「iCloudに接続できません」「Apple IDサーバーへの接続中にエラーが起きました」――こんなメッセージが突然表示されて困っていませんか?
iCloudのネットワークエラーは、バックアップや写真の同期、データの復元など、重要な作業の邪魔をしてしまいます。
でも安心してください。ネットワークエラーのほとんどは、簡単な操作で解決できるんです。
この記事では、iCloudのネットワークエラーが発生する原因を特定し、デバイス別の具体的な解決方法を順番に解説していきます。
iCloudネットワークエラーとは?

よく表示されるエラーメッセージ
iCloudのネットワークエラーには、いくつかのバリエーションがあります。
代表的なメッセージは以下の通りです:
- 「Apple IDサーバーへの接続中にエラーが起きました」
- 「iCloudに接続できません」
- 「サーバーへの接続に失敗しました」
- 「iCloudサーバーとの通信中にエラーが発生しました」
- 「検証に失敗しました。サーバーへの接続に問題があります」
エラーが起きるとどうなる?
このエラーが出ると、以下のような問題が起こります:
- iCloudにサインインできない
- 写真や書類が同期されない
- バックアップが作成できない
- App StoreやiTunes Storeが利用できない
- iCloudメールが送受信できない
【原因の特定】まず確認すべき4つのポイント
1. Appleのサーバーは正常ですか?
まず最初に、Apple側のサーバーに問題がないか確認しましょう。
「Appleシステム状況」のページ(https://www.apple.com/jp/support/systemstatus/)にアクセスして、iCloud関連のサービスが緑色になっているか確認してください。
黄色や赤色の項目がある場合は、Apple側で障害が発生しています。この場合は、復旧を待つしかありません。
2. インターネット接続は安定していますか?
iCloudはオンラインサービスなので、安定したインターネット接続が必須です。
以下の方法で接続状態を確認してください:
- 他のWebサイトが開けるか試す
- YouTubeなどの動画がスムーズに再生されるか確認
- 他のアプリでデータ通信ができるか確認
接続に問題がある場合は、Wi-Fiを使うか、ルーターを再起動してみましょう。
3. Apple IDとパスワードは正しいですか?
入力ミスは意外と多い原因です。
特に以下の点に注意してください:
- 大文字と小文字の区別
- 全角・半角の違い
- スペースの有無
- Caps Lockがオンになっていないか
- NumLockがオンになっていないか(数字を入力する場合)
4. デバイスのOSは最新ですか?
古いバージョンのiOSやmacOSを使っていると、iCloudとの互換性に問題が起きることがあります。
最新のOSにアップデートすることで、多くのネットワークエラーが解決します。
【解決策1】インターネット接続を改善する
Wi-Fiを再接続する
Wi-Fi接続に一時的な問題が起きている場合、再接続が効果的です。
iPhone/iPadの場合:
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 現在接続しているWi-Fiをタップ
- 「このネットワーク設定を削除」をタップ
- もう一度同じWi-Fiに接続してパスワードを入力
ルーターを再起動する
ルーターを再起動すると、接続が安定することがよくあります。
- ルーターの電源を切る
- 30秒〜1分待つ
- 再び電源を入れる
- ランプが正常に点灯するまで待つ(通常2〜3分)
- デバイスを再接続
モバイルデータ通信を試す
Wi-Fiに問題がある可能性があるので、モバイルデータ通信で試してみましょう。
- 「設定」→「Wi-Fi」でWi-Fiをオフにする
- 「モバイル通信」がオンになっているか確認
- iCloudに接続できるか試す
機内モードをオン・オフする
ネットワーク接続をリセットする簡単な方法です。
- コントロールセンターを開く
- 飛行機マークの「機内モード」をタップしてオンにする
- 5秒ほど待つ
- もう一度タップしてオフにする
【解決策2】ネットワーク設定をリセットする
iPhone/iPadでのリセット方法
ネットワーク設定をリセットすると、Wi-Fi関連の問題が解決することが多いです。
iOS 15以降:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力
- 確認画面で再度「ネットワーク設定をリセット」をタップ
iOS 14以前:
- 「設定」→「一般」→「リセット」
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力して確認
注意:この操作を行うと、保存されているWi-Fiパスワードが削除されます。再接続時にパスワードの再入力が必要です。
Macでのリセット方法
Macの場合は、以下の手順でネットワーク設定を削除・再作成します。
- Appleメニュー→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 「ネットワーク」をクリック
- Wi-Fiを選択して「−」ボタンで削除
- 「+」ボタンで再度Wi-Fiを追加
- Wi-Fiネットワークに再接続
【解決策3】Apple IDからサインアウトして再サインイン
なぜ効果があるのか?
