「iCloudプライベートリレーを使いたいのに、設定のどこにも見当たらない…」 「iOS 15以降なのに、プライベートリレーの項目が表示されない…」 「他の人は使えているのに、自分のiPhoneだけ設定項目がない…」
こんな悩みを抱えていませんか?
実は、iCloudプライベートリレーが表示されない原因はいくつもあって、それぞれに対処法が違うんです。iOSのバージョンだけでなく、地域設定、通信事業者、iCloudプランなど、様々な条件が関係しています。
この記事では、プライベートリレーが表示されない原因を一つずつ確認しながら、あなたのデバイスで使えるようにする方法を順番に説明していきます。
iCloudプライベートリレーって何?まず基本を理解しよう

プライベートリレーの仕組み
iCloudプライベートリレーは、あなたのインターネット通信を暗号化して、プライバシーを守る機能です。
簡単に言うと、こんなイメージです:
- 通常:あなた → Webサイト(直接アクセス)
- プライベートリレー使用時:あなた → Apple → 第三者 → Webサイト(二重に暗号化)
この仕組みによって:
- 訪問先のWebサイトにIPアドレスが知られない
- 通信事業者にも閲覧履歴が分からない
- Appleでさえ、完全な情報は把握できない
つまり、誰もあなたの完全なインターネット活動を追跡できなくなるんです。
VPNとの違い
よく勘違いされますが、プライベートリレーはVPNとは違います。
プライベートリレー:
- Safariブラウザ専用(アプリは対象外)
- 位置情報は大まかに維持される
- 速度低下が少ない
- Apple純正サービス
VPN:
- すべての通信が対象
- 別の国からアクセスしているように見せられる
- 速度が低下しやすい
- サードパーティ製サービス
どちらが良いかは使い方次第ですが、普段使いならプライベートリレーの方が便利です。
プライベートリレーが表示されない7つの原因
原因1:iCloud+に加入していない
最も多い原因がこれです。プライベートリレーは無料では使えません。
確認方法:
- 設定 → 自分の名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 画面上部のストレージバーを確認
「5GB」と表示されている場合は無料プランなので、プライベートリレーは使用できません。
解決方法: iCloud+(有料プラン)にアップグレードする必要があります:
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
どのプランでもプライベートリレーが使えるようになります。
原因2:iOSバージョンが古い
プライベートリレーはiOS 15以降でないと使えません。
確認方法:
- 設定 → 一般 → 情報
- 「システムバージョン」を確認
iOS 14以前の場合は、まずアップデートが必要です。
解決方法:
- 設定 → 一般 → ソフトウェアアップデート
- 利用可能なアップデートをインストール
- Wi-Fi接続と十分なバッテリー(50%以上)を確保
原因3:地域・国の制限
残念ながら、一部の国や地域ではプライベートリレーが利用できません。
利用できない主な地域(2024年現在):
- 中国本土
- ベラルーシ
- コロンビア
- エジプト
- カザフスタン
- サウジアラビア
- 南アフリカ
- トルクメニスタン
- ウガンダ
- フィリピン
確認方法:
- 設定 → 一般 → 言語と地域
- 「地域」を確認
日本に設定されていれば問題ありません。
原因4:通信事業者による制限
一部の通信事業者(キャリア)では、プライベートリレーが制限されている場合があります。
制限の理由:
- ペアレンタルコントロール機能との競合
- 企業向けセキュリティポリシー
- 通信最適化サービスとの干渉
確認・解決方法:
- 通信事業者に問い合わせる
- Wi-Fi接続時のみ使用する設定に変更
- 別の通信事業者への乗り換えを検討
原因5:スクリーンタイムの制限
お子様のデバイスや、管理されているデバイスでは制限されている可能性があります。
確認方法:
- 設定 → スクリーンタイム
- 「コンテンツとプライバシーの制限」
- 各項目を確認
解決方法: スクリーンタイムパスコードを入力して制限を解除する必要があります。
原因6:MDM(モバイルデバイス管理)プロファイル
会社や学校から支給されたデバイス、または管理プロファイルがインストールされている場合です。
確認方法:
- 設定 → 一般 → VPNとデバイス管理
- 構成プロファイルの有無を確認
プロファイルがある場合、IT管理者に相談が必要です。
原因7:一時的な不具合
Appleのサーバー側の問題や、デバイスの一時的な不具合の可能性もあります。
確認方法: Appleのシステム状況ページ(apple.com/jp/support/systemstatus/)で障害情報を確認
解決方法:
- デバイスを再起動
- ネットワーク設定をリセット
- iCloudからサインアウト→再サインイン
プライベートリレーを有効にする手順

