2012年から長年iPhoneで使われてきたLightning端子ですが、「いつまで使えるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
2023年9月にiPhone 15シリーズがUSB-Cに移行したことで、Lightningの終わりが見え始めました。そして2025年2月には、ついにすべてのiPhoneがUSB-Cに移行完了しています。
この記事では、Lightningがいつまで使えるのか、今後どうなっていくのか、そして今Lightning搭載のiPhoneを使っている人はどうすればいいのかを詳しく解説していきます。
Lightningとは?基本をおさらい
Lightning端子は、Appleが2012年9月にiPhone 5と一緒に発表した独自規格の充電・データ転送用コネクタです。
それまで使われていた30ピンの大きなコネクタに比べて、Lightningは以下の特徴がありました。
Lightningの特徴
- コンパクトなサイズ
- どちら向きでも差し込めるリバーシブル仕様
- 耐久性が向上
- デバイスの薄型化に貢献
当時としては画期的な仕様で、12年以上にわたってiPhoneの標準端子として使われてきました。
Lightning搭載のiPhone一覧
これまでLightning端子を搭載していたiPhoneは以下の通りです。
Lightning搭載iPhone
- iPhone 5(2012年)〜 iPhone 14シリーズ(2022年)
- iPhone SE(第1世代〜第3世代)
具体的には、iPhone 5、5s、5c、6、6 Plus、6s、6s Plus、SE(第1世代)、7、7 Plus、8、8 Plus、X、XR、XS、XS Max、11、11 Pro、11 Pro Max、SE(第2世代)、12、12 mini、12 Pro、12 Pro Max、13、13 mini、13 Pro、13 Pro Max、SE(第3世代)、14、14 Plus、14 Pro、14 Pro Maxがこれに該当します。
つまり、2012年から2022年までに発売されたすべてのiPhoneがLightning端子を採用していたことになります。
LightningからUSB-Cへの移行時期
AppleがLightningからUSB-Cへ移行した時期を見ていきましょう。
iPhone 15シリーズ(2023年9月)から移行開始
2023年9月に発表されたiPhone 15、iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxが、iPhoneとして初めてUSB-C端子を搭載しました。
これが、iPhoneにおけるLightningからUSB-Cへの移行の始まりです。
iPhone 16シリーズ(2024年9月)もUSB-C
2024年9月に発表されたiPhone 16シリーズも、すべてUSB-C端子を採用しました。
この時点で、AppleはiPhone 14シリーズとiPhone SE(第3世代)という、Lightning搭載の旧モデルも販売を続けていました。
2025年2月、全iPhoneがUSB-Cに移行完了
2025年2月19日、AppleがiPhone 16eを発表したタイミングで、Lightning搭載の最後のモデルだったiPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone SE(第3世代)の販売が終了しました。
これにより、Appleが公式に販売するすべてのiPhoneがUSB-Cに移行完了したことになります。
ただし、Appleは整備済製品(リファービッシュ品)としてLightning搭載iPhoneを販売することはあります。また、中古市場では引き続きLightning搭載iPhoneが流通しています。
なぜUSB-Cに移行したのか
AppleがLightningからUSB-Cに移行した理由は、主に以下の3つです。
1. EUの規制による義務化
最も大きな理由は、EU(欧州連合)が2022年に可決した充電端子の統一規制です。
この規制により、2024年末までに、EU域内で販売されるすべてのスマートフォン、タブレット、ヘッドフォンなどの充電式モバイル機器は、USB-C端子を搭載することが義務付けられました。
Appleは当初「イノベーションを抑制する」と反発していましたが、最終的には「従うしかない」と譲歩し、USB-Cへの移行を決めました。
2. USB-Cの技術的優位性
USB-Cは、Lightningと比べて以下の点で優れています。
- データ転送速度が速い(最大10Gbps以上、Lightningは最大480Mbps)
- 充電速度が速い
- 汎用性が高い(Androidスマホ、PC、タブレットなど多くの機器で使用可能)
- 外部ディスプレイやストレージなど、周辺機器との接続に対応
特にiPhone 15 Pro以降は、USB 3.0規格に対応し、Lightningの約20倍の速度でデータ転送ができるようになりました。
3. Apple製品全体の統一
iPadやMacBookは、すでに数年前からUSB-Cに移行していました。
iPhoneだけがLightningを使い続けることで、Apple製品全体での統一性が失われていたため、USB-Cへの移行により、すべてのApple製品で同じケーブルが使えるようになりました。
Lightning搭載iPhoneはいつまで使える?
