「最近iPadの動きが遅くなった気がする…」
「ストレージの空き容量がなぜか減っている…」
「Webサイトの表示がおかしい、古い情報が表示される…」
こんな症状に悩んでいませんか?その原因はキャッシュの蓄積かもしれません。
iPadを長く使っていると、知らないうちにキャッシュデータがどんどん溜まっていきます。これを定期的にクリア(削除)することで、iPadの動作が改善することがあります。
この記事では、iPadのキャッシュをクリアする方法を、Safari、Chrome、各アプリ別に分かりやすく解説します。
そもそもキャッシュとは?

キャッシュの基本
キャッシュ(Cache)とは、一度読み込んだデータを一時的に保存しておく仕組みのことです。
例えば、あるWebサイトを開くと、そのページの画像やテキスト、デザイン情報などがiPadに保存されます。次に同じサイトを開いたとき、保存されたデータを使うことで、ページの表示が速くなります。
つまり、キャッシュは「iPadを快適に使うための便利な仕組み」です。
なぜキャッシュを削除する必要があるの?
キャッシュは便利ですが、長期間使い続けると以下の問題が発生することがあります。
1. ストレージ容量を圧迫する
キャッシュデータは時間とともに蓄積され、数GB単位になることも。気づかないうちにiPadの空き容量を減らしています。
2. 動作が遅くなる
キャッシュが増えすぎると、iPadの処理速度が低下し、アプリの起動や操作が重く感じるようになります。
3. 古い情報が表示される
Webサイトが更新されても、古いキャッシュデータが表示されてしまうことがあります。最新の情報が見られない原因になります。
4. アプリの不具合
キャッシュデータが破損していると、アプリがクラッシュしたり、正常に動作しなくなることがあります。
キャッシュとCookieの違い
キャッシュと似た言葉にCookie(クッキー)があります。
- キャッシュ:Webページの画像やデザインなど、表示を速くするためのデータ
- Cookie:ログイン情報や設定など、ユーザーの利用履歴に関するデータ
どちらも定期的に削除することで、iPadを快適に保てます。
Safariのキャッシュをクリアする方法
iPadの標準ブラウザ「Safari」のキャッシュを削除する方法を紹介します。
方法1:履歴とWebサイトデータをすべて削除(簡単・おすすめ)
最も簡単な方法です。閲覧履歴、Cookie、キャッシュをまとめて削除できます。
手順
- iPadの「設定」アプリを開く
- 左側のメニューから「Safari」をタップ
- 下にスクロールして「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 確認画面で「消去」をタップ
これで完了です。Safariの履歴、Cookie、キャッシュがすべて削除されます。
注意点
- 閲覧履歴がすべて消えます
- ログイン中のサイトからログアウトされます
- 保存されたパスワードは削除されません(別途管理されています)
方法2:期間を指定して削除
「最近のデータだけ消したい」「過去1週間分だけ消したい」という場合は、期間を指定して削除できます。
手順
- iPadで「Safari」アプリを開く
- 画面左上の「サイドバーを表示」アイコンをタップ
- 「履歴」アイコンをタップ
- 「消去」をタップ
- 「期間別に消去」で以下から選択
- 直近1時間
- 今日
- 今日と昨日
- すべて
- 「履歴を消去」をタップ
方法3:特定のサイトのデータだけ削除
特定のWebサイトのキャッシュだけを削除したい場合は、この方法を使います。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「Safari」をタップ
- 一番下までスクロールして「詳細」をタップ
- 「Webサイトデータ」をタップ
- 削除したいサイトを左にスワイプ
- 「削除」をタップ
すべてのサイトデータを削除したい場合は、画面下部の「全Webサイトデータを削除」をタップします。
Chromeのキャッシュをクリアする方法
Google Chromeを使っている方向けの手順です。
手順
- iPadで「Chrome」アプリを開く
- 画面右下(または右上)の「…」(3点メニュー)をタップ
- 「閲覧履歴データの削除」をタップ
