「外出先でパソコンを使いたいけど、Wi-Fiがない…」
そんな時に役立つのがiPadのインターネット共有(テザリング)機能です。iPadのモバイル回線を他のデバイスと共有できるので、どこでも快適にインターネットが使えますよ。
この記事では、iPadでインターネット共有を設定する方法から、うまく接続できない時の対処法まで、わかりやすく解説していきます。
【重要】iPadのインターネット共有が使えるのはCellularモデルだけ

まず最初に知っておきたいのが、すべてのiPadでインターネット共有が使えるわけではないということです。
インターネット共有(テザリング)を使えるのは、Wi-Fi + CellularモデルのiPadだけなんですね。このモデルは携帯電話の回線(モバイルデータ通信)が使えるタイプのことです。
Wi-FiモデルのiPadでは使えません。Wi-Fiモデルは、Wi-Fiネットワークに接続してインターネットを利用するタイプで、モバイル回線を持っていないためです。
自分のiPadがどちらのモデルか確認するには、背面を見てください。Cellularモデルには「iPad + Cellular」と記載されていますし、SIMカードスロットがあるのが特徴です。
インターネット共有ってどんな機能?
インターネット共有は、iPadのモバイルデータ通信を他のデバイスと共有する機能のことです。「テザリング」や「パーソナルホットスポット」とも呼ばれています。
例えば以下のような場面で便利に使えます:
- カフェでWi-Fiが混雑していて繋がらない時
- 新幹線や飛行機の中でパソコンを使いたい時
- 外出先で急ぎの仕事をする必要がある時
- 複数のデバイスをインターネットに繋げたい時
iPadがモバイルWi-Fiルーターのような役割を果たしてくれるイメージですね。
iPadでインターネット共有を設定する基本手順
それでは、具体的な設定方法を見ていきましょう。
手順1:設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリをタップします。
手順2:モバイル通信を選択
「モバイル通信」をタップしてください。
手順3:インターネット共有を設定
「“インターネット共有”を設定」という項目が表示されるので、これをタップします。
もし「インターネット共有」の項目が見つからない場合は、「設定」→「インターネット共有」の順にアクセスすることもできます。
手順4:接続を許可する
「ほかの人の接続を許可」のスイッチをオンにします。
これでインターネット共有が有効になりました!
手順5:Wi-Fiパスワードを確認
画面に表示されるWi-Fiパスワードをメモしておきましょう。他のデバイスから接続する際に必要になります。
パスワードは必要に応じて変更することもできますよ。セキュリティのため、推測されにくい8文字以上のパスワードを設定するのがおすすめです。
他のデバイスからiPadのインターネット共有に接続する3つの方法
iPadのインターネット共有には、Wi-Fi、Bluetooth、USBの3つの接続方法があります。
方法1:Wi-Fiで接続する(最も一般的)
パソコンやスマホから接続する場合の手順:
- 接続したいデバイスのWi-Fi設定を開く
- 利用可能なネットワーク一覧からiPadの名前を探す
- iPadの名前をタップして選択する
- 先ほど確認したWi-Fiパスワードを入力
- 接続完了!
