「パソコンを起動するたびに、iCloudが勝手に開いてしまう…」
「iCloudのポップアップが何度も表示されて困る」
「パソコンの起動が遅くなった気がする」
こんな悩みを抱えていませんか?
iCloudは便利なクラウドサービスですが、デフォルト設定では自動起動するようになっています。毎回使うわけではないのに、パソコンを起動するたびにiCloudが開くのは煩わしいですよね。
今回は、WindowsとMac、それぞれでiCloudの自動起動を停止する方法を詳しく解説します。また、ポップアップが何度も表示される問題の解決方法もご紹介します。
なぜiCloudは自動起動するのか?

まず、なぜiCloudが自動起動するのか、その理由を理解しておきましょう。
iCloudの自動起動の目的
iCloudが自動起動する主な理由は以下の通りです。
1. リアルタイム同期のため
写真、書類、連絡先などをリアルタイムで同期し、すべてのデバイスで最新の状態を保つためです。
2. バックアップの自動実行
iCloudバックアップを自動的に実行し、大切なデータを守るためです。
3. iCloud Driveへのアクセス
iCloud Driveに保存されたファイルに素早くアクセスできるようにするためです。
自動起動を停止しても大丈夫?
自動起動を停止しても、iCloud自体は使えます。
影響しないこと:
- iPhoneやiPad側のiCloud機能(引き続き正常に動作)
- データのセキュリティ(安全性は変わらない)
- 手動でiCloudアプリを起動すれば、通常通り同期できる
影響すること:
- リアルタイム同期が行われなくなる
- 手動でiCloudを起動しない限り、パソコン側の同期は行われない
常に最新の状態を保つ必要がない場合や、必要な時だけ手動で同期したい場合は、自動起動を停止しても問題ありません。
【Windows 11/10】iCloudの自動起動を停止する方法
Windows版iCloudの自動起動を停止する方法を、複数ご紹介します。
方法1:タスクマネージャーで停止(最も簡単)
これが最も簡単で確実な方法です。
手順:
ステップ1:タスクマネージャーを開く
以下のいずれかの方法でタスクマネージャーを開きます。
Ctrl+Shift+Escを同時に押す- タスクバーを右クリック → 「タスクマネージャー」を選択
Ctrl+Alt+Delete→ 「タスクマネージャー」を選択
ステップ2:スタートアップタブを開く
タスクマネージャーが開いたら、上部の「スタートアップ」タブをクリックします。
簡易表示になっている場合は、左下の「詳細」をクリックして詳細表示に切り替えてください。
ステップ3:iCloudを無効にする
リストの中から「iCloud」または「iCloud Drive」を探します。
iCloudを選択して、右下の「無効にする」ボタンをクリックします。
右クリックして「無効化」を選ぶこともできます。
ステップ4:確認
状態が「有効」から「無効」に変わったことを確認します。
これで完了です。次回からパソコンを起動しても、iCloudは自動的に起動しなくなります。
方法2:Windowsの設定から停止
Windows 11では、設定アプリからも自動起動を管理できます。
手順:
ステップ1:設定を開く
- Windowsキー +
Iを押す - またはスタートメニュー → 「設定」(歯車アイコン)
ステップ2:アプリに移動
「アプリ」をクリックします。
ステップ3:スタートアップを選択
左側のメニューから「スタートアップ」を選択します。
ステップ4:iCloudをオフにする
アプリの一覧から「iCloud」を探し、トグルスイッチを「オフ」にします。
方法3:iCloudアプリ内の設定を確認
iCloudアプリ自体に、自動起動の設定がある場合があります。
手順:
ステップ1:iCloudアプリを開く
スタートメニューから「iCloud」を検索して起動します。
ステップ2:設定を開く
iCloudアプリ内で、歯車アイコンやメニューから設定を開きます。
ステップ3:自動起動のオプションを探す
「起動時にiCloudを起動」「Windows起動時にiCloudを自動的に起動する」のようなオプションを探します。
見つかった場合は、チェックを外してオフにします。
注意:
バージョンによっては、このオプションが存在しない場合もあります。その場合は方法1や方法2を使ってください。
方法4:スタートアップフォルダから削除(上級者向け)
スタートアップフォルダに直接アクセスして、ショートカットを削除する方法です。
手順:
ステップ1:スタートアップフォルダを開く
- Windowsキー +
Rを押す - 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが開く
shell:startupと入力して「OK」をクリック
ステップ2:iCloudのショートカットを削除
スタートアップフォルダが開きます。
「iCloud」のショートカットがあれば、右クリックして「削除」します。
注意:
最近のバージョンでは、このフォルダにショートカットがない場合もあります。
方法5:システム構成(msconfig)から停止
古いWindowsバージョンで使える方法です。
手順:
ステップ1:システム構成を開く
- Windowsキー +
Rを押す msconfigと入力して「OK」
ステップ2:スタートアップタブを確認
