突然iPhoneが「圏外」になって、電話もネットもできなくなった…そんな困った経験はありませんか?
「さっきまで使えていたのに」「Wi-Fiはつながるのに圏外表示」など、iPhoneが圏外になる現象は意外とよく起こります。実は、この問題は「圏外病」とも呼ばれていて、多くのiPhoneユーザーが一度は遭遇するトラブルなんです。
でも安心してください。圏外になる原因は様々ですが、適切な対処法を試せば、ほとんどの場合は自分で解決できます。この記事では、iPhoneが圏外になる原因から、すぐに試せる解決策まで、わかりやすく解説していきますね。
iPhoneの「圏外」表示を確認しよう

まず、本当に圏外なのか、画面で確認してみましょう。
iPhoneの画面上部(ステータスバー)に表示される文字で、状態がわかります。
圏外の表示パターン
「圏外」と表示される
完全に携帯電話ネットワークに接続できていない状態です。電話もモバイルデータ通信もできません。
「検索中」と表示される
iPhoneが電波を探している状態です。しばらく待っても改善しない場合は、何らかの問題があります。
「SOS」と表示される
自分の契約している通信会社の電波は圏外ですが、緊急通報(110番、119番など)だけはできる状態です。
Wi-Fiは使えるのに圏外?
Wi-Fiとモバイル通信(4G/5G)は別の電波なので、Wi-Fiが使えても圏外になることがあります。これは珍しいことではないので、慌てないでくださいね。
iPhoneが圏外になる主な原因
圏外になる原因は大きく分けて8つあります。自分の状況に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
【原因1】電波が届かないエリアにいる
一番シンプルな原因ですが、意外と見落としがちです。
こんな場所は要注意:
- 地下や地下鉄
- 高層ビルの中や奥まった場所
- 山間部や田舎
- 建物の構造上、電波が遮られる場所
- エレベーターの中
最近は電波が良くなったので「こんな場所で圏外になるはずない」と思いがちですが、都会のど真ん中でも、場所によっては圏外になることがあります。
【原因2】通信会社の通信障害
通信会社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)側で通信障害が発生している可能性があります。
大規模な障害ならニュースになりますが、特定のエリアだけの小規模な障害だと気づきにくいんです。メンテナンス工事中の場合もあります。
【原因3】機内モードがオンになっている
意外と多いのが、この原因です。
機内モードがオンになっていると、すべての無線通信が遮断されます。ポケットの中で誤って触ってしまい、知らないうちにオンになっていることがあります。
【原因4】モバイルデータ通信がオフになっている
設定で「モバイルデータ通信」がオフになっていると、Wi-Fi以外のネット通信ができません。画面には「圏外」と表示されないこともありますが、実質的に同じ状態です。
【原因5】SIMカードの問題
SIMカードの不具合には、いくつかのパターンがあります:
- SIMカードが正しく挿入されていない
- SIMカードが汚れている
- SIMカードが破損している
- SIMカードが古くなって劣化している
SIMカードは消耗品なので、長年使い続けると不具合が起きやすくなります。頻繁に出し入れしていなくても、経年劣化で問題が出ることがあるんです。
【原因6】iPhoneの水没
「圏外病」の原因として、実はとても多いのが水没です。
驚くのは、修理店に持ち込まれる圏外トラブルのかなりの割合が水没なのに、ほとんどのユーザーは「覚えがない」と答えるそうです。
気づきにくい水没のパターン:
- テーブルの上でグラスの結露水がiPhoneに入る
- 雨に濡れた程度だが内部に浸入した
- 屋内外の温度差による結露
- お風呂場で使用していた(湿気)
水没しているかどうかは、SIMトレーの中にある「液体侵入インジケータ」で確認できます。通常は白色ですが、水が入ると赤色に変わります。
【原因7】iPhoneを落とした・衝撃を与えた
落下や強い衝撃で、内部のケーブルやICチップが破損することがあります。外見は無傷でも、内部で問題が起きていることがあるんです。
【原因8】iOSやキャリア設定が古い
iOSのバージョンが古いと、ネットワーク接続に不具合が出ることがあります。また、通信会社の「キャリア設定」が更新されていないことも原因になります。
今すぐ試せる!圏外の対処法
それでは、具体的な解決方法を紹介します。簡単なものから順番に試してみてくださいね。
【対処法1】場所を移動してみる
まずは一番簡単な方法から試しましょう。
