iCloudの連絡先をエクスポートする方法【完全ガイド】

「iCloudの連絡先をバックアップしたい」「Excelで連絡先を管理したい」「Androidスマホに連絡先を移行したい」といった理由で、iCloudから連絡先をエクスポート(書き出し)する必要が出てくることがあります。

しかし、iCloudから連絡先をエクスポートする方法が分からず困っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、iCloudから連絡先をエクスポートする複数の方法を、初心者にも分かりやすく解説します。

iCloudの連絡先エクスポートとは?

エクスポート(書き出し)とは、iCloudに保存されている連絡先データを、ファイルとしてパソコンやスマートフォンに保存することです。

エクスポートする理由

iCloudの連絡先をエクスポートする主な理由:

• バックアップ:大切な連絡先を失わないため
• 機種変更:AndroidスマホやWindowsパソコンへのデータ移行
• データ管理:Excelなどで連絡先を整理・編集したい
• 他のサービスへの移行:Gmailやoutlookなどに連絡先をインポート
• 印刷:住所録や名簿を作成
• 共有:家族や同僚と連絡先リストを共有

ファイル形式について

iCloudから連絡先をエクスポートする際、主に2つのファイル形式があります。

vCard(.vcf):

• iCloudから直接エクスポートできる形式
• 複数の連絡先を1つのファイルにまとめられる
• iPhoneやMacで直接読み込める
• 写真や音声も含められる

CSV(.csv):

• ExcelやGoogleスプレッドシートで開ける
• データの編集や整理がしやすい
• 多くのアプリやサービスで読み込める
• iCloudから直接エクスポートできない(変換が必要)

パソコンでiCloud.comから連絡先をエクスポートする方法

最も一般的で確実な方法です。

手順1:iCloud.comにアクセスしてサインイン

準備:

• パソコン(WindowsまたはMac)
• インターネット接続
• Apple ID

ステップ:

1. パソコンのブラウザ(Chrome、Safari、Edgeなど)を開く
2. 「iCloud.com」にアクセス
3. Apple IDとパスワードを入力してサインイン
4. 2ファクタ認証のコードを入力(求められた場合)

手順2:すべての連絡先をvCard形式でエクスポート

ステップ:

1. iCloud.comのメニューから「連絡先」アイコンをクリック
2. すべての連絡先が表示される
3. 画面左下の歯車アイコン(⚙️)をクリック
4. メニューから「すべてを選択」をクリック
5. すべての連絡先が青く選択される
6. 再度歯車アイコンをクリック
7. 「vCardを書き出す…」を選択
8. パソコンにvCardファイル(.vcf)がダウンロードされる

ダウンロード先:
通常、ブラウザの「ダウンロード」フォルダに保存されます。

手順3:特定の連絡先だけをエクスポート

すべてではなく、一部の連絡先だけエクスポートしたい場合:

Windowsの場合:

1. Ctrlキーを押しながら、エクスポートしたい連絡先を1つずつクリック
2. 選択が完了したら歯車アイコンをクリック
3. 「vCardを書き出す…」を選択

Macの場合:

1. Commandキーを押しながら、エクスポートしたい連絡先を1つずつクリック
2. 選択が完了したら歯車アイコンをクリック
3. 「vCardを書き出す…」を選択

vCardをCSV形式に変換する方法

iCloudから直接CSVファイルとしてエクスポートすることはできません。まずvCard形式でエクスポートしてから、CSVに変換する必要があります。

方法1:Google連絡先を使って変換(おすすめ)

無料で簡単に変換できる方法です。

手順:

1. 前述の方法でiCloudからvCardファイルをエクスポート
2. ブラウザで「Google連絡先」にアクセス(contacts.google.com)
3. Googleアカウントでサインイン
4. 左側のメニューから「インポート」をクリック
5. 「ファイルを選択」をクリックしてvCardファイルを選択
6. 「インポート」をクリック
7. インポートが完了すると、左側に新しいラベルが作成される
8. 右上の3点メニュー(︙)をクリック
9. 「エクスポート」を選択
10. エクスポートする連絡先を選択(先ほどインポートしたグループ)
11. 形式で「Google CSV」または「Outlook CSV」を選択
12. 「エクスポート」をクリック
13. CSVファイルがダウンロードされる