iPadの名前は「設定」→「一般」→「情報」から確認・変更できます。
方法2:Bluetoothで接続する
Bluetooth接続はバッテリーの消費が少ないのがメリットです。ただし、Wi-Fiよりも通信速度は遅くなります。
接続手順:
- iPadで「設定」→「Bluetooth」を開き、Bluetoothをオンにする
- 接続したいデバイス(Macなど)でもBluetoothをオンにする
- デバイス側でiPadを選択してペアリングする
- ペアリングコードが表示されたら確認して接続
一度ペアリングすれば、次回からは簡単に再接続できますよ。
方法3:USBケーブルで接続する
MacやWindowsパソコンに接続する場合、USBケーブルを使う方法もあります。
接続手順:
- iPadとパソコンをUSBケーブルで接続
- iPadに「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されたら「信頼」をタップ
- パソコン側で自動的にiPadが認識される
- パソコンのネットワーク設定で、iPadを選択すれば接続完了
USB接続は充電しながらインターネットが使えるので、長時間作業する時に便利です。
同じApple IDなら超便利!Instant Hotspot機能
もし複数のAppleデバイスを持っていて、同じApple IDでサインインしている場合は、「Instant Hotspot」という便利な機能が使えます。
この機能を使えば:
- iPadでインターネット共有をオンにしなくても接続できる
- パスワードを入力する必要がない
- 自動的に接続・切断してくれる
設定は簡単で、すべてのデバイスで以下の条件を満たすだけです:
- 同じApple IDでiCloudにサインインしている
- Wi-FiとBluetoothがオンになっている
- 近くにデバイスがある
これだけで、iPhoneやMacのWi-Fi設定を開くと、iPadの名前が表示されてワンタップで接続できるんです。とても便利ですよね!
ファミリー共有でパスワード不要!家族との共有方法
iOS 13以降では、ファミリー共有を設定している家族メンバーとインターネット共有をスムーズに共有できます。
設定手順
- 「設定」→「インターネット共有」を開く
- 「ファミリー共有」をタップ
- ファミリー共有をオンにする
- 各家族メンバーごとに「自動」または「承認を求める」を選択
「自動」に設定すると、家族のデバイスが自動的に接続されます。
「承認を求める」にすると、接続するたびに確認画面が表示されるので、セキュリティを重視したい場合におすすめです。
インターネット共有ができない時の対処法7選

設定したのにうまく接続できない…そんな時に試してほしい解決策をまとめました。
対処法1:インターネット共有がオンになっているか確認
まず基本として、「設定」→「インターネット共有」で「ほかの人の接続を許可」がオンになっているか確認しましょう。
設定画面を開いたまま、他のデバイスから接続を試すとうまくいくことがあります。
対処法2:iPadと接続デバイスを再起動
一番シンプルで効果的な方法が再起動です。
iPadと、接続したいデバイス(パソコンやスマホ)の両方を再起動してみてください。これだけで多くの問題が解決します。
対処法3:「互換性を優先」をオンにする
iPhone 12以降、iPad Pro 11インチ(第3世代以降)、iPad Pro 12.9インチ(第5世代以降)、iPad mini(第6世代)を使っている場合は、この設定が有効です。
「設定」→「インターネット共有」→「互換性を優先」をオンにしてみましょう。
ただし、この設定をオンにすると通信速度やセキュリティが若干低下する可能性があるので注意が必要です。
対処法4:Wi-FiとBluetoothをオフ→オンにする
接続したいデバイス側で、Wi-FiとBluetoothを一度オフにしてから再度オンにしてみてください。
これだけでネットワークがリフレッシュされて、接続できるようになることがあります。
対処法5:ネットワーク設定をリセット
上記の方法で解決しない場合は、ネットワーク設定のリセットを試してみましょう。
リセット手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力して確定
注意点として、この操作を行うと保存されているWi-Fiのパスワードなども削除されるので、再設定が必要になります。
対処法6:iPadOSを最新バージョンにアップデート
古いバージョンのOSを使っていると、インターネット共有がうまく動作しないことがあります。
「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から、最新版へのアップデートを確認しましょう。
対処法7:通信事業者に確認する
「インターネット共有」の項目自体が表示されない場合は、契約しているプランがインターネット共有に対応していない可能性があります。
