「iCloudストレージの保存容量がもう少しで上限に達します」
「iCloudストレージがいっぱいです」
こんな通知が突然表示されて、困っていませんか?
iPhoneを使っていると、誰もが一度は経験するこの問題。無料プランは5GBしかないため、写真を撮ったりアプリを使ったりしているうちに、あっという間にいっぱいになってしまいます。
この記事では、iCloudストレージが上限に達した時の対処法を、初心者でも分かるように徹底解説します。有料プランに課金せずに容量を増やす方法から、どうしても必要な場合の賢い課金方法まで、すべてお伝えします。
iCloudストレージが上限に達するとどうなる?【6つの影響】

まずは、放置するとどんな問題が起こるのか理解しましょう。
1. iPhoneのバックアップができなくなる
最も深刻な影響がこれです。
iPhoneが壊れたり紛失したりした時、バックアップがないとデータを復元できません。つまり、大切な写真や連絡先、LINEのトーク履歴などが全部消えてしまう可能性があります。
バックアップが止まるタイミング
- 新しいバックアップが作成されない
- 既存のバックアップが更新されない
- 180日間バックアップされないと、既存のデータも削除される可能性がある
2. 新しい写真や動画がアップロードされない
「iCloud写真」をオンにしている場合、新しく撮影した写真や動画がiCloudにアップロードされなくなります。
具体的には
- iPhone本体にしか保存されない
- 他のデバイス(iPadやMacなど)で見られない
- iPhoneが壊れたら写真も消える
3. iCloudメールが使えなくなる
iCloudメールアドレス(@icloud.comや@me.com)を使っている場合、メールの送受信が完全にストップします。
影響を受ける機能
- 新しいメールの受信ができない
- メールの送信もできない
- 容量が空くまで完全に使用不可
4. アプリのデータが同期されない
iCloudを使ってデバイス間でデータを同期しているアプリ(メモ、リマインダー、Safariのブックマークなど)が、最新の状態に更新されなくなります。
同期が止まるアプリの例
- メモ
- リマインダー
- カレンダー
- Safariのブックマーク
- Pages、Numbers、Keynote
- その他iCloud対応アプリ
5. iCloud Driveに新しいファイルを保存できない
パソコンとの連携で使っているiCloud Driveに、新しいファイルを保存できなくなります。
6. 通知が頻繁に表示される
容量不足の警告が、何度も何度も表示されるようになります。これが地味にストレスになります。
そもそも何が容量を使っているの?【原因を確認する方法】
対策を立てる前に、まずは「何が容量を圧迫しているか」を確認しましょう。
iPhoneで確認する方法
手順
- 設定アプリを開く
- 一番上のあなたの名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 画面上部に使用状況が表示される(例:4.8GB/5GB使用中)
ここで、何がどれだけ容量を使っているか、色分けされたグラフで確認できます。
詳しい内訳を見る方法
もっと詳しく知りたい場合は、続けて以下の操作をします。
- 「ストレージを管理」または「アカウントのストレージを管理」をタップ
- 各項目がどれだけ容量を使っているか確認できる
よくある容量の使い道
- 写真とビデオ:2〜4GB(最も容量を使うことが多い)
- バックアップ:1〜3GB
- iCloud Drive:数百MB〜数GB
- メッセージ:数百MB
- その他のアプリ:各数十MB〜数百MB
Macで確認する方法
- 画面左上のAppleメニュー()をクリック
- 「システム設定」を選択
- 「Apple ID」をクリック
- 「iCloud」を選択
- 使用状況が表示される
【無料で解決】iCloudの容量を増やす10の方法
お金をかけずに容量を増やす方法を、効果の大きい順に紹介します。
方法1:不要な写真・動画を削除する【最も効果的】
写真と動画は、iCloudストレージの大部分を占めます。これを整理するだけで、数GBの容量を確保できることも。
削除すべき写真
- ピンぼけやブレている写真
- 連写で撮った似たような写真(ベストショット以外)