Apple IDとiCloudサーバーの間の認証情報がリセットされるため、多くのエラーが解決します。
ただし、この方法を実行する前に、重要なデータがバックアップされているか確認してください。
iPhone/iPadでの手順
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前をタップ
- 一番下までスクロールして「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- 「データのコピーをこのiPhoneに残しますか?」と表示されたら、必要に応じて選択
- 「サインアウト」を確認
- 1〜2分待つ
- 「iPhoneにサインイン」をタップして再度サインイン
Macでの手順
- Appleメニュー→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 左上の自分の名前をクリック
- 「サインアウト」をクリック
- Apple IDのパスワードを入力
- 少し待ってから、再度サインイン
【解決策4】デバイスとOSを最新の状態にする
iOSのアップデート方法
古いバージョンのiOSは、iCloudとの互換性に問題が起きることがあります。
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートが利用可能な場合は「ダウンロードしてインストール」をタップ
- パスコードを入力
- 利用規約に同意
- ダウンロードとインストールが完了するまで待つ
macOSのアップデート方法
- Appleメニュー→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートが利用可能な場合は「今すぐアップデート」をクリック
デバイスの再起動
アップデート後は、必ずデバイスを再起動しましょう。
これだけで解決することも多いです。
【解決策5】日付と時刻の設定を確認する
なぜ日時が関係するの?
iCloudのサーバーとの通信には、正確な日時設定が必要です。
日時がずれていると、サーバーが認証を拒否してしまうことがあります。
自動設定をオンにする
iPhone/iPadの場合:
- 「設定」→「一般」→「日付と時刻」
- 「自動設定」がオンになっているか確認
- オフになっている場合は、タップしてオンにする
Macの場合:
- Appleメニュー→「システム設定」→「一般」→「日付と時刻」
- 「日付と時刻を自動的に設定」にチェックが入っているか確認
【解決策6】VPN設定を無効化する
VPNが原因の場合もある
VPNサービスを使用していると、iCloudサーバーへの接続がブロックされることがあります。
特に、企業のVPNや一部の無料VPNアプリで問題が起きやすいです。
VPNをオフにする方法
iPhone/iPadの場合:
- 「設定」アプリを開く
- 「VPN」をタップ
- VPN接続をオフにする
- または、VPN構成を削除する
Macの場合:
- Appleメニュー→「システム設定」→「ネットワーク」
- VPN接続を選択
- 「切断」をクリックする、または構成を削除
【解決策7】DNS設定を変更する

DNSを変更すると接続が安定する
DNS(ドメインネームシステム)を変更すると、iCloudサーバーへの接続が改善されることがあります。
GoogleやCloudflareの公開DNSを使うのがおすすめです。
iPhone/iPadでのDNS変更
- 「設定」→「Wi-Fi」
- 接続中のWi-Fi名の横にある「ⓘ」マークをタップ
- 「DNSを構成」をタップ
- 「手動」を選択
- 既存のDNSを削除
- 「サーバを追加」をタップして以下を入力:
- Google DNS:8.8.8.8 と 8.8.4.4
- Cloudflare DNS:1.1.1.1 と 1.0.0.1
- 「保存」をタップ
MacでのDNS変更
- Appleメニュー→「システム設定」→「ネットワーク」
- Wi-Fi(またはEthernet)を選択
- 「詳細」をクリック
- 「DNS」タブを開く
- 「+」ボタンをクリックして新しいDNSサーバーを追加
- 8.8.8.8 と 8.8.4.4(Google DNS)を入力
- 「OK」をクリック
【解決策8】Windowsユーザー向けの特別な対処法
IPv6を無効化する(Windows特有の問題)
Windows PCでiCloudが接続できない場合、IPv6を無効にすると解決することが多いです。
手順:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「詳細なネットワーク設定」
- 「アダプターのオプションを変更する」をクリック
- Wi-Fi(またはイーサネット)を右クリック→「プロパティ」
- 「インターネット プロトコル バージョン 6 (TCP/IPv6)」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
- ブラウザでiCloud.comを開いて確認
Killer Network関連の問題(特定のPC)
一部のゲーミングPCやノートPCに搭載されている「Killer Network」が原因の場合があります。
Killer Intelligence Centerの優先順位エンジンをオフにする:
- Killer Intelligence Centerアプリを開く
- 設定(歯車アイコン)をクリック
- 「Prioritization Engine」をオフにする
- PCを再起動
Windowsファイアウォールを一時的に無効化
