「iCloudに写真が保存されない」「バックアップができない」「容量があるのにエラーが出る」といった問題に悩んでいませんか?
iCloudは便利なクラウドストレージサービスですが、設定や環境によって保存がうまくいかないことがあります。
この記事では、iCloudに保存できない主な原因と、それぞれの具体的な解決方法を分かりやすく解説します。
iCloudに保存できない主な原因

iCloudへの保存がうまくいかない原因は、大きく分けて次の8つがあります。
原因1:iCloudストレージの容量不足
最も多い原因です。無料プランは5GBしかないため、すぐにいっぱいになってしまいます。
容量が不足すると:
- 新しい写真や動画がアップロードされない
- iCloudバックアップが作成できない
- iCloud Driveにファイルを保存できない
- iCloudメールが受信できない
原因2:インターネット接続の問題
iCloudへの保存にはインターネット接続が必須です。
- Wi-Fi接続が不安定
- モバイルデータ通信がオフになっている
- 通信速度が遅い
- ネットワーク制限がかかっている(会社や学校など)
原因3:iCloud設定がオフになっている
iCloud写真やiCloudバックアップの設定がオフになっていることがあります。
原因4:ソフトウェアのバージョンが古い
iOSやiPadOSのバージョンが古いと、iCloudが正常に動作しないことがあります。
原因5:Apple IDの問題
- 間違ったApple IDでサインインしている
- Apple IDがロックされている
- パスワードが間違っている
原因6:デバイス本体のストレージ不足
iCloudに空きがあっても、iPhone本体のストレージが不足していると、バックアップ作成に必要な一時ファイルが保存できません。
原因7:バックアップデータの破損
以前のバックアップファイルが破損していると、新しいバックアップが作成できないことがあります。
原因8:Appleサーバーの問題
まれにAppleのサーバーに問題が発生していることがあります。
iCloudストレージ容量を確認する方法
まずは、iCloudの容量を確認しましょう。
iPhone・iPadでの確認方法
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部のあなたの名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 画面上部に使用状況が表示される
ここで「ストレージがいっぱいです」と表示されている場合は、容量不足が原因です。
詳細な使用状況の確認
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「ストレージを管理」または「アカウントのストレージを管理」をタップ
- どのデータが容量を使っているか確認できる
主な容量消費項目:
- バックアップ(通常最も大きい)
- iCloud写真
- iCloud Drive
- メール
- メッセージ
iCloudに写真が保存できない時の解決法
写真やビデオがiCloudに保存されない場合の対処法です。
解決法1:iCloud写真がオンになっているか確認
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「写真」をタップ
- 「iCloud写真」をオンにする
注意:
初回オンにすると、すべての写真をアップロードするため時間がかかります。Wi-Fi接続を保ったまま充電しておきましょう。
解決法2:モバイルデータ通信を許可する
Wi-Fiがない環境でもアップロードしたい場合:
手順:
- 「設定」→「写真」
- 「モバイルデータ通信」セクション
- 「モバイルデータ通信」と「無制限のアップデート」をオンにする
注意:
大量のデータ通信が発生するため、データ通信量に注意してください。
解決法3:低電力モードをオフにする
低電力モードがオンだと、写真のアップロードが停止します。
手順:
- 「設定」→「バッテリー」
- 「低電力モード」をオフにする
充電中はアップロードが優先されます。
解決法4:デバイスを再起動する
シンプルですが効果的です。
iPhone X以降:
- サイドボタンと音量ボタンを同時に長押し
- スライダーで電源オフ
- 30秒待って再起動
iPhone 8以前:
- 電源ボタンを長押し
- スライダーで電源オフ
- 30秒待って再起動
iCloudバックアップができない時の解決法
iCloudバックアップが作成できない場合の対処法です。
解決法1:バックアップ設定を確認する
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「このiPhoneをバックアップ」をオンにする
解決法2:バックアップに必要な条件を満たす
iCloudバックアップは自動で作成されますが、以下の条件が必要です:
必要な条件:
