「iCloudストレージがいっぱいです」という通知が出て困っていませんか?
実は、その原因は前回のバックアップや古いデバイスのバックアップが容量を圧迫している可能性が高いです。無料プランは5GBしかないため、あっという間にいっぱいになってしまいます。
この記事では、iCloudのバックアップを安全に削除する方法を、iPhone、iPad、Mac、Windowsパソコンそれぞれの手順で分かりやすく解説します。「削除したらデータが消えちゃうの?」という不安にもしっかりお答えしますので、安心して読み進めてください。
そもそもiCloudバックアップって何?削除しても大丈夫なの?

バックアップの仕組みを理解しよう
まず最初に、とても大事なことをお伝えします。
iCloudのバックアップは「コピー」であって、iPhoneの中のデータそのものではありません。
仕組みはこうなっています。
バックアップが作成される流れ
- iPhoneがWi-Fiに接続され、充電中で、ロックされている
- 自動的にiPhoneのデータがコピーされる
- そのコピーがiCloudのサーバーに保存される
つまり、バックアップを削除しても、今使っているiPhoneの中のデータは何も消えません。写真も、連絡先も、メッセージも全部そのまま残ります。
バックアップが必要なのはこんな時
バックアップは普段使うものではありませんが、こんな時に役立ちます。
バックアップが活躍する場面
- 新しいiPhoneに機種変更する時
- iPhoneが壊れてしまった時
- iPhoneを紛失してしまった時
- ウイルス感染などで初期化が必要になった時
これらの場面で、バックアップがあれば元の状態に復元できます。
削除していいバックアップ、ダメなバックアップ
削除してもOKなバックアップ
- 前に使っていたiPhoneのバックアップ(既にデータ移行済み)
- 何年も前の古いバックアップ
- もう使っていないiPadのバックアップ
- 重複している古い日付のバックアップ
削除しちゃダメなバックアップ
- 現在使っているデバイスの最新バックアップ
- まだデータ移行していない古いiPhoneのバックアップ
- 大切なデータが入っている可能性がある最近のバックアップ
削除する前に、「このバックアップにしかないデータはないか?」を必ず確認してください。
iPhoneからバックアップを削除する方法【詳しい手順】
最も簡単な方法は、iPhone本体から削除する方法です。
手順1:設定アプリを開く
- ホーム画面から「設定」アプリをタップ
- 一番上にあるあなたの名前(Apple Account)をタップ
- 「iCloud」をタップ
手順2:ストレージを確認する
- 「ストレージを管理」または「アカウントのストレージを管理」をタップ
- 使用量が表示されます(例:4.8GB/5GB使用中)
- 「バックアップ」をタップ
手順3:削除したいバックアップを選ぶ
ここで、iCloudにバックアップされているすべてのデバイスが表示されます。
表示される情報
- デバイス名(例:「○○のiPhone」)
- 最後にバックアップした日時
- バックアップのサイズ
古いiPhoneや使っていないiPadのバックアップを探しましょう。
手順4:バックアップを削除する
- 削除したいデバイス名をタップ
- 画面を一番下までスクロール
- 赤い文字の「バックアップを削除」または「オフにしてiCloudから削除」をタップ
- 確認画面が出るので「オフにして削除」をタップ
これで完了です!数秒から数十秒で削除が完了し、ストレージの空き容量が増えます。
個別のアプリデータだけ削除する方法
デバイス全体のバックアップではなく、特定のアプリのデータだけ削除することもできます。
手順
- 手順3まで進んで、現在使っているデバイスを選択
- 「バックアップするデータを選択」という項目を見る
- 削除したいアプリの右側のスイッチをオフにする
- 「オフにして削除」をタップ
例えば、ゲームアプリのデータは容量が大きいですが、クラウドに保存する必要がない場合もあります。こういったアプリをオフにすると、バックアップサイズを大幅に減らせます。
iPadから削除する方法
iPadでも手順は全く同じです。
- 設定 → あなたの名前 → iCloud
- ストレージを管理 → バックアップ
- 削除したいデバイスを選択
- バックアップを削除
Macから削除する方法【macOS版】
Macを使っている方は、パソコンから削除することもできます。
macOS Ventura以降の場合
- 画面左上のAppleメニュー () をクリック
- 「システム設定」を選択
- サイドバーの一番上にあるあなたの名前をクリック
- 「iCloud」をクリック
- 「管理」をクリック
- 左側のメニューから「バックアップ」を選択
- 削除したいデバイスを選んで削除ボタン(-)をクリック
- 「削除」をクリックして確定
古いmacOSの場合
- Appleメニュー → 「システム環境設定」
- Apple IDをクリック
- 「iCloud」を選択
- 「管理」をクリック
- 「バックアップ」を選択
- 削除したいデバイスを選んで「削除」
Windowsパソコンから削除する方法
Windows PCでiCloudアプリを使っている場合の手順です。
事前準備:iCloudアプリのインストール
まだiCloudアプリをインストールしていない場合は、以下の手順でインストールします。
- Appleの公式サイト(https://support.apple.com/ja-jp/108933)にアクセス
- 「Windows用iCloud」をダウンロード
- インストールしてApple Accountでサインイン
バックアップの削除手順
- Windows用iCloudアプリを起動
- 「ストレージ」をクリック