基本的な設定方法
条件をすべてクリアしたら、以下の手順で有効にできます:
- 設定アプリを開く
- 自分の名前(Apple ID)をタップ
- 「iCloud」を選択
- 「プライベートリレー」をタップ
- ここで表示されない場合は、前述の原因を再確認
- 「プライベートリレー」をオンにする
詳細設定のカスタマイズ
プライベートリレーをオンにした後、さらに細かい設定ができます:
IPアドレスの位置情報設定:
- プライベートリレー設定画面で「IPアドレスの位置情報」をタップ
- 以下から選択:
- 「おおよその位置情報を保持」(推奨)
- 「国と時間帯を使用」
Safari以外での使用:
- メールアプリ:「メールプライバシー保護」を別途有効化
- その他のアプリ:現時点では非対応
正しく動作しているか確認する方法
設定後、実際に機能しているか確認しましょう:
- Safariで確認サイトにアクセス
- whatismyipaddress.com などのIPアドレス確認サイトへ
- 表示されるIPアドレスが変わっていれば成功
- 設定アプリで状態確認
- 設定 → 自分の名前 → iCloud → プライベートリレー
- 「アクティブ」と表示されていることを確認
- Safariの設定確認
- 設定 → Safari → プライバシーとセキュリティ
- 「IPアドレスを非公開」がオンになっていることを確認
トラブルシューティング:それでも表示されない場合
ステップ1:基本的な対処法
まず以下を順番に試してください:
- 強制再起動
- iPhone 8以降:音量上→音量下→サイドボタン長押し
- 完全に電源が切れるまで待ってから再起動
- ネットワーク設定のリセット
- 設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット
- 「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」
- Wi-Fiパスワードの再入力が必要になります
- iCloudの再サインイン
- 設定 → 自分の名前 → サインアウト
- 数分待ってから再度サインイン
ステップ2:詳細な対処法
基本的な対処法で解決しない場合:
DNSサーバーの変更:
- 設定 → Wi-Fi → 接続中のネットワークの「i」マーク
- 「DNSを構成」→「手動」
- 以下のDNSサーバーを追加:
- 8.8.8.8(Google DNS)
- 1.1.1.1(Cloudflare DNS)
日付と時刻の自動設定:
- 設定 → 一般 → 日付と時刻
- 「自動設定」をオン
すべての設定をリセット(最終手段):
- 事前に必ずバックアップを取る
- 設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット
- 「すべての設定をリセット」 (データは消えませんが、Wi-Fi設定などはリセットされます)
ステップ3:Appleサポートへの問い合わせ
上記すべてを試しても解決しない場合は、Appleサポートに連絡しましょう。
問い合わせ前に準備すること:
- デバイスのモデル名
- iOSバージョン
- iCloudプランの種類
- 試した対処法のリスト
- エラーメッセージのスクリーンショット(あれば)
問い合わせ方法:
- Appleサポートアプリから
- getsupport.apple.com から
- 電話:0120-993-993(年中無休 9:00-21:00)
プライベートリレーの代替手段

プライベートリレーが使えない場合の選択肢
どうしてもプライベートリレーが使えない場合、以下の代替手段があります:
1. Safari標準のプライバシー機能
- 設定 → Safari → プライバシーとセキュリティ
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」をオン
- 「すべてのCookieをブロック」を検討(サイトによっては不具合あり)
2. VPNサービスの利用 おすすめの信頼できるVPNサービス:
- NordVPN(月額約1,500円)
- ExpressVPN(月額約1,800円)
- ProtonVPN(無料プランあり)
3. DNSフィルタリングサービス
- AdGuard DNS(広告ブロック機能付き)
- NextDNS(カスタマイズ可能)
- Cloudflare for Families(無料)
4. プライバシー重視のブラウザ
- Brave(広告ブロック内蔵)
- Firefox Focus(履歴を残さない)
- DuckDuckGo(追跡防止機能)
それぞれのメリット・デメリット
プライベートリレー:
- メリット:Apple純正、設定が簡単、速度低下が少ない
- デメリット:Safari限定、有料プラン必須
VPN:
- メリット:全アプリ対応、海外サイトアクセス可能
- デメリット:速度低下、バッテリー消費増、月額料金が高め
DNSフィルタリング:
- メリット:無料オプションあり、広告ブロック可能
- デメリット:完全な匿名化はできない、設定がやや複雑
自分の使い方や予算に合わせて選ぶのがベストです。
よくある質問と回答
Q1:プライベートリレーを使うとネットが遅くなる?
A:若干遅くなる可能性はありますが、体感できるほどではありません。
- 通常のWebブラウジング:ほぼ影響なし
- 動画ストリーミング:問題なし
- オンラインゲーム:遅延が気になる場合は一時的にオフに
Q2:プライベートリレーは本当に安全?
A:はい、非常に安全です。
- Appleも完全な情報を持たない設計
- 二重の暗号化で保護
- 第三者機関による監査も実施
ただし、完全な匿名化ではないので、違法行為には使用できません。
Q3:バッテリー消費は増える?
A:ほとんど影響ありません。
- VPNと比べて省電力
- バックグラウンドでの動作も効率的
- 1日の使用で1-2%程度の増加
Q4:アプリでも使えるようになる?
A:現時点では未定です。
- Appleは段階的に機能を拡張する傾向
- 将来的には可能性あり
- 当面はSafari専用と考えるのが現実的
Q5:家族共有メンバーも使える?
A:iCloud+のファミリー共有をしていれば使えます。
- 管理者がiCloud+に加入
- ファミリー共有でストレージを共有
- 各メンバーが個別に設定可能
まとめ:プライベートリレーを使いこなすために
iCloudプライベートリレーが表示されない問題は、原因さえ特定できれば必ず解決できます。
まず確認すべきこと:
- iCloud+(有料プラン)に加入しているか
- iOS 15以降にアップデートされているか
- 日本在住で、制限のない通信事業者を使っているか
表示されたら設定すること:
- プライベートリレーをオンにする
- IPアドレスの位置情報設定を選択
- Safariのプライバシー設定も確認
それでもダメな場合:
- 基本的なトラブルシューティングを試す
- 代替手段(VPNなど)を検討
- Appleサポートに相談
プライベートリレーは、普段のネット利用を安全にする優れた機能です。多少の手間はかかるかもしれませんが、一度設定すれば自動的にプライバシーが守られます。
インターネットのプライバシーは、これからますます重要になってきます。この機会に、自分のデジタルライフを見直してみてはいかがでしょうか。
安全で快適なインターネット生活を送れるよう、この記事がお役に立てれば幸いです!
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