「写真をアップロードしようとしたら『操作を完了できません』と表示された」
「iCloudにサインインできない…」
「バックアップが失敗し続ける」
iCloudを使っていると、突然「操作を完了できません」というエラーメッセージに遭遇することがあります。
このエラー、実は原因がいくつもあって、状況によって対処法が変わるんです。
この記事では、「操作を完了できません」エラーが出る原因を特定して、確実に解決する方法を詳しく解説します。
「操作を完了できません」エラーとは

どんな時に表示されるのか
このエラーメッセージは、様々な場面で表示されます。
よくある状況:
- iCloudにサインインしようとした時
- 写真や動画をアップロードしようとした時
- iCloudバックアップを作成しようとした時
- iCloud Driveにファイルを保存しようとした時
- Apple IDの設定を変更しようとした時
- アプリのデータを同期しようとした時
「操作を完了できません」という表現が曖昧なので、何が問題なのか分かりにくいのが厄介なところです。
エラーコードも一緒に表示される場合
時々、エラー番号も表示されることがあります。
主なエラーコード:
- -8062:サーバー接続エラー
- -25293:認証エラー
- -50:パラメータエラー
- 403:アクセス権限エラー
- 500:サーバー内部エラー
エラーコードが表示されたら、メモしておきましょう。原因特定の手がかりになります。
原因1:ネットワーク接続の問題
最も多い原因が、インターネット接続の問題です。
Wi-Fi・モバイル通信を確認
確認手順:
- 設定を開く
- Wi-Fiまたはモバイル通信を確認
- 接続状態をチェック:
- Wi-Fiマークが表示されているか
- 通信速度は十分か
- 機内モードになっていないか
- Safariやブラウザで他のサイトを開けるか試す
他のサイトも開けない場合は、確実にネットワークの問題です。
Wi-Fiの再接続
手順:
- 設定 → Wi-Fiを開く
- 現在接続中のWi-Fiをタップ
- このネットワーク設定を削除を選択
- もう一度同じWi-Fiに接続し直す
- パスワードを再入力
接続し直すことで、問題が解決する場合があります。
モバイルデータ通信でiCloudを使う設定
Wi-Fiがない環境では、モバイルデータでもiCloudが使えます。
設定方法:
- 設定 → モバイル通信
- 下にスクロールして、iCloud関連のアプリを探す
- iCloud Drive、写真などをオンにする
ただし、データ通信量が増えるので注意してください。
DNSサーバーを変更
ネットワーク設定を少し調整することで改善する場合があります。
手順:
- 設定 → Wi-Fi
- 接続中のWi-Fiの「ⓘ」マークをタップ
- DNSを構成をタップ
- 手動を選択
- 既存のDNSを削除
- 新しいDNSを追加:
- Google DNS:8.8.8.8 と 8.8.4.4
- Cloudflare DNS:1.1.1.1 と 1.0.0.1
- 保存して再試行
DNS(ドメインネームシステム:インターネットの住所録のようなもの)を変えると、接続が安定することがあります。
原因2:iCloudサーバーの問題
Apple側のサーバーに問題がある場合もあります。
Appleシステム状況を確認
確認方法:
- ブラウザで https://www.apple.com/jp/support/systemstatus/ にアクセス
- iCloud関連のサービス状況を確認:
- iCloud Drive
- iCloud写真
- iCloudバックアップ
- など
- 緑色のマーク:正常
黄色や赤色のマーク:問題発生中
サーバーに問題がある場合は、Apple側の復旧を待つしかありません。
サーバー障害の場合の対処
できること:
- 時間をおいて再試行(1時間後、数時間後)
- Appleの公式発表を確認
- Twitter(X)で「iCloud 障害」などを検索して状況確認
- 急ぎの場合は別の方法を検討
サーバー問題は自分では解決できないので、復旧を待ちましょう。
原因3:Apple IDの認証問題
Apple IDやパスワードに関連するエラーの可能性があります。
サインアウトして再サインイン
iPhone・iPadの場合:
- 設定を開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 一番下までスクロール
- サインアウトをタップ
