部のiPhoneでは、SIMカードを入れるトレイにIMEI番号が刻印されています。
対象機種:
- iPhone 6s以前のモデル
- 一部のiPhone SE
SIMトレイを取り出すには、iPhoneに付属しているSIMピン(またはクリップを伸ばしたもの)を使います。
iPhoneが故障・紛失したときのシリアル番号確認方法
「iPhoneが起動しない」「紛失してしまった」という場合でも、シリアル番号を確認する方法があります。
購入時の外箱を確認する
これが最も確実な方法です。箱の裏面のバーコードラベルに、シリアル番号とIMEI番号の両方が記載されています。
別のAppleデバイスから確認する
iPhoneと同じApple IDでサインインしている別のデバイス(iPad、Macなど)があれば、そこから確認できます。
手順:
- 別のAppleデバイスの「設定」を開く
- 自分の名前(Apple ID)をタップ
- 故障・紛失したiPhoneを選択する
Appleのウェブサイトから確認する
パソコンやスマホのブラウザから、Appleの公式サイトにアクセスして確認できます。
- https://account.apple.com にアクセス
- Apple IDでサインインする
- 「デバイス」から該当のiPhoneを選択する
購入時のレシートや領収書を確認する
Appleストアや携帯ショップで購入した際のレシートや領収書にも、シリアル番号が記載されていることがあります。
シリアル番号から分かることって何?
iPhoneのシリアル番号には、実は様々な情報が隠されています。ただし、重要な注意点があります。
iPhone 13以降はランダム生成に変更された
2021年に発売されたiPhone 13以降、Appleはシリアル番号の生成方法を変更しました。
変更内容:
- 桁数:12桁 → 10桁に短縮
- 生成方法:規則的 → ランダムに変更
- 結果:シリアル番号から製造情報を読み取れなくなった
つまり、iPhone 13以降のモデルでは、シリアル番号を見ても製造国や製造日などの情報は分からなくなったんです。
iPhone 12以前のシリアル番号から分かること
12桁のシリアル番号を持つiPhone 12以前のモデルでは、次のような情報が含まれています。
シリアル番号の構造(12桁の場合):
- 最初の2文字:製造工場の場所(製造国)
- 3文字目:製造年
- 4文字目:製造週
- 5~11文字目:固有の識別番号
- 12文字目:カラーコード(機種による)
製造国コードの例:
- C3、C7:中国
- F、G0、G1:アメリカ
- CK、C0:カナダ
- DN、DX:ドイツ
- FC:インド
製造年コードの例:
- C:2010年
- D:2011年
- F:2012年
- G:2013年
- (中略)
- Y:2020年
- Z:2021年
なぜランダム化したの?
Appleは、セキュリティとプライバシー保護のために変更したと考えられています。製造情報から端末を特定されるリスクを減らすためですね。
シリアル番号・IMEI番号が必要になる場面
これらの番号は、いろいろな場面で必要になります。
Appleサポートに問い合わせるとき
修理や技術サポートを受ける際、Appleのサポート窓口からシリアル番号を聞かれることがあります。
具体例:
- iPhoneが起動しなくなった
- 画面が割れてしまった
- バッテリーの減りが異常に早い
電話やチャットでサポートを受ける場合、画面が開けないこともあるので、事前にシリアル番号をメモしておくと安心です。
保証状況を確認するとき
お使いのiPhoneが保証期間内かどうか、AppleCare+に加入しているかどうかを確認できます。
確認方法:
- https://checkcoverage.apple.com/jp/ja/ にアクセス
- シリアル番号を入力する
- 保証状況が表示される
中古のiPhoneを購入する前に確認するのにも使えますね。
リコールプログラムの対象確認
Appleは、特定のバッチに不具合があった場合、無償修理や交換プログラムを実施することがあります。
過去の例:
- iPhone 6sのバッテリー交換プログラム
- iPhone 8のロジックボード交換プログラム
- iPhone 11のディスプレイモジュール交換プログラム
自分のiPhoneが対象かどうかは、シリアル番号で確認します。
iPhoneを売却・譲渡するとき
中古品として売却する場合や、友人・家族に譲る場合、買い手や譲り受ける人がシリアル番号を確認することがあります。
確認される理由:
- 盗難品でないか確認する
- 保証期間を確認する
- 正規品かどうか確認する
携帯電話会社での手続き
機種変更や回線契約、SIMロック解除などの手続きで、IMEI番号が必要になることがあります。
ドコモ・au・ソフトバンクでの使用例:
- SIMロック解除の申請
- 端末の分割払いの残債確認
- ネットワーク利用制限の確認
盗難・紛失時の届け出
残念ながらiPhoneを盗まれたり紛失したりした場合、警察への届け出やキャリアへの利用停止依頼でIMEI番号が必要です。
IMEI番号でできること:
- 盗難届を出す際の端末特定