「スタートアップ」タブをクリックします。
Windows 10以降では「タスクマネージャーを開く」というリンクが表示されるので、クリックすると方法1と同じ画面が開きます。
それでも自動起動する場合の対処法
タスクマネージャーで無効にしても、iCloudが自動起動してしまう場合があります。
対処法1:タスクスケジューラーを確認
Windowsのタスクスケジューラーに登録されている可能性があります。
手順:
ステップ1:タスクスケジューラーを開く
- Windowsキー +
Rを押す taskschd.mscと入力して「OK」
ステップ2:iCloud関連のタスクを探す
左側の「タスクスケジューラライブラリ」を展開します。
iCloudに関連するタスクを探します(名前に「iCloud」が含まれるもの)。
ステップ3:タスクを無効化
見つけたタスクを右クリック → 「無効化」を選択します。
対処法2:サインアウト・サインインを試す
設定が正しく反映されない場合、一度サインアウトしてから再サインインすると解決することがあります。
手順:
ステップ1:iCloudアプリを開く
スタートメニューから「iCloud」を起動します。
ステップ2:サインアウト
「アカウントの詳細」または設定から「サインアウト」をクリックします。
確認画面で、「このPCからiCloudデータを削除」するか選択できます。
- データを残したい場合:チェックを外す
- クラウドにのみ保存したい場合:チェックを入れる
ステップ3:PCを再起動
パソコンを再起動します。
ステップ4:再サインイン
再起動後、iCloudアプリを開いて再度サインインします。
ステップ5:自動起動の設定を再確認
タスクマネージャーで、iCloudが再び「有効」になっていないか確認します。
なっていた場合は、もう一度「無効」に設定します。
対処法3:iCloudを再インストール
ソフトウェアの不具合が原因の場合、再インストールで解決することがあります。
手順:
ステップ1:iCloudをアンインストール
「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」(または「アプリと機能」)
iCloudを探して、「…」メニュー → 「アンインストール」
画面の指示に従ってアンインストールします。
ステップ2:PCを再起動
アンインストール後、パソコンを再起動します。
ステップ3:最新版をダウンロード
Appleの公式サイトから最新版のiCloud for Windowsをダウンロードします。
ステップ4:インストール
ダウンロードしたファイルを実行して、iCloudをインストールします。
ステップ5:サインイン後、自動起動を無効化
インストール後、Apple IDでサインインします。
その後、すぐにタスクマネージャーでスタートアップを「無効」に設定します。
【Mac】iCloudの自動起動を管理する方法

Macの場合、iCloudは基本的にシステムに組み込まれているため、完全に自動起動を停止することはできません。
ただし、起動時の動作やポップアップを制御することは可能です。
方法1:ログイン項目から削除
起動時に自動的に開くアプリを管理できます。
手順(macOS Ventura以降):
ステップ1:システム設定を開く
画面左上のAppleメニュー → 「システム設定」をクリック
ステップ2:一般 → ログイン項目
左側のメニューから「一般」を選択
「ログイン項目」タブをクリック
ステップ3:iCloud関連の項目を削除
「ログイン時に開く」リストで、iCloud関連の項目があれば選択して「-」ボタンで削除します。
手順(macOS Monterey以前):
ステップ1:システム環境設定を開く
Appleメニュー → 「システム環境設定」
ステップ2:ユーザとグループ
「ユーザとグループ」をクリック
ステップ3:ログイン項目タブ
上部の「ログイン項目」タブをクリック
ステップ4:削除
iCloud関連の項目を選択して「-」ボタンをクリック
方法2:iCloud通知を管理
iCloudからのポップアップ通知を制御します。
手順:
ステップ1:システム設定(環境設定)を開く
Appleメニュー → 「システム設定」(または「システム環境設定」)
ステップ2:通知
「通知」をクリック
ステップ3:iCloudの通知を調整
アプリケーションリストから「iCloud」を探します。
通知スタイルを「なし」に設定するか、必要な通知のみ有効にします。
方法3:iCloud機能を選択的にオフ
すべてのiCloud機能をオフにするのではなく、不要な機能だけをオフにする方法です。
手順:
ステップ1:システム設定を開く
Appleメニュー → 「システム設定」
ステップ2:Apple ID
自分の名前(Apple ID)をクリック
ステップ3:iCloud
「iCloud」を選択
ステップ4:不要な機能をオフ
使わない機能(iCloud Drive、iCloud写真など)のチェックを外します。
iCloudのポップアップが何度も表示される問題の解決方法
パソコンを使っていると、「iCloudを使い続けるには、パスワードを入力してください」というポップアップが何度も表示されることがあります。
原因
この問題が起こる主な原因は以下の通りです。
1. Apple IDのパスワードを変更した
最近パスワードを変更した場合、Windows側のiCloudアプリが追随できていない。
