iPhoneやiPadを使っていて、突然「iCloudストレージの空き容量が不足しています」というメッセージが表示されたことはありませんか?
このメッセージが出ると、写真のバックアップができなくなったり、大切なデータの同期が止まったりして不便ですよね。でも、慌てる必要はありません。実は、お金をかけずに容量を増やす方法がいくつもあるんです。
この記事では、iCloudストレージの容量不足を解消する具体的な方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
iCloudストレージとは?

まず、iCloudストレージについて簡単に説明しますね。
iCloudストレージとは、Appleが提供しているインターネット上のデータ保管スペースのことです。クラウド(雲)という名前の通り、インターネット上にデータを保存できるサービスなんですよ。
無料で使える容量
Apple IDを作成すると、誰でも自動的に5GBの無料ストレージがもらえます。
この5GBには、次のようなデータが保存されます:
- 写真や動画
- iPhoneやiPadのバックアップ
- iCloud Driveのファイル(書類やPDFなど)
- メールとその添付ファイル
- アプリのデータ
iCloudストレージとiPhone本体のストレージの違い
ここで混同しやすいポイントがあります。
iCloudストレージは、インターネット上の保管場所です。一方、iPhone本体のストレージは、あなたのiPhone内部の保存容量を指します。
つまり、iPhoneの容量が128GBあっても、iCloudストレージは別に5GBしかないということなんです。
容量が上限に達するとどうなるの?
iCloudストレージが満杯になると、次のような不便が起こります:
バックアップができなくなる
iPhoneのデータが自動でバックアップされなくなります。もしiPhoneを紛失したり壊れたりした時、データを復元できなくなる可能性があります。
新しい写真がアップロードされない
iCloud写真を有効にしている場合、新しく撮影した写真や動画が保存されなくなってしまいます。
アプリやファイルの同期が止まる
iCloud Driveやメモ、連絡先などのデータが、他のAppleデバイスと同期されなくなります。
メールの送受信に支障が出る
iCloudメールアドレスでのメール送受信ができなくなることもあります。
iCloudストレージの使用状況を確認する方法
対処を始める前に、まずは何が容量を圧迫しているのか確認しましょう。
iPhoneやiPadでの確認方法
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部のあなたの名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「ストレージを管理」(または「アカウントのストレージを管理」)をタップ
ここで、各アプリやデータがどれくらい容量を使っているか一覧で見ることができます。
Macでの確認方法
- 左上のAppleメニューをクリック
- 「システム設定」をクリック
- 「Apple ID」をクリック
- 「iCloud」をクリック
- 「管理」ボタンをクリック
どちらの方法でも、使用状況を詳しくチェックできますよ。
容量不足を解消する7つの方法
それでは、実際に容量を減らす方法を見ていきましょう。
方法1:不要な写真や動画を削除する
写真や動画は、iCloudストレージの中で最も容量を占めることが多いです。特に最新のiPhoneは高画質で撮影できるため、1枚の写真でも数MBになることがあります。
削除の手順:
- 「写真」アプリを開く
- 画面下の「ライブラリ」をタップ
- 「すべての写真」を表示
- 不要な写真を選択して削除
注意点:
削除した写真は「最近削除した項目」に30日間保管されます。完全に削除するには、この後の「方法2」も実行してください。
方法2:「最近削除した項目」を空にする
写真を削除しても、実は完全には消えていません。iCloudには「最近削除した項目」というゴミ箱のような場所があり、ここに30日間保存されているんです。
完全削除の手順:
- 「写真」アプリを開く
- 画面下の「アルバム」をタップ
- 下にスクロールして「最近削除した項目」をタップ
- 右上の「選択」をタップ
- 「すべてを削除」をタップ
これで、本当に容量が空きます。
方法3:iCloud写真の最適化を有効にする
写真をすべて削除したくない場合は、「iCloud写真の最適化」機能が便利です。
この機能を有効にすると:
- 高画質の写真はiCloudに保存される
- iPhone内には軽量版(サイズを小さくした版)が保存される
つまり、写真自体は残しつつ、iPhone本体とiCloudの両方で容量を節約できるんです。
設定方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「写真」をタップ
- 「iPhoneのストレージを最適化」を選択
方法4:古いバックアップを削除する
以前使っていた古いiPhoneやiPadのバックアップが、知らないうちに残っていることがあります。
削除の手順:
- 「設定」アプリを開く
- あなたの名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「ストレージを管理」をタップ
- 「バックアップ」をタップ
- 不要なデバイスのバックアップを選択
- 「バックアップを削除」をタップ
もう使っていないデバイスのバックアップは削除して大丈夫です。
方法5:使わないアプリのバックアップをオフにする
すべてのアプリのデータをバックアップする必要はありません。使用頻度の低いアプリはオフにしましょう。
オフにする手順:
- 「設定」アプリを開く
- あなたの名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「ストレージを管理」をタップ
- 「バックアップ」をタップ
- バックアップしたいデバイスをタップ
- 不要なアプリをオフに切り替える
ゲームアプリなど、データを失っても困らないものはオフにすると良いでしょう。
方法6:メールの添付ファイルを整理する
意外と見落としがちなのが、メールの添付ファイルです。特に写真や大きなPDFが添付されたメールは、かなりの容量を占めることがあります。
iCloud.comでの整理方法:
- iCloud.com にアクセスしてログイン
- 「メール」を開く
- 「表示」メニューから「添付ファイルで並べ替え」を選択
- サイズの大きなメールを確認して削除
定期的に整理すると、容量を効率よく使えますよ。
方法7:iCloud Driveを整理する
iCloud Driveに保存しているファイルも、容量を圧迫していることがあります。特に重複ファイルや不要なドキュメントは削除しましょう。
整理の手順:
- iCloud.com にアクセス
- 「iCloud Drive」を開く
- 不要なファイルやフォルダを選択
- ゴミ箱アイコンをクリックして削除
または、iPhoneの「ファイル」アプリからも整理できます。
それでも容量が足りない場合:有料プランの検討

