「iPhoneを売りたいけど、データの消し方がわからない…」「iPhoneの調子が悪いから、一度リセットしたい」「機種変更するから、古いiPhoneを初期化したい」そんな悩みを抱えていませんか?
iPhoneを初期化する、つまり工場出荷時の状態に戻すことは、実はそれほど難しくありません。でも、間違った手順で進めると、大切なデータが復元できなくなったり、次の持ち主がiPhoneを使えなくなったりする可能性があるんです。
初期化とは、iPhoneに保存されているすべてのデータや設定を完全に消去することです。写真や動画、連絡先、アプリ、設定…すべてが消えて、購入時の状態に戻ります。
この記事では、iPhoneを初期化する前に必ずやっておくべき準備から、具体的な初期化の手順、パスコードを忘れた場合の対処法、初期化後のデータ復元方法まで、初心者の方にもわかりやすく詳しく解説します。
安全に、そして確実にiPhoneを初期化する方法を学んで、次のステップに進みましょう!
iPhoneの初期化って何?基本を理解しよう

まずは、初期化について基本的なことを理解しておきましょう。
初期化とは
初期化(工場出荷時の設定に戻す)とは、iPhoneに保存されているすべてのデータと設定を完全に消去して、購入したばかりの状態に戻すことです。
英語では「Factory Reset(ファクトリーリセット)」と呼ばれ、文字通り「工場出荷時の状態に戻す」という意味です。
初期化で消えるデータ
初期化を実行すると、以下のデータがすべて消去されます。
消えるデータ:
- 写真・動画:カメラで撮影した写真や動画すべて
- 連絡先:電話帳に登録している連絡先
- メッセージ:SMSやiMessageの履歴
- アプリ:ダウンロードしたすべてのアプリとそのデータ
- 音楽:iPhoneに保存している音楽ファイル
- 各種設定:Wi-Fi設定、壁紙、通知設定、パスコードなど
- Apple Payの情報:登録したクレジットカードや交通系ICカード
- ブラウザの履歴とCookie:SafariやChromeの閲覧履歴
- メールアカウント:メールの設定情報
- カレンダーの予定:登録したイベントやリマインダー
要するに、あなたが設定・保存したものはすべて消えると考えてください。
初期化で消えないもの
一方で、以下のものは初期化しても消えません。
消えないもの:
- iOSのバージョン:例えば、iOS 17にアップデート済みなら、初期化後もiOS 17のまま
- iCloudに保存されているデータ:iCloudにバックアップされた写真や動画、連絡先など
- Apple IDの購入履歴:App StoreやiTunes Storeでの購入記録
- サブスクリプション:継続中のサブスクサービス(ただし、解約は別途必要)
- SIMカードの情報:電話番号や契約者情報(SIMカード自体は物理的に残る)
つまり、iCloudに保存されているものは安全ということです。
iPhoneを初期化する3つのタイミング
iPhoneを初期化する必要があるのは、主に以下の3つのケースです。
1. iPhoneを手放す時(売却・譲渡・下取り)
iPhoneを売ったり、誰かに譲ったり、下取りに出したりする時は、必ず初期化が必要です。
初期化しないと、個人情報が流出する危険があります。写真や動画、連絡先、SNSのアカウント、クレジットカード情報など、すべて次の持ち主に見られてしまう可能性があるんです。
また、多くの買取業者や下取りプログラムでは、初期化が済んでいないiPhoneは受け付けてくれません。
2. iPhoneに不具合がある時
iPhoneを長く使っていると、こんな不具合が起こることがあります。
- アプリの動作が遅い
- 画面のタッチ反応が悪い
- 勝手に再起動する
- カメラが起動しない
- 特定のアプリがクラッシュする
こうした不具合の多くは、ソフトウェアの問題が原因です。初期化すると、不要なデータやバグのある設定がリセットされて、不具合が改善する可能性があります。
ただし、ハードウェア(本体の部品)が故障している場合は、初期化しても改善しません。その場合は、Appleやキャリアのサポートに相談しましょう。
3. iPhoneを紛失・盗難された時
iPhoneを紛失したり盗まれたりして、どうしても見つからない場合は、遠隔で初期化することができます。
「iPhoneを探す」機能を使えば、iCloud.comから遠隔操作で初期化できるので、個人情報の流出を防ぐことができます。
