「間違えてボイスメモを削除してしまった」
「iPhoneを初期化したら、録音データが全部消えた」
「大事な会議の録音が見つからない…」
会議の議事録、インタビュー、音楽のアイデア、家族との会話。ボイスメモには、二度と録り直せない大切な音声が詰まっていますよね。
でも安心してください。削除したボイスメモは、多くの場合、復元できます。
この記事では、iPhoneのボイスメモをiCloudから復元する方法を、状況別に詳しく解説します。
ボイスメモとiCloudの関係を理解しよう

まず、ボイスメモがどこに保存されているか理解しましょう。
ボイスメモの保存場所
iOS 12以降の場合:
ボイスメモはiCloudに自動的に保存されます。
つまり:
- iPhone本体だけでなく、iCloudにもバックアップ
- 他のAppleデバイス(iPad、Mac)でも自動同期
- 削除しても30日間は復元可能
iOS 11以前の場合:
iPhoneのローカルストレージのみに保存されます。
iCloud同期の確認方法
確認手順:
- 設定アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- iCloudを選択
- アプリ一覧でボイスメモを確認
- オンになっていれば、iCloud同期が有効
オフの場合は、今すぐオンにしましょう。
同期のメリット
iCloud同期を有効にすると:
✓ 自動バックアップされる
✓ 複数デバイスで聴ける
✓ 削除しても復元可能
✓ 機種変更時も引き継がれる
✓ ストレージ容量を節約できる
デメリットはほぼありません。
削除したボイスメモを復元する方法(基本編)
最も簡単な復元方法から紹介します。
「最近削除した項目」から復元
削除してから30日以内なら、この方法で復元できます。
手順:
- ボイスメモアプリを開く
- 左上のフォルダアイコン(または「<」)をタップ
- フォルダ一覧が表示される
- 「最近削除した項目」をタップ
- 復元したいボイスメモを選択
- 右下の「復元」ボタンをタップ
- 確認画面で「録音を復元」をタップ
これで、元の場所に戻ります。
複数のボイスメモをまとめて復元
手順:
- 「最近削除した項目」フォルダを開く
- 右上の「編集」をタップ
- 復元したいボイスメモをすべて選択
- または、個別にタップして選択
- 左下の「復元」をタップ
- 確認して実行
一度に複数復元できます。
30日を過ぎた場合は?
残念ながら、「最近削除した項目」からは自動的に完全削除されます。
この場合は、別の方法を試す必要があります。
iCloudバックアップから復元する方法
30日を過ぎた場合や、iPhoneを初期化した場合の方法です。
iCloudバックアップの仕組み
重要な前提知識:
iPhoneの自動バックアップには、ボイスメモも含まれます。
ただし:
- バックアップ時点までのデータしか復元できない
- 最新のバックアップにボイスメモが含まれているか確認が必要
バックアップの確認方法
手順:
- 設定 → 自分の名前 → iCloud
- iCloudバックアップをタップ
- 「前回のバックアップ」の日時を確認
- 消えたボイスメモがその日時より前なら、復元可能
iPhoneを初期化して復元(慎重に)
警告: この方法は現在のデータがすべて消えます。実行前に必ず現在のデータをバックアップしてください。
手順:
- 現在のiPhoneをバックアップ
- 設定 → iCloud → iCloudバックアップ → 今すぐバックアップ
- 設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット
- すべてのコンテンツと設定を消去
- iPhoneが初期化される
- 初期設定画面で「iCloudバックアップから復元」を選択
- 復元したいバックアップを選択
- ボイスメモが残っていた日時のバックアップ
- 復元完了まで待つ(数十分〜数時間)
- ボイスメモアプリで確認
この方法は最終手段です。
Macから復元する方法
Macを持っている場合、こちらの方が簡単かもしれません。
Mac版ボイスメモアプリから確認
iCloud同期が有効なら、Macでもボイスメモにアクセスできます。
手順:
- Macでボイスメモアプリを起動