- 電源に接続されている
- Wi-Fiに接続されている
- 画面がロックされている
- iCloudストレージに十分な空きがある
手動でバックアップを作成する場合:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
解決法3:不要なアプリをバックアップから除外する
バックアップ容量を減らすため、不要なアプリを除外しましょう。
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 使用中のデバイスをタップ
- バックアップ不要なアプリをオフにする
おすすめの除外対象:
- あまり使っていないアプリ
- 再ダウンロードが簡単なアプリ
- 大容量のゲームアプリ
解決法4:古いバックアップを削除する
使っていないデバイスのバックアップが残っていることがあります。
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 不要なデバイスのバックアップをタップ
- 「バックアップを削除」をタップ
解決法5:写真をバックアップ対象から除外する
iCloud写真を使っている場合、バックアップから写真を除外できます。
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 使用中のデバイスをタップ
- 「フォトライブラリ」をオフにする
- 「オフにして削除」をタップ
注意:
iCloud写真がオンになっている場合のみ有効です。iCloud写真がオフの場合、この方法を使うと写真のバックアップが取れなくなります。
解決法6:前回のバックアップを削除して再作成
バックアップファイルが破損している可能性があります。
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 使用中のデバイスをタップ
- 一番下までスクロールして「バックアップを削除」をタップ
- 削除後、「iCloudバックアップ」→「今すぐバックアップを作成」
注意:
これまでのバックアップが消えるため、重要なデータがある場合は慎重に行ってください。
容量があるのに保存できない時の解決法
「容量が十分あるのにエラーが出る」という場合の対処法です。
解決法1:「最近削除した項目」を完全削除する
写真や動画を削除しても、30日間は「最近削除した項目」に残ります。
手順:
- 「写真」アプリを開く
- 「アルバム」タブをタップ
- 下にスクロールして「最近削除した項目」をタップ
- 右上の「選択」をタップ
- 「すべて削除」をタップ
- 「○○枚の写真を削除」をタップして確認
これで実際に容量が解放されます。
解決法2:iPhone本体のストレージを空ける
iCloudに空きがあっても、iPhone本体の容量が不足していると問題が発生します。
確認方法:
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
- 使用状況を確認
空き容量の確保方法:
- 不要なアプリを削除
- 撮影した動画を削除
- Safariのキャッシュをクリア
- メッセージの添付ファイルを削除
解決法3:iCloudからサインアウトして再サインイン
設定がリセットされ、問題が解決することがあります。
手順:
- 「設定」→「あなたの名前」
- 一番下までスクロール
- 「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- デバイスに残すデータを選択(通常は全部オン)
- 「サインアウト」をタップ
- 数分待つ
- 「設定」→「iPhoneにサインイン」で再ログイン
注意:
iCloud写真がオフになっている場合、写真のコピーをデバイスに残すことを選択してください。
解決法4:ネットワーク設定をリセットする
ネットワークの問題が原因の場合があります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップして確認
注意:
保存されているWi-Fiのパスワードがすべてクリアされます。再接続が必要になります。
解決法5:日付と時刻の設定を確認する
日付と時刻が間違っていると、iCloudとの同期に問題が発生します。
手順:
- 「設定」→「一般」→「日付と時刻」
- 「自動設定」をオンにする
解決法6:iOSを最新バージョンに更新する
古いバージョンのバグが原因のことがあります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
注意:
- Wi-Fi接続が必要
- バッテリー残量が50%以上、または充電中であること
- アップデートには時間がかかることがある
iCloudストレージを増やす方法

無料の5GBでは足りない場合、容量を増やす方法があります。
方法1:有料プランにアップグレードする
最も確実な方法です。
料金プラン(日本):
| プラン | 月額料金 |
