「iPadとiPhoneのデータが同期されない…」
「iTunesで音楽が転送できない…」
「写真だけ同期されないのはなぜ?」
iPadを使っていると、こんな同期トラブルに遭遇することがありますよね。
この記事では、iPadの同期がうまくいかない原因と、その解決方法を分かりやすく解説していきます。iCloud、iTunes、写真、連絡先など、それぞれの同期問題について具体的な対処法をご紹介します。
「同期」って何?
同期とは、複数のデバイス間でデータを一致させる機能のことです。例えば、iPhoneで撮った写真がiPadでも見られる、iPadで追加した連絡先がiPhoneにも反映される、といった便利な仕組みです。
iPadの同期方法は2種類ある

まず、iPadの同期には大きく分けて2つの方法があります。
1. iCloud同期(クラウド経由)
特徴:
- インターネット経由で自動的に同期
- ケーブル不要で便利
- 複数のAppleデバイス間で共有できる
- 無料で5GBまで使える
同期できるもの:
- 写真とビデオ
- 連絡先
- カレンダー
- メモ
- リマインダー
- Safari(ブックマーク、履歴)
- メール
- メッセージ
- アプリのデータ
2. iTunes/Finder同期(パソコン経由)
特徴:
- パソコンとケーブルで直接接続
- 大量のデータを素早く転送できる
- iCloudの容量を使わない
- Wi-Fiでも同期可能(設定が必要)
同期できるもの:
- 音楽
- 動画
- 写真
- アプリ
- ブック
- ドキュメント
iCloudでiPadが同期しない原因と解決方法
iCloud同期がうまくいかない場合、以下の原因が考えられます。
原因1:同じApple IDでサインインしていない
複数のデバイスでデータを同期するには、すべてのデバイスで同じApple IDを使う必要があります。
確認方法:
- iPadで「設定」を開く
- 一番上に表示されている名前をタップ
- Apple IDのメールアドレスを確認
- 他のデバイスでも同じ手順で確認
もし違うApple IDでサインインしていたら、サインアウトして正しいApple IDで再度サインインしましょう。
原因2:iCloudの同期設定がオフになっている
各アプリやデータごとに、iCloud同期のオン/オフを設定できます。同期したい項目がオフになっていると、データは共有されません。
確認方法:
- 「設定」→「Apple ID(一番上の名前)」→「iCloud」を開く
- 「すべてを表示」または下にスクロール
- 同期したい項目(写真、連絡先、カレンダーなど)がオンになっているか確認
特に確認すべき項目:
- 写真:「iCloud写真」をオン
- 連絡先:「連絡先」をオン
- カレンダー:「カレンダー」をオン
- メモ:「メモ」をオン
- iCloud Drive:「このiPadを同期」をオン
原因3:iCloudのストレージ容量が不足している
iCloudの無料プランは5GBまでです。容量がいっぱいになると、新しいデータを同期できなくなります。
容量の確認方法:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」を開く
- 画面上部に使用状況が表示される
- 「アカウントのストレージを管理」で詳細を確認
解決方法:
方法A:不要なデータを削除する
- 古いバックアップを削除
- 不要な写真や動画を削除
- 使っていないアプリのデータを削除
方法B:iCloud+にアップグレードする(有料)
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
原因4:インターネット接続が不安定
iCloud同期にはインターネット接続が必須です。Wi-Fiやモバイルデータ通信が不安定だと、同期がうまくいきません。
確認方法:
- Safariでウェブサイトを開いてみる
- 「設定」→「Wi-Fi」で接続状況を確認
- Wi-Fiのマークに「!」が付いていないか確認
解決方法:
- Wi-Fiルーターを再起動する
- 別のWi-Fiネットワークに接続してみる
- モバイルデータ通信に切り替えてみる
- 機内モードをオン→オフにする
原因5:iOSやiPadOSが古いバージョンのまま
古いバージョンのソフトウェアを使っていると、同期に問題が生じることがあります。
アップデート方法:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く
- 利用可能なアップデートがあればインストール
- iPadをWi-Fiと電源に接続してアップデート
重要: アップデート前にバックアップを取っておくことをおすすめします。
原因6:日付と時刻の設定が間違っている
意外かもしれませんが、日付や時刻の設定が正しくないと、同期がうまくいかないことがあります。
確認方法:
- 「設定」→「一般」→「日付と時刻」を開く
- 「自動設定」がオンになっているか確認
- オフになっていたらオンにする
原因7:Appleのサーバーに問題が発生している
まれに、Apple側のサーバーに障害が発生して、iCloudサービスが利用できなくなることがあります。
確認方法:
SafariやパソコンのブラウザでAppleのシステム状況ページにアクセス:
https://www.apple.com/jp/support/systemstatus/
iCloud関連のサービスに問題がないか確認しましょう。問題がある場合は、Appleが解決するまで待つしかありません。通常は数時間以内に復旧します。
iTunesやFinderでiPadが同期しない原因と解決方法

パソコンとの同期がうまくいかない場合の対処法です。
原因1:USBケーブルの不具合
症状:
- iPadを接続してもパソコンが認識しない
- 接続が途中で切れる
- 充電はできるが同期できない
解決方法:
- 別のUSBケーブルを試す(Apple純正品を推奨)
- パソコンの別のUSBポートに接続してみる
- USBケーブルとiPadの接続部分を掃除する
原因2:iTunesやFinderが最新版ではない
古いバージョンのiTunesやFinderを使っていると、iPadを認識できないことがあります。