- パスワードを入力してサインアウト
- 再度設定からサインイン
注意: サインアウト前に、必ずバックアップを取っておきましょう。
Macの場合:
- システム設定(またはシステム環境設定)
- Apple IDを選択
- サインアウトをクリック
- 再度サインイン
パスワードをリセット
パスワードが正しくない可能性もあります。
リセット手順:
- iforgot.apple.com にアクセス
- Apple IDを入力
- パスワードのリセットを選択
- 本人確認(電話番号やメールアドレス)
- 新しいパスワードを設定
- 新しいパスワードでサインイン
二段階認証の確認
セキュリティ設定が原因のこともあります。
確認項目:
- 信頼できるデバイスは手元にあるか
- 確認コードを受け取れるか
- 二段階認証が有効になっているか
二段階認証の設定を見直してみましょう。
原因4:ストレージ容量不足
iCloudの保存容量が足りないと、このエラーが出ます。
iCloud容量を確認
iPhone・iPadの場合:
- 設定 → 自分の名前をタップ
- iCloudを選択
- 上部にストレージの使用状況が表示される
- 残り容量が少ない場合は要注意
Macの場合:
- システム設定 → Apple ID
- iCloudを選択
- ストレージ状況を確認
不要なデータを削除
容量不足なら、データ整理が必要です。
削除の優先順位:
1. 不要な写真・動画
最も容量を使うデータです。
2. 古いバックアップ
設定 → iCloud → ストレージを管理 → バックアップ
使っていないデバイスのバックアップを削除
3. 大きなファイル
iCloud Driveで容量の大きいファイルを確認
4. メールの添付ファイル
メールアプリで大きな添付ファイルを削除
ストレージプランのアップグレード
無料の5GBでは足りない場合、有料プランを検討しましょう。
料金プラン(日本):
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,900円
家族と共有することもできます。
原因5:デバイスの設定・ソフトウェア問題
デバイス側に問題がある場合もあります。
デバイスを再起動
シンプルですが効果的な方法です。
iPhone・iPadの場合:
- iPhone X以降:音量ボタン+サイドボタンを長押し
- iPhone 8以前:トップボタン(またはサイドボタン)を長押し
- スライドして電源オフ
- 30秒待ってから再起動
Macの場合:
- Appleメニュー → 再起動
iOSやmacOSを最新版に更新
古いバージョンだと、バグでエラーが出ることがあります。
アップデート手順(iPhone・iPad):
- 設定 → 一般 → ソフトウェアアップデート
- 利用可能なアップデートがあればダウンロードしてインストール
- Wi-Fi接続と十分なバッテリー(または充電中)が必要
Macの場合:
- システム設定 → 一般 → ソフトウェアアップデート
- 利用可能なアップデートをインストール
日付と時刻の設定を確認
意外と見落としがちなポイントです。
確認手順:
- 設定 → 一般 → 日付と時刻
- 自動設定がオンになっているか確認
- オフの場合はオンにする
日付や時刻がずれていると、認証エラーが起こることがあります。
ネットワーク設定をリセット
ネットワーク関連の設定を初期化します。
手順:
- 設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット
- リセット → ネットワーク設定をリセット
- パスコードを入力
- 確認してリセット
注意: Wi-Fiのパスワードなどを再入力する必要があります。
原因6:特定のアプリやデータの問題

特定のファイルやアプリが原因のこともあります。
写真アップロードのエラー
写真や動画のアップロード時に多いエラーです。
対処法:
- 問題の写真を特定
- 1枚ずつアップロードして確認
- 破損した写真は削除または修復
- ファイル形式を確認
- 対応していない形式はコンバート
- 写真のサイズを小さくする
iCloud Driveの同期問題
ファイルが同期されない場合:
確認と対処:
- 設定 → Apple ID → iCloud → iCloud Driveがオンか確認
- 対象のアプリがiCloud Driveを使用する設定になっているか
- ファイル名に使えない文字が含まれていないか確認