|---|---|
| 50GB | ¥130 |
| 200GB | ¥400 |
| 2TB | ¥1,300 |
| 6TB | ¥3,900 |
| 12TB | ¥7,900 |
アップグレード手順:
- 「設定」→「あなたの名前」→「iCloud」
- 「ストレージを管理」または「アカウントのストレージを管理」
- 「ストレージプランを変更」または「さらにストレージを購入」
- 希望するプランを選択
- 「購入する」をタップ
- Apple IDのパスワードまたはFace ID/Touch IDで認証
方法2:不要なデータを削除する
削除すべきデータ:
- 古い写真や動画
- 不要なメール(特に添付ファイル付き)
- 使っていないアプリのデータ
- iCloud Driveの不要なファイル
- 古いデバイスのバックアップ
方法3:写真をiPhoneストレージ最適化にする
iPhone本体には軽量版を保存し、オリジナルはiCloudに保存します。
手順:
- 「設定」→「写真」
- 「iPhoneのストレージを最適化」を選択
これで、iPhone本体の容量を節約しながら、すべての写真をiCloudに保存できます。
方法4:他のクラウドサービスを併用する
iCloudの容量を節約するため、他のサービスも利用しましょう。
おすすめサービス:
- Google フォト(15GB無料、写真・動画向け)
- Dropbox(2GB無料、ファイル共有向け)
- OneDrive(5GB無料、Microsoft Office連携)
- Amazon Photos(プライム会員なら無制限)
エラーメッセージ別の対処法
よく表示されるエラーメッセージとその対処法です。
エラー1:「iCloudストレージに十分な空き領域がないため、このiPhoneのバックアップは作成できません」
原因:
容量不足
対処法:
- 不要なデータを削除する
- 有料プランにアップグレードする
- バックアップ対象のアプリを減らす
エラー2:「前回のバックアップを完了できませんでした」
原因:
- ネットワーク接続が途中で切れた
- バックアップ中に電源が切れた
- バックアップファイルに問題がある
対処法:
- Wi-Fi接続を確認
- 充電しながら再試行
- 古いバックアップを削除して再作成
エラー3:「iCloudバックアップはオフです」
原因:
バックアップ設定がオフになっている
対処法:
「設定」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」をオンにする
エラー4:「バックアップにサインインできません」
原因:
Apple IDの認証に問題がある
対処法:
- Apple IDとパスワードを確認
- iCloudからサインアウトして再サインイン
- 2ファクタ認証を確認
エラー5:「バックアップを削除できません」
原因:
同期の問題やサーバーエラー
対処法:
- デバイスを再起動
- 数時間後に再試行
- 別のWi-Fiネットワークで試す
iCloud写真とiCloudバックアップの違い
この2つは別の機能です。理解しておくと役立ちます。
iCloud写真
特徴:
- 写真と動画を自動的にiCloudに同期
- すべてのデバイスで同じ写真を見られる
- ストレージ容量を消費する
- 削除するとすべてのデバイスから消える
向いている人:
- 複数のAppleデバイスを使っている
- 写真を常に同期させたい
- 容量に余裕がある(有料プラン利用)
iCloudバックアップ
特徴:
- デバイス全体のバックアップ
- 写真、アプリデータ、設定などを含む
- 復元時にすべて戻せる
- iCloud写真オン時は写真を含まない
向いている人:
- デバイスの完全なバックアップが欲しい
- 機種変更時にすぐ復元したい
両方使う場合の注意点
iCloud写真をオンにすると、写真はiCloudバックアップに含まれなくなります。
つまり:
- iCloud写真に写真が保存される
- iCloudバックアップには写真以外が保存される
- 両方を合わせて完全なバックアップになる
Appleサポートに問い合わせる前に確認すること
上記の方法で解決しない場合、Appleサポートに連絡する前に以下を確認してください。
確認事項チェックリスト
基本設定:
- iCloudストレージの容量は十分か?
- iCloud写真/iCloudバックアップはオンか?
- 正しいApple IDでサインインしているか?
- iOSは最新バージョンか?
ネットワーク:
- Wi-Fiに接続されているか?
- インターネット速度は十分か?
- ネットワーク制限はかかっていないか?
デバイス:
- iPhone本体のストレージに空きはあるか?
- 日付と時刻の設定は正しいか?
- デバイスは再起動したか?
その他:
- 低電力モードはオフか?
- VPNプロファイルが干渉していないか?
- Appleのシステム状況ページでサーバーダウンがないか?