- 「バックアップ」を選択
- 削除したいデバイスのバックアップを選ぶ
- 「削除」をクリック
- 確認画面で「削除」を選択
バックアップが削除できない!よくあるトラブルと解決法
「バックアップを削除できません」と表示されて困ることがあります。原因と対処法を説明します。
原因1:自動バックアップが実行中
症状
- 「このバックアップは現在削除できません」と表示される
- 削除ボタンがグレーアウトしている
解決方法
- 設定 → あなたの名前 → iCloud → iCloudバックアップ
- 「iCloudバックアップ」のスイッチを一時的にオフにする
- 再度削除を試す
- 削除後、必要に応じてバックアップをオンに戻す
原因2:ファミリー共有がオンになっている
ファミリー共有機能を使っている場合、バックアップを削除できないことがあります。
解決方法
- 設定 → あなたの名前 → ファミリー共有
- 自分の名前をタップ
- 「ファミリー共有を停止」→「共有を停止」
- バックアップを削除
- 必要に応じてファミリー共有を再設定
原因3:ネットワーク接続の問題
解決方法
- Wi-Fiの接続を確認する
- iPhoneを再起動する
- ルーターを再起動する
- モバイルデータ通信ではなくWi-Fiを使う
原因4:Apple IDの認証エラー
解決方法
- 設定 → あなたの名前
- 「サインアウト」をタップ
- iPhoneを再起動
- 再度Apple Accountでサインイン
- バックアップの削除を試す
原因5:復元中のバックアップ
現在別のデバイスの復元に使用されているバックアップは削除できません。復元が完了するまで待ちましょう。
削除する前に!絶対確認すべき3つのこと

1. 本当にそのバックアップは不要か確認する
チェックポイント
- 最後にバックアップされた日付を確認
- そのデバイスをまだ使っているか
- 重要なデータが含まれていないか
迷ったら、削除しない方が安全です。
2. iCloud写真の同期設定を確認する
バックアップと「iCloud写真」は別物です。
重要な違い
- バックアップ:削除してもiPhoneの写真は残る
- iCloud写真:削除するとすべてのデバイスから写真が消える
iCloud写真がオンになっている場合、写真はバックアップではなくiCloud写真に保存されています。この場合、バックアップを削除しても写真は消えません。
確認方法
設定 → あなたの名前 → iCloud → 写真 → 「iCloud写真」がオンかどうか確認
3. 他のバックアップ方法を確保する
推奨されるバックアップ方法
- パソコン(MacのFinder、またはWindows用iTunes)に定期的にバックアップ
- 重要な写真は外付けHDDやUSBメモリにも保存
- 連絡先はGoogleアカウントとも同期しておく
「バックアップのバックアップ」を持っておくと安心です。
バックアップを削除した後にすべきこと
新しいバックアップを作成する
古いバックアップを削除したら、念のため最新のバックアップを作成しておきましょう。
手動でバックアップする方法
- Wi-Fiに接続
- 設定 → あなたの名前 → iCloud → iCloudバックアップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
数分から数十分で完了します(データ量による)。
ストレージの空き容量を確認する
削除後、どれだけ容量が増えたか確認しましょう。
確認方法
設定 → あなたの名前 → iCloud → ストレージを管理
即座に反映されない場合は、数分待ってから再度確認してください。
ストレージを節約する7つのコツ
バックアップを削除しても、またすぐにいっぱいになってしまうことがあります。根本的な解決策をご紹介します。
1. 不要な写真・動画を定期的に削除
写真はバックアップの中で最も容量を食います。
削除すべき写真
- ピンぼけ写真
- 連写で撮った同じような写真
- スクリーンショット(もう見ない情報のもの)
- 古い動画
月に1回、写真アプリを整理する習慣をつけましょう。
2. 写真の解像度を下げる
設定方法
- 設定 → 写真
- 「iPhoneのストレージを最適化」を選択
これで、iPhoneには低解像度版が保存され、オリジナルはiCloudに保存されます。
3. メッセージの自動削除を設定
メッセージアプリには、意外と多くの写真や動画が保存されています。
設定方法
- 設定 → メッセージ
- 「メッセージを残す」をタップ
- 「30日間」または「1年間」を選択
古いメッセージが自動的に削除されます。
4. 大きなファイルの添付ファイルを削除
削除方法
- 設定 → 一般 → iPhoneストレージ
- 「メッセージ」をタップ
- 「添付ファイルを確認」で大きなファイルを削除
5. 使っていないアプリを削除
確認方法
- 設定 → 一般 → iPhoneストレージ
- 使っていないアプリを確認
- 「Appを削除」または「Appを取り除く」
「Appを取り除く」を選ぶと、アプリは削除されますが設定やデータは残ります。
6. アプリのキャッシュを削除
アプリによっては、キャッシュが数百MBになることも。
Safari
設定 → Safari → 履歴とWebサイトデータを消去
LINE
LINE → ホーム → 設定 → トーク → データの削除
7. iCloud+にアップグレードする
どうしても5GBでは足りない場合は、有料プランを検討しましょう。
iCloud+の料金(2025年現在)
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,900円
多くの人には50GBか200GBで十分です。
よくある質問
Q1. バックアップを削除すると、iPhoneの写真も消える?
