「iCloudのファミリー共有を設定したのに、家族がストレージを使えない」「招待を送っても受け取ってもらえない」といった悩みを抱えていませんか?
iCloudファミリー共有は、最大6人で有料プランのストレージを分け合える便利な機能ですが、設定がうまくいかないケースも少なくありません。
この記事では、ファミリー共有ができない主な原因と、それぞれの具体的な解決方法を分かりやすく解説します。
iCloudファミリー共有とは?

iCloudファミリー共有は、Appleが提供する家族向けのサービス共有機能です。
共有できるもの
ファミリー共有を設定すると、以下のサービスを家族で分け合えます:
- iCloud+ストレージ(50GB、200GB、2TB、6TB、12TBプラン)
- App Storeで購入したアプリ
- Apple Music
- Apple TV+
- Apple Arcade
- 位置情報
- 写真アルバム
- カレンダー
参加できる人数
- 最大6人(管理者含む)まで参加可能
- 管理者は1人、残り5人がメンバー
料金について
有料プランの料金は管理者(招待を送る人)が支払います。
家族メンバーは追加料金なしで、共有されたサービスを利用できます。
ファミリー共有ができない主な原因
ファミリー共有がうまくいかない原因は、大きく分けて次の8つがあります。
原因1:ファミリー共有の設定が不完全
ファミリー共有自体は有効でも、iCloud+ストレージの共有が有効になっていないことがあります。
ファミリー共有とiCloud+の共有は、別々の設定が必要なんです。
原因2:招待が届いていない・承認されていない
招待メールやメッセージが届いていない、または家族が招待を承認していない可能性があります。
迷惑メールフォルダに入っていることもあるので注意が必要です。
原因3:既に別のファミリーグループに参加している
Apple IDは、同時に1つのファミリーグループにしか参加できません。
既に他のファミリーグループに所属している場合、新しいグループには参加できません。
また、ファミリーグループを変更できるのは1年に1回だけという制限があります。
原因4:メンバーが既に有料プランに加入している
家族が個人でiCloud+の有料プランに加入している場合、自動的にファミリープランには切り替わりません。
手動で切り替える必要があります。
原因5:ソフトウェアのバージョンが古い
iOSやmacOSのバージョンが古いと、ファミリー共有機能が正しく動作しないことがあります。
最低要件:
- iOS 11以降
- iPadOS 13以降
- macOS 10.13 High Sierra以降
原因6:ネットワーク接続の問題
インターネット接続が不安定だと、招待の送受信や設定の同期がうまくいきません。
原因7:支払い方法の問題
管理者のApple IDに有効な支払い方法が登録されていない場合、ファミリー共有が正常に機能しません。
原因8:Apple IDの設定に問題がある
サインインしているApple IDが間違っている、または複数のApple IDを混同して使用していることがあります。
ファミリー共有ができない時の解決法
それでは、具体的な解決方法を見ていきましょう。
解決法1:iCloud+共有設定を確認・有効化する
ファミリー共有は有効でも、iCloud+の共有が別途必要です。これが最も見落としやすいポイントです。
iPhone・iPadでの設定手順(管理者):
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部のあなたの名前をタップ
- 「ファミリー」(または「ファミリー共有」)をタップ
- 「サブスクリプション」をタップ
- 「iCloud+」をタップ
- 「ファミリーと共有」をタップ
- 画面の指示に従って共有を有効化
Macでの設定手順(管理者):
- Appleメニュー→「システム設定」を選択
- 「ファミリー」をクリック
- 「サブスクリプション」をクリック
- 「iCloud+」を選択
- 「ファミリーと共有」をクリック
これで、家族全員がiCloud+ストレージを使えるようになります。
解決法2:家族メンバーをiCloud+プランに追加する
ファミリー共有に参加していても、iCloud+プランに個別に追加する必要があります。
追加手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー」
- 「サブスクリプション」→「iCloud+」
- 「家族に知らせる」をタップ
- 「送信」をタップして招待を送る
- 「閉じる」をタップ
家族側の受け入れ手順:
- 「メッセージ」アプリを開く
- 「iCloud招待」メッセージをタップ
- 「承諾」をタップ
解決法3:ファミリー共有を一時停止して再開する
多くのユーザーが、この方法で問題を解決しています。
手順(管理者):
- 「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー」
- 「サブスクリプション」→「iCloud+」
- 「共有を停止」をタップ
- 確認画面で「共有を停止」をタップ
- 数分待つ
- 再度「ファミリーと共有」をタップして共有を再開
この操作で、共有設定がリセットされ、正常に動作するようになることが多いです。
解決法4:家族メンバーの個人プランをファミリープランに切り替える
家族が既に有料プランを使っている場合、ファミリープランへの切り替えが必要です。
切り替え手順(メンバー側):
- 「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー」