初期化する前に必ずやっておくべき5つの準備
初期化の手順に進む前に、必ず以下の準備を済ませておきましょう。この準備を怠ると、大切なデータが失われたり、後で困ったことになったりします。
【準備1】iCloudまたはパソコンでバックアップを取る
初期化すると、iPhoneのデータはすべて消えてしまいます。後でデータを復元できるように、必ずバックアップを取っておきましょう。
バックアップの方法は2つあります。
方法A:iCloudでバックアップ(簡単・おすすめ)
iCloudを使えば、iPhoneだけでバックアップが取れます。
手順:
- Wi-Fiに接続する(モバイルデータではバックアップできません)
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前(Apple ID)をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- バックアップが完了するまで待つ(Wi-Fiに接続したまま)
注意点:
- iCloudの無料プランは5GBまで。容量が足りない場合は、不要なデータを削除するか、有料プラン(iCloud+)にアップグレードする必要があります
- バックアップには数分〜数十分かかることがあります
- 最後にバックアップした日時が表示されるので、確認しておきましょう
方法B:パソコン(Mac/Windows)でバックアップ
パソコンを使ってバックアップすることもできます。こちらの方が容量制限がありません。
Macの場合(macOS Catalina 10.15以降):
- iPhoneをMacにUSBケーブルで接続
- Finderを開く
- サイドバーで自分のiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップが完了するまで待つ
Windowsの場合(またはmacOS Mojave 10.14以前のMac):
- iTunesを最新版にアップデート
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続
- iTunesを開く
- iPhoneのアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップが完了するまで待つ
【準備2】「iPhoneを探す」をオフにする
初期化する前に、「iPhoneを探す」機能を必ずオフにしておきましょう。
この機能がオンのままだと、アクティベーションロックがかかったままになります。アクティベーションロックとは、盗難防止のための機能で、Apple IDとパスワードがないとiPhoneを使えなくする仕組みです。
iPhoneを売却や譲渡する場合、この機能がオンのままだと、次の持ち主がiPhoneを使えなくなってしまいます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前(Apple ID)をタップ
- 「探す」をタップ
- 「iPhoneを探す」をタップ
- 「iPhoneを探す」のスイッチをオフにする
- Apple IDのパスワードを入力
- 画面右上の「オフにする」をタップ
これで「iPhoneを探す」がオフになりました。
【準備3】Apple Watchのペアリングを解除する(使用している場合)
Apple Watchを使っている場合は、初期化する前にペアリング(接続)を解除しておきましょう。
解除せずに初期化すると、次に新しいiPhoneでApple Watchを使う時に問題が起こる可能性があります。
手順:
- iPhoneの「Watch」アプリを開く
- 画面下部の「マイウォッチ」タブをタップ
- 画面上部の自分のApple Watchをタップ
- 「i」(情報)マークをタップ
- 「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップ
- もう一度確認画面が出るので、再度タップ
- Apple IDのパスワードを入力
- ペアリング解除が完了するまで待つ
ペアリングを解除すると、Apple Watchも自動的に初期化されます。
【準備4】Apple PayからSuica・PASMOを削除する(使用している場合)
Apple PayにSuicaやPASMOを登録している場合は、初期化する前に削除(サーバーに退避)しておきましょう。