ファイアウォールがiCloudをブロックしている可能性があります。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリック
- 現在のネットワークプロファイルを選択
- 「Microsoft Defender ファイアウォール」を一時的にオフにする
- iCloudに接続できるか確認
- 確認後は必ずファイアウォールを再びオンにする
【解決策9】iCloudストレージ容量を確認する
容量不足でもエラーが出る
iCloudの無料ストレージ(5GB)がいっぱいになっていると、新しいデータが同期できず、エラーメッセージが表示されることがあります。
容量の確認方法
iPhone/iPadの場合:
- 「設定」→自分の名前→「iCloud」
- 画面上部に現在の使用状況が表示されます
Macの場合:
- Appleメニュー→「システム設定」→Apple IDの名前→「iCloud」
- ストレージ使用状況が表示されます
容量を増やす方法
不要なデータを削除:
- 古いバックアップを削除
- 不要な写真やビデオを削除
- 使わないアプリのデータを削除
iCloud+にアップグレード:
- 50GB:月額150円
- 200GB:月額450円
- 2TB:月額1,500円
【解決策10】二要素認証のコードを取得する
二要素認証が原因の場合
二要素認証を有効にしている場合、別のデバイスから確認コードを取得することで問題が解決することがあります。
別のAppleデバイスからコードを取得
iPhoneやiPadの場合:
- 「設定」→自分の名前→「パスワードとセキュリティ」
- 「確認コードを取得」をタップ
- 表示されたコードを使ってサインイン
Macの場合:
- Appleメニュー→「システム設定」→Apple ID→「パスワードとセキュリティ」
- 「確認コードを取得」をクリック
トラブルシューティングの順序
どの方法から試せばいいか迷ったら、この順番で進めてください:
- 基本確認
- Appleのシステム状況を確認
- インターネット接続を確認
- Apple IDとパスワードを確認
- 簡単な方法
- デバイスを再起動
- Wi-Fiを再接続
- 機内モードのオン・オフ
- 中程度の方法
- ネットワーク設定をリセット
- DNSを変更
- 日付と時刻の設定を確認
- やや複雑な方法
- Apple IDからサインアウト・再サインイン
- OSをアップデート
- VPN設定を無効化
- 最終手段
- iCloudストレージを確認
- Windows特有の対処法を試す(Windows PCの場合)
- Appleサポートに問い合わせ
よくある質問(FAQ)
Q1:エラーが一時的に解決してもまた出ます
A:ネットワーク環境が不安定な可能性があります。ルーターを新しいものに交換するか、Wi-Fiの中継器を設置することを検討してください。
Q2:特定のアプリだけiCloudに接続できません
A:そのアプリのiCloud設定を確認してください。「設定」→自分の名前→「iCloud」で、該当アプリがオンになっているか確認しましょう。
Q3:モバイルデータ通信では接続できるのにWi-Fiだとエラーが出ます
A:Wi-Fiルーターの設定に問題がある可能性があります。ルーターのファームウェアを最新版にアップデートするか、DNSを変更してみてください。
Q4:会社や学校のWi-Fiで接続できません
A:企業や学校のネットワークでは、セキュリティ上の理由でiCloudへのアクセスがブロックされていることがあります。ネットワーク管理者に相談してください。
Q5:新しいiPhoneに機種変更したらエラーが出るようになりました
A:新しいデバイスでApple IDの認証が必要な場合があります。一度サインアウトして、再度サインインしてみてください。
予防策:今後エラーを避けるために
定期的にOSをアップデートする
最新のOSには、バグ修正や互換性の改善が含まれています。
アップデートの通知が来たら、なるべく早めに実行しましょう。
安定したネットワーク環境を整える
- 高速で安定したインターネット回線を使う
- Wi-Fiルーターを定期的に再起動する
- ルーターの設置場所を最適化する(障害物を避ける)
iCloudストレージに余裕を持たせる
容量ギリギリまで使うのではなく、常に20%程度の空き容量を確保しておくと安心です。
複数のバックアップ方法を用意
iCloudだけに頼らず、パソコンへのバックアップやiTunes/Finderでのバックアップも併用しましょう。
まとめ
iCloudのネットワークエラーは、原因さえ特定できれば、多くの場合は自分で解決できます。
特に効果的な方法:
- インターネット接続を確認・改善する
- ネットワーク設定をリセットする
- Apple IDからサインアウトして再サインイン
- DNS設定を変更する
- デバイスとOSを最新の状態にする
- VPN設定を無効化する
- (Windowsの場合)IPv6を無効化する
基本的な確認から始めて、順番に試していけば、ほとんどのエラーは解決するはずです。
それでも解決しない場合は、Appleの公式サポート(https://support.apple.com/ja-jp/contact)に問い合わせることをおすすめします。
iCloudは便利なサービスですが、ネットワーク環境に依存する部分も大きいです。普段から安定した接続環境を整えておくことが、トラブルを未然に防ぐ最善の方法です。
この記事が、あなたのiCloudネットワークエラーの解決に役立てば幸いです!


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