「今使っているLightning搭載iPhoneは、いつまで使えるの?」という疑問にお答えします。
ハード的にはまだまだ使える
Lightning搭載のiPhoneは、ハードウェア的には問題なく使い続けられます。
新しいiPhoneがUSB-Cに移行しても、すでに販売されたLightning搭載iPhoneが突然使えなくなるわけではありません。充電も通常通り可能です。
iOSアップデートのサポート期間
重要なのは、iOSアップデートのサポートがいつまで続くかです。
Appleは通常、iPhoneを5〜6年間サポートします。たとえば、2022年に発売されたiPhone 14シリーズは、2027年〜2028年頃までiOSアップデートを受けられる可能性が高いです。
サポート期間の目安
- iPhone 12シリーズ(2020年発売):2025年〜2026年頃まで
- iPhone 13シリーズ(2021年発売):2026年〜2027年頃まで
- iPhone 14シリーズ(2022年発売):2027年〜2028年頃まで
この期間中は、セキュリティアップデートや新機能の追加も受けられるので、安心して使い続けられます。
Lightningケーブルやアクセサリーの入手性
Lightning搭載iPhoneを使い続ける上でもう一つ気になるのが、Lightningケーブルやアクセサリーの入手性です。
Appleは現在も、Lightning to USBケーブルやLightning to USB-Cケーブルを公式で販売しています。また、サードパーティ製品も豊富にあるため、しばらくは入手に困ることはないでしょう。
ただし、今後3〜4年かけて徐々にLightning製品は減っていくと予想されます。
Lightningケーブルは今後どうなる?
Lightning端子を搭載した製品は、iPhoneだけではありません。その他の製品の状況も見ていきましょう。
現在もLightning端子が残っている製品
2025年現在、Lightning端子が残っているApple製品は以下の通りです。
まだLightningを使用している製品
- Apple Pencil(第1世代)
- Magic Keyboard(一部モデル)
- Magic Mouse(一部モデル)
- Magic Trackpad(一部モデル)
- Lightning対応のEarPods
- 一部のBeats製品
これらの製品も、今後USB-Cに移行していくと予想されています。
Lightningアクセサリーの販売期間
Appleは、Lightning搭載デバイスを使っているユーザーのために、しばらくはLightning関連製品を販売し続ける見込みです。
ただし、Appleが公式サポートを終了するタイミング(製品発売から5〜6年後)に合わせて、Lightningアクセサリーも徐々に販売終了していくでしょう。
予想される販売終了時期
- 2028年〜2030年頃には、Lightning製品の大半が販売終了する可能性が高い
Lightning搭載iPhoneユーザーが今すべきこと
現在Lightning搭載のiPhoneを使っている方は、以下の点を考慮しましょう。
1. 急いで買い替える必要はない
iPhoneがUSB-Cに移行したからといって、今すぐ買い替える必要はありません。
手持ちのLightning搭載iPhoneは、あと数年は問題なく使い続けられます。バッテリーの持ちや動作速度に不満がなければ、そのまま使い続けて大丈夫です。
2. Lightningケーブルの買い足しは最小限に
これからLightningケーブルを大量に買い足すのはおすすめしません。
必要最低限の予備ケーブルだけを用意し、次に買い替えるときにUSB-Cケーブルに移行する準備をしておきましょう。
3. 次の買い替えではUSB-C対応モデルを選ぶ
次にiPhoneを買い替えるタイミングでは、USB-C対応モデル(iPhone 15以降)を選ぶのが現実的です。
USB-Cなら、iPadやMacBook、Androidスマホなど、他のデバイスとケーブルを共有できて便利です。また、データ転送速度や充電効率も向上します。
4. 変換アダプターを活用する
Lightning搭載のアクセサリーを持っている場合、USB-C to Lightningアダプターを使えば、新しいUSB-C対応iPhoneでも使い続けられます。
Appleは公式にUSB-C to Lightningアダプターを販売しているので、必要に応じて購入を検討しましょう。
USB-CとLightningの比較
最後に、USB-CとLightningの違いを簡単に比較しておきましょう。
| 項目 | Lightning | USB-C |
|---|---|---|
| 採用開始 | 2012年 | 2014年(USB-C規格)、iPhoneでは2023年 |
| 形状 | 小型、リバーシブル | やや大きめ、リバーシブル |
| データ転送速度 | 最大480Mbps(USB 2.0) | 最大10Gbps以上(USB 3.0以降) |
| 充電速度 | 最大12W程度 | 最大100W以上(機器による) |
| 汎用性 | Apple製品のみ | 多くのデバイスで使用可能 |
| 外部機器対応 | 限定的 | ディスプレイ、ストレージなど幅広く対応 |
USB-Cは、Lightningよりもあらゆる面で優れた性能を持っています。
まとめ
iPhoneのLightning端子は、2025年2月をもって新製品からは完全に姿を消しました。
重要なポイント
- Lightning搭載の最後のiPhoneは、iPhone 14シリーズとiPhone SE(第3世代)
- 2025年2月以降、AppleはLightning搭載iPhoneを新品では販売していない
- すでに持っているLightning搭載iPhoneは、あと3〜5年程度は問題なく使える
- iOSアップデートは、通常5〜6年間サポートされる
- 次に買い替えるときは、USB-C対応のiPhone 15以降がおすすめ
Lightning端子は12年以上iPhoneを支えてきた優れた規格でしたが、時代の流れとともにUSB-Cにバトンを渡すことになりました。
今Lightning搭載のiPhoneを使っている方は、慌てて買い替える必要はありませんが、次の買い替えタイミングでUSB-Cへの移行を計画しておくといいでしょう。
USB-Cへの移行により、iPhoneはより高速なデータ転送や充電が可能になり、他のデバイスとの互換性も向上します。この変化を前向きに捉えて、快適なiPhoneライフを楽しんでくださいね!

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