形式の違い:

• Google CSV:Googleサービスで使いやすい
• Outlook CSV:Microsoft Outlookで使いやすい

方法2:オンライン変換ツールを使う

注意:
個人情報を含むため、信頼できるサービスのみを使用してください。

手順(例:aconvert.com):

1. ブラウザで「aconvert.com」にアクセス
2. 「Choose Files」をクリックしてvCardファイルを選択
3. 「Target Format」で「CSV」を選択
4. 「Convert Now」をクリック
5. 変換が完了したらCSVファイルをダウンロード

制限:
多くのオンラインツールはファイルサイズに制限があります(通常8MB以下)。

方法3:Windows連絡先を経由する(Windowsのみ)

Windows10/11で利用できる方法です。

手順:

1. エクスプローラー(フォルダアイコン)を開く
2. アドレスバーに「shell:Contacts」と入力してEnter
3. Windowsの連絡先フォルダが開く
4. 「インポート」→「vCard」を選択
5. iCloudからエクスポートしたvCardファイルを選択
6. 各連絡先ごとに「OK」をクリック(多数ある場合は時間がかかる)
7. インポートが完了したら「エクスポート」を選択
8. 「CSV(カンマ区切り)」を選択
9. ファイル名を付けて保存

iPhoneから直接連絡先をエクスポートする方法

パソコンを使わずに、iPhone単体で連絡先を送信できます。

方法:連絡先アプリから個別に送信

注意:
この方法では1つずつしか送信できません。大量の連絡先には不向きです。

手順:

1. iPhoneで「連絡先」アプリを開く
2. 送信したい連絡先をタップ
3. 画面を下にスクロール
4. 「連絡先を送信」をタップ
5. 送信方法を選択:

• メール:メールで送信
• メッセージ:SMS/iMessageで送信
• AirDrop:近くのAppleデバイスに送信
• LINE:LINEで送信
• その他のアプリ:各種共有オプション

用途:

• 1〜数人の連絡先を友人や家族と共有
• 自分のメールアドレスに送信してバックアップ

連絡先をインポートする方法

エクスポートした連絡先を別の場所に読み込む方法です。

iPhone/iPadにインポート

手順:

1. vCardファイルをメールやメッセージで受信
2. 添付ファイルをタップ
3. 「すべての連絡先を追加」をタップ
4. 連絡先アプリに追加される

Macの連絡先アプリにインポート

手順:

1. Macで「連絡先」アプリを開く
2. メニューバーから「ファイル」→「読み込む」を選択
3. vCardファイルを選択
4. 「開く」をクリック

Gmailにインポート

手順:

1. Google連絡先(contacts.google.com)にアクセス
2. 左側のメニューから「インポート」をクリック
3. vCardまたはCSVファイルを選択
4. 「インポート」をクリック

Outlookにインポート

手順:

1. Outlookを開く
2. 「ファイル」→「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」
3. 「他のプログラムまたはファイルからのインポート」を選択
4. 「カンマ区切りの値(CSV)」を選択
5. CSVファイルを選択
6. インポート先フォルダを選択(連絡先)
7. 「完了」をクリック

連絡先のバックアップと復元

大切な連絡先を守るための方法です。

バックアップの作成

定期的なバックアップがおすすめ:

1. 月に1回程度、iCloud.comから全連絡先をvCard形式でエクスポート
2. ファイル名に日付を付ける(例:「連絡先_20241206.vcf」)
3. パソコンの安全な場所に保存
4. 可能であれば外付けHDDやクラウドストレージにもコピー

バックアップから復元

iCloud.comで復元:

1. iCloud.comにサインイン
2. 「連絡先」を開く
3. 歯車アイコン→「連絡先を読み込む」を選択
4. バックアップしたvCardファイルを選択
5. 連絡先が追加される