削除せずに初期化すると、残高が移行できなくなる可能性があります。
手順:
- 「Wallet」アプリを開く
- 削除したいSuicaまたはPASMOをタップ
- 画面右上の「…」(3点リーダー)をタップ
- 「このカードを削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
これで、SuicaやPASMOの情報がAppleのサーバーに一時保存されます。新しいiPhoneでWalletアプリにサインインすれば、残高ごと復元できます。
【準備5】iMessageの登録を解除する(Androidに機種変更する場合)
iPhoneからAndroidスマホに機種変更する場合は、iMessageとFaceTimeの登録を解除しておきましょう。
解除しないと、機種変更後にSMSやメッセージが正しく届かなくなる可能性があります。
iMessageの解除手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「メッセージ」をタップ
- 「iMessage」のスイッチをオフにする
FaceTimeの解除手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「FaceTime」をタップ
- 「FaceTime」のスイッチをオフにする
iPhoneからiPhoneへの機種変更の場合は、この手順は不要です。
iPhoneを初期化する方法(iPhone本体から)

準備が整ったら、いよいよ初期化の手順に進みましょう。最も一般的な方法は、iPhone本体の設定から初期化する方法です。
対象:iOS 15以降
iOS 15以降のiPhoneでは、以下の手順で初期化します。
ステップ1:設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリ(歯車のアイコン)をタップします。
ステップ2:一般を選択
設定画面で「一般」をタップします。
ステップ3:転送またはiPhoneをリセットを選択
画面を下にスクロールして、一番下にある「転送またはiPhoneをリセット」をタップします。
ステップ4:すべてのコンテンツと設定を消去を選択
「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップします。
この時点で、初期化で消去される内容が表示されます。準備が済んでいない場合は、「今はしない」をタップして戻りましょう。
問題なければ、「続ける」をタップします。
ステップ5:バックアップの確認
iCloudへのバックアップがまだ完了していない場合、以下のような選択肢が表示されることがあります。
- 「アップロードを完了してから消去」:iCloudへのバックアップを完了してから初期化する
- 「今すぐ消去」:バックアップせずにすぐに初期化する
既にバックアップが完了している場合は、この画面は表示されません。
ステップ6:パスコードを入力
iPhoneのパスコード(ロック画面のパスワード)を入力します。
パスコードを設定していない場合は、この画面は表示されません。
ステップ7:Apple IDのパスワードを入力
「iPhoneを探す」をオフにするために、Apple IDのパスワードを入力します。
すでに「iPhoneを探す」をオフにしている場合は、この画面は表示されません。
ステップ8:eSIMの選択(該当する場合)
eSIM(物理的なSIMカードではなく、内蔵型のSIM)を使用している場合、以下の選択肢が表示されます。
- 「eSIMを削除してデータを消去」:eSIMも完全に削除する(売却・譲渡する場合はこちら)
- 「eSIMを保持してデータを消去」:eSIMは残しておく(同じiPhoneを再セットアップする場合はこちら)
物理的なSIMカードを使用している場合は、この画面は表示されません。
ステップ9:iPhoneを消去をタップ
最終確認画面で「iPhoneを消去」をタップします。
ここからは元に戻せないので、本当に消去して良いか、もう一度確認してください。
ステップ10:初期化の完了を待つ
初期化が始まります。画面にAppleロゴが表示され、数分〜十数分かかります。
初期化が完了すると、iPhoneが再起動して、「こんにちは」「Hello」といったメッセージが画面に表示されます。
これで初期化は完了です!