- 削除する期間を選択(「全期間」がおすすめ)
- 以下の項目にチェックを入れる
- Cookie、サイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 「閲覧履歴データの削除」をタップ
- 確認画面で再度「閲覧履歴データの削除」をタップ
削除できるデータの種類
Chromeでは、以下のデータを選んで削除できます。
- 閲覧履歴:訪問したWebサイトの記録
- Cookie、サイトデータ:ログイン情報や設定
- キャッシュされた画像とファイル:読み込み高速化用のデータ
- 保存したパスワード:自動入力用のパスワード
- 自動入力データ:住所やクレジットカード情報
必要な項目だけ選んで削除できるので便利です。
Firefoxのキャッシュをクリアする方法
Mozilla Firefoxを使っている方向けの手順です。
手順
- iPadで「Firefox」アプリを開く
- 画面右下の「≡」(三本線メニュー)をタップ
- 「設定」をタップ
- 「プライバシー」セクションの「データ管理」をタップ
- 削除したい項目をオンにする
- キャッシュ
- Cookie
- オフラインWebサイトデータ
- 「プライベートデータを消去」をタップ
- 確認画面で「OK」をタップ
アプリのキャッシュをクリアする方法

ブラウザ以外のアプリにもキャッシュは蓄積されます。LINE、Twitter(X)、Instagram、YouTubeなど、よく使うアプリのキャッシュを削除する方法を紹介します。
方法1:アプリ内の設定から削除(対応アプリのみ)
一部のアプリには、キャッシュを削除する機能が用意されています。
LINEの場合
- LINEアプリを開く
- 「ホーム」タブをタップ
- 右上の「歯車アイコン」(設定)をタップ
- 「トーク」をタップ
- 「データの削除」をタップ
- 「キャッシュ」の横にある「削除」をタップ
LINEのキャッシュは意外と大きく、数百MB〜数GBになることもあります。
Twitter(X)の場合
- Xアプリを開く
- プロフィールアイコンをタップ
- 「設定とサポート」→「設定とプライバシー」をタップ
- 「アクセシビリティ、表示、言語」をタップ
- 「データ利用の設定」をタップ
- 「メディアストレージ」と「ウェブサイトストレージ」をそれぞれ削除
方法2:アプリを「取り除く」(Appを取り除く)
アプリ内にキャッシュ削除機能がない場合は、「Appを取り除く」機能を使います。
この方法では、アプリ本体は削除されますが、アプリのデータ(設定やログイン情報など)は保持されます。再インストールすれば、元の状態で使えます。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「iPadストレージ」をタップ
- キャッシュを削除したいアプリを選択
- 「Appを取り除く」をタップ
- 確認画面で「Appを取り除く」をタップ
- App Storeからアプリを再インストール
方法3:アプリを完全に削除して再インストール
キャッシュだけでなく、アプリのデータもすべて削除したい場合は、アプリを完全に削除します。
手順
- 「設定」→「一般」→「iPadストレージ」を開く
- 削除したいアプリを選択
- 「Appを削除」をタップ
- App Storeからアプリを再インストール
注意:この方法では、アプリ内のデータ(ログイン情報、設定、保存したコンテンツなど)もすべて削除されます。必要に応じてバックアップを取ってから実行してください。
iPadのストレージ使用状況を確認する方法
どのアプリがストレージを多く使っているか確認してから、キャッシュ削除を行うと効率的です。
確認手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「iPadストレージ」をタップ
この画面で、以下の情報を確認できます。
- iPadの総容量と使用量
- 各アプリが使用している容量
- アプリごとの「書類とデータ」(キャッシュ含む)の容量
容量を多く使っているアプリを優先的にキャッシュクリアすると、効果的に空き容量を増やせます。
キャッシュを溜めないための予防策
キャッシュを定期的に削除するのは面倒…という方のために、キャッシュを溜めにくくする設定を紹介します。