注意:
重複した連絡先が作成される可能性があります。復元前に現在の連絡先をエクスポートしておくことをおすすめします。

連絡先の印刷方法

紙の連絡先リストや住所録が必要な場合。

iCloud.comから印刷

手順:

1. iCloud.comの連絡先を開く
2. 印刷したい連絡先を選択(全選択も可能)
3. 歯車アイコンをクリック
4. 「連絡先を印刷」を選択
5. ブラウザの印刷画面が開く
6. プリンターを選択して印刷

印刷形式:

• 簡易リスト形式で印刷される
• 名前、電話番号、メールアドレスなどが含まれる

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法です。

問題1:vCardを書き出すメニューが表示されない

原因:
ブラウザの問題、または連絡先が選択されていない

解決方法:

1. 連絡先が選択されているか確認(青く表示)
2. 別のブラウザを試す(SafariがおすすめO)
3. ブラウザのキャッシュをクリア
4. iCloudからサインアウトして再度サインイン
5. ページを再読み込み(F5キー)

問題2:エクスポートしたvCardファイルが開けない

原因:
ファイルが破損している、または対応アプリがない

解決方法:

1. 再度iCloudからエクスポートを試す
2. 別の連絡先アプリで開いてみる

• Windows:Windows連絡先
• Mac:連絡先アプリ

1. テキストエディタ(メモ帳など)で開いてデータを確認
2. オンライン変換ツールでCSVに変換を試す

問題3:エクスポートした連絡先が文字化けする

原因:
文字エンコードの問題

解決方法:

1. CSVファイルをExcelで開く際、「データ」→「テキストから」で開く
2. 文字コードを「UTF-8」に設定
3. Google連絡先経由で変換し直す
4. 専用ツールを使用する

問題4:連絡先の一部しかエクスポートされない

原因:
選択漏れ、またはiCloud同期の問題

解決方法:

1. 「すべてを選択」を使用しているか確認
2. iPhoneで「設定」→「連絡先」→「iCloud」がオンになっているか確認
3. 数分待ってから再度試す(同期に時間がかかる場合がある)
4. iPhoneを再起動してから再試行

問題5:写真が含まれない

原因:
CSV形式は写真をサポートしていない

解決方法:

1. vCard形式のままで使用する
2. 写真付きの連絡先が必要な場合は、vCard形式でエクスポート
3. CSVの場合、写真は別途保存が必要

連絡先をAndroidスマホに移行する方法

iPhoneからAndroidへの機種変更時に役立ちます。

方法1:Googleアカウント経由(おすすめ)

手順:

1. iCloud.comから連絡先をvCard形式でエクスポート
2. Google連絡先でvCardをインポート(前述の手順)
3. AndroidスマホでGoogleアカウントにサインイン
4. 「設定」→「アカウント」→「Google」をタップ
5. アカウントを選択
6. 「アカウントの同期」をタップ
7. 「連絡先」をオンにする
8. 同期が完了すると連絡先アプリに表示される

方法2:vCardファイルを直接インポート

手順:

1. iCloud.comからvCardをエクスポート
2. vCardファイルをメールで自分に送信
3. AndroidスマホでメールのvCardファイルをタップ
4. 「連絡先」アプリで開く
5. 「インポート」をタップ

専用ツールやアプリを使う方法

より高度な機能が必要な場合。

サードパーティツールのメリット

• 大量の連絡先を一括処理
• 重複した連絡先の削除
• 複数のファイル形式に対応
• プレビュー機能
• フィールドのカスタマイズ

主なツール(例)

注意:
個人情報を扱うため、信頼できるツールのみを使用してください。

有料ツール:

• CopyTrans Contacts
• AnyTrans
• iMazing
• Tenorshare iCareFone

無料ツール:

• Google連絡先(推奨)
• オンライン変換サイト(小規模なファイルのみ)

連絡先管理のベストプラクティス

大切な連絡先を守るために。

定期的なバックアップ

推奨頻度:

• 個人利用:月1回
• ビジネス利用:週1回

バックアップ先:

