iPhoneやiPad、Windowsパソコンで「認証中にエラーが起きました」や「Apple IDサーバーへの接続中にエラーが起きました」というメッセージが表示されて、iCloudにサインインできなくなった経験はありませんか?
急にこのエラーが出ると、写真や連絡先にアクセスできなくなって焦りますよね。
でも安心してください。このエラーは、ほとんどの場合簡単な対処法で解決できるんです。
この記事では、iCloud認証エラーが起こる原因と、デバイス別の具体的な解決方法を分かりやすく解説します。
iCloud認証エラーとは?

iCloud認証エラーとは、Apple IDでiCloudにサインインしようとした時に、本人確認がうまくいかずにアクセスが拒否されてしまう状態のことです。
よくあるエラーメッセージ
次のようなメッセージが表示されたら、認証エラーが起きています:
- 「認証中にエラーが起きました。やり直してください」
- 「Apple IDサーバーへの接続中にエラーが起きました」
- 「iCloudにサインインできません」
- 「認証に失敗しました」
- 「不明なエラーが発生しました」
このエラーで困ること
認証エラーが起きると、以下のような不便が発生します:
- iCloudに保存した写真や動画が見られない
- 連絡先やカレンダーの同期ができない
- iCloudメールの送受信ができない
- App StoreやiTunes Storeにもサインインできないことがある
- バックアップが作成できない
iCloud認証エラーが起こる主な原因
認証エラーには、いくつかの原因があります。
原因1:Apple IDやパスワードの入力ミス
最も多い原因がこれです。大文字と小文字の違いや、数字と記号の打ち間違いで認証が失敗します。
特に注意すべきポイント:
- 大文字・小文字の区別(iPhoneとiphoneは別物)
- 数字の「0(ゼロ)」と英字の「O(オー)」
- 数字の「1(イチ)」と英字の「l(エル)」
- スペースの有無
- キーボードの言語設定(日本語入力になっていないか)
原因2:ネットワーク接続の問題
インターネット接続が不安定だったり、特定のネットワーク設定が邪魔をしていることがあります。
具体的には:
- Wi-Fiの電波が弱い
- モバイルデータ通信の速度制限がかかっている
- VPN(仮想プライベートネットワーク)を使用している
- 公衆Wi-Fiのセキュリティ設定
- ルーターの設定
原因3:Appleのサーバー障害
Apple側のシステムにトラブルが起きていると、どんなに正しく入力してもサインインできません。
サーバー障害の可能性がある時:
- 多くのユーザーが同時に同じ問題を報告している
- SNSで「iCloud障害」などのキーワードがトレンドになっている
- Apple公式のシステム状況ページに問題が表示されている
原因4:2ファクタ認証の問題
2ファクタ認証(二段階認証)とは、パスワードに加えて確認コードを入力することで、セキュリティを強化する仕組みです。
この認証でトラブルが起きるケース:
- 確認コードが届かない
- 古いコードを入力している(コードは数分で無効になります)
- 信頼できるデバイスが手元にない
- 電話番号が変わった
原因5:ソフトウェアのバージョンが古い
iOSやiCloud for Windowsのバージョンが古いと、互換性の問題で認証エラーが起こることがあります。
原因6:日時設定の不具合
デバイスの日付や時刻が大幅にずれていると、Appleのサーバーと正しく通信できません。
原因7:セキュリティソフトの干渉(Windows)
Windowsパソコンの場合、ウイルス対策ソフトやファイアウォールがiCloudの通信をブロックしていることがあります。
原因8:キャッシュや一時ファイルの蓄積
デバイスに溜まった古いデータが原因で、認証プロセスが正常に動作しないことがあります。
解決法の前にまず確認すること
具体的な解決法を試す前に、以下の3つを確認しましょう。
1. Appleのシステム状況を確認
まずは、Apple側に問題がないか確認します。
確認方法:
- ブラウザで「Apple システム状況」と検索
- Appleの公式システム状況ページを開く
- 「iCloud」「Apple ID」の項目に緑色のマークがついているか確認
緑色のマーク → 正常に動作中
それ以外 → Appleのサーバーに問題あり(待つしかありません)
2. インターネット接続を確認
ブラウザで他のウェブサイトが開けるか試してみましょう。
Wi-Fiの場合:
- 電波マークが何本表示されているか確認
- ルーターの近くに移動してみる
- 他のWi-Fiに接続してみる
モバイルデータの場合:
- 4Gや5Gの表示があるか確認
- データ通信量の上限に達していないか確認
3. Apple IDとパスワードを再確認
パスワードを入力する前に、以下をチェックしてください:
- CapsLock(大文字ロック)がオンになっていないか
- NumLock(数字キー)の設定
- キーボードの言語設定
パスワードが分からない場合:
「Apple IDパスワードをお忘れですか?」のリンクからリセットできます。
【iPhone・iPad】認証エラーの解決法
iPhoneやiPadで認証エラーが出た時の対処法を、効果的な順番に紹介します。
解決法1:デバイスを再起動する
最もシンプルで効果的な方法です。一時的な不具合はこれで解消することが多いです。
iPhone X以降、iPhone SE(第2世代以降)、iPad:
- サイドボタンといずれか片方の音量ボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたら、スライダーをドラッグ