Appleシステム状況の確認方法
Appleのサーバーに問題がないか確認できます。
- Safariで「Apple システム状況」を検索
- 公式ページを開く
- 「iCloud」関連サービスが緑色(正常)か確認
赤色や黄色の場合は、Appleのサーバーに問題があります。復旧を待ちましょう。
代替バックアップ方法
iCloudが使えない場合の代替手段です。
方法1:パソコンでバックアップ(Mac)
手順:
- iPhoneとMacをUSBケーブルで接続
- Finderを開く
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
メリット:
- iCloudストレージを使わない
- バックアップが速い
- 容量制限がない(パソコンの空き容量次第)
方法2:パソコンでバックアップ(Windows)
手順:
- WindowsにiTunesまたはAppleデバイスアプリをインストール
- iPhoneとPCをUSBケーブルで接続
- iTunesまたはAppleデバイスアプリを開く
- デバイスを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
方法3:他のクラウドサービスを使う
Google フォトを使った写真バックアップ:
- App Storeから「Google フォト」アプリをダウンロード
- Googleアカウントでサインイン
- バックアップをオンにする
- 自動的に写真がアップロードされる
メリット:
- 15GB無料(Googleアカウント全体で)
- iCloudストレージを節約できる
- Androidデバイスとも共有できる
よくある質問
Q1: iCloudストレージとiPhoneストレージの違いは?
A: iCloudストレージはクラウド上の保存領域、iPhoneストレージはデバイス本体の保存領域です。それぞれ独立しており、両方に空きが必要です。
Q2: 無料の5GBで足りますか?
A: 写真をあまり撮らず、アプリも少ない場合は足りるかもしれませんが、多くの人には不足します。写真を多く撮る場合は有料プラン(最低50GB)がおすすめです。
Q3: iCloudバックアップにはどのくらい時間がかかる?
A: データ量とネットワーク速度によります。数GBのバックアップで30分〜数時間かかることもあります。初回バックアップは特に時間がかかります。
Q4: バックアップ中にiPhoneを使える?
A: 使えますが、バックアップは画面ロック中に最も効率的に動作します。重要なバックアップ中は使用を控えるのがおすすめです。
Q5: 家族でiCloudストレージを共有できる?
A: はい、ファミリー共有機能を使えば、有料プラン(50GB以上)を最大6人で共有できます。各人のプライバシーは保護されます。
Q6: iCloudから写真を削除したらiPhoneからも消える?
A: iCloud写真がオンの場合、削除するとすべてのデバイスから消えます。30日間は「最近削除した項目」から復元可能です。
Q7: Wi-Fiなしでもバックアップできる?
A: iCloudバックアップにはWi-Fiが必須です。モバイルデータ通信では作成できません。写真のアップロードのみモバイルデータでも可能です(設定が必要)。
Q8: バックアップを削除したらデータも消える?
A: いいえ、デバイス上のデータは消えません。ただし、バックアップから復元できなくなるので、新しいバックアップを作成してから削除することをおすすめします。
Q9: iCloudバックアップには何が含まれる?
A: デバイスの設定、アプリデータ、ホーム画面の配置、iMessage、テキストメッセージ、着信音などが含まれます。ただし、iCloud写真がオンの場合は写真は含まれません。
Q10: 複数のApple IDを使っている場合は?
A: iCloudは1つのApple IDにつき1つです。複数のApple IDを使っている場合、それぞれ個別にストレージを管理する必要があります。
まとめ
iCloudに保存できない時の対処法について解説しました。
この記事の重要ポイント:
- 最も多い原因は容量不足
- 「最近削除した項目」の完全削除は必須
- Wi-Fi接続と充電はバックアップの必須条件
- iCloud写真とiCloudバックアップは別の機能
- 容量があるのに保存できない場合は設定の確認と再起動を試す
- ソフトウェアを最新版に保つことが重要
- 無料5GBで足りない場合は有料プラン(50GB/¥130〜)を検討
- パソコンへのバックアップや他のクラウドサービス併用も有効
- 問題が解決しない場合はAppleサポートに相談
iCloudへの保存がうまくいかない原因はさまざまですが、この記事で紹介した方法を順番に試していけば、ほとんどの問題は解決できます。
定期的にバックアップを取り、大切なデータを守りましょう!


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