新しいiPhoneに機種変更したけど、古いiPhoneがiCloudに残ったまま…という状況になっていませんか?
実は、使わなくなったiPhoneをiCloudに登録したままにしておくと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。二段階認証のコードが古いiPhoneに送られてしまったり、売却した端末に「iPhoneを探す」が有効なままだったり、ストレージ容量を無駄に消費したりすることも。
この記事では、iCloudから前のiPhoneを安全に削除する方法を、画面付きで詳しく解説していきます。機種変更後の整理整頓、一緒にやっていきましょう。
なぜ古いiPhoneをiCloudから削除する必要があるの?

古いiPhoneをiCloudに残しておくと、以下のような問題が起こる可能性があります。
セキュリティ上のリスク
- 二段階認証コードが古いデバイスに送信される
- 売却や譲渡した端末に個人情報が残る
- アクティベーションロックが有効なまま残る
容量の無駄
- 使っていないデバイスのバックアップがiCloudストレージを圧迫
- 無料プラン(5GB)では容量不足になりやすい
管理の混乱
- 「iPhoneを探す」で不要なデバイスが表示される
- どのデバイスが現役なのか分かりにくくなる
特に、古いiPhoneを売却や下取りに出す予定がある方は、必ず事前に削除しておきましょう。
デバイスの削除とアカウントの削除の違い
まず、理解しておきたいのが「デバイスの削除」と「アカウントの削除」の違いです。
デバイスの削除
- iCloudに登録されているiPhoneなどのデバイス情報を削除すること
- iCloudのデータ自体は残る(写真や連絡先など)
- 他のデバイスには影響しない
アカウントの削除
- iCloud(Apple ID)アカウント全体を削除すること
- すべてのデータが完全に削除される
- すべてのAppleサービスが使えなくなる
この記事では、「デバイスの削除」について解説します。アカウント自体は残したまま、使わなくなったiPhoneの登録だけを削除する方法です。
古いiPhoneが手元にある場合の削除方法
まずは、古いiPhoneが手元にあり、操作できる状態の場合の削除方法を説明します。
iPhone本体から削除する手順
Step 1:バックアップを確認する
削除する前に、必要なデータが新しいiPhoneに移行できているか確認しましょう。
Step 2:iCloudからサインアウトする
- 「設定」アプリを開く
- 一番上にある自分の名前(Apple ID)をタップ
- 下にスクロールして「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- デバイスに残すデータを選択(通常は選択不要)
- 「サインアウト」をタップして完了
Step 3:データを完全に消去する(売却・譲渡する場合)
古いiPhoneを売却や譲渡する場合は、データの完全消去も必要です。
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- パスコードを入力
- Apple IDのパスワードを入力
- 「iPhoneを消去」をタップ
この操作により、以下の機能が自動的にオフになります。
- 「iPhoneを探す」
- アクティベーションロック
- iCloud
- iMessage
- FaceTime
デバイスリストからも削除する
iPhone本体からサインアウトした後、iCloudのデバイスリストにまだ表示されることがあります。完全に削除するには、以下の手順を実施してください。
新しいiPhoneから削除する場合
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 下にスクロールして削除したいデバイス名をタップ
- 「アカウントから削除」をタップ
- 「削除」をタップして確認
古いiPhoneが手元にない場合の削除方法
すでに売却してしまった、紛失した、または物理的に操作できない状態の場合は、iCloud.comから削除できます。
iCloud.com経由での削除手順
方法1:「iPhoneを探す」から削除
- パソコンやスマホのブラウザで「icloud.com/find」にアクセス
- Apple IDでサインイン
- 画面上部の「すべてのデバイス」をクリック
- 削除したいiPhoneを選択
- 「アカウントから削除」をクリック
注意点:
- デバイスがオンライン状態の場合は、すぐには削除できません
- オフライン状態の場合、アクティベーションロックは即座に解除されます
- デバイスは30日後に「探す」から削除されます
方法2:Apple IDの設定ページから削除
- 「appleid.apple.com」にアクセス
- Apple IDでサインイン
- 「デバイス」セクションまでスクロール
- 削除したいデバイス名をクリック
- 「アカウントから削除」をクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
Macから削除する方法
Mac(macOS Catalina以降)を使っている場合は、以下の手順でも削除できます。
- 「システム設定」(または「システム環境設定」)を開く
- 「Apple ID」をクリック
- 左側のリストから削除したいデバイスを選択
- 「アカウントから削除」をクリック
- 確認して削除
古いiPhoneのバックアップを削除する方法