対象:iOS 14以前
iOS 14以前のiPhoneでは、手順が少し異なります。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- 必要に応じてバックアップの選択肢を選ぶ
- パスコードを入力
- Apple IDのパスワードを入力
- 「iPhoneを消去」をタップ
- 初期化の完了を待つ
基本的な流れは、iOS 15以降と同じです。
パソコンを使ってiPhoneを初期化する方法
iPhoneが正常に動作しない場合や、パスコードを忘れた場合は、パソコンを使って初期化することができます。
必要なもの
- Mac(macOS Catalina 10.15以降)またはWindowsパソコン
- USBケーブル(iPhoneとパソコンを接続するもの)
- 最新版のiTunes(Windowsの場合)
Macの場合(macOS Catalina 10.15以降)
macOS Catalina以降のMacでは、iTunesの代わりにFinderを使います。
手順:
- MacとiTunesまたはFinderを最新版にアップデート
- 「iPhoneを探す」をオフにする(iPhone本体で)
- iPhoneをMacにUSBケーブルで接続
- 「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されたら、iPhoneで「信頼」をタップ
- MacでFinderを開く
- サイドバー(左側)の「場所」セクションで、自分のiPhoneを選択
- 画面右上の「iPhoneを復元…」ボタンをクリック
- 「iPhoneを探す」がオンになっている場合、サインアウトを求められるので、Apple IDとパスワードを入力
- 確認画面で再度「復元」をクリック
- iPhoneのデータが消去され、最新版のiOSがインストールされる
- 完了するまで待つ(15分以上かかることがある)
Windowsの場合(またはmacOS Mojave以前のMac)
Windowsパソコン、またはmacOS Mojave 10.14以前のMacでは、iTunesを使います。
手順:
- iTunesを最新版にアップデート
- 「iPhoneを探す」をオフにする(iPhone本体で)
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続
- 「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されたら、iPhoneで「信頼」をタップ
- パソコンでiTunesを開く
- 画面左上のiPhoneのアイコンをクリック
- 画面右側の「iPhoneを復元…」ボタンをクリック
- 「iPhoneを探す」がオンになっている場合、サインアウトを求められるので、Apple IDとパスワードを入力
- 確認画面で再度「復元」をクリック
- iPhoneのデータが消去され、最新版のiOSがインストールされる
- 完了するまで待つ(15分以上かかることがある)
注意点
- パソコンを使った初期化では、最新版のiOSが自動的にインストールされます
- ダウンロードに15分以上かかる場合、iPhoneがリカバリーモードを終了してしまうことがあります。その場合は、ダウンロードが完了してから、再度リカバリーモードに入り直してください
- eSIMは削除されません。必要に応じて、初期化後に手動で削除してください
パスコードを忘れた場合の初期化方法(リカバリーモード)

「パスコードを忘れてしまった!」「パスコードを何度も間違えて、iPhoneが使用できなくなった!」そんな時は、リカバリーモードを使って初期化する必要があります。
この方法を使うと、パスコードがわからなくても初期化できます。
必要なもの
- Mac(macOS Catalina 10.15以降)またはWindowsパソコン
- USBケーブル
手順
ステップ1:iPhoneの電源を切る
まず、iPhoneの電源を完全に切ります。
iPhone 8以降(ホームボタンがない機種):
- サイドボタンと音量ボタン(どちらか)を同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スライドして電源を切る
iPhone 7、iPhone 7 Plus:
- サイドボタン(またはトップボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スライドして電源を切る
iPhone 6s以前(ホームボタンがある機種):
- サイドボタン(またはトップボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スライドして電源を切る
ステップ2:パソコンを準備
Mac(Finder)またはWindows(iTunes)を開いて準備します。
ステップ3:iPhoneをリカバリーモードにする
iPhoneをパソコンに接続しながら、特定のボタンを押して、リカバリーモードに入ります。
iPhone 8以降(ホームボタンがない機種):
- USBケーブルでiPhoneとパソコンを接続
- すぐにサイドボタンを押し続ける
- Appleロゴが表示されても、ボタンを押し続ける
- パソコンとケーブルの画像が表示されるまで、ボタンを押し続ける
iPhone 7、iPhone 7 Plus:
- USBケーブルでiPhoneとパソコンを接続