2. 2ファクタ認証の問題
2ファクタ認証の確認コードが正しく処理されていない。
3. iCloudアプリの不具合
ソフトウェアのバグや設定の破損。
4. セキュリティソフトとの競合
セキュリティソフトがiCloudの通信を妨げている。
解決方法1:正しいパスワードとコードを入力
まずは、正しい情報で再ログインを試みます。
手順:
ステップ1:ポップアップが表示されたら
Apple IDのパスワードを入力します。
ステップ2:2ファクタ認証
iPhoneやiPadに6桁の確認コードが表示されます。
確認コードを入力します。
ステップ3:確認
これで解決すれば、ポップアップは表示されなくなります。
解決方法2:サインアウト→再起動→サインイン
多くの場合、この方法で解決します。
手順:
ステップ1:iCloudからサインアウト
iCloudアプリを開く → 「アカウントの詳細」→ 「サインアウト」
重要:
「PCからiCloudデータを削除しますか?」と聞かれた場合、慎重に選択してください。
- データを残す場合:チェックを外す
- クラウドのみに保存する場合:チェックを入れる
ステップ2:PCを再起動
完全にシャットダウンして、再度起動します。
ステップ3:iCloudに再サインイン
iCloudアプリを開いて、Apple IDとパスワードでサインインします。
2ファクタ認証のコードを入力します。
ステップ4:確認
これで、ポップアップが表示されなくなることが多いです。
解決方法3:Apple Software Updateを実行
iCloudアプリを最新版に更新します。
手順:
ステップ1:Apple Software Updateを開く
スタートメニューから「Apple Software Update」を検索して起動します。
ステップ2:アップデートを確認
「アップデートを確認」をクリックします。
ステップ3:インストール
利用可能なアップデートがあれば、「インストール」をクリックします。
ステップ4:再起動
アップデート後、PCを再起動します。
解決方法4:iCloudを完全に再インストール
ソフトウェアが破損している場合、再インストールが必要です。
手順:
前述の「対処法3:iCloudを再インストール」を参照してください。
解決方法5:セキュリティソフトの除外設定
セキュリティソフトがiCloudをブロックしている可能性があります。
手順:
ステップ1:セキュリティソフトを開く
使用しているセキュリティソフト(Norton、McAfee、ウイルスバスターなど)を開きます。
ステップ2:除外設定を探す
「除外」「許可リスト」「ホワイトリスト」などの設定を探します。
ステップ3:iCloudを追加
以下のiCloud関連プログラムを除外リストに追加します。
- iCloud.exe
- iCloudDrive.exe
- iCloudPhotos.exe
- AppleMobileDeviceService.exe
通常の場所:C:\Program Files (x86)\Common Files\Apple\Internet Services\
解決方法6:古いApple IDが表示される場合
過去に使っていたApple IDのサインインを求められる場合があります。
手順:
ステップ1:iCloudを完全にアンインストール
「設定」→「アプリ」→ iCloudを削除
ステップ2:レジストリをクリーンアップ(上級者のみ)
注意:レジストリ編集は慎重に行ってください。
- Windowsキー +
R→regeditと入力 HKEY_CURRENT_USER\Software\Apple Computerを削除
推奨: レジストリクリーナーツールを使用するか、この手順はスキップしてください。
ステップ3:再起動
PCを再起動します。
ステップ4:最新版をインストール
Apple公式サイトから最新版のiCloudをダウンロードしてインストールします。
ステップ5:正しいApple IDでサインイン
現在使用しているApple IDでサインインします。
iCloudを完全に使わない場合の選択肢
選択肢1:iCloudからサインアウトしたまま
iCloudアプリはインストールしたままだが、サインインしない状態を保つ方法です。
メリット:
- 必要な時だけサインインできる
- 完全にアンインストールするよりは再開が簡単
デメリット:
- アプリがインストールされたまま(容量を占有)
選択肢2:iCloudを完全にアンインストール
iCloudアプリをPCから削除します。
メリット:
- ストレージ容量を節約
- 完全にiCloud関連の問題から解放される
デメリット:
- 再度使いたくなった時、再インストールが必要
- PC側でのiCloud同期が完全に停止
アンインストール方法:
Windows 11/10:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「iCloud」を探す
- 「…」メニュー → 「アンインストール」
- 画面の指示に従う
Windows 7/8:
- 「コントロールパネル」を開く
- 「プログラムと機能」または「プログラムのアンインストール」
- 「iCloud」を選択
- 「アンインストール」をクリック
よくある質問と回答
Q1:自動起動を停止すると、iPhoneのiCloudに影響はありますか?