デバイスを削除しても、iCloudには古いバックアップデータが残っている場合があります。ストレージ容量を節約するために、こちらも削除しておきましょう。
iPhoneからバックアップを削除
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「ストレージを管理」をタップ
- 「バックアップ」をタップ
- 削除したい古いiPhoneのバックアップをタップ
- 「バックアップを削除」をタップ
- 確認画面で「オフにして削除」をタップ
この操作で、古いiPhoneのバックアップがiCloudから完全に削除されます。
削除前の確認ポイント
古いバックアップを削除する前に、以下を確認してください。
- データ移行が完了しているか:新しいiPhoneに必要なデータがすべて移っているか
- 削除するバックアップで正しいか:デバイス名と最終バックアップ日を確認
- 保存したいデータはないか:古いアプリのデータなど、残しておきたいものがないか
デバイス削除時の注意点
削除する前に必ずやっておくこと
1. データのバックアップ確認
新しいiPhoneにデータが正しく移行できているか、必ず確認しましょう。
- 写真・ビデオ
- 連絡先
- メモ
- カレンダー
- アプリのデータ
2. Apple Payの削除
Apple Payを使用していた場合は、カード情報を削除してください。
- 「ウォレット」アプリを開く
- 削除したいカードを選択
- 右上の「…」をタップ
- 「このカードを削除」をタップ
3. iMessageの登録解除(Androidに乗り換える場合)
iPhoneからAndroidに機種変更する場合は、iMessageの登録解除が必要です。
「deregister-imessage.apple.com」にアクセスして、電話番号を入力し、登録解除してください。
削除後の影響について理解する
デバイスを削除すると、以下のような影響があります。
削除されないもの:
- iCloud上のデータ(写真、連絡先、メモなど)
- Apple IDアカウント
- 購入済みのアプリや音楽
- 他のデバイスの設定
削除されるもの:
- デバイスの登録情報
- そのデバイスのバックアップ(別途削除した場合)
- 「iPhoneを探す」からのアクセス
つまり、デバイスを削除しても、iCloudに保存されているデータは他のデバイスから引き続きアクセスできます。
信頼できるデバイスリストからも削除しよう
二段階認証を使っている場合、古いiPhoneが「信頼できるデバイス」として登録されている可能性があります。
信頼できるデバイスの削除方法
- 「appleid.apple.com」にアクセス
- Apple IDでサインイン
- 「サインインとセキュリティ」セクションを確認
- 不要なデバイスがあれば削除
ただし、信頼できるデバイスが1台しかない場合、最後の1台は削除できないので注意してください。新しいデバイスを追加してから、古いデバイスを削除しましょう。
トラブルシューティング
「アカウントから削除」が表示されない
デバイスがオンライン状態の場合、すぐには削除できません。以下のいずれかを試してください。
- デバイスの電源を切る
- Wi-Fi・モバイルデータ通信をオフにする
- 数時間待ってからもう一度試す
パスワードを忘れてしまった場合
Apple IDのパスワードを忘れた場合は、以下の手順でリセットできます。
- 「iforgot.apple.com」にアクセス
- Apple IDを入力
- 画面の指示に従ってパスワードをリセット
アクティベーションロックが解除できない
中古で購入したiPhoneなど、前の持ち主のアクティベーションロックが残っている場合は、以下の対応が必要です。
- 前の持ち主に連絡して、iCloud.comから削除してもらう
- Appleサポートに連絡(購入証明書が必要)
iCloudストレージを効率的に管理するコツ
デバイスを削除した後、iCloudストレージをさらに効率的に使うためのヒントを紹介します。
1. 不要な写真・ビデオを定期的に削除
「最近削除した項目」フォルダも忘れずに空にしましょう(30日間保持されます)。
2. バックアップ内容を見直す
すべてのアプリをバックアップする必要はありません。大容量のアプリ(ゲームなど)はバックアップ対象から外すことを検討しましょう。
「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「ストレージを管理」→「バックアップ」から設定できます。
3. iCloud+へのアップグレードを検討
無料の5GBで足りない場合は、有料プランへのアップグレードも選択肢の一つです。
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
4. 他のクラウドサービスも併用
写真や動画の保存先として、GoogleフォトやOneDrive、Dropboxなどの他のクラウドサービスも活用すると、iCloudの容量を節約できます。
よくある質問
Q1:デバイスを削除すると、iCloudの写真も消えますか?
いいえ、消えません。デバイスの登録情報が削除されるだけで、iCloud上のデータ(写真、連絡先、メモなど)は残ります。
Q2:古いiPhoneを削除したら、新しいiPhoneに影響はありますか?
影響ありません。各デバイスの登録は独立しているため、古いデバイスを削除しても、新しいデバイスには何の影響もありません。
Q3:削除したデバイスは再登録できますか?
はい、できます。削除したiPhoneに再度Apple IDでサインインすれば、再登録されます。
Q4:家族が使っているiPhoneを間違って削除してしまいました
慌てなくて大丈夫です。そのiPhoneで再度Apple IDにサインインすれば、自動的に再登録されます。ただし、そのiPhoneのバックアップを削除してしまった場合は、バックアップは復元できません。
まとめ
iCloudから前のiPhoneを削除する方法について解説しました。
重要なポイント:
- 古いiPhoneを残しておくとセキュリティリスクや容量の無駄につながる
- デバイスが手元にある場合は、本体からサインアウトして削除
- デバイスがない場合は、iCloud.comから削除できる
- 削除前に必ずデータのバックアップを確認
- バックアップデータも別途削除が必要
- デバイスを削除しても、iCloud上のデータは消えない
機種変更後は、古いiPhoneをiCloudから削除することを習慣にしましょう。これにより、セキュリティが向上し、iCloudのストレージも効率的に使えるようになります。
特に、古いiPhoneを売却や下取りに出す予定がある方は、個人情報保護のためにも必ず削除してから手放すようにしてくださいね。


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