iCloudメールのパスワードが思い出せない…そんな経験はありませんか?
パスワードを忘れてしまうと、メールが使えないだけでなく、App Storeでアプリをダウンロードできなかったり、iCloudにバックアップできなかったりと、さまざまな不便が生じます。
でも安心してください。Appleは、パスワードを忘れた場合でもアカウントにアクセスできるよう、いくつかの復旧方法を用意しているんです。
この記事では、iCloudメールのパスワードをリセット・変更する方法を、状況別に詳しく解説します。あなたの状況に合った最適な解決策がきっと見つかります。
iCloudメールのパスワードとApple IDの関係

まず、重要なポイントを理解しましょう。
iCloudメールのパスワード = Apple IDのパスワード
これは同じものです。
iCloudメールを使うには、Apple IDが必要です。そして、そのApple IDのパスワードが、iCloudメールのパスワードなんです。
Apple IDとは
Apple IDは、Appleのすべてのサービスにアクセスするための統一アカウントです。
Apple IDで使えるサービス
- iCloud(メール、写真、バックアップ)
- App Store(アプリのダウンロード)
- Apple Music
- iMessage・FaceTime
- Apple Pay
- Apple TV+
- その他すべてのAppleサービス
つまり、iCloudメールのパスワードを忘れた = Apple IDのパスワードを忘れた、ということになります。
パスワードを忘れるとどうなるのか
パスワードを忘れると、以下のような問題が起こります。
使えなくなること
- iCloudメールの送受信
- 新しいアプリのダウンロード
- 既存アプリの更新
- iCloudへのバックアップ
- 写真の同期
- 「iPhoneを探す」機能
- 新しいデバイスのセットアップ
- Apple Musicへのアクセス
- FaceTimeの使用
特に困るケース
1. 機種変更の時
新しいiPhoneをセットアップする時、必ずApple IDのパスワードを求められます。
2. アプリをダウンロードしたい時
App Storeでアプリをダウンロードする度に、パスワードが必要です。
3. パソコンを買い替えた時
新しいMacでiCloudにサインインする時、パスワードが必要になります。
だからこそ、パスワードのリセット方法を知っておくことが重要なんです。
【方法1】信頼済みのデバイスでパスワードをリセット
最も簡単で速い方法は、すでにApple IDにサインインしている「信頼済みのデバイス」を使うことです。
信頼済みのデバイスとは
あなたがすでにApple IDでサインインしていて、Appleが「この人の持ち物だ」と確認できているデバイスのことです。
例
- 毎日使っているiPhone
- 自宅のiPad
- 職場のMac
必要な条件
- デバイスにパスコード(またはパスワード)が設定されている
- iOS 10以降、iPadOS 13以降、またはmacOS Catalina以降
iPhone・iPadでのリセット手順
ステップ1:設定を開く
- ホーム画面で「設定」アプリをタップ
- 画面上部の自分の名前(Apple ID)をタップ
ステップ2:パスワード変更を選択
- 「サインインとセキュリティ」をタップ
- 「パスワードの変更」をタップ
ステップ3:本人確認
デバイスのパスコードを入力します。
※Face IDまたはTouch IDが設定されている場合は、それで認証できます
ステップ4:新しいパスワードを設定
- 新しいパスワードを入力
- 確認のためもう一度入力
- 「変更」または「パスワードの変更」をタップ
これで完了です!
新しいパスワードでApple IDにサインインできるようになります。
Macでのリセット手順
ステップ1:システム設定を開く
- 画面左上のアップルメニューをクリック
- 「システム設定」を選択
ステップ2:Apple IDを選択
左側のサイドバーで自分の名前(Apple ID)をクリックします。
ステップ3:パスワード変更を選択
- 「サインインとセキュリティ」をクリック
- 「パスワードの変更」をクリック
ステップ4:本人確認
Macのログインパスワードを入力します。
ステップ5:新しいパスワードを設定
- 新しいパスワードを入力
- 確認のためもう一度入力
- 「変更」をクリック
【方法2】デバイスのセットアップ中にリセット
新しいデバイスのセットアップ中や、デバイスの初期化後にリセットする方法です。
タイミング
- 新しいiPhone・iPadを購入した時
- デバイスを初期化した後
- Apple IDのサインイン画面が表示された時
手順
ステップ1:サインイン画面を表示
デバイスのセットアップを進めると、Apple IDのサインイン画面が表示されます。
ステップ2:パスワードリセットを選択
「パスワードをお忘れか Apple Accountをお持ちでない場合」をタップまたはクリックします。
ステップ3:画面の指示に従う
表示される案内に従って、パスワードをリセットしてください。
認証方法は、あなたのアカウント設定によって異なります。
【方法3】Webブラウザでパスワードをリセット