• パソコンのローカルストレージ
• 外付けHDD
• クラウドストレージ(Dropbox、OneDrive等)

連絡先の整理

定期的に行うべきこと:

1. 重複した連絡先を削除
2. 古い情報を更新
3. 不要な連絡先を削除
4. グループ分け(家族、仕事、友人など)

セキュリティ対策

重要な注意点:

• バックアップファイルにはパスワード保護を
• オンラインツールは信頼できるもののみ使用
• vCardファイルを第三者に送信する際は注意
• 定期的にApple IDのパスワードを変更

CSVファイルの活用方法

エクスポートしたCSVファイルでできること。

Excelでの編集

できること:

• 連絡先を一覧で見る
• 並び替え(名前順、会社名順など)
• フィルター(特定の条件で絞り込み)
• 一括編集(同じ会社の人の住所を一括変更など)
• 重複チェック

年賀状・はがき作成

CSVファイルを宛名印刷ソフトにインポートできます:

• 筆まめ
• 筆ぐるめ
• 宛名職人

顧客管理システム(CRM)への登録

ビジネス用途:

• Salesforce
• HubSpot
• kintone
  などのCRMにインポート可能

よくある質問

Q1: iCloudから直接CSV形式でエクスポートできますか?

A: いいえ、できません。iCloudからは「vCard(.vcf)」形式のみエクスポート可能です。CSVが必要な場合は、vCardをエクスポート後に変換する必要があります。

Q2: エクスポートした連絡先はiCloudから削除されますか?

A: いいえ、削除されません。エクスポートはコピーを作成するだけで、iCloud上の連絡先はそのまま残ります。

Q3: 何件まで一度にエクスポートできますか?

A: 制限はありません。数千件でも一度にエクスポート可能です。ただし、大量の連絡先の場合、ファイルサイズが大きくなります。

Q4: グループごとにエクスポートできますか?

A: iCloud.comでは、グループ全体を選択してエクスポートできます。左側のグループリストから目的のグループをクリックしてから「すべてを選択」でそのグループの連絡先のみ選択できます。

Q5: エクスポートしたvCardファイルは他のApple IDでも使えますか?

A: はい、使えます。vCardファイルは汎用的な形式なので、どのApple IDでもインポート可能です。

Q6: 連絡先の写真もエクスポートされますか?

A: vCard形式の場合は写真も含まれます。CSV形式の場合は写真は含まれません(CSVはテキストデータのみ対応)。

Q7: Macの連絡先アプリからもエクスポートできますか?

A: はい、できます。Macの連絡先アプリで「ファイル」→「書き出す」→「vCardを書き出す」を選択してください。

Q8: エクスポートに費用はかかりますか?

A: iCloudの標準機能なので無料です。ただし、専用ツールを使用する場合は有料のものもあります。

Q9: Windowsパソコンでもできますか?

A: はい、できます。iCloud.comはブラウザベースなので、Windows、Mac、Linuxなどどのパソコンでも利用できます。

Q10: エクスポートしたファイルのサイズはどのくらいですか?

A: 連絡先の数と内容によります。目安として、1000件の連絡先(写真なし)で約1〜2MB程度です。写真が含まれる場合はさらに大きくなります。

まとめ

iCloudの連絡先をエクスポートする方法について解説しました。

この記事の重要ポイント:

• 最も簡単な方法:iCloud.comから全連絡先をvCard形式でエクスポート
• iCloudから直接CSV形式ではエクスポートできない(変換が必要)
• CSV変換:Google連絡先を使う方法が無料で簡単
• iPhone単体では1件ずつしかエクスポートできない
• エクスポートしてもiCloud上のデータは削除されない
• 定期的なバックアップが大切(月1回推奨)
• vCard形式なら写真も含まれる
• Androidへの移行はGoogleアカウント経由がスムーズ
• 大量の連絡先は専用ツールが便利
• エクスポートしたCSVはExcelで編集可能

連絡先は機種変更や不具合で失われると取り戻せない大切なデータです。

定期的にiCloudからエクスポートしてバックアップを取り、安全に管理しましょう!