地下や建物の奥にいる場合は、外や窓際に移動してみてください。場所を変えるだけで、あっさり解決することも多いんです。
移動後、数秒待ってもアンテナが立たない場合は、次の方法を試しましょう。
【対処法2】通信障害をチェックする
自分の契約している通信会社の公式サイトやSNSで、通信障害の情報を確認します。
確認方法:
- 通信会社の公式サイトで「障害・メンテナンス情報」をチェック
- X(旧Twitter)などで「キャリア名+圏外」で検索
- 家族や友人に同じ通信会社で問題が出ていないか聞く
大規模な通信障害の場合は、復旧を待つしかありません。
【対処法3】iPhoneを再起動する
一時的な不具合は、再起動で解決することが多いです。
iPhone X以降の再起動方法:
- サイドボタンと音量ボタン(どちらか)を同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、右にスライド
- 完全に電源が切れるまで待つ(30秒程度)
- サイドボタンを長押しして起動
iPhone 8以前の再起動方法:
- トップボタン(またはサイドボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、右にスライド
- 完全に電源が切れるまで待つ
- トップボタンを長押しして起動
【対処法4】機内モードのオン・オフを切り替える
機内モードを一度オンにしてから、オフに戻す方法です。これでネットワーク接続がリセットされます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「機内モード」をタップしてオンにする
- 15秒ほど待つ(画面左上に飛行機マークが表示される)
- もう一度タップしてオフにする
または、コントロールセンター(画面右上から下にスワイプ)から飛行機マークをタップしてもOKです。
【対処法5】モバイルデータ通信の確認
モバイルデータ通信がオフになっていないか確認します。
確認手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」(または「モバイルデータ通信」)をタップ
- 一番上の「モバイルデータ通信」がオンになっているか確認
- オフの場合はオンにする
- 一度オフにしてから、もう一度オンにするのも効果的
【対処法6】SIMカードを抜き差しする
SIMカードの接触不良を解消します。
手順:
- iPhoneの電源を切る(重要!)
- SIMトレーの穴にSIMピン(またはペーパークリップ)を差し込む
- トレーが出てきたら、SIMカードを取り出す
- SIMカードを乾いた柔らかい布で軽く拭く
- 傷や変形がないか目視で確認
- SIMカードを正しい向きでトレーに戻す
- トレーをしっかり閉じる
- iPhoneの電源を入れる
SIMトレーの場所:
- iPhone 12以降:本体の左側面
- iPhone 11以前:本体の右側面
【対処法7】キャリア設定をアップデートする
キャリア設定とは、通信会社の設定情報のことです。これが古いと、接続に問題が出ることがあります。
アップデート手順:
- iPhoneをWi-Fiに接続する
- 「設定」→「一般」→「情報」の順にタップ
- キャリア設定のアップデートがあれば、ポップアップが表示される
- 「アップデート」をタップ
何も表示されなければ、すでに最新の状態です。
【対処法8】iOSを最新バージョンにアップデートする
古いiOSが原因の場合は、アップデートで解決します。
アップデート手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」をタップ
- 「iOSは最新です」と表示されればOK
- アップデートがある場合は「ダウンロードしてインストール」をタップ
注意:アップデートには時間がかかるので、Wi-Fi環境で、充電しながら行いましょう。
【対処法9】ネットワーク設定をリセットする
ネットワーク関連の設定に問題がある場合、リセットすることで解決できます。
重要な注意点:
この操作を行うと、保存されているWi-Fiのパスワードなどがすべて消去されます。再設定が必要になるので、Wi-Fiパスワードを確認してから行いましょう。
リセット手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力
- もう一度「ネットワーク設定をリセット」をタップして確認
リセット後、iPhoneが再起動します。
【対処法10】料金の未払いを確認する
意外と忘れがちですが、料金の支払いが滞っていると、回線が止められることがあります。
通信会社のマイページやアプリで、支払い状況を確認してみましょう。未払いがあれば、すぐに支払えば復旧します。
それでも解決しない場合の対応