- 特殊記号(/、\、:など)は使えません
- ファイルサイズが大きすぎないか(上限15GB)
アプリ個別の設定を確認
特定のアプリだけエラーが出る場合:
- そのアプリを再起動
- アプリを最新版に更新
- アプリを削除して再インストール
- アプリの設定でiCloud同期がオンか確認
高度なトラブルシューティング
基本的な方法で解決しない場合の対処法です。
キャッシュとデータのクリア
iCloud関連のキャッシュを削除します。
iPhone・iPadの場合:
- 設定 → Safari(または該当アプリ)
- 履歴とWebサイトデータを消去
- 設定 → 一般 → iPhoneストレージ
- 各アプリのキャッシュを確認して削除
VPNやプロキシの無効化
VPN(仮想プライベートネットワーク)やプロキシを使っている場合、一時的に無効にしてみましょう。
手順:
- 設定 → VPN
- 状況をオフにする
- iCloudの操作を再試行
- 成功したら、VPNの設定を見直す
セキュリティソフトの確認
ウイルス対策ソフトやファイアウォールが干渉している可能性があります。
試すこと:
- 一時的にセキュリティソフトを無効化
- iCloudへのアクセスを許可する設定に変更
- ファイアウォールの例外リストに追加
すべての設定をリセット(最終手段)
他の方法で解決しない場合の最終手段です。
手順:
- 重要: バックアップを必ず取る
- 設定 → 一般 → 転送またはリセット
- すべての設定をリセット
- パスコードを入力して実行
これでデバイスの設定が初期化されますが、データは消えません。
それでも解決しない時は
すべて試してもダメな場合の最終手段です。
Appleサポートに連絡
専門家の助けを借りましょう。
連絡方法:
- Appleサポートアプリを使う
- App Storeからダウンロード
- 問題を選択してサポートを受ける
- 電話サポート
- 0120-277-535(日本)
- 受付時間:9:00〜21:00
- Apple Store
- Genius Barを予約
- 直接相談できる
エラーコードを伝える
サポートに連絡する際は:
- エラーメッセージの全文
- エラーコード(表示されている場合)
- エラーが出る状況(いつ、何をした時)
- 試した解決方法
これらをメモしておくと、スムーズに対応してもらえます。
フィードバックを送る
Appleにバグ報告することもできます。
方法:
- https://www.apple.com/jp/feedback/ にアクセス
- 該当する製品を選択
- 詳細を記入して送信
バグ修正に貢献できますよ。
予防策:エラーを起こさないために
同じエラーを繰り返さないための工夫です。
定期的なメンテナンス
習慣にしたいこと:
- 月1回:iCloudストレージの整理
- 週1回:デバイスの再起動
- 常に:OSを最新版に保つ
- 定期的:ネットワーク設定の確認
安定したWi-Fi環境
大量のデータをやり取りする時は:
- 安定した高速Wi-Fiを使う
- 公共Wi-Fiは避ける
- ルーターの近くで作業
- 他のデバイスの同時使用を控える
バックアップは複数の場所に
iCloudだけに頼らず:
- iCloud + パソコンのiTunes/Finder
- iCloud + 外付けHDD
- クラウドサービスの併用
二重・三重のバックアップで安心です。
まとめ:冷静に原因を特定して対処しよう
「操作を完了できません」エラーは、原因さえ分かれば解決できます。
この記事のポイント:
✓ ネットワーク問題:Wi-Fi再接続、DNS変更
✓ サーバー問題:Appleシステム状況を確認、時間をおいて再試行
✓ 認証問題:サインアウト→再サインイン、パスワードリセット
✓ 容量不足:不要データ削除、プランアップグレード
✓ デバイス問題:再起動、OS更新、設定リセット
✓ アプリ問題:個別アプリの確認、再インストール
解決の手順:
- まずネットワーク接続を確認
- iCloudサーバー状況をチェック
- デバイスを再起動
- 容量を確認
- サインアウト→再サインイン
- 高度なトラブルシューティング
- それでもダメならAppleサポート
焦らず、一つひとつの方法を試していけば、必ず解決できます。
この記事を参考に、「操作を完了できません」エラーから解放されて、快適なiCloudライフを取り戻してくださいね!
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