- すぐに音量を下げるボタンを押し続ける
- Appleロゴが表示されても、ボタンを押し続ける
- パソコンとケーブルの画像が表示されるまで、ボタンを押し続ける
iPhone 6s以前(ホームボタンがある機種):
- USBケーブルでiPhoneとパソコンを接続
- すぐにホームボタンを押し続ける
- Appleロゴが表示されても、ボタンを押し続ける
- パソコンとケーブルの画像が表示されるまで、ボタンを押し続ける
ステップ4:復元をクリック
パソコンの画面に、「復元」または「アップデート」の選択肢が表示されます。
「復元」をクリックします。
ステップ5:完了を待つ
iPhoneのデータが消去され、最新版のiOSがインストールされます。
15分以上かかることがあるので、気長に待ちましょう。
遠隔でiPhoneを初期化する方法(iPhoneを探す)
iPhoneを紛失・盗難された場合、または手元にないiPhoneを初期化したい場合は、iCloudから遠隔で初期化できます。
必要な条件
- 初期化したいiPhoneで「iPhoneを探す」がオンになっていること
- 別のデバイス(パソコン、別のiPhone、iPadなど)とインターネット接続
- Apple IDとパスワード
手順
ステップ1:iCloud.comにアクセス
パソコンまたは別のデバイスのブラウザで、iCloud.comにアクセスします。
ステップ2:Apple IDでサインイン
Apple IDとパスワードを入力してサインインします。
ステップ3:「iPhoneを探す」を開く
サインインすると、iCloudの画面が表示されます。
「iPhoneを探す」(またはデバイスのアイコン)をクリックします。
ステップ4:初期化したいiPhoneを選択
画面上部の「すべてのデバイス」をクリックして、初期化したいiPhoneを選択します。
ステップ5:「iPhoneを消去」をクリック
iPhoneの情報が表示されたら、「iPhoneを消去」をクリックします。
ステップ6:Apple IDのパスワードを入力
確認のため、Apple IDのパスワードを再度入力します。
ステップ7:初期化の完了を待つ
iPhoneがオンラインになっている場合は、すぐに初期化が始まります。
オフライン(電源が切れている、インターネットに接続していない)の場合は、次回オンラインになった時に自動的に初期化されます。
重要な注意点
この方法で初期化しても、アクティベーションロックは解除されません。つまり、iPhoneはあなたのApple IDに紐付いたままです。
- メリット:盗まれたiPhoneを第三者が使えなくなる
- デメリット:売却・譲渡する場合は、別途アクティベーションロックを解除する必要がある
売却・譲渡する場合は、初期化後にiCloud.comの「デバイスを探す」から、デバイスをアカウントから削除(サインアウト)する必要があります。
初期化後のデータ復元方法
初期化したiPhoneを再度使う場合、または新しいiPhoneにデータを移す場合は、バックアップからデータを復元できます。
iCloudバックアップから復元する方法
手順:
- 初期化されたiPhone(または新しいiPhone)の電源を入れる
- 言語や地域の設定を進めていく
- 「Appとデータ」画面が表示されたら、「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDでiCloudにサインインする
- 復元したいバックアップを選択する(日付とサイズで判断)
- Apple IDのパスワードを入力(購入したアプリやコンテンツを復元するため)
- 復元が完了するまで待つ(数分〜数時間かかることがある)
- Wi-Fiに接続したまま待機する
復元が完了すると、写真や動画、連絡先、アプリなどがすべて元通りになります。
パソコンのバックアップから復元する方法
Macの場合:
- iPhoneをMacにUSBケーブルで接続
- Finderを開く
- サイドバーで自分のiPhoneを選択
- 「バックアップを復元…」をクリック
- 復元したいバックアップを選択
- 「復元」をクリック
- 復元が完了するまで待つ
Windowsの場合:
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続
- iTunesを開く
- iPhoneのアイコンをクリック
- 「バックアップを復元…」をクリック
- 復元したいバックアップを選択
- 「復元」をクリック
- 復元が完了するまで待つ
よくある質問(FAQ)
Q1. 初期化するとiOSのバージョンは変わる?
iPhone本体から初期化した場合、iOSのバージョンは変わりません。
例えば、iOS 17にアップデート済みのiPhoneを初期化しても、iOS 17のままです。
ただし、パソコンを使って初期化(復元)した場合は、最新版のiOSが自動的にインストールされます。
Q2. 初期化したら、アプリの中のデータも消える?
はい、アプリ内のデータもすべて消えます。
ゲームのセーブデータ、LINEのトーク履歴、写真編集アプリで作成した画像など、すべて削除されます。
ただし、アプリによっては独自のバックアップ機能があるので、初期化前に確認しておきましょう。
例:
- LINE:トーク履歴のバックアップ機能あり
- ポケモンGO:Googleアカウントなどと連携していればデータ引き継ぎ可能
Q3. 初期化すると、Apple IDも消える?