- 左側のサイドバーで「最近削除した項目」を確認
- 復元したいボイスメモを右クリック
- 「復元」を選択
Mac側から復元すれば、iPhoneにも自動的に反映されます。
MacのTime Machineから復元
Time Machineでバックアップしている場合:
手順:
- Time Machineを起動
- ボイスメモアプリのデータがある日時に移動
- 該当ファイルを選択
- 「復元」をクリック
ただし、この方法はTime Machineの設定が必要です。
iCloud.comから確認する方法
Webブラウザからもアクセスできます。
ブラウザでiCloud.comにアクセス
手順:
- パソコンのブラウザで https://www.icloud.com を開く
- Apple IDでサインイン
- ボイスメモアイコンをクリック
- 削除したボイスメモがあるか確認
- あれば、ダウンロードして保存
注意:
iCloud.comのボイスメモは、比較的新しい機能です。古いiOSでは利用できない場合があります。
復元できない場合の最終手段
上記の方法で復元できなかった場合です。
データ復元ソフトを使う
サードパーティ製ソフト:
以下のようなツールがあります:
- Dr.Fone(有料)
- PhoneRescue(有料)
- iMobie(一部無料)
使い方:
- ソフトをパソコンにインストール
- iPhoneを接続
- スキャンを実行
- 削除されたボイスメモを検出
- 復元を実行
注意点:
- 有料の場合が多い
- 必ず復元できる保証はない
- 信頼できるソフトを選ぶ
Appleサポートに問い合わせ
手順:
- Appleサポートアプリをダウンロード
- 問題を選択
- 「ボイスメモ」→「データ復元」を選ぶ
- チャットまたは電話でサポートを受ける
Appleが直接復元してくれることは稀ですが、アドバイスをもらえます。
iTunes/Finderバックアップから復元
パソコンにバックアップがある場合:
手順:
- iPhoneをパソコンに接続
- Mac:Finderを開く
Windows:iTunesを開く - デバイスを選択
- 「バックアップを復元」をクリック
- ボイスメモが残っていた日時のバックアップを選択
- 復元実行
この方法も、現在のデータが上書きされるので注意が必要です。
ボイスメモが消える原因
なぜボイスメモが消えるのか、原因を知っておきましょう。
よくある原因
1. 誤削除
操作ミスで削除してしまう
2. iCloud同期がオフ
同期していないと、端末故障時に失われる
3. iCloudストレージ不足
容量がいっぱいだと、バックアップされない
4. iOS不具合
まれにバグで消えることも
5. 初期化・復元ミス
適切なバックアップなしで初期化
特に注意すべきケース
機種変更時:
- 古いiPhoneでiCloud同期がオフだと、新しいiPhoneに引き継がれない
- 事前に同期を確認
iOS更新時:
- まれに不具合で消えることも
- 更新前にバックアップ
複数デバイス使用時:
- 一つのデバイスで削除すると、すべてのデバイスから消える
- 誤削除に注意
予防策:二度とボイスメモを失わないために

大切な録音を守るための対策です。
iCloud同期を必ず有効化
設定方法:
- 設定 → 自分の名前 → iCloud
- ボイスメモをオン
- これだけで自動バックアップ
これが最も重要な対策です。
定期的なバックアップ
iCloudバックアップ:
- 設定 → iCloud → iCloudバックアップ
- 今すぐバックアップを作成
- 重要なボイスメモを録音した後は、必ず実行
パソコンへのバックアップ:
- iPhoneをPCに接続
- Finder(Mac)またはiTunes(Windows)で手動バックアップ
- 月1回程度実行
重要なボイスメモは別に保存
おすすめの保存方法:
方法1:他のクラウドにアップロード
- ボイスメモを開く
- 共有ボタン(四角に↑)をタップ
- 「ファイルに保存」を選択
- Googleドライブ、Dropboxなどに保存
方法2:メールで送る
- 共有ボタン → メール
- 自分のアドレスに送信
- メールサーバーにも保存される
方法3:パソコンに転送
- 共有ボタン → AirDrop(Mac)