信頼済みのデバイスが手元にない場合、Webブラウザからリセットできます。
注意点
この方法は、信頼済みのデバイスがある場合より時間がかかることがあります。
可能であれば、信頼済みのデバイスを使う方が早く、簡単です。
リセット手順
ステップ1:パスワードリセットページにアクセス
ブラウザで以下のURLにアクセスします。
または「Apple ID パスワード リセット」で検索してください。
ステップ2:Apple IDを入力
- Apple ID(メールアドレスまたは電話番号)を入力
- 画面に表示される文字(CAPTCHA)を入力
- 「続ける」をクリック
ステップ3:リセット情報を選択
「パスワードをリセット」を選択して「続ける」をクリックします。
ステップ4:本人確認方法を選択
アカウントの設定によって、以下の選択肢が表示されます。
選択肢1:信頼できる電話番号で確認
- 登録している電話番号を選択
- 「続ける」をクリック
- SMSまたは電話で確認コードを受け取る
- 確認コードを入力
選択肢2:信頼できるデバイスで確認
- 信頼済みのデバイス(iPhoneなど)に通知が届く
- 「許可する」をタップ
- デバイスのパスコードを入力
- Webブラウザで新しいパスワードを設定
選択肢3:メールで確認(旧システムの場合)
- 「メールを受け取る」を選択
- 登録メールアドレスに届いたリンクをクリック
- 新しいパスワードを設定
選択肢4:セキュリティ質問に答える(旧システムの場合)
- 「セキュリティ質問に答える」を選択
- 生年月日を入力
- セキュリティ質問の答えを入力
- すべて正しく答えられたら、新しいパスワードを設定
ステップ5:新しいパスワードを設定
- 新しいパスワードを入力
- 確認のためもう一度入力
- 「パスワードをリセット」をクリック
【方法4】家族や友人のデバイスを借りてリセット

Apple製デバイスを持っていなくても、友人や家族から借りることができます。
使えるデバイス
- 友人や家族のiPhone・iPad
- Apple StoreにあるApple製デバイス
手順
ステップ1:Appleサポートアプリをダウンロード
借りたデバイスに「Apple Support」アプリがない場合は、App Storeからダウンロードします。
ステップ2:アプリを開く
Apple Supportアプリを起動します。
ステップ3:サポートツールを選択
- 下にスクロールして「サポートツール」を表示
- 「パスワードのリセット」をタップ
ステップ4:他人を助ける
「ほかの人を助ける」をタップします。
ステップ5:Apple IDを入力
- 自分のApple ID(メールアドレスまたは電話番号)を入力
- 「続ける」をタップ
ステップ6:画面の案内に従う
表示される指示に従って、パスワードをリセットしてください。
重要
入力した情報は、借りたデバイスには保存されません。安心して使えます。
【方法5】アカウント復旧を申請(最終手段)
すべての方法でリセットできない場合、アカウント復旧を申請できます。
アカウント復旧とは
本人確認に必要な情報が足りない場合に使う、最終手段の復旧方法です。
注意点
復旧には時間がかかります
- 最短でも数時間
- 通常は数日
- 場合によっては1週間以上
Appleサポートでも短縮できません
復旧期間を早めることはできません。これはセキュリティ上、必要な待機時間なんです。
アカウント復旧の開始方法
方法1:デバイスの設定から
- 「設定」またはシステム設定でサインインを試みる
- パスワードが分からず、アカウント情報も確認できない場合
- 「アカウントの復旧」を開始するオプションが表示される
方法2:Webブラウザから
- iforgot.apple.com にアクセス
- Apple IDを入力して手続きを進める
- 本人確認ができない場合、アカウント復旧が案内される
復旧期間を短縮する方法
以下の方法で、復旧期間を短くできる場合があります。
1. プライマリメールアドレスの確認
登録メールアドレスに送られる6桁のコードを確認すると、即座にパスワードをリセットできることがあります。
2. クレジットカード情報で本人確認
過去にApple IDで使用したクレジットカードの情報を提供すると、復旧時間を短縮できる場合があります。
※カード番号の下4桁など、一部の情報のみ
復旧中の注意点
重要:すべてのデバイスの電源を切る
アカウント復旧中は、現在Apple IDでサインインしているすべてのデバイスの電源を切っておく必要があります。
復旧中にApple IDが使用されると、復旧手続きが自動的にキャンセルされてしまいます。
復旧状況の確認
いつでも復旧の進捗状況を確認できます。
- iforgot.apple.com にアクセス
- Apple IDを入力
- 復旧完了予定日時が表示される
アカウントがロックされている場合
パスワードを何度も間違えると、セキュリティのためアカウントがロックされます。
ロックされる理由
- パスワードを連続で間違えた
- セキュリティ質問の答えを連続で間違えた
- 不審なアクティビティが検出された
表示されるメッセージ
「セキュリティ上の理由により、Apple IDがロックされています」
または
「このApple IDは、セキュリティの問題により使用が停止されています」