Safariのプライベートブラウズを使う
プライベートブラウズモードでは、閲覧履歴やCookieがiPadに保存されません。
プライベートブラウズの開始方法
- Safariを開く
- 右下の「タブ」アイコンをタップ
- 「プライベート」をタップ
- 「完了」をタップ
プライベートブラウズ中は、ブラウザを閉じるとデータが自動的に削除されます。
Cookieをブロックする(注意が必要)
Safariの設定で、すべてのCookieをブロックすることもできます。
手順
- 「設定」→「Safari」を開く
- 「すべてのCookieをブロック」をオンにする
ただし、Cookieをブロックすると一部のWebサイトが正常に機能しなくなる場合があります。不便を感じたらオフに戻しましょう。
キャッシュクリア後の注意点
キャッシュを削除した後は、以下の点に注意してください。
1. Webサイトの表示が一時的に遅くなる
キャッシュがない状態では、Webページを最初から読み込むため、表示に時間がかかることがあります。再度アクセスすれば、新しいキャッシュが作成されて速くなります。
2. ログイン情報の再入力が必要
Cookieを削除した場合、ログインしていたWebサイトからログアウトされます。再度ログインが必要になるため、パスワードを確認しておきましょう。
3. 自動入力データが消える場合がある
Chromeなどで自動入力データを削除すると、住所やクレジットカード情報の再入力が必要になることがあります。
よくある質問(FAQ)

Q1:キャッシュを削除するとデータは消えますか?
A: キャッシュを削除しても、写真、連絡先、アプリ本体などの重要なデータは消えません。削除されるのは、Webサイトや一時的に保存されたファイルのみです。
ただし、アプリを完全に削除した場合は、アプリ内のデータも消えるので注意してください。
Q2:どのくらいの頻度でキャッシュを削除すべきですか?
A: 明確な決まりはありませんが、以下を目安にするとよいでしょう。
- ストレージが不足してきたとき
- iPadの動作が重く感じたとき
- Webサイトの表示がおかしいとき
- 月に1回程度の定期メンテナンスとして
毎日削除する必要はありません。
Q3:キャッシュを削除してもストレージが増えません
A: 以下の原因が考えられます。
- 削除したキャッシュ量がもともと少なかった
- 「システムデータ」や「その他」の領域が多い
- 写真や動画など、キャッシュ以外のデータが多い
キャッシュ以外のデータ整理も検討してみてください。
Q4:Safari以外のブラウザもキャッシュを削除する必要がありますか?
A: はい。Chrome、Firefox、Edgeなど、それぞれのブラウザにキャッシュが保存されます。複数のブラウザを使っている場合は、それぞれでキャッシュを削除してください。
Q5:キャッシュを削除すると、ブックマーク(お気に入り)も消えますか?
A: いいえ、ブックマーク(お気に入り)は消えません。キャッシュとブックマークは別々に管理されています。
まとめ:定期的なキャッシュクリアでiPadを快適に
最後に、この記事のポイントをまとめます。
キャッシュとは
- Webページやアプリが一時保存するデータ
- 表示を速くするための便利な仕組み
- 溜まりすぎるとストレージ圧迫・動作遅延の原因に
キャッシュクリアの方法
| ブラウザ/アプリ | 手順 |
|---|---|
| Safari | 設定 → Safari → 履歴とWebサイトデータを消去 |
| Chrome | Chrome → … → 閲覧履歴データの削除 |
| Firefox | Firefox → ≡ → 設定 → データ管理 |
| 各アプリ | アプリ内設定から削除、または「Appを取り除く」 |
キャッシュクリアのタイミング
- ストレージが不足してきたとき
- iPadの動作が重いとき
- Webサイトの表示がおかしいとき
- 月に1回程度の定期メンテナンス
キャッシュクリアは、iPadを快適に使い続けるための簡単なメンテナンスです。特別な知識や道具は必要ありません。
iPadの動作が重いな…と感じたら、まずはキャッシュクリアを試してみてください。

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