- または、ケーブル接続でコピー
フォルダで整理
管理のコツ:
- ボイスメモアプリで新規フォルダ作成
- 用途別に分類:
- 仕事
- プライベート
- 保存用(重要)
- 重要なものは専用フォルダへ
誤削除を防げます。
iCloud容量を確保
確認と対策:
- 設定 → iCloud → ストレージを管理
- 残り容量を確認
- 不足している場合:
- 不要なデータを削除
- または、有料プラン契約(月130円〜)
バックアップには十分な容量が必要です。
ボイスメモの保存容量と管理
容量を気にせず使うためのコツです。
ボイスメモのファイルサイズ
録音時間と容量の目安:
- 1分:約400KB
- 10分:約4MB
- 1時間:約24MB
- 10時間:約240MB
長時間録音すると、かなりの容量になります。
不要なボイスメモを削除
削除手順:
- ボイスメモを選択
- ゴミ箱アイコンをタップ
- 「最近削除した項目」に移動
- 30日後に自動削除
または:
- 「最近削除した項目」を開く
- すべて削除で即座に完全削除
トリミングで容量削減
不要部分をカットして容量を減らせます。
手順:
- ボイスメモを開く
- 「…」メニュー → 「録音を編集」
- 波形をドラッグして範囲選択
- 「トリミング」または「削除」
- 「保存」
必要な部分だけ残せば、容量を節約できます。
よくある質問と答え
ボイスメモの復元に関する疑問にお答えします。
Q1:30日を過ぎたら絶対に復元できない?
A:基本的には不可能ですが、可能性はあります。
- iCloudバックアップに残っていれば復元可能
- パソコンのバックアップに残っていれば復元可能
- データ復元ソフトで検出できることも
完全に諦める前に、いくつかの方法を試してみましょう。
Q2:iCloud同期をオフにしたら、ボイスメモは消える?
A:すぐには消えませんが、リスクがあります。
オフにすると:
- iPhoneローカルには残る
- でも、他のデバイスとは同期されない
- iPhone故障時に失われる可能性
緊急時以外は、オンのままにしましょう。
Q3:機種変更時、ボイスメモは自動で引き継がれる?
A:iCloud同期がオンなら自動で引き継がれます。
新しいiPhoneで:
- 同じApple IDでサインイン
- iCloud → ボイスメモをオン
- 自動的にダウンロードされる
Q4:ボイスメモの容量制限はある?
A:録音時間の制限はありませんが、iCloud容量に依存します。
- 1つのボイスメモの長さ:制限なし
- 保存できる総容量:iCloudストレージ次第(無料5GB)
Q5:AndroidでもiCloudのボイスメモにアクセスできる?
A:公式にはできません。
iCloud.comにアクセスしてダウンロードすることは可能ですが、Androidアプリはありません。
まとめ:大切な音声は必ずバックアップを
ボイスメモは、二度と録り直せない貴重なデータです。
この記事のポイント:
✓ 30日以内:「最近削除した項目」から即座に復元
✓ 30日経過:iCloudバックアップから復元(iPhoneリセット必要)
✓ Mac所持:Mac版ボイスメモアプリから復元
✓ 最終手段:データ復元ソフト、Appleサポート
✓ 予防策:iCloud同期をオン、定期バックアップ
復元の流れ:
- 「最近削除した項目」を確認(30日以内)
- ダメなら、iCloudバックアップの日時を確認
- Macがあれば、Mac側も確認
- iCloud.comで確認
- 最終手段:データ復元ソフト
絶対にやるべき予防策:
- iCloud同期を有効化(最重要)
- 重要なボイスメモは他の場所にも保存
- 定期的にバックアップ
- iCloud容量を確保
- フォルダで整理して誤削除防止
今すぐ確認すること:
- 設定 → iCloud → ボイスメモが「オン」か
- iCloudストレージに空きがあるか
- 最後のバックアップ日時
ボイスメモは、思い出や仕事の記録として本当に大切なデータです。「消えてから後悔」では遅いので、今すぐiCloud同期を確認して、バックアップを取りましょう。
この記事を参考に、大切な音声データを守ってくださいね!


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