ロック解除の方法
自動解除を待つ(一時的なロックの場合)
1〜2時間待つと、自動的にロックが解除されることがあります。
パスワードをリセットしてロック解除
- iforgot.apple.com にアクセス
- Apple IDを入力
- 「アカウントのロックを解除」を選択
- 本人確認の方法を選択
- 新しいパスワードを設定
二段階認証を設定している場合
二段階認証を有効にしている場合、リセット方法が少し異なります。
二段階認証とは
Apple IDのセキュリティを強化する機能です。
サインイン時に、パスワードに加えて、信頼済みデバイスに表示される6桁の確認コードの入力が必要になります。
二段階認証でのパスワードリセット
信頼済みのデバイスがある場合
- 前述の「方法1」でリセット
- 確認コードが信頼済みのデバイスに表示される
- コードを入力して本人確認
信頼済みのデバイスがない場合
アカウント復旧を申請する必要があります(方法5)。
復旧連絡先を設定しておく(予防策)
将来パスワードを忘れた時のために、復旧連絡先を設定しておくことをおすすめします。
復旧連絡先とは
パスワードを忘れた時、あなたの本人確認を手伝ってくれる人のことです。
信頼できる家族や友人を指定できます。
復旧連絡先の役割
- あなたの身元を確認
- 6桁の復旧コードを提供
- アカウントへのアクセス権は一切ない(プライバシー保護)
設定方法(iPhone・iPad)
ステップ1:設定を開く
- 「設定」→自分の名前をタップ
- 「サインインとセキュリティ」をタップ
ステップ2:復旧連絡先を追加
- 「復旧連絡先」をタップ
- 「復旧連絡先を追加」をタップ
- 画面の案内に従って認証
ステップ3:連絡先を選択
- ファミリー共有のメンバー(自動的に追加される)
- または「別の人を選択」をタップして連絡先を選ぶ
ステップ4:承認を待つ
家族以外の人を選んだ場合、相手が承認する必要があります。
承認されると、復旧連絡先として追加されます。
設定方法(Mac)
ステップ1:システム設定を開く
- アップルメニュー→「システム設定」
- 自分の名前をクリック
ステップ2:復旧連絡先を追加
- 「サインインとセキュリティ」をクリック
- 「復旧連絡先」をクリック
- 「復旧連絡先を追加」をクリック
あとは画面の指示に従ってください。
復旧連絡先の条件
- iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey以降のデバイスを持っている
- 13歳以上
- 最大5人まで設定可能
セキュリティ質問を忘れた場合

古いApple IDでは、セキュリティ質問の設定があります。
セキュリティ質問とは
本人確認のための質問です。
例
- 最初に飼ったペットの名前は?
- 初めて訪れた海外の都市は?
- 好きな歴史上の人物は?
セキュリティ質問の答えを忘れた場合
方法1:信頼済みのデバイスで変更
- 「設定」→自分の名前→「サインインとセキュリティ」
- 「パスワードとセキュリティ」をタップ
- 「セキュリティ質問を変更」をタップ
- 本人確認後、新しい質問を設定
方法2:Webブラウザで変更
- appleid.apple.com にアクセス
- Apple IDでサインイン
- セキュリティセクションで「セキュリティ質問を変更」
方法3:それでもダメな場合
残念ながら、Appleサポートでも答えをリセットすることはできません。
アカウント復旧を申請する必要があります。
登録メールアドレスが使えなくなった場合
登録メールアドレスのアカウントを削除してしまった、または会社のメールアドレスで退職後使えなくなった場合です。
対処方法
信頼済みのデバイスがある場合
- デバイスの設定からApple IDにアクセス
- 「サインインとセキュリティ」を開く
- 「メールアドレス」を編集
- 新しいメールアドレスを追加
- 確認コードを入力して認証
信頼済みのデバイスがない場合
Appleサポートに問い合わせる必要があります。
ただし、本人確認ができない場合、アカウントの復旧は非常に困難です。
強固なパスワードの作り方
新しいパスワードを設定する時は、セキュリティの高いものにしましょう。
Appleが推奨するパスワード
必須条件
- 8文字以上
- 大文字と小文字を含む
- 数字を含む
推奨
- 特殊文字(!@#$%など)を含める
- 12文字以上にする
- 予測しにくいものにする
避けるべきパスワード
- 「password」「123456」など単純なもの
- 誕生日や名前
- 辞書に載っている単語
- 他のサービスと同じパスワード
パスワードの例
弱い例
- Tanaka1990
- password123
- iloveyou
強い例
- Kf9@mPl2$wX8
- Cherry!Tree#2025
- Mn8*Bk5&Zt3@
パスワードマネージャーの活用
複雑なパスワードを覚えるのは大変です。
パスワードマネージャー(パスワード管理アプリ)を使うと便利です。
おすすめ
- iCloudキーチェーン(Apple純正、無料)
- 1Password
- LastPass
- Dashlane
よくある質問(FAQ)
Q1. パスワードを確認する方法はありますか?