ありません。
Windows PC側でiCloudの自動起動を停止しても、iPhoneやiPad側のiCloud機能は通常通り動作します。
Apple IDやiCloudアカウントそのものに影響はないので、安心してください。
Q2:自動起動を停止した後、手動でiCloudを起動する方法は?
簡単です。
スタートメニューから「iCloud」を検索して、アプリをクリックするだけです。
通常通りに同期や設定変更ができます。
Q3:タスクマネージャーで無効にしても、再起動すると有効に戻ってしまいます
これは、iCloudのアップデート後によく起こる現象です。
以下を試してください:
- iCloudを最新版にアップデート
- サインアウト→再起動→サインイン
- タスクスケジューラーを確認(前述の方法)
- 必要なら再インストール
Q4:複数のPCでiCloudを使っていますが、それぞれで設定が必要ですか?
はい、必要です。
自動起動の設定は、各PC個別の設定です。
複数のPCを使っている場合、それぞれのPCで設定する必要があります。
Q5:自動起動を停止しても、セキュリティに問題はありませんか?
問題ありません。
自動起動の有無は、データのセキュリティとは関係ありません。
iCloud上のデータは引き続き暗号化されて保護されます。
Q6:iCloudを再インストールすると、データは消えますか?
PC側のローカルデータは消える可能性がありますが、iCloud上のデータは安全です。
注意点:
- アンインストール時に「PCからデータを削除」を選ぶと、ローカルデータが消えます
- iCloud上(サーバー側)のデータは削除されません
- 再インストール後、再サインインすれば再同期されます
推奨:
再インストール前に、重要なファイルのバックアップを取っておくと安心です。
Q7:MacでiCloudを完全にオフにできますか?
完全にオフにはできませんが、ほとんどの機能を無効化できます。
手順:
- システム設定 → Apple ID → iCloud
- すべての機能のチェックを外す
ただし、App Store、Find My、iMessageなど、一部の機能はiCloudを必要とするため、完全には無効化できません。
まとめ
iCloudの自動起動を停止する方法について、詳しく解説しました。
この記事のポイントをおさらいしましょう:
Windows版iCloud:
- 最も簡単な方法
- タスクマネージャー → スタートアップ → iCloudを無効化
- それでもダメなら
- サインアウト → 再起動 → サインイン
- タスクスケジューラーを確認
- 再インストール
Mac版iCloud:
- ログイン項目から削除
- システム設定 → 一般 → ログイン項目
- 通知を管理
- システム設定 → 通知 → iCloud
- 不要な機能をオフ
- システム設定 → Apple ID → iCloud
ポップアップが何度も表示される場合:
- 正しいパスワードとコードを入力
- サインアウト → 再起動 → サインイン
- Apple Software Updateを実行
- セキュリティソフトの除外設定
- 再インストール
覚えておくべきこと:
- 自動起動を停止しても、iPhoneのiCloudには影響なし
- 手動でいつでもiCloudアプリを起動できる
- セキュリティに問題はない
- 各PCで個別に設定が必要
パソコンの起動をスムーズにして、必要な時だけiCloudを使えるようになりますよ。
もし友達や家族が同じ問題で困っていたら、ぜひこの記事を教えてあげてくださいね!

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