- スクリーンショット(もう必要ないもの)
- 同じ場所で何枚も撮った写真
- 古い動画(特に数分以上の長い動画)
削除手順
- 写真アプリを開く
- 削除したい写真を選択(複数選択可)
- ゴミ箱アイコンをタップ
- 「写真を削除」をタップ
重要:完全に削除する
写真を削除しても、30日間は「最近削除した項目」に残っています。完全に削除するには:
- 写真アプリを開く
- 「アルバム」タブをタップ
- 一番下までスクロールして「最近削除した項目」をタップ
- 右上の「選択」→「すべて削除」→「削除」
方法2:古いデバイスのバックアップを削除する
前に使っていたiPhoneやiPadのバックアップが残っている可能性があります。これが数GBを占めていることも。
削除手順
- 設定 → あなたの名前 → iCloud
- 「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 使っていないデバイスを選択
- 「バックアップを削除」→「オフにして削除」
方法3:バックアップするアプリを減らす
すべてのアプリをバックアップする必要はありません。特にゲームアプリは容量が大きいので、オフにすると効果的です。
設定手順
- 設定 → あなたの名前 → iCloud
- 「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 現在使っているデバイスを選択
- 「バックアップするデータを選択」で不要なアプリをオフ
- 「オフにして削除」をタップ
オフにしてもいいアプリの例
- ゲームアプリ(アカウント連携している場合)
- 動画配信アプリ(Netflix、Amazon Primeなど)
- 音楽アプリ(Spotify、Apple Musicなど)
- SNSアプリ(再ログインすればデータは復元される)
方法4:メッセージアプリの添付ファイルを削除
メッセージアプリには、気づかないうちに大量の写真や動画が溜まっています。
削除手順
- 設定 → 一般 → iPhoneストレージ
- 「メッセージ」をタップ
- 「大きい添付ファイルを再検討」をタップ
- 不要な添付ファイルを左にスワイプして削除
自動削除を設定する
古いメッセージを自動的に削除する設定もできます。
- 設定 → メッセージ
- 「メッセージを残す」をタップ
- 「30日間」または「1年間」を選択
方法5:iCloudメールの添付ファイルを削除
iCloudメールを長年使っている場合、添付ファイルだけで数百MBになっていることも。
削除方法
- SafariでiCloud.com にアクセス
- Apple Accountでサインイン
- 「メール」を開く
- 不要なメールを選択して削除
- 左サイドバーの「ゴミ箱」を開く
- 「ゴミ箱を空にする」をクリック
方法6:iCloud Driveの不要なファイルを削除
iCloud Driveに古いファイルが残っていませんか?
削除手順
- ファイルアプリを開く
- 「ブラウズ」→「iCloud Drive」
- 不要なファイルを長押し
- 「削除」をタップ
- 「最近削除した項目」からも削除
方法7:ボイスメモを削除
ボイスメモも意外と容量を使います。特に長時間の録音は要注意。
削除方法
- ボイスメモアプリを開く
- 不要な録音を選択
- ゴミ箱アイコンをタップ
- 「最近削除した項目」からも削除
方法8:「iPhoneのストレージを最適化」を有効にする
この設定をオンにすると、iPhone本体には小さいサイズの写真だけが保存され、元のサイズの写真はiCloudにのみ保存されます。
設定方法
- 設定 → 写真
- 「iPhoneのストレージを最適化」を選択
注意点
この設定は「iPhoneの容量」を節約するもので、「iCloudの容量」は節約されません。むしろiCloudの容量は増えます。
方法9:iCloud写真を一時的にオフにする
どうしても容量が足りない場合の最終手段です。写真をパソコンや外付けHDDに保存してから実行してください。
手順
- 設定 → あなたの名前 → iCloud → 写真
- 「iCloud写真」をオフ
- 「写真とビデオをダウンロード」を選択(30日以内に)
警告
30日以内にダウンロードしないと、iCloud上の写真が完全に削除されます!