- キャリアに連絡してネットワーク利用を停止(他の人が使えないようにする)
- 海外では国際的な盗難端末データベースに登録できる国もある
シリアル番号・IMEI番号の取り扱い注意点
これらの番号は個人情報ではありませんが、取り扱いには注意が必要です。
むやみに他人に教えない
シリアル番号やIMEI番号自体では、あなたの名前や住所などの個人情報は分かりません。でも、悪用される可能性はゼロではないので、必要がなければ公開しないほうが安全です。
考えられるリスク:
- 偽の修理業者が不正請求に使う
- なりすまし被害の可能性
- 中古品として偽装販売される
SNSに投稿しない
iPhoneの外箱や設定画面のスクリーンショットをSNSに投稿するとき、シリアル番号やIMEI番号が写り込んでいないか確認しましょう。
写り込んでいたら、モザイクや黒塗りで隠してから投稿してください。
安全に保管する
いざというときのために、シリアル番号とIMEI番号はメモしておくことをおすすめします。
おすすめの保管方法:
- スマホのメモアプリ(パスワード保護付き)
- パソコンの安全なフォルダ
- 紙にメモして金庫や引き出しに保管
iPhone本体と同じ場所に保管すると、盗難時に意味がないので、別の場所に保管しましょう。
中古品を買うときは必ず確認
中古のiPhoneを購入する際は、必ずシリアル番号とIMEI番号を確認してください。
確認すべきこと:
- 盗難品でないか(ネットワーク利用制限の確認)
- 保証期間はどうなっているか
- アクティベーションロックがかかっていないか
特に「ネットワーク利用制限」は重要です。キャリアの公式サイトで、IMEI番号を入力すると確認できます。
- ○(丸):問題なし
- △(三角):分割払い中(完済後に○になる)
- ×(バツ):利用不可(盗難品や不正契約の可能性)
×(バツ)のiPhoneは、たとえ安くても絶対に買わないでください。
よくある質問(FAQ)
Q1:シリアル番号とIMEI番号、どっちが重要ですか?
どちらも重要で、用途が違います。
- Appleとのやり取り→ シリアル番号を使う
- 携帯会社とのやり取り・盗難対策→ IMEI番号を使う
どちらもメモしておくのが理想的です。
Q2:Wi-FiモデルのiPadにもIMEI番号はありますか?
いいえ、ありません。IMEI番号は携帯電話ネットワークに接続する機能がある端末だけに付けられます。
Wi-FiモデルのiPadには、シリアル番号だけがあります。セルラーモデル(Wi-Fi + Cellular)には、シリアル番号とIMEI番号の両方があります。
Q3:シリアル番号から製造日を調べるサイトは信頼できますか?
iPhone 12以前のモデルであれば、ある程度の精度で製造時期を推測できるサイトがあります。ただし、100%正確ではないことを理解しておいてください。
iPhone 13以降はランダム生成なので、そもそも製造日を推測できません。
Q4:シリアル番号やIMEI番号を変更することはできますか?
いいえ、できません。というより、変更してはいけません。
一部の国では、IMEI番号を変更することは違法です。日本でも、不正な目的でIMEI番号を変更する行為は、電波法違反になる可能性があります。
Q5:「モデル番号」って何ですか?
モデル番号は、シリアル番号やIMEI番号とは別のものです。
モデル番号の例:
- MQ8J2J/A
- A2785
モデル番号は、iPhoneの世代や販売地域を識別するための番号です。「設定」→「一般」→「情報」の「モデル番号」の欄で確認できます。
モデル番号の最初の文字で、新品か整備済品かが分かります。
- M:新品(Appleストアや正規販売店で購入)
- F:整備済品(Apple認定整備済製品)
- N:交換品(Appleサポートでの交換品)
- P:刻印入り(Apple公式での購入時にカスタマイズ)
まとめ:iPhoneの製造番号は大切に管理しよう
iPhoneの製造番号について、シリアル番号とIMEI番号の違いから確認方法まで詳しく解説してきました。
覚えておきたいポイント:
- iPhoneには「シリアル番号」と「IMEI番号」の2種類の識別番号がある
- どちらも「設定」→「一般」→「情報」で確認できる
- シリアル番号はApple、IMEI番号は携帯会社とのやり取りで使う
- iPhone 13以降、シリアル番号はランダム生成に変更された
- 修理、保証確認、リコール対応、盗難届などで必要になる
- 両方の番号をメモして安全に保管しておくと安心
いますぐできること:
- 自分のiPhoneのシリアル番号とIMEI番号を確認する
- スマホのメモアプリや紙にメモする
- 購入時の外箱を捨てずに保管する
これらの番号は、いざというときにとても役立ちます。特に修理や盗難時には必須の情報なので、今すぐ確認してメモしておくことをおすすめします。
また、中古のiPhoneを買う予定がある人は、必ずIMEI番号を確認して、ネットワーク利用制限が「○(丸)」であることを確認してから購入してくださいね。
製造番号の知識があれば、iPhoneをより安全に、そして安心して使えますよ!


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