Windowsの場合:
- Microsoft Storeを開く
- 「ライブラリ」→「更新プログラムを取得」をクリック
- iTunesまたはAppleデバイスアプリを更新
Macの場合:
- macOS Catalina以降:システムアップデートで自動的に更新される
- macOS Mojave以前:iTunesを開き、「ヘルプ」→「更新プログラムを確認」
原因3:コンピュータが認証されていない
iTunesでコンテンツを同期するには、コンピュータを「認証」する必要があります。
認証方法:
Windows:
- iTunesを開く
- メニューバーの「アカウント」→「認証」→「このコンピュータを認証」
- Apple IDとパスワードを入力
Mac:
- ミュージックアプリまたはiTunesを開く
- 「アカウント」→「認証」→「このコンピュータを認証」
- Apple IDとパスワードを入力
最大5台のコンピュータまで認証できます。
原因4:iPad側に一時的な不具合がある
解決方法:iPadを再起動する
ホームボタンがないiPad:
- 音量を上げるボタンを押してすぐ離す
- 音量を下げるボタンを押してすぐ離す
- トップボタンをAppleロゴが表示されるまで長押し
ホームボタンがあるiPad:
- トップボタン(またはサイドボタン)とホームボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら指を離す
原因5:Wi-Fi同期の設定が正しくない
USBケーブルなしでWi-Fi経由で同期したい場合は、事前に設定が必要です。
設定方法:
- まず、USBケーブルでiPadとパソコンを接続
- iTunesまたはFinderでiPadを選択
- 「Wi-Fi経由でこのiPadと同期」にチェックを入れる
- 「適用」をクリック
その後は、iPadとパソコンが同じWi-Fiネットワークに接続されていれば、自動的に同期されます。
写真がiPadと同期しない場合の解決方法
写真の同期は特に問題が起きやすいので、個別に解説します。
iCloud写真がオフになっている
確認方法:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「写真」を開く
- 「iCloud写真」がオンになっているか確認
- すべてのデバイスで同じ設定にする
注意: iCloud写真をオンにすると、すべての写真とビデオがiCloudにアップロードされるため、容量を消費します。
「マイフォトストリーム」の設定
iCloud写真をオフにしている場合、「マイフォトストリーム」という機能を使うこともできます。
設定方法:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「写真」を開く
- 「マイフォトストリームにアップロード」をオン
マイフォトストリームは最新の1,000枚の写真を30日間保存し、iCloudの容量を消費しません。ただし、ビデオは同期されません。
アップロードやダウンロードが進まない
症状:
「アップロード中」や「ダウンロード中」のまま止まっている
解決方法:
- iPadを電源に接続する
- Wi-Fiに接続する
- 一晩そのままにしておく
写真やビデオの量が多い場合、同期に数時間から数日かかることがあります。
写真だけ同期を解除したい場合
iPhoneとiPadで同じApple IDを使っているけど、写真は同期したくない場合もありますよね。
方法:
- iPadで「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「写真」を開く
- 「iCloud写真」をオフにする
- 「写真とビデオをダウンロード」または「iPadから削除」を選択
これで、iPad側の写真の同期が解除されます。iPhoneの写真はiPadに同期されなくなります。
連絡先やカレンダーが同期しない場合
基本の確認事項
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」を開く
- 「連絡先」と「カレンダー」がオンになっているか確認
- すべてのデバイスで同じApple IDを使っているか確認
- インターネット接続を確認
同期を強制的にリフレッシュする方法
連絡先の場合:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」を開く
- 「連絡先」をオフにする
- 「iPadに残す」を選択
- 数秒待ってから「連絡先」を再度オンにする
カレンダーの場合:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」を開く
- 「カレンダー」をオフにする
- 「iPadに残す」を選択
- 数秒待ってから「カレンダー」を再度オンにする
ネットワーク設定をリセットする(最終手段)
上記の方法でも解決しない場合は、ネットワーク設定をリセットしてみましょう。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」を開く
- 「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力して確認
注意: この操作を行うと、保存されているWi-Fiパスワードがすべて削除されます。再度Wi-Fiに接続する必要があります。
アプリが同期される・されない問題

アプリの自動ダウンロードがオンになっている
iPhoneで新しいアプリをダウンロードすると、iPadにも自動的にダウンロードされることがあります。これを防ぎたい場合は、以下の設定を変更しましょう。
iPhone側での設定:
- 「設定」→「App Store」を開く
- 「自動ダウンロード」セクションで「App」をオフにする
- 「Appのアップデート」もオフにすることができる
iPad側での設定:
- 同じく「設定」→「App Store」を開く
- 「App」と「Appのアップデート」をオフにする
これで、各デバイスで独立してアプリを管理できます。
既存のアプリを片方のデバイスだけから削除したい
iPadからアプリを削除しても、iPhoneからは削除されません。逆も同様です。心配しないでください!