方法10:iPhoneを再起動する
意外かもしれませんが、再起動するだけで容量が正しく表示されることがあります。特に「空き容量があるのにいっぱいと表示される」場合に有効です。
再起動方法(iPhone X以降)
- 音量ボタン(上または下)と電源ボタンを同時に長押し
- スライダーが表示されたら、スワイプして電源オフ
- 30秒待つ
- 電源ボタンを長押しして起動
それでも足りない!有料プラン(iCloud+)の賢い選び方

無料の対策をすべて試しても足りない場合は、有料プランを検討しましょう。
iCloud+の料金プラン(2025年現在)
日本の月額料金(税込)
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,900円
どのプランを選べばいい?
50GBプラン(月額130円)
こんな人におすすめ
- 写真をあまり撮らない
- 1台のiPhoneだけ使っている
- 動画はほとんど撮らない
200GBプラン(月額400円)【最もおすすめ】
こんな人におすすめ
- 写真をよく撮る
- 複数のデバイスを使っている
- 家族とストレージを共有したい(最大5人まで可能)
- 動画も時々撮る
2TBプラン(月額1,300円)
こんな人におすすめ
- 4K動画を頻繁に撮る
- プロのカメラマンやクリエイター
- 大量の写真・動画を保存したい
- 仕事でiCloud Driveをたくさん使う
アップグレード方法
- 設定 → あなたの名前 → iCloud
- 「ストレージを管理」または「アカウントのストレージを管理」
- 「ストレージプランを変更」
- 希望のプランを選択
- 「購入する」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
ダウングレード・解約方法
プランを下げる・無料に戻す
- 設定 → あなたの名前 → iCloud
- 「ストレージを管理」
- 「ストレージプランを変更」
- 「ダウングレードオプション」をタップ
- 希望のプラン(または「なし」)を選択
注意点
プランを下げる前に、必ずデータ量を確認してください。ダウングレード後の容量を超えている場合、データが削除される可能性があります。
【トラブルシューティング】容量があるのに「いっぱい」と表示される場合
「まだ空き容量があるのに、いっぱいと言われる!」という不思議な現象の解決法です。
原因1:表示が更新されていない
iCloudの容量表示は、すぐに反映されないことがあります。
解決方法
- 数分〜数時間待つ
- iPhoneを再起動する
- Apple Accountから一度サインアウトして、再度サインインする
原因2:「最近削除した項目」にファイルが残っている
写真やファイルを削除しても、30日間は完全に削除されません。
解決方法
- 写真アプリの「最近削除した項目」を空にする
- ファイルアプリの「最近削除した項目」も確認
- iCloud Driveの「最近削除した項目」も空にする
原因3:同期処理が進行中
複数のデバイスでiCloudを使っている場合、データの同期に時間がかかることがあります。
解決方法
- すべてのデバイスをWi-Fiに接続
- 数時間待つ
- 各デバイスを再起動
原因4:キャッシュや一時ファイルが残っている
システムのキャッシュが容量を使っていることがあります。
解決方法
- iPhoneを完全に再起動
- 設定 → 一般 → iPhoneストレージで「その他」の容量を確認
- 「その他」が異常に大きい場合は、iOSのアップデートを確認
原因5:バックアップが進行中
バックアップ処理中は、一時的に容量がいっぱいになることがあります。
解決方法
- 設定 → あなたの名前 → iCloud → iCloudバックアップ
- バックアップの進行状況を確認
- 完了するまで待つ
iCloudを使わない代替バックアップ方法
iCloudに頼らず、他の方法でバックアップする選択肢もあります。
方法1:パソコンにバックアップ(無料・容量無制限)
Macの場合(Finder)
- MacとiPhoneをUSBケーブルで接続
- Finderを開く
- サイドバーでiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
Windowsの場合(iTunes)
- WindowsにiTunesをインストール