上記の方法を試してもまだ容量が足りない場合は、有料プランの「iCloud+」へのアップグレードを検討しましょう。
iCloud+の料金プラン(2025年12月現在)
- 50GB: 月額130円
- 200GB: 月額400円
- 2TB: 月額1,300円
- 6TB: 月額3,900円
- 12TB: 月額7,900円
アップグレード方法
iPhoneやiPadの場合:
- 「設定」アプリを開く
- あなたの名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「ストレージを管理」をタップ
- 「ストレージプランを変更」をタップ
- 希望のプランを選択して「購入する」をタップ
Macの場合:
- 「システム設定」を開く
- 「Apple ID」をクリック
- 「iCloud」をクリック
- 「管理」をクリック
- 「ストレージプランを変更」をクリック
iCloud+の追加特典
有料プランにすると、容量だけでなく次のような機能も使えるようになります:
- iCloudプライベートリレー: インターネットのプライバシー保護機能
- メールを非公開: 本当のメールアドレスを隠せる
- HomeKit対応カメラのビデオ保存: スマートホームカメラの録画保存
- カスタムメールドメイン: 独自ドメインのメール作成
- 家族との共有: 最大5人までストレージを共有可能
空き容量があるのに「容量不足」と表示される場合
「まだ容量があるはずなのに、容量不足のメッセージが出る」という不思議な現象が起こることがあります。
原因
この問題の主な原因は:
- キャッシュや一時ファイルの蓄積
- バックアップが正常に完了していない
- iCloudの表示バグや同期の遅れ
- 古いバックアップファイルが残っている
対処法
次の方法を試してみてください:
1. iCloudからサインアウトして再サインイン
- 「設定」アプリを開く
- あなたの名前をタップ
- 下にスクロールして「サインアウト」をタップ
- パスワードを入力してサインアウト
- 再度サインインする
これで、iCloudの情報が更新されて正しく表示されることがあります。
2. デバイスを再起動する
シンプルですが、再起動で解決することも多いです。
3. iOSを最新版にアップデート
古いバージョンのiOSでは、表示のバグが起こることがあります。最新版にアップデートしましょう。
iCloudを使わずにバックアップする方法
「iCloudの容量を気にせずにバックアップしたい」という方には、別の方法もあります。
パソコンを使ったバックアップ
Macの場合(Finder使用):
- iPhoneをMacに接続
- Finderを開く
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
Windowsの場合(iTunes使用):
- iPhoneをPCに接続
- iTunesを開く
- デバイスアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
この方法なら、iCloudの容量を消費せずにバックアップできます。
外付けHDDやSSDの活用
写真や動画を外付けストレージに移すことで、iCloudとiPhone本体の両方の容量を節約できます。
まとめ
iCloudストレージの容量不足は、適切な対処をすれば簡単に解決できます。
この記事のポイント:
- まずは使用状況を確認して、何が容量を圧迫しているか把握する
- 写真や動画の整理が最も効果的
- 「最近削除した項目」も忘れずに空にする
- 古いバックアップや使わないアプリのバックアップをオフにする
- それでも足りなければ、月額130円から始められる有料プランを検討
定期的に整理する習慣をつけると、容量不足のメッセージに悩まされることもなくなります。
特に、写真は気づかないうちにどんどん増えていくので、3ヶ月に1回くらいのペースで見直すのがおすすめですよ。
あなたのiCloudストレージを快適に保って、大切なデータを安全に守りましょう!

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