A: いいえ、消えません。
バックアップはあくまでコピーなので、削除してもiPhone本体のデータは全く影響を受けません。ただし、「iCloud写真」を削除すると写真が消えるので注意してください。
Q2. 間違って削除してしまった!復元できる?
A: 残念ながら、削除したバックアップは復元できません。
Appleは削除されたバックアップのコピーを保持していないため、一度削除すると完全に失われます。削除する前に本当に不要か、よく確認してください。
Q3. バックアップを削除した後、また自動バックアップされる?
A: 設定によります。
「オフにして削除」を選んだ場合、そのデバイスの自動バックアップ機能もオフになります。再度バックアップしたい場合は、iCloudバックアップをオンに戻す必要があります。
Q4. 削除しても容量が増えない!なぜ?
考えられる理由がいくつかあります。
よくある原因
- 反映に時間がかかっている(数分〜数時間待つ)
- iCloud写真やiCloud Driveが容量を使っている
- 他のデバイスのバックアップも残っている
- メールのデータが大量にある
設定 → あなたの名前 → iCloud → ストレージを管理で、何が容量を使っているか確認しましょう。
Q5. 古いiPhoneのバックアップは何日後に自動削除される?
A: 180日間保存されます。
iCloudバックアップを無効にしたり使用を停止したりした場合、そのバックアップは180日間(約6ヶ月)保存されます。その後、自動的に削除されます。
Q6. 機種変更した後、古いiPhoneのバックアップはいつ削除すべき?
A: 新しいiPhoneで問題なく使えることを1〜2週間確認した後がおすすめです。
データ移行が完全に成功していることを確認してから削除しましょう。「アプリが正常に動作する」「写真がすべて移行されている」「連絡先が全部ある」などをチェックしてください。
Q7. 複数のバックアップがある場合、どれを削除すればいい?
A: 古い日付のバックアップを削除します。
通常、同じデバイスに対して最新のバックアップだけを残しておけば十分です。日付を確認して、古いものから削除していきましょう。
Q8. パソコンのiTunesバックアップとiCloudバックアップは別物?
A: はい、完全に別物です。
- iCloudバックアップ:Apple のクラウドに保存
- iTunesバックアップ:パソコンのローカルに保存
どちらか一方を削除しても、もう一方には影響しません。
まとめ:バックアップ管理の3つのポイント
1. 定期的に確認する習慣をつける
3〜6ヶ月に1回は、iCloudストレージの使用状況を確認しましょう。「ストレージがいっぱいです」という通知が来る前に、不要なバックアップを削除する習慣をつけると安心です。
2. 削除する前に必ず確認する
削除したバックアップは二度と復元できません。本当に不要なバックアップかどうか、慎重に確認してから削除しましょう。特に、機種変更直後などは注意が必要です。
3. バックアップのバックアップを持つ
iCloudだけに頼らず、パソコンにもバックアップを作成しておくと安全です。「3-2-1ルール」(3つのコピー、2種類の媒体、1つはオフサイト)を意識すると、データ損失のリスクを最小限にできます。
バックアップの管理は面倒に感じるかもしれませんが、一度理解してしまえば簡単です。この記事の手順に従って、ストレージを効率よく管理し、快適なiPhoneライフを送ってください!


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