同期されるのは「新しくダウンロードしたアプリ」だけです。削除は同期されません。
その他の同期トラブルシューティング
メモが同期されない
確認事項:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」で「メモ」がオンか確認
- メモアプリを開き、左上の「フォルダ」をタップ
- メモが「iCloud」フォルダに保存されているか確認
「iCloud」ではなく「iPad」フォルダに保存されているメモは、そのデバイスにしか保存されません。
Safari(ブックマーク・履歴)が同期されない
確認事項:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」を開く
- 下にスクロールして「Safari」がオンになっているか確認
- 「設定」→「Safari」→「詳細」→「Webサイトデータ」で「履歴とWebサイトデータを削除」を試す
iCloudから一度サインアウトして再サインインする
多くの同期トラブルは、iCloudから一度サインアウトして再度サインインすることで解決することがあります。
手順:
- まずバックアップを取る!(重要)
- 「設定」→「Apple ID」を開く
- 一番下までスクロールして「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- iPadに残すデータを選択(通常はすべて残しておく)
- 「サインアウト」をもう一度タップ
- サインアウトが完了したら、再度「設定」を開く
- 「iPadにサインイン」をタップ
- Apple IDとパスワードを入力してサインイン
注意: この操作は最終手段として使ってください。サインアウト前に必ずバックアップを取りましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1:iPadとiPhoneは同期しないほうがいいですか?
A:使い方によります。
同期させるメリット:
- どちらのデバイスでも同じ情報にアクセスできる
- 片方で撮った写真がもう片方でも見られる
- 連絡先やカレンダーを一元管理できる
同期させないメリット:
- 各デバイスを独立して使える
- iPadの容量を節約できる
- プライベートとビジネスで使い分けられる
用途に応じて、同期する項目を選ぶのがおすすめです。
Q2:同期にどれくらい時間がかかりますか?
A:データ量とネットワーク速度によって異なります。
- 連絡先やカレンダー:数秒〜数分
- 写真数枚:数分
- 写真や動画が大量にある場合:数時間〜数日
初回の同期は特に時間がかかります。iPadを電源とWi-Fiに接続したまま、一晩置いておくのがおすすめです。
Q3:「iCloudの一部のデータが同期していません」と表示されました
A:以下を確認してください:
- インターネット接続を確認
- iCloudのストレージ容量を確認
- 同期したい項目がオンになっているか確認
- iPadを再起動してみる
それでも解決しない場合は、該当する項目をオフ→オンにして同期をリフレッシュしましょう。
Q4:同期を一時的に止めることはできますか?
A:はい、できます。
各項目の同期設定をオフにすれば、同期は停止します。再度オンにすれば、同期が再開されます。
例えば、モバイルデータ通信を節約したい時などに便利です。
Q5:iPadから削除した写真がiPhoneからも消えてしまいました
A:iCloud写真をオンにしていると、このような動作になります。
iCloud写真では、一つのデバイスで削除した写真は、すべてのデバイスから削除されます。
復元方法:
- 写真アプリを開く
- 「アルバム」タブをタップ
- 「最近削除した項目」を開く
- 30日以内なら復元可能
Q6:同期エラーが出続ける場合はどうすればいいですか?
A:以下の順番で試してください:
- iPadを再起動
- ルーターを再起動
- iPadOSとアプリを最新版に更新
- 該当する同期設定をオフ→オン
- ネットワーク設定をリセット
- iCloudからサインアウト→サインイン(最終手段)
それでも解決しない場合は、Appleサポートに問い合わせましょう。
まとめ|同期トラブルは必ず解決できる
iPadの同期がうまくいかない原因と解決方法について、詳しく解説してきました。
この記事の重要ポイント:
- 同期にはiCloudとiTunes/Finderの2種類がある
- 多くの問題は設定の確認と再起動で解決する
- インターネット接続とストレージ容量が重要
- 各デバイスで同じApple IDを使う必要がある
- 困ったら項目をオフ→オンにして同期をリフレッシュ
- 最終手段はiCloudからサインアウト→サインイン
今すぐできるチェック項目:
- すべてのデバイスで同じApple IDを使っているか
- 同期したい項目がオンになっているか
- iCloudの容量に余裕があるか
- インターネットに接続されているか
- iPadOSが最新版か
同期がうまくいかないと不便ですが、ほとんどの問題は自分で解決できます。この記事を参考に、一つずつ確認していけば、必ず解決できるはずです。
それでも解決しない場合は、Appleサポートに相談することをおすすめします。専門スタッフが丁寧にサポートしてくれますよ!


コメント