いいえ、Apple IDのパスワードを確認する方法はありません。
セキュリティ上、パスワードは暗号化されて保存されているため、Appleでも確認できないんです。
パスワードが分からない場合は、リセットするしかありません。
Q2. パスワードリセットに料金はかかりますか?
いいえ、無料です。
Apple IDのパスワードリセットに、料金は一切かかりません。
Q3. パスワードをリセットすると、データは消えますか?
いいえ、消えません。
パスワードをリセットしても、iCloud上のデータ(写真、メール、連絡先など)はすべて保持されます。
ただし、デバイスのキーチェーン(保存されたパスワード)は新しく作成される場合があります。
Q4. 二段階認証をオフにできますか?
iOS 10.3以降、二段階認証は基本的にオフにできません。
セキュリティ上、常に有効にしておくことが推奨されています。
Q5. パスワードはどのくらいの頻度で変更すべきですか?
定期的な変更は必要ありませんが、以下の場合は変更してください。
- パスワードが漏洩した疑いがある
- 他のサービスで同じパスワードを使っていて、そのサービスが情報漏洩した
- 他人にパスワードを教えてしまった
セキュリティの高いパスワードを使っていれば、頻繁に変更する必要はありません。
Q6. 複数のApple IDを持っていますが、統合できますか?
残念ながら、複数のApple IDを統合することはできません。
Apple IDは一度作成すると、削除や統合ができない仕様になっています。
Q7. Apple IDを削除できますか?
はい、できます。
ただし、削除すると以下のデータがすべて失われます。
- iCloud上のすべてのデータ
- 購入した音楽、アプリ、映画
- Apple Musicのライブラリ
- Game Centerの記録
本当に削除する必要がある場合は、privacy.apple.com から申請できます。
Appleサポートへの問い合わせ方法
自力でパスワードをリセットできない場合は、Appleサポートに問い合わせましょう。
問い合わせ前の準備
以下の情報を整理しておくとスムーズです。
必要な情報
- Apple ID(メールアドレスまたは電話番号)
- 登録している電話番号
- 過去に使用したクレジットカード情報(下4桁)
- デバイスのシリアル番号
- 購入証明書(購入したお店のレシート)
お問い合わせ方法
方法1:Appleサポートアプリ
- App Storeで「Apple Support」アプリをダウンロード
- アプリを開く
- 「Apple ID」を選択
- 「パスワードとセキュリティ」を選択
- チャット、電話、予約から選択
方法2:Webブラウザから
- support.apple.com/ja-jp にアクセス
- 「Apple ID」を選択
- 「Apple IDのパスワードを忘れた」を選択
- サポート方法を選択
方法3:電話で直接
Appleサポート:0120-277-535
営業時間:9:00〜21:00(年中無休)
サポートで確認されること
本人確認のため、以下を聞かれる可能性があります。
- Apple IDに登録しているメールアドレス
- 登録している電話番号
- セキュリティ質問の答え(設定している場合)
- 過去の購入履歴
- デバイスのシリアル番号
まとめ
iCloudメール(Apple ID)のパスワードを忘れた時の対処法をまとめました。
最も簡単な方法(優先順位順)
- 信頼済みのデバイスからリセット(数分で完了)
- Webブラウザ(iforgot.apple.com)からリセット
- 友人・家族のデバイスを借りてリセット
- アカウント復旧を申請(数日かかる)
パスワードリセットに必要なもの
- Apple ID(メールアドレスまたは電話番号)
- 以下のいずれか:
- 信頼済みのデバイス
- 登録している電話番号
- 登録しているメールアドレス
- セキュリティ質問の答え(旧システム)
今後パスワードを忘れないために
- パスワードマネージャーを使う
- 復旧連絡先を設定しておく
- 信頼済みの電話番号を最新に保つ
- 登録メールアドレスを使える状態に保つ
- 二段階認証を有効にする
アカウントがロックされた場合
- 1〜2時間待ってから再試行
- それでもダメなら、パスワードをリセット
どうしてもリセットできない場合
- Appleサポートに問い合わせ
- 本人確認書類(購入証明など)を用意
iCloudメールのパスワードを忘れても、ほとんどの場合、この記事の方法で復旧できます。
焦らず、自分の状況に合った方法を試してみてください。信頼済みのデバイスがあれば、数分でリセットできますよ!
大切なのは、今後同じトラブルが起きないよう、パスワードをしっかり管理することです。ぜひ復旧連絡先の設定やパスワードマネージャーの利用を検討してくださいね。

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