- 30秒ほど待つ
- サイドボタンを長押ししてAppleロゴが表示されるまで待つ
iPhone 8以前、iPhone SE(第1世代):
- 上部または側面のボタンを長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライダーをドラッグ
- 30秒ほど待つ
- 同じボタンを長押ししてAppleロゴが表示されるまで待つ
解決法2:iCloudからサインアウトして再サインイン
これは非常に効果的な方法です。認証情報がリセットされ、多くの場合問題が解決します。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部のあなたの名前をタップ
- 一番下までスクロール
- 「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- デバイスに残したいデータのコピーをオンにする(写真、連絡先など)
- 「サインアウト」をタップして確定
- デバイスを再起動
- 再度「設定」を開き「iPhoneにサインイン」をタップ
- Apple IDとパスワードを入力してサインイン
注意:
サインアウトする前に、重要なデータがiCloud以外にもバックアップされているか確認してください。
解決法3:ネットワーク設定をリセットする
ネットワークの設定に問題がある場合、リセットで解消できます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 確認メッセージで「ネットワーク設定をリセット」をタップ
注意:
この操作を行うと、保存されているWi-Fiのパスワードが削除されます。再度入力する必要があります。
解決法4:日付と時刻の設定を確認
日時が正しく設定されていないと、認証エラーが起こります。
確認と修正の手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「日付と時刻」をタップ
- 「自動設定」がオンになっているか確認
- オフになっていたらオンに切り替える
解決法5:iOSを最新版にアップデート
古いバージョンのiOSが原因の場合、アップデートで解決します。
アップデート手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェアアップデート」をタップ
- アップデートがある場合は「ダウンロードしてインストール」をタップ
注意:
アップデート前に:
- 十分なバッテリー残量(50%以上、できれば充電中)
- 安定したWi-Fi接続
- データのバックアップ
解決法6:2ファクタ認証を確認する
2ファクタ認証が有効になっている場合、設定を見直します。
確認手順:
- 「設定」アプリを開く
- あなたの名前をタップ
- 「サインインとセキュリティ」をタップ
- 「2ファクタ認証」の設定を確認
確認コードが届かない場合:
- 信頼できる電話番号が最新か確認
- SMSが受信できる状態か確認
- 別の信頼できるデバイスからコードを取得
【Mac】認証エラーの解決法

Macで認証エラーが出た時の対処法です。
解決法1:Macを再起動する
手順:
- 左上のAppleメニューをクリック
- 「再起動」をクリック
- 確認画面で「再起動」をクリック
解決法2:iCloudからサインアウトして再サインイン
手順:
- 左上のAppleメニューをクリック
- 「システム設定」を選択
- 「Apple ID」をクリック
- 下にスクロールして「サインアウト」をクリック
- データのコピーを残すか選択
- Apple IDのパスワードを入力してサインアウト
- Macを再起動
- 再度「システム設定」から「Apple IDでサインイン」をクリック
解決法3:DNS設定を変更する
DNS(ドメインネームシステム)の設定を変更すると、接続が改善することがあります。
手順:
- 「システム設定」を開く
- 「ネットワーク」をクリック
- 使用中のネットワーク接続(Wi-Fiなど)を選択
- 「詳細」をクリック
- 「DNS」タブをクリック
- 「+」ボタンをクリック
- 「8.8.8.8」(GoogleのパブリックDNS)を入力
- 「OK」をクリック
解決法4:macOSを最新版にアップデート
手順:
- 左上のAppleメニューをクリック
- 「システム設定」を選択
- 「一般」をクリック
- 「ソフトウェアアップデート」をクリック
- アップデートがあれば「今すぐアップデート」をクリック
解決法5:キーチェーンをリセットする
Macのキーチェーン(パスワード管理システム)に古いデータが残っていることが原因の場合があります。
手順:
- 「アプリケーション」フォルダを開く
- 「ユーティリティ」フォルダ内の「キーチェーンアクセス」を開く
- 検索バーで「iCloud」と入力
- iCloud関連の項目を選択して削除
- Macを再起動してiCloudに再サインイン
【Windows】認証エラーの解決法
WindowsパソコンでiCloud for Windowsを使用している場合の解決法です。
解決法1:PCを再起動する
基本的ですが効果的です。まずは再起動を試してみましょう。
解決法2:iCloud for Windowsを最新版にアップデート
手順:
- Microsoft Storeを開く
- 右上の「…」(メニュー)をクリック
- 「ダウンロードと更新」を選択
- 「更新プログラムを取得する」をクリック
- iCloudのアップデートがあればインストール
解決法3:iCloud for Windowsをリセットする