いいえ、Apple IDは消えません。
Apple IDはAppleのサーバーに保存されているので、初期化してもアカウント自体は残ります。
ただし、iPhoneからはサインアウト(ログアウト)された状態になります。
Q4. SIMカードは初期化前に抜いた方が良い?
SIMカードは抜いても抜かなくても、どちらでも大丈夫です。
初期化してもSIMカードの情報(電話番号や契約情報)は消えません。
ただし、売却・譲渡する場合は、SIMカードは抜いて持っておきましょう。
Q5. 初期化にかかる時間はどのくらい?
初期化自体は、数分〜10分程度で完了します。
ただし、以下の場合は時間がかかることがあります。
- iCloudへのバックアップが完了していない場合:数十分〜数時間
- パソコンから初期化する場合:最新iOSのダウンロードに15分以上
Q6. 初期化を途中でキャンセルできる?
いいえ、初期化が始まったら、途中でキャンセルすることはできません。
「iPhoneを消去」をタップする前に、本当に初期化して良いか、もう一度確認してください。
Q7. 初期化しても、iPhoneが起動しない
パソコンを使ったリカバリーモードでの初期化を試してください。
それでも起動しない場合は、ハードウェアの故障の可能性があります。Apple StoreまたはApple正規サービスプロバイダに相談しましょう。
Q8. パスコードを何度も間違えて「iPhoneは使用できません」と表示される
パスコードを10回間違えると、iPhoneは完全にロックされます。
この場合、リカバリーモードを使ってパソコンから初期化するしかありません。パスコードなしで初期化できます。
Q9. 初期化したら、Apple Payの交通系ICカードの残高はどうなる?
初期化前にWalletアプリから交通系ICカードを削除(サーバーに退避)しておけば、残高はそのまま保存されます。
新しいiPhoneで再度Walletアプリにサインインすれば、残高ごと復元できます。
削除せずに初期化すると、残高が失われる可能性があるので注意してください。
Q10. 初期化しても、次の持ち主が私のデータを復元できる?
いいえ、初期化すれば、データを復元することはできません。
初期化は、専門業者でも復元できないレベルでデータを完全に消去します。
ただし、確実に安全な状態にするには、「iPhoneを探す」をオフにして、Apple IDからサインアウトしておくことが重要です。
まとめ
iPhoneの初期化方法について、準備から手順、トラブル対処まで詳しく解説しました。
初期化前に必ずやること:
- バックアップを取る:iCloudまたはパソコンで
- 「iPhoneを探す」をオフにする:アクティベーションロック解除のため
- Apple Watchのペアリングを解除する:使用している場合
- Apple PayからSuica・PASMOを削除する:使用している場合
- iMessageの登録を解除する:Androidに機種変更する場合
iPhone本体から初期化する手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」
- 必要に応じてバックアップを完了
- パスコードとApple IDのパスワードを入力
- eSIMの選択(該当する場合)
- 「iPhoneを消去」をタップ
- 完了を待つ
パスコードを忘れた場合:
- iPhoneの電源を切る
- パソコンと接続
- リカバリーモードに入る
- 「復元」をクリック
- 完了を待つ
データ復元の方法:
- 初期化後の初期設定で「iCloudバックアップから復元」を選択
- Apple IDでサインイン
- 復元したいバックアップを選択
- 完了を待つ
重要なポイント:
- 初期化すると、すべてのデータと設定が消去される
- 事前にバックアップを取らないと、データは復元できない
- 「iPhoneを探す」をオフにしないと、次の持ち主が使えなくなる
- 初期化が始まったら、途中でキャンセルできない
- iOSのバージョンは変わらない(iPhone本体から初期化の場合)
iPhoneを初期化する理由はさまざまですが、正しい手順で進めれば、安全に初期化できます。特に、iPhoneを手放す場合は、個人情報保護のために必ず初期化してくださいね。
もし手順でわからないことがあったり、初期化がうまくいかなかったりする場合は、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダに相談することをおすすめします。専門スタッフが丁寧にサポートしてくれますよ。
あなたのiPhoneが、新しい持ち主のもとで活躍できますように!または、不具合が解消されて、快適に使えるようになりますように!


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