- 「サブスクリプション」→「iCloud+」
- 「ファミリーストレージを使用」をタップ
- 画面の指示に従って切り替える
注意:
個人プランからファミリープランに切り替えると、残りの期間分は払い戻しされます。
解決法5:招待を再送信する
招待が届いていない、または見失った場合は再送信しましょう。
再送信手順(管理者):
- 「設定」→「ファミリー」
- 招待したいメンバーの名前をタップ
- 「登録を依頼」をタップ
- 送信方法を選択(AirDrop、メッセージ、メールなど)
家族側の確認方法:
招待を受け取っていないと思ったら:
- メッセージアプリを確認
- メールの迷惑メールフォルダを確認
- 「設定」→「あなたの名前」で招待通知があるか確認
解決法6:ソフトウェアを最新版にアップデート
古いバージョンが原因の場合があります。
iPhone・iPadのアップデート:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
Macのアップデート:
- Appleメニュー→「システム設定」
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートがあれば「今すぐアップデート」をクリック
解決法7:デバイスを再起動する
シンプルですが効果的な方法です。
iPhone・iPadの再起動:
iPhone X以降:
- サイドボタンと音量ボタン(どちらか)を同時に長押し
- スライダーをドラッグして電源オフ
- 30秒待つ
- サイドボタンを長押しして電源オン
iPhone 8以前:
- 上部または側面のボタンを長押し
- スライダーをドラッグして電源オフ
- 30秒待つ
- 同じボタンを長押しして電源オン
Macの再起動:
- Appleメニュー→「再起動」
- 確認画面で「再起動」をクリック
解決法8:ファミリーグループを脱退して再参加
これは最終手段ですが、効果的なことがあります。
脱退手順(メンバー側):
- 「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー共有」
- 自分の名前をタップ
- 「ファミリー共有の使用を停止」をタップ
- 確認画面で「使用を停止」をタップ
再参加:
管理者から再度招待を送ってもらい、承認します。
解決法9:Apple IDの確認
正しいApple IDでサインインしているか確認しましょう。
確認手順:
- 「設定」→画面上部の名前をタップ
- 表示されているApple ID(メールアドレス)を確認
- 間違っている場合は、サインアウトして正しいApple IDでサインイン
特に、複数のApple IDを持っている方は注意が必要です。
解決法10:支払い方法を確認・更新
管理者のApple IDに有効な支払い方法が登録されているか確認します。
確認手順:
- 「設定」→「あなたの名前」
- 「お支払いと配送先」をタップ
- 支払い方法が有効か確認
- 期限切れの場合は「お支払い方法を追加」で更新
特定のメンバーだけが使えない場合

「他の家族は使えるのに、1人だけ使えない」というケースの解決法です。
対処法1:「ファミリーストレージを使用」を探す
使えないメンバーのデバイスで確認します。
手順:
- 「設定」→メンバーの名前→「iCloud」
- 「ストレージを管理」をタップ
- 画面に「ファミリーストレージを使用」という選択肢があるか確認
- あれば、タップして有効化
この選択肢が表示されない場合は、次の方法を試してください。
対処法2:そのメンバーだけ一度削除して再追加
削除手順(管理者):
- 「設定」→「ファミリー」
- 使えないメンバーの名前をタップ
- 「この家族を削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
再追加:
数分待ってから、再度そのメンバーを招待します。
対処法3:子どもアカウントの場合
13歳未満の子どもアカウントの場合、特別な設定が必要なことがあります。
確認事項:
- 保護者の承認が必要な設定になっていないか
- スクリーンタイムの制限がかかっていないか
- Apple IDが正しく作成されているか
容量不足の警告が消えない場合
ファミリー共有を設定したのに、メンバーの端末に「ストレージがいっぱいです」という警告が表示され続けることがあります。
対処法
手順1: iCloud Driveをオフにして再度オンにする
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「iCloud Drive」をオフにする
- 確認画面で「iPhoneから削除」を選択
(データはiCloudに残るので安心してください) - 数分待つ
- 再度「iCloud Drive」をオンにする
手順2: デバイスを再起動
上記の手順の後、デバイスを再起動してください。
手順3: 設定の同期を待つ
共有設定が全デバイスに反映されるまで、最大で数時間かかることがあります。
半日ほど待ってから再度確認してみてください。
よくあるエラーメッセージと対処法
エラー1:「このApple IDは既にファミリーに参加しています」
原因:
既に別のファミリーグループに参加している
対処法:
現在のファミリーグループから脱退してから、新しいグループに参加する必要があります。ただし、ファミリーグループの変更は1年に1回までなので注意してください。
エラー2:「招待を送信できません」
原因:
- ネットワーク接続が不安定
- 相手のメールアドレスや電話番号が間違っている