- iPhoneをUSBケーブルで接続
- iTunesでiPhoneアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
メリット
- 容量無制限(パソコンの空き容量分)
- 完全無料
- 復元が速い
デメリット
- パソコンが必要
- 手動でバックアップする必要がある
- パソコンが壊れたらバックアップも失われる
方法2:Googleフォト(写真・動画のみ)
Googleアカウントがあれば、15GBまで無料で使えます。
メリット
- 15GB無料
- 自動バックアップ
- スマホからもパソコンからもアクセス可能
デメリット
- 写真と動画のみ
- 15GBを超えたら有料(100GB:月額250円)
方法3:外付けHDDやUSBメモリ
写真や動画を外部ストレージに移動します。
メリット
- 買い切りで追加費用なし
- 大容量(1TB以上も可能)
デメリット
- パソコンが必要
- 自動バックアップできない
- 物理的に壊れるリスクがある
よくある質問
Q1. 有料プランに課金したのに、まだ「いっぱい」と表示される
A: 以下を試してください。
- Apple Accountから一度サインアウトして、再度サインイン
- iPhoneを再起動
- 数時間待つ(反映に時間がかかることがあります)
- それでも解決しない場合は、Appleサポートに連絡
Q2. 家族とストレージを共有できる?
A: はい、できます。
200GB以上のプランなら、最大5人の家族メンバーとストレージを共有できます。ただし、各自のデータは互いに見えないように保護されています。
Q3. iCloudストレージがいっぱいだと、iPhoneの写真も消える?
A: いいえ、消えません。
iCloudストレージがいっぱいでも、iPhone本体の写真は影響を受けません。ただし、新しい写真がiCloudにバックアップされなくなるだけです。
Q4. 無料プランに戻したい。データは消える?
A: 容量を超えた分は削除される可能性があります。
ダウングレード前に、データ量が5GB以内になるように整理してください。整理せずにダウングレードすると、180日後にデータが削除されます。
Q5. バックアップとiCloud写真の違いは?
A: 別々の機能です。
- バックアップ:iPhone全体のコピー(設定、アプリデータなど)
- iCloud写真:写真と動画を同期する機能
どちらも容量を使いますが、それぞれ独立しています。
Q6. 会社のWi-Fiでバックアップできない
A: 会社のネットワーク設定で制限されている可能性があります。
自宅のWi-Fiやモバイルデータ通信(有料プランの場合)を使ってください。
Q7. 「その他のシステムデータ」が多すぎる
A: iOSのキャッシュが溜まっている可能性があります。
- iOSを最新版にアップデート
- iPhoneを再起動
- それでも減らない場合は、バックアップを取ってから初期化
Q8. 課金したのにすぐ容量が足りなくなる
A: 使い方を見直しましょう。
- 4K動画は1分で400MB以上使います
- Live Photosもファイルサイズが大きいです
- 不要なアプリのバックアップをオフにしていますか?
まとめ:iCloudストレージ管理の3つの鉄則
1. 定期的に整理する習慣をつける
月に1回、5分でいいので、以下をチェックしましょう。
- 不要な写真・動画の削除
- 「最近削除した項目」を空にする
- 古いバックアップの削除
2. 本当に必要なものだけバックアップする
すべてをバックアップする必要はありません。
- ゲームアプリはオフ
- 動画配信アプリもオフ
- 本当に大切なデータだけ選ぶ
3. 用途に合わせてバックアップ方法を使い分ける
一つの方法に頼らず、複数の方法を組み合わせましょう。
- 日常のバックアップ:iCloud(自動)
- 大切な写真:Googleフォト + 外付けHDD
- 完全なバックアップ:月に1回パソコンに保存
iCloudストレージの管理は、最初は面倒に感じるかもしれません。でも、一度整理してしまえば、その後は月に数分のメンテナンスで十分です。
この記事の方法を試して、快適なiPhoneライフを取り戻してください!


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