上記の方法を試しても圏外のままなら、以下の対応を検討しましょう。
キャリアに問い合わせる
こんな時はキャリアに連絡:
- SIMカードが破損している(交換が必要)
- アカウントに問題がある
- 料金未払いで回線が停止している
- 通信障害の詳細を知りたい
キャリアのサポートセンターやショップで相談できます。SIMカードの交換は有償ですが、すぐに対応してもらえます。
Apple サポートに相談する
ソフトウェアの問題が疑われる場合や、AppleCare+に加入している場合は、Appleサポートに相談するのも良い選択肢です。
オンラインチャットや電話サポート、Apple Storeでの予約診断などが利用できます。
修理店に持ち込む
修理が必要な可能性が高いケース:
- 水没インジケータが赤色になっている
- 落下や衝撃の後から圏外になった
- 何をしても改善しない
Apple正規サービスプロバイダや街の修理店に相談しましょう。
修理費用の目安:
- Apple正規:数千円〜数万円(保証の有無による)
- 街の修理店:比較的安価で即日対応が多い(ただし非正規修理となる)
特定機種の問題:iPhone 7のリコール
iPhone 7の一部で、メインロジックボードの故障により圏外になる問題が確認されています。
対象機種:
- 2016年9月〜2018年2月製造
- 中国、香港、日本、マカオ、米国で販売されたiPhone 7
ただし、2022年にこの修理プログラムは終了しているため、該当する場合は買い替えを検討した方が良いでしょう。
圏外を予防するポイント
圏外トラブルを避けるために、日頃から気をつけたいポイントを紹介します。
【予防1】水濡れに注意する
- お風呂場でiPhoneを使わない
- 飲み物のそばに置かない
- 雨の日は防水ケースを使う
- 急激な温度変化を避ける(結露予防)
【予防2】落下を防ぐ
- 保護ケースを使う
- ストラップをつける
- 高い場所に置かない
【予防3】定期的にアップデートする
- iOSを最新バージョンに保つ
- キャリア設定のアップデートを確認する
【予防4】SIMカードを大切に扱う
- 頻繁に出し入れしない
- 抜き差しする時は必ず電源を切る
- 汚れたら柔らかい布で拭く
よくある質問(FAQ)
Q1:圏外なのにWi-Fiは使えます。これは故障ですか?
いいえ、故障ではありません。Wi-Fiとモバイル通信は別の電波なので、Wi-Fiだけ使える状態は普通にあります。ただし、圏外の原因を探って対処する必要はあります。
Q2:圏外から復旧するまでどれくらいかかりますか?
原因によります。設定の問題なら数分、通信障害なら数時間、ハードウェアの故障なら修理が必要です。
Q3:eSIMを使っていますが、圏外になりました。
eSIMでも対処法は基本的に同じです。ただし、SIMカードの抜き差しはできないので、その対処法はスキップしてください。
Q4:海外で圏外になりました。
ローミング設定を確認してください。「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データローミング」をオンにします。
Q5:再起動しても改善しません。次は何を試せばいいですか?
機内モードのオン・オフ、SIMカードの抜き差し、ネットワーク設定のリセットの順番で試してみてください。
Q6:圏外病は直りますか?
多くの場合、適切な対処で改善します。ただし、ハードウェアの故障が原因の場合は修理が必要です。
Q7:中古のiPhoneを買ったら圏外でした。
SIMロックがかかっている可能性があります。販売店やキャリアに確認してください。また、ネットワーク利用制限がかかっていないかも確認しましょう。
まとめ:圏外トラブルは落ち着いて対処しよう
iPhoneが圏外になると焦りますが、多くの場合は自分で解決できます。
まず試すべき対処法TOP5:
- 場所を移動する
- iPhoneを再起動する
- 機内モードをオン・オフする
- SIMカードを抜き差しする
- モバイルデータ通信の設定を確認する
これらを試しても改善しない場合は、通信会社やAppleサポート、修理店に相談しましょう。
大切なポイント:
- 水没確認をしてから再起動する(ショートのリスク回避)
- ネットワーク設定のリセットは、Wi-Fiパスワードを確認してから
- 通信障害の可能性も考慮する
- 無理に自分で直そうとせず、必要なら専門家に相談
日頃から水濡れや落下に注意して、定期的にアップデートを行っていれば、圏外トラブルはかなり減らせます。
もし圏外になってしまっても、この記事の対処法を順番に試してみてくださいね。きっと解決できるはずです!

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