通信事業者(ドコモ、au、ソフトバンクなど)に問い合わせて、以下を確認してください:
- 契約プランでテザリング(インターネット共有)が使えるか
- オプション料金が必要か
- データ使用量に制限があるか
インターネット共有を使う時の注意点
便利なインターネット共有ですが、いくつか注意したいポイントがあります。
データ通信量に注意
インターネット共有を使うと、iPadのモバイルデータ通信を消費します。
動画視聴や大きなファイルのダウンロードを行うと、あっという間にデータ量を使い切ってしまうことも。データプランの上限を超えると追加料金が発生したり、通信速度が制限されたりするので注意が必要です。
現在のデータ使用量は「設定」→「モバイル通信」から確認できます。
バッテリーの消耗が早い
インターネット共有をオンにしていると、バッテリーの減りが通常より早くなります。
長時間使う予定がある場合は、モバイルバッテリーを用意しておくか、USB接続で充電しながら使うのがおすすめです。
使わない時はオフにする
インターネット共有をオンにしたままにしておくと、知らないうちに他のデバイスが接続して、データ通信量を消費してしまう可能性があります。
使い終わったら必ず「ほかの人の接続を許可」をオフにする習慣をつけましょう。
接続台数に制限がある
同時に接続できるデバイスの数は、通信事業者やiPadのモデルによって異なります。
一般的には3〜5台程度が上限となっていることが多いです。詳しくは契約している通信事業者に確認してみてください。
Wi-Fi接続中のiPadからは共有できない
重要なポイントとして、iPadがWi-Fiネットワークに接続している状態では、そのWi-Fi接続を他のデバイスと共有することはできません。
インターネット共有で使えるのは、あくまでiPadのモバイルデータ通信のみです。
接続中のデバイスを確認する方法
現在何台のデバイスが接続しているかは、簡単に確認できます。
iPadの画面上部に青いバーが表示され、「インターネット共有中」と表示されます。この部分をタップすると、インターネット共有の設定画面が開いて、接続台数を確認できますよ。
セキュリティを高めるためのパスワード設定のコツ
他人に勝手に接続されないよう、パスワードはしっかり設定しましょう。
良いパスワードの条件:
- 8文字以上にする
- 英字、数字、記号を組み合わせる
- 誕生日や電話番号など推測しやすい内容は避ける
- 定期的に変更する
パスワードは「設定」→「インターネット共有」→「”Wi-Fi”のパスワード」からいつでも変更できます。
こんな時どうする?よくある質問
Q. Wi-FiモデルのiPadでもテザリングできる?
A. 残念ながら、Wi-FiモデルのiPadではテザリングはできません。
Wi-Fiモデルにはモバイルデータ通信機能がないため、インターネット共有の機能自体が搭載されていないんです。テザリングを使いたい場合は、Wi-Fi + Cellularモデルを選ぶ必要があります。
Q. 通信速度はどれくらい出る?
A. iPadのモバイル回線の速度に依存します。
4G LTE接続なら10〜50Mbps程度、5G接続なら100Mbps以上出ることもあります。ただし、接続しているデバイスの台数や電波状況によって変動するので注意しましょう。
Q. 海外でも使える?
A. 契約内容によります。
国際ローミングに対応しているプランなら海外でも使えますが、非常に高額な料金がかかる場合が多いです。海外では現地のSIMカードやポケットWi-Fiを利用するのがおすすめですよ。
Q. パソコンだけでなくゲーム機も繋げられる?
A. はい、Wi-Fi接続ができる機器なら基本的に繋げられます。
Nintendo SwitchやPlayStationなどのゲーム機も、Wi-Fi設定からiPadのネットワークを選択して接続できます。ただし、オンラインゲームはデータ通信量が多いので注意が必要です。
まとめ:iPadのインターネット共有で外出先でも快適ネット環境
iPadのインターネット共有機能について解説しました。
重要なポイント:
- インターネット共有が使えるのはWi-Fi + Cellularモデルのみ
- 設定は「モバイル通信」→「インターネット共有を設定」から
- 接続方法はWi-Fi、Bluetooth、USBの3種類
- 同じApple IDならInstant Hotspotでパスワード不要
- データ通信量とバッテリー消費に注意が必要
うまく接続できない時は:
- デバイスを再起動する
- 「互換性を優先」をオンにする
- ネットワーク設定をリセットする
- 通信事業者にプランを確認する
これらの方法を試してみてください。
外出先でもiPadがあれば、いつでもどこでもインターネット環境を作り出せます。便利な機能をぜひ活用してくださいね!

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