アプリのデータをリセットすると、問題が解消することがあります。
手順:
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「アプリ」→「アプリと機能」をクリック
- 「iCloud」を探してクリック
- 「詳細オプション」をクリック
- 「リセット」をクリック
- 確認画面で再度「リセット」をクリック
- PCを再起動
- iCloudを開いてサインイン
解決法4:セキュリティソフトを一時的に無効化
ウイルス対策ソフトやファイアウォールがiCloudの通信をブロックしている可能性があります。
手順:
- 使用しているセキュリティソフトを開く
- 一時的に保護機能を無効化
- iCloudにサインインを試す
- サインインできたら、セキュリティソフトの設定でiCloudを許可リストに追加
- 保護機能を再度有効化
注意:
セキュリティソフトを無効にしている間は、インターネットの閲覧は最小限にしてください。
解決法5:iTunes for Windowsをインストールする
iCloud for WindowsはiTunesと連携して動作することがあります。iTunesがインストールされていない場合、認証エラーが起こることがあります。
手順:
- Appleの公式サイトからiTunes for Windowsをダウンロード
- インストーラーを実行してインストール
- PCを再起動
- iCloudを開いてサインイン
解決法6:iCloud for Windowsを再インストールする
上記の方法で解決しない場合は、完全に削除して再インストールします。
手順:
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「アプリ」→「アプリと機能」をクリック
- 「iCloud」を探してクリック
- 「アンインストール」をクリック
- PCを再起動
- Microsoft StoreまたはApple公式サイトから最新版をダウンロード
- インストール後、PCを再起動
- iCloudを開いてサインイン
解決法7:ネットワークの優先順位を変更する(上級者向け)
複数のネットワークアダプターがある場合、優先順位が原因のことがあります。
手順:
- 「コントロールパネル」を開く
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 「ネットワークと共有センター」をクリック
- 左側の「アダプターの設定の変更」をクリック
- 使用中のネットワーク接続を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「インターネット プロトコル バージョン 6 (TCP/IPv6)」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
- PCを再起動
どの方法でも解決しない場合
上記のすべての方法を試しても認証エラーが続く場合は、以下の対応を検討してください。
Apple サポートに連絡する
専門家のサポートを受けましょう。
連絡方法:
- Appleサポート公式サイトにアクセス
- 「Apple ID」を選択
- 「サインインとセキュリティ」を選択
- 「今すぐサポートを受ける」をクリック
- 電話またはチャットでサポートを依頼
アカウントのセキュリティ状態を確認
Apple IDが一時的にロックされている可能性もあります。
確認方法:
- ブラウザでappleid.apple.comにアクセス
- サインインを試みる
- 「アカウントがロックされています」などのメッセージが表示されたら、画面の指示に従ってロック解除の手続きを行う
予防策:認証エラーを起こさないために
今後、認証エラーを防ぐための対策を紹介します。
1. ソフトウェアを常に最新に保つ
iOSやmacOS、iCloud for Windowsのアップデートが利用可能になったら、できるだけ早くインストールしましょう。
2. パスワードを安全に管理する
- パスワードマネージャーアプリを使用する
- 定期的にパスワードを変更する
- 複雑で推測されにくいパスワードを設定する
3. 2ファクタ認証を有効にする
セキュリティは強化されますが、信頼できる電話番号やデバイスを常に最新に保ちましょう。
4. 安定したネットワークを使用する
公衆Wi-Fiではなく、信頼できるネットワークでiCloudにサインインするようにします。
5. 定期的にサインアウトとサインインを行う
数ヶ月に一度、iCloudからサインアウトして再度サインインすることで、認証情報がリフレッシュされます。
まとめ
iCloud認証エラーは誰にでも起こりうるトラブルですが、ほとんどの場合は簡単な対処法で解決できます。
この記事のポイント:
- まずはAppleのシステム状況とネットワーク接続を確認
- 最も効果的なのはデバイスの再起動とサインアウト&再サインイン
- ネットワーク設定のリセットやソフトウェアのアップデートも有効
- Windowsではセキュリティソフトが原因のことも多い
- どうしても解決しない時はAppleサポートに相談
認証エラーが出ても慌てず、この記事の解決法を順番に試してみてください。
ほとんどのケースで、5〜10分程度の作業で問題は解消します。それでも解決しない場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
大切なデータを守るためにも、定期的なバックアップと、セキュリティ設定の見直しを忘れずに行いましょう!


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