- 既にファミリーメンバーが6人いる
対処法:
- Wi-Fi接続を確認
- 連絡先情報を再確認
- 現在のメンバー数を確認
エラー3:「お支払い方法を確認してください」
原因:
管理者のApple IDに有効な支払い方法が登録されていない
対処法:
管理者が「設定」→「お支払いと配送先」で支払い方法を追加・更新する
ファミリー共有の便利な機能
うまく設定できたら、これらの機能も活用しましょう。
1. 購入コンテンツの共有
家族が購入したアプリ、音楽、映画などを全員で共有できます。
2. 位置情報の共有
「探す」アプリで家族の居場所を確認できます。プライバシーが気になる時は一時的にオフにできます。
3. スクリーンタイム
保護者が子どもの使用時間を管理できます。
4. 承認と購入リクエスト
子どもがアプリを購入する時、保護者の承認を必要とする設定ができます。
5. 共有アルバム
家族専用の写真アルバムを作成して、思い出を共有できます。
ファミリー共有を使う上での注意点
注意点1:ストレージは全員で分け合う
200GBプランを家族5人で共有すると、1人あたり約40GBです。
誰か1人が大量に使うと、他の家族が困ることになります。
定期的に使用状況を確認しましょう。
確認方法:
「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー」→「iCloud+」で各メンバーの使用量が見られます。
注意点2:プライバシーは保たれる
ストレージを共有しても、写真や書類などのプライバシーは保護されます。
他の家族が勝手に見ることはできません。
注意点3:管理者の責任
管理者は以下の責任を負います:
- 支払いの管理
- メンバーの追加・削除
- 子どもの購入承認
注意点4:年齢制限
13歳未満の子どもは、保護者がApple IDを作成する必要があります。
(国によって年齢制限は異なります)
注意点5:容量不足時の対応
ファミリー全体で容量が不足すると、全員に通知が届きます。
管理者はプランをアップグレードできます(最大12TBまで)。
ファミリー共有の解除方法
ファミリー共有を停止したい場合の手順です。
管理者が全体を停止する場合
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー」
- 管理者(自分)の名前をタップ
- 「ファミリー共有を停止」をタップ
- 確認画面で「停止」をタップ
注意:
停止する前に、すべてのメンバーを削除しておく必要があります。
メンバーが個別に脱退する場合
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「ファミリー」
- 自分の名前をタップ
- 「ファミリー共有の使用を停止」をタップ
- 確認画面で「停止」をタップ
よくある質問
Q1: Android端末でもファミリー共有は使える?
A: いいえ、iCloudファミリー共有はApple製品専用の機能です。Android端末では利用できません。ただし、Apple MusicなどのサービスはAndroidアプリから利用できます。
Q2: 家族以外の友人も招待できる?
A: 技術的には可能ですが、Appleの利用規約上、実際の家族のみが対象です。友人や同居人を含めることは推奨されていません。
Q3: ファミリー共有を使うと、家族に自分の購入履歴が見られる?
A: 購入したアプリや音楽は共有されますが、購入履歴の詳細(購入日時や金額など)は表示されません。また、個別に購入アイテムを非表示にすることもできます。
Q4: 2つのファミリーグループに同時に参加できる?
A: いいえ、1つのApple IDは同時に1つのファミリーグループにしか参加できません。
Q5: ファミリーグループの変更は何回でもできる?
A: ファミリーグループの変更は1年に1回までです。頻繁に変更することはできないので、慎重に選びましょう。
Q6: 管理者が変わることはできる?
A: いいえ、管理者の変更はできません。別の人を管理者にしたい場合は、現在のファミリーグループを解散して、新しい管理者が新規グループを作成する必要があります。
Q7: 容量を超えたらどうなる?
A: ファミリー全体の使用量が上限に達すると、新しいデータの保存ができなくなります。全員に警告が届くので、管理者がプランをアップグレードするか、不要なデータを削除する必要があります。
Q8: 無料の5GBプランでもファミリー共有できる?
A: いいえ、ファミリー共有できるのは有料プラン(50GB以上)のみです。無料の5GBプランは個人専用です。
まとめ
iCloudファミリー共有ができない時の対処法について解説しました。
この記事の重要ポイント:
- ファミリー共有とiCloud+共有は別々の設定が必要
- 最も効果的な解決法は「iCloud+共有を一時停止して再開」すること
- メンバーが個人プランを使っている場合はファミリープランへの切り替えが必要
- ソフトウェアのアップデートとデバイスの再起動も試す価値あり
- 特定のメンバーだけ使えない場合は一度削除して再追加
- ファミリーグループの変更は1年に1回まで
- ストレージは全員で分け合うため定期的な確認が大切
ファミリー共有がうまくいかない原因はさまざまですが、この記事で紹介した方法を順番に試していけば、ほとんどの問題は解決できます。
それでも解決しない場合は、Appleサポートに問い合わせることをおすすめします。
家族みんなでiCloud+を快適に使って、大